システム思考「フィードバック効果」を経営に取り入れる



ガーバーは、

「システム思考は起業家に必要な、数少ない能力のひとつである」

と常々言っていますが、このシステム思考の中に、「フィードバック効果」という概念があります。

そこで今日はこのフィードバック効果を経営に生かすヒントをご紹介したいと思います。

ここで言っているフィードバック効果とは、自分が起こした行動の結果の影響を知ること、そしてそれに基づいてまた行動を起こすことです。

システム思考に関する著書で有名なドネラ・H・メドウズ氏は、フィードバック効果について次のようなエピソードを記述しています。

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優れたフィードバックの効果は目を見張るほどです。

かつてオランダで新しく住宅開発が行われたことがありました。
そっくり同じ家々が建ち並んでいるのですが、電力メーターの設置場所だけが違っていました。

地下に設置された家もあれば、玄関に設置された家もありました。

電気使用量を比べてみると、メーターが簡単に目に見える家の方が、メーターが地下に設置されて、目に見えない家よりも、30パーセント少なかったのです。
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メーターが目に見える場所に設置してある家では、フィードバック効果が働き、電気代が抑えられたというお話です。

これを分解してみると、

自分が起こした行動の結果
→電気を使った

影響を知る
→電気代が上がった

影響に基づいて行動する
→電気代が上がらないように節電した

というような感じになります。

一方、メーターが見えない家では、電気代の請求が来るまで、いくら使っているのかがわからず、行動に変化が起きません。

結果として、両者の間には、電気代に30%の差が生まれたということです。

経営に置き換えれば、自分や社員が起こした行動の結果を可能な限り、リアルタイムで知れるほうが良い結果が生まれ続けるというわけです。

優れた会社では、このフィードバック効果が経営に上手く取り入れられています。

アメーバ経営の部門別採算制度などはまさにそれで、自分たちの行動の結果が毎月、数字となって出てきます。その数字を見ることで、行動が変わるということになります。

日次決算を取り入れている会社もありますが、それもフィードバック効果を使い、改善を続けるためと言えます。

財務面だけではありません。

私たちは7つ星経営プログラムの中で、EDMと呼んでいる上司・部下の定例ミーティングの実施を勧めていますが、これもフィードバック効果をうまく使うための方法の一つです。

社員と面談をするのは年に一回の評価の時だけ、という社長も結構いらっしゃるのですが、それではフィードバックが遅すぎま
す。



電気メーターの例で言えば、電気料金の請求書が来て初めて、”今月はこんなに使ったのか?”と驚くのと同じようなことです。

まとめると、フィードバック効果を使うためにすぐできることとして、

・自社にとっての重要な数字を知り、その推移をなるべくリアルタイムで知る仕組みを創ること
・社員の行動に対してなるべくリアルタイムでフィードバックを与える仕組みを創ること
・少なくとも週に一回はビジョンに対しての現在地を知り、行動計画を組み立てること

といったようなことが考えられると思います。

ぜひ取り組んでみてください。

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