前回の「自宅地下室での個人事業から抜け出し、売上を9倍にした仕組み作り」の続きをお届けします。
おさらいしておきますと、今回のレポートの主役は、ジェフ・シュナイダーという人物(以後、ジェフ)。
ジェフは、インターネットマーケティングを支援する会社を起業していました。といっても、自宅の地下室を仕事場にし、週80時間も働く個人事業に過ぎませんでした。
請求書を払うお金にも苦心し、結婚生活も破綻していました。
家族でさえ、もう会社を辞めたら?と言っている状態でした。
2012年12月、当時の収入の20%を仕組み化のためのコーチングに投資しました。
その結果、いまでは社員も増え、当時の9倍の売上、そして自宅の地下室ではなく、オフィスも構えています。
彼がどのようにして出口のない働き尽くめの自営業状態から、成功している経営者へと成長していったのか?
今回のレポートでは、ジェフと彼のコーチとの会話を通じて、その秘密をご紹介していきます。
以下から後半をどうぞご覧ください。
コーチ
では、あなたは上手くいくやり方を見つけたわけですね。そして、正しい商品ミックス(商品パッケージ)と理想的な顧客が誰かを見つけたと。
ジェフ
はい、住宅販売業界に特化して、結果は素晴らしいものになりました。あれはビジネスの重要な転換点でした。住宅販売業におけるデジタルマーケティングの暗号を解読したようなものです。
顧客に予算さえあれば、私たちは投資対効果を確実に出すことが出来ます。平均で2000%のリターンを出しているのです。ほかの分野でこれほどのリターンを得られることはないでしょう。
であれば、なぜ他の分野の顧客にもサービスを提供しているんだろう?と考え、対象となる顧客以外は断るようにしたのです。
コーチ
商品と顧客の焦点を絞ったということですね。いま提供している顧客体験はどのようにして仕組み化したのですか?
ジェフ
まずブランドコミットメントを作るところからはじめました。最初にブランドコミットメントを作ろうと思ったときは、フラストレーションが溜まりました。何を生み出したいかはわかっていたのですが、これだ!と思えるものが決まるまで行ったり来たりしました。
そして、私たちは基本的にひとつのニッチ市場に対して、レベルの違いはあるにしろ、ひとつのサービスしか提供していません。ですから、ブランドコミットメントを決めて、サービスを仕組み化するのはそれほど難しくありませんでした。
コーチ
差し支えなければ、ブランドコミットメントを教えてもらえますか?
ジェフ
はい。“クライアントとのすべてのやり取りにおいて、自分のビジネスの成功を本当に気にかけてくれている人たちであると感じてもらうこと。”です。
コーチ
なるほど。その通りに行動しているわけですね。その文章は全員のデスクに貼ってあるようですね。
ジェフ
はい、そうです。私たちは服装もカジュアルで、楽しさをクライアントに伝えることにしています。クライアントともジョークを言い合いますし、ミーティングの開始は握手ではなく、ハグから始まります。私たちは、顧客にWOWを届けることにフォーカスを当てており、それが他との違いにもなっています。
コーチ
世の中の大半の理念的なものはお飾りになってしまいますが、あなたのブランドコミットメントは、単に額に飾られたスローガンではなく、体現しているわけですね。あなたやあなたの会社のスタッフを見ても、それが本心から湧き出たものであることがわかります。
2週間前にあなたの会社に入社した人と話す機会がありましたが、彼女は、これまで働いてきた職場の中で最高の職場だと言っていました。あなたは顧客に対してだけではなく、社員に対しても、同じように対応する会社を創ったわけですね。
ジェフ
はい、それはいま私たちが上手くやっていけているとても大きな要因ですね。
コーチ
あなたは社員とのパーソナルなやり取りを重視していますね。
ジェフ
はい、そうですね。大半の会社ではパーソナルな関係づくりが非常に欠けていると思います。うちではヤマーという社内SNSを使っていて、そこでカジュアルなやり取りが頻繁にあります。
※ヤマー・・・マイクロソフトが提供している社内SNS
だからこそ、顧客ともカジュアルなやり取りが出来ます。そのようにコミュニケーションすることに慣れているからです。
誰かがチームに参加してきたときには、家族にようこそ、と伝えます。本当に家族のようなものなのです。
私の祖父は起業家でした。私も少しだけ、その会社にいたことがあるのですが、社員みんな、仕事に来ることを楽しみにしていて、残業があってもだれも文句を言いませんでした。やるべきことが あれば、何でもやる、という感じでした。私もそのような会社を創りたかったのです。
採用するときには、最初の面接でブランドコミットメントも見せて、彼らが文化に合うかどうかを判断するようにしています。スキルよりも会社に合うかどうかです。
コーチ
チームが増えるにしたがって、文化について考えてきたわけですね。このインタビューを聞いている人たちも、文化づくりをしている人は多いと思います。文化づくりは、みんながしなくてはならない、と思っているものの、具体的にどうしたらよいのかわかっていないものでもあると思います。あなたはどのようなアプローチをとったのですか?
ジェフ
そうですね。先ほど言った通り、祖父が会社をやっていたので、どんな環境を作りたいかがわかっていたことが大きいです。あとコーチともなんどもやり取りをしました。そして、どんな人を採用すれば良いのかを考えました。
あるとき、アシスタントを雇うことになったのですが、知人が女性を紹介してくれました。彼女となんどもお茶をして、話をしました。
彼女を採用する前に、ブランドコミットメントやビジョンやコアバリューについて伝えました。それらは私たちの会社の核となることであり、変更することはない、とも伝えました。そして仕組み化に取り組んでいることも共有しました。
事前にそれくらいの共有をしなければ、お互い時間の無駄になってしまうからです。
もちろん、彼女が人生で何に動機付けされるのか?何に情熱があるのか?こういったこともお互いに知り合いました。
私自身、2年前にはこういったことに対する答えは持っていませんでした。仕組み化に取り組み始めてから考えるようになったのです。
コーチ
彼女たまたまが会社の文化に最高に合う人だっただけではなく、そのような人を集め続ける仕組みを作ったことが大きいと思いますね。私たちは採用セミナーというのを推奨しています。
これは採用候補者を一同に会して、いまジェフがいったようなことを共有する場です。このセミナーをやることで、誰が興味を持っているか?誰が退屈しているか?誰が遅れてきたか?誰が質問をしたか?などなど、個別面談をする前に多くの情報が得られるので、時間を節約することが出来ます。
あなたは最初に思い描いていた理想を実現していますね。地下室で一人で働き詰めだった状態から、いまでは強いチームを創り上げました。ビジネスはオーナーの人格の反映である、と私たちはいつも言っています。そう考えると、あなたは自分が何者かを理解し、自分の分身ともいえるチームを創ったわけです。それは素晴らしい実績だと思います。
ジェフ
はい、波及効果のようなもので、ビジネス面だけではなく、個人面にも大きな影響がありました。あなたのおかげで、私のビジネスだけではなく、人生も変わりました。もし、コーチをつけるという決断をしなかったら、私はおそらく破産していました。あの決断は人生最高の物だったと思います。本当にありがとうございました。
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