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分業の罠 – ハックマンとオールダムの職務特性モデル「有意性」

今日のテーマは、

「分業のワナ」

です。

分業というのは、その名の通り、業務を複数人で分担して行うことです。

これは組織創りの基本中の基本であり、”組織創り=いかに分業するか?”と言い換えてもいいほどです。

「はじめの一歩を踏み出そう」の中では、組織図を作る話が出てきますが、まさにあれが分業です。

職人型ビジネスから抜けだしたかったら、ご自身の仕事を分解して、分業をうまく行えばいいのです。

この分業の仕方にはいくつかパターンがあります。

どのパターンで分業するかによって、組織図が変わり、組織全体の成果が決まってきます。

今日はそのパターンの詳細は置いておいて、どのパターンの分業においても守っておきたい原則をご紹介します

■話は遡り、第二次世界大戦中のこと。

空軍は地上に降り立つために、パラシュートを使っていました。

そのパラシュートを梱包し、バックパックの中に詰めるのは、女性の仕事でした。

これも一つの分業です。

”ミッションの成功”を目的として、

パラシュートを梱包する⇒パラシュートを使って地上に降り立つ

というように業務を分業していたわけです。

この時、ひとつ問題がありました。

それは、パラシュートが開かず、落下してしまう事故が頻繁に起こっていたことです。

パラシュートが開かないのは、梱包の仕方に誤りがあったことが原因です。

つまり女性側の作業に問題が多く起こっていたのです。

■そこで、この問題を解決するために何をしたか?

普通なら女性側の作業を厳しくチェックする体制を作りそうなものです。

しかし、この時行われたのは、パラシュートを梱包する女性たちと、それを使う兵隊を定期的に交流させ、仲良くさせたことです。

そうすると、開かないパラシュートの数が大幅に減少したそうです。

これは何を意味するのか?

それまで女性たちは、自分たちが梱包しているパラシュートが実際にどんなふうに使われているのかを知らなかったのです。

誰が使うのか、どれだけそれが重要なのか、こういったことを知らずに、ただ目の前にある梱包という仕事を行っているだけでした。

しかし、兵隊と交流することで、自分たちが梱包するパラシュートを使っているのが、若い兵隊であり、梱包に失敗すれば、その命が失われてしまうということを知ったのです。

これを仕事の”有意性”と言います。

自分の仕事がいかに重要であり、意味のあるものであるかを知ることで、仕事の成果やモチベーションが大きく変わるというわけです。

分業をすると、兵隊と交流する前の女性たちのように、自分たちの仕事に有意性を見出せなくなります。

その結果、生産性を上げるために分業したはずなのに、組織全体としてのパフォーマンスが落ちてしまうのです。

分業をする際には、この点に気をつけなくてはいけません。

■前回のメールで、新入社員がすぐに辞めてしまう、という話をしました。

彼らが辞めてしまう理由は、入社後に任される仕事に有意性を見出せないことにもあると思います。

日本企業の場合、新入社員に任される仕事はほぼ雑用です。

分業が上手くできてないので、単に上司がやり切れてない雑用を任されるだけなのです。

ちなみに私の場合、新卒で入った会社で一番最初に指示されたのは、上司の机に重ねてあった資料の整理でした。要するに雑用です。

当時は何も考えておらず、”へ~、こんな感じに資料作るんだ”という感じで、ほぼ遊びながらその雑用をやってました。

でも今だったら、なんの有意性も見いだせず、辞めてしまうかも知れません。

■というわけで、話を戻すと、

組織作りには、分業が欠かせません。

しかし、分業すると同時に、各仕事に有意性が見いだせるようにしなくてはいけません。

そのためには、パラシュートの例で出たように、自分の仕事が誰の、何に役に立つのか、を知る機会を提供することです。

具体的には、

1. エンドユーザーと交流する機会を増やす
2. 自分の仕事の前後(インプット/アウトプット)を担う担当者と交流する機会を増やす

の二つです。

2のほうはやっている会社が多いかも知れませんが、1をやっている会社は少ないです。

ぜひあなたの会社も、各仕事に有意性を提供できているか?という視点で見直してみてください。

では、本日は以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。