吉田松陰の松下村塾から人の育て方(人材育成)を学ぶ



本日のテーマは、

総理大臣を生んだ「人の育て方」

です。

あなたも吉田松陰の松下村塾は聞いたことがあると思います。

吉田松陰(wikipediaによる)

生年: 天保元年(1830)8月4日
没年: 安政6年(1859)10月27日

日本の武士、思想家、教育者。山鹿流兵学師範。一般的に明治維新の精神的指導者・理論者・倒幕論者として知られる。私塾「松下村塾」で、後の明治維新で重要な働きをする多くの若者に思想的影響を与えた。

若い方は意外とご存知ないかも知れません。

実は私も詳しく知りだしたのは4年くらい前です。

偶然のめぐりあわせで松下村塾へ

とある経営者の方と会食をしていた時、”吉田松陰を学んだらいいんじゃないですか?”と言われたのです。

当時、吉田松陰の名前は知っていましたが、どんな人物か詳しくは知りませんでした。その時も、”なるほど、ちょっと調べてみよう。”と軽く思った程度でした。

その翌日、親と旅行に行く予定になっていました。

親が全部手配していたので、私は西日本に行くことくらいしか詳しいことは知りませんでした。

そして朝、空港で親と待ち合わせをし、旅程表をみて驚きました。

山口県の萩(松下村塾があった場所)に行くツアーが組まれていたのです。

そして、実際に松下村塾の跡地を見学しました。

松下村塾は後継者育成の場

このような偶然の巡りあわせがあったおかげで、これは学ばないといけないと思い、関連するセミナーに行ったり、書籍を読んだりしてきました。

吉田松陰が有名なのは、なんといっても、松下村塾の卒業生がその後、実社会で大きな活躍をしているからです。

初代総理大臣、伊藤博文も門下生でした。

他にも歴史に名を残している人物がたくさんいます。

どうやってそんな人材を育てたのか?

経営者の方であれば気になるところだと思います。



吉田松陰は29歳で亡くなります。

恐らく自分の命はそんなに長くない、ということを予期していたのでしょうか。

松下村塾は、松陰の思想と行動を後継者に託す教育の場だったという人もいます。

そのために、自立した人材を育てるための教え方が為されていました。

育て方にはいろいろと工夫があったのだと思いますが、
私は一言でいうと、EDUCE(人の能力を引き出す)だったのかと思います。

EDUCEは、EDUCATION(教育)の語源となった言葉です。

日本の学校教育は、画一的、詰め込み暗記型ですが、元々、EDUCATIONとは、自分らしさを引き出すための物だったのです。

松下村塾での人材育成方法

それを実現するために、松下村塾では以下のような教え方がされたと言われています。

会読:グループで本を読んで討論する
討論:テーマに合わせた討論
対読:一対一の個人指導
対策:テーマに合わせた論文、添削
私業:読書をして塾生の前で評論し、批評を受ける
講釈:講義
順読:塾生による講義
看書:自習

特にメインだったのは、会読、討論、対読、対策、私業だったそうです。

どちらかというと、インプット主体ではなく、アウトプット主体です。

実は私たちが主催している勉強会や講座も、
松下村塾に倣って、”ご自身で考えていただく”ことを重視しています。

日本の学校教育は、ほとんどこれと正反対ですね。

企業研修であっても、いまだ画一的な教育を行っているところが多いように思えます。

他にも松下村塾の教え方には特徴があります。

・教師とは命令者ではなく、同行者。師弟共学、門弟ではなく、諸友であるという考え方。

・人によってアドバイスを変える。松崎武人には浪士を勧めたが、高杉晋作には勧めなかった。

・相労役。ともに作業に当たることによって、人の心が通い合うという考え方。

・飛耳長目。情報収集の大切さ。

・本は読んで記憶するものではなく、繰り返し読むことでその意義がわかる。

・人間の学。「学は人たる所以を学ぶなり」

などなど。

全ての会社は学校

マイケルE.ガーバーは、すべての会社は社員を生徒とした学校である、と常々言っています。



そう考えると、松下村塾の教え方は、そのまま会社での人材育成に使えます。

松下村塾の教え方を会社の中に当てはめてみるとどうなるでしょう。

会社の中では、いわゆるOJTとOff-JTがあります。

まずOff-JTでは、業務の全体像を知り(講釈)、自分の考え方を発達させたり(会読や討論)といったことがメインになるでしょう。

一方のOJTでは上司部下、または先輩後輩での個別指導(対読)がメインになると思います。

日本では”人こそが最大の資産”と言いつつも、人材育成の仕組みを持っていない会社が多数あります。

ぜひ自社の人材育成の仕組みを見直して、EDUCE(引き出す)が出来ているかを確かめてみてください。

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