アマゾンに学ぶ!イノベーションの生まれる組織構造とは

アマゾンに学ぶ!イノベーションの生まれる組織構造とは



周知の通り、アマゾンは現在世界で最も力のある会社の一つです。

通販ビジネスはもちろん、他にも多くのイノベーションを起こし、日々テクノロジーを通じて私たちの生活に影響を及ぼすサービスを提供しています。

そんなイノベーション創出には組織構造企業文化が強く関係しています。

そこで今回は、アマゾンの強さの秘密を組織モデルに着目して探っていきたいと思います。

是非最後までご覧ください!

▶Eブック「社長不在で成長する会社の創り方」

 

1. アマゾンの組織図と組織形態

アマゾンの組織図

アマゾンの組織図はオフィシャルに公開されていないので詳細にかけますが、ざっくりこんな感じです。

組織形態としては階層型で、巨大グローバル組織というだけあってかなり内部は複雑になっているようです。

トップにCEOのジェフ・ベゾス、その下にはSVP(シニア・バイス・プレジデント) 、VP(バイス・プレジデント)、子会社のCEOなどがいます。

その下は無数の小さなチームで構成されています。

 

2. アマゾンの企業文化とは

アマゾンでは、既存事業の成長と新事業の誕生の両立を企業文化が支えています。

アマゾンは、従業員30万人を超える言わずと知れた大企業です。

大企業と聞くと、よく”大企業病”と言われるような意思決定の遅さ、リスクを取らない、失敗を許容しない、といった傾向に陥るイメージがありますが、

アマゾンではスタートアップのように新しいことに次々チャレンジしていく文化が根付いています。

リーダーシッププリンシパル

アマゾンの文化を大きく支えているのが”社員全員がリーダー”という考え方です。

これによって社員一人一人が会社に大きく関わる自覚を持って行動することができます。

以下の14個がリーダーシッププリンシパルです。

Customer Obsession
顧客を起点に考え行動する。

 

Ownership
オーナーシップ。自分のチームだけでなく、会社全体のために行動し、「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしない。

 

Invent and Simplify
チームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、同時に常にシンプルな方法を模索する。

 

Are Right, A Lot
優れた判断力と、経験に裏打ちされた直感を備えています。 リーダーは多様な考え方を追求する。

 

Learn and Be Curious
常に学び、新たな可能性に好奇心を持つ。

 

Hire and Develop the Best
優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために積極的に活用する。

 

Insist on the Highest Standard
常に高い水準を追求することにこだわる。



 

Think Big
リーダーは大胆な方針と方向性を示す。

 

Bias for Action
多くの意思決定や行動はやり直すことができるため、大胆に行動する。

 

Frugality
より少ないリソースでより多くのことを実現する。

 

Earn Trust
注意深く耳を傾け、率直に話し、相手に対し敬意をもって接し、信頼を獲得する。

 

Dive Deep
常にすべての業務に気を配り、詳細な点についても把握する。

 

Have Backbone; Disagree and Commit
同意できない場合には敬意をもって異議を唱え、信念を持ち、容易にあきらめない。

 

Deliver Result
ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速に実行する。

(アマゾン採用ページより)

競合ではなく顧客に焦点を

テクノロジー関連の会社では、よく競合の動きに着目し、時代に遅れを取らないように行動しますが、

アマゾンでは競合ではなく顧客に焦点をあてることを重視しています。

そうすることで、顧客が本当に求めているサービスを生み出し、イノベーションを起こすことに繋がります。

例えば、アマゾンのKindleは実は顧客の声から生まれた製品です。

失敗への許容度

アマゾンでは失敗することを恐れない文化が強く根付いています。

失敗することで新しいものが生まれ、失敗を恐れていては何も生まれません。

CEOであるJeff Bezosは、以下のように語っています。

「私たちが他と一線を画す領域の一つは失敗だ。おそらくアマゾンは世界一失敗できる場所だと思う。

発明と失敗は紙一重で、イノベーションには実験が欠かせないけれど、うまくいくとわかっていることは実験とは言えない。

多くの大企業はたくさんの発明のアイデアを持っているけど、失敗が続く苦労を喜んで受け入れられていない。」

(出典:How Jeff Bezos Maintains Amazon’s Killer Company Culture)

2. アマゾンの組織の4つの特徴

アマゾンの組織の大きな特徴4つを紹介します。

①アイデアと実験

アマゾンでは、至る所で実験が行われています。

企業文化でも紹介したように、アマゾンは失敗への許容度が非常に高いため、アイデアを思いついたらすぐに実験を行うことができる環境が整っています。

新しいアイデアは絶え間なくCEOやエグゼクティブチームにプレゼンされ、プロジェクトとして推進するか決定され、実験的にスタートします。

②Two-Pizza Teams

新しいプロジェクトが実行されることが決まったら、プロジェクトチームが結成されます。

この時に、チームの大きさを制限するユニークなルールが“Two-Pizza Teams”です。



このルールは「ピザ2枚分のオーダーで足りる人数のチーム」という意味で、アマゾンではチームの人数は少ない方がいいと考えられています。

というのも、少ない方が会議に無駄な時間を費やして意思決定が遅くなることがなくなるためです。

イノベーションには素早いサイクルでアイデア→実験→改善を繰り返すことが重要なので、このユニークなルールは組織の大きな強みの一つと言えるでしょう。

③チームの独立性

プロジェクトチームに関してもう一つユニークなのが、その独立性の高さです。

チームは基本的に他のチームとの関わりや他のプロジェクトの情報なしで、そのプロジェクトだけに集中できるようになっています。

CEOのジェフは、チームを完全に独立させることによって以下の2つの利点があると語っています。

①彼らが他を気にせず必要なテクノロジーやリソースを好きなだけ利用できる。

②他プロジェクトのリソースを使おうとしないため、チームがよりクリエイティブになり、実現のためにアイデアを拡大させルコとができる。

④外部と連携しない

多くの大企業では、スタートアップと連携して新しいものを作っていこうとすることが多いのですが、アマゾンではあまり外部との連携プロジェクトを行いません。

というのも、アマゾンは内部の人材の起業家精神を養うことを重視しているためです。

これにより、会社が彼らの革新的なプロジェクトに信頼を置いていることを示すことができるので、社員のモチベーション向上につながります。

 

いかがだったでしょうか?

アマゾンの失敗を恐れないスタートアップ的な企業文化や小規模チーム戦略など、組織作りの参考になると幸いです。

なお、中小企業の組織図の作り方についてはこちらの記事で書いていますので、合わせてご参考にされてください。

▶中小企業の組織図の作り方を完全解説

 

>仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

人依存の経営スタイルから脱却し、仕組みで成長する会社するための「仕組み化ガイドブック」をプレゼント中。

CTR IMG