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「市場を支配するための12ステップ」2024年5月21日号



お世話になります。

一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。



さて、本日は同業他社の数十倍の売上を実現した保険代理店の事例をご紹介します。

マイク・ストランカは保険、特に年金保険を販売するリタイアメント・プランニング・サービスという会社の創業者。

1990年代に「はじめの一歩を踏み出そう」の書籍を読み、その通りに経営することで、同業者の数十倍~の売上(年間40億円~50億円)を記録することが出来ました。

いま彼は創業した会社を引退して、同業者向けにソフトウェアなどを販売したり、執筆・講演活動をしています。

今日は彼がどのようにして成功しえたのか、いくつかポイントをご紹介していきます。



■経営は理念(ビジョン)から逆算する

マイク氏は、次のように言っています。

”あなたの目標が売上5億円ならば、それを219日(年間の稼働時間)で割ること。

そうすれば、毎日、230万円くらいの新しい売上を立てないといけないことがわかる。お金の目標は一日分にまで分解することだ。

一日にどれだけ売上なくてはいけないのかがわかれば、何をすればよいのかがより分かりやすくなる。

休暇を取りながらも目標とする売上をあげるためには、ここがスタート地点となる。”

「本は初めから読むが、ビジネスの経営はそれとは逆である」というのは、私たちがいつも引用してご紹介している言葉です。保険代理店に限らず、経営は逆算が大事です。

将来のビジョンを明確にし、そこに至るために今何をすべきかを考えるわけです。

目標とする売上を立てるために、自分の時給をいくらに設定すべきか?

そして、それより低い金額で誰かにお願いできる仕事はお願いする。

このような社長の働き方改革はとても大事ですね。



■保険代理店の経営者としての出口は?

次に、

あなたは出口戦略を思い描きながらビジネスをするべきである。

あなたは生涯、いまのビジネスを続けるかもしれない。

しかし、仕組み化の考え方が素晴らしいのは、やりたくなければ続けなくてもいい、ということだ。続けたければ続ければいい。そういう状態を作れることが素晴らしいのである。”

と語っています。

これもいつもお伝えしていますが、自分の人生の出口戦略が大切です。

あなたにはビジネスからの出口戦略がありますか?

すべての経営者には今経営している会社を離れる時が来ます。

それは高齢による引退であったり、意図的な会社売却や承継、または急死や急病かもしれません。

いずれにしろこれも逆算で、自分の出口戦略を描き、その出口に向かうためのビジネスの計画を作ることが大切です。

これは仕組み化のために行うべき最も重要な最初のステップです。



■保険代理店の経営はたゆまぬ改善の連続

マイク氏は、仕組み化への取り組み方として、以下のような方法を採りました。

1.改善の余地のある分野を36個、優先順にリストする。

2.毎月3つの分野について集中して取り組む。


このステップを半年も続けると、リストの下のほうにある項目は、勝手に改善されて解決されているとのことです。

会社の経営はすべて「仕組み」で成り立っていますが、特に会社の繁栄に貢献する仕組みがあります。

それに重点的に取り組むことで、些細な問題はいつの間にか無くなっているということです。

あらゆる仕組みはまだ改善の余地があります。

世界クラスに成長する会社というのは、何十年にわたって、その仕組みを改善し続けてきた結果、今の地位にあるのです。

マイク・ストランカ氏も、実際にこのような改善を何年も続けてきたそうです。



■35%の時間は計画に

経営者の仕事は現場で働くことではなく、

会社が理念(ビジョン)に近づくように、会社の仕組みを設計することが仕事です。

マイク氏は、社長は35%の時間を計画づくりに使うことを勧めています。

もしあなたにとってそれが現実的でないならば、まずは10%の時間からはじめて、年に5%ずつアップさせていこうとも提案しています。

経営者は「起業家」「マネージャー」「職人」という3つの人格をバランスよくこなす必要があるからです。これは「はじめの一歩を踏み出そう」に書かれている基本的な概念です。

このうち、計画づくりは「マネージャー」の仕事なので、まずはその割合を35%にしましょう、ということになりますね。


■市場を支配するためのステップ

マイク氏は、自身の経験を踏まえて、市場を支配するために焦点を当てるべき12のステップを提示しています。

第一に、ビジネスのビジョン。クライアントのために何をするのかを明確にすること。単に売り上げを上げるとか、コミッションを稼ぐだけの仕事に時間を使わないこと。

第二に、どこの誰を顧客にするのかを明確にし、顧客にリーチするために5つのマーケティングの柱を構築すること

第三に、アポイントのプロセスをすべて文書化すること。

第四に、商品・サービスのデリバリープロセスをすべて文書化すること。

第五に、顧客と生涯付き合えるコミュニケーションの仕組みを創ること。

第六に、大きな一時的な売り上げと継続的な売り上げをミックスさせること

第七に、戦略的なパートナーシップ。これは多くの人が見逃している点である。優れたパートナーはプロフェッショナルであり、あなたを成長させてくれる。

第八に、ITを正しく活用すること。多くのプロフェッショナル業がいまだにウェブサイトも持っていないことに驚く。

第九に、会計と財務。特に現金の出入り。

第十に、責任の所在。正しいスキルを持った人を正しい責任につかせることだ。

第十一に、自己投資を継続的に行うこと。本を読むだけよりも、その著者と実際に知り合いになっているほうが良い。

第十二に、付随する収益源。言い換えれば、複数の収益源。

業種業態によって若干の差はありますが、保険代理店以外にも活用できるステップだと思います。

保険代理店を開業する人はもともとは営業マンであることが多いですが、開業した途端に営業マンではなく、経営者としての発想に変える必要があります。


それが出来ずに、経営の基本的なことを見逃している方が多いのも事実でしょう。


この12のステップは経営者がやるべき基本的なことをちゃんとやろう、ということだと思います。



■5年毎に仕事を変える


マイク氏は、


”もしあなたが成長していれば、5年後にはあなたは違う仕事をしている。”


と言っています。


逆に言えば、5年前と同じ仕事の仕方をしているようであれば、あなたの会社は成長できていない、ということになります。
仕事を変えるというのは、業界を変えたり、キャリアを変えたりする、ということではありません。


たとえば、現在現場で忙しく働いているのであれば、5年後にはマネージャー的な仕事に専念する。


いまマネージャー的仕事に時間を使っているのであれば、5年後にはマネージャーを誰かに任せて、起業家的な仕事に専念する。


などのことです。


このように、いま自分が行っているポジションを5年毎に人に任せていくということを意味しています。


マイク氏は、


”今のポジションから引き下がってみない限り、いまのスタッフたちがどんな才能を持っているのか、本当の意味で見極めることが出来ないものだ。”


と言っています。


人を育て、会社を持続成長させるためにもこの考え方が大切ですね。


■経営はすべて仕組み

マイク氏は、自分の人生を変えた言葉として、マイケルE.ガーバー氏の




「人は管理できない。仕組みは管理できる」


という言葉を挙げています。

社長は自分の会社、そして人材にに大きな投資をしているので、人を管理したくなる誘惑に駆られます。


しかし、仕組み依存の会社にするならば、人が「正しい」かどうかを気に掛ける必要はありません。


仕組みが正しいかを気に掛ければいいのです。


これは何も人が重要ではない、と言っているわけではありません。


仕組みで人を正すのではなく、人が成果を出しやすいように仕組みを正すのです。


以上、マイク・ストランカ氏の成功のポイントをご紹介しました。


保険代理店の方はもちろん、その他の業界の方もぜひご参考にされてください。


では本日は以上となります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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