渥美俊一「チェーンストアのマネジメント」」

多店舗化のバイブル?「チェーンストアのマネジメント」要約と感想



[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]本記事では多店舗化のバイブルともいえる「チェーンストアのマネジメント」について要約と私の感想をご紹介していきます。本書はそのタイトル通り、チェーンストア、チェーン店、多店舗化を目指す経営者やリーダー層に向けて、マネジメントとは何か?具体的に何をするのか?を指導した本です。[/word_balloon]

 

チェーンストアのマネジメント

「チェーンストアのマネジメント」は、チェーンストア経営を体系化した渥美俊一氏による書籍です。

なお、同氏が書いた「21世紀のチェーンストア」についても要約しています。この本も多店舗化を目指す経営者にとても役立ちますので、合わせてご覧ください。

渥美俊一「21世紀のチェーンストア」要旨と感想文

 

マネジメントと何か?

マネジメントとは、方法の変更と仕組み化。方法の変更とは、指示の変更と教育の追加。仕組み化とは良い習慣づけ。

仕組み≒良い習慣作りというのは、仕組み経営の中でもお伝えをしています。

社長としての本当の評価は、その人の退任後に測られると言われています。

本人が現役中に結果を出すのは当たり前。

むしろ、現役中にいかにして組織の中に仕組み=良い習慣作りをし、自分がいなくてもうまくいく組織にしたか?が重要だというわけです。

これは社長のみならず、少なくともマネージャークラスの人すべてに当てはまります。

チームや組織を自分に依存させるのではなく、自分が退任した後もちゃんと機能する状態にしておくのが本当のマネージャー、リーダーだと思います。

 

チェーンストア経営におけるマネジメントの出発点

マネジメントは言葉の統一が出発点

制度、概念、道具などなど、”それ”を何と呼ぶか?がマネジメントの出発点という話です。

それは当たり前だろ、と思うかも知れませんが、曖昧な定義の言葉で議論が進む会社や店舗によって道具の呼び名が違う会社は結構あります。

たとえば、”店舗がきれいな状態”というのがどのような状態か?

仕組み化され、成功している会社ではその定義が共有されていますが、仕組み化されていない会社では、その状態のイメージが各社員によってバラバラです。

バラバラであれば、社長が何度も何度も注意する必要があります。

”なんでそんなこと何度も言わないといけないんだ!”と怒る社長もいますが、言葉の統一をしていないことに原因があるのです。

言葉の統一は、マニュアル化するにあたっての必須事項でもあります。

 

キマリが実行されない理由

キマリがあっても社員に知らされておらず、実行されていないケースが多い。

これは非常によく見かけるケースですね。

一部の人たちだけでキマリが作られ、それが周知徹底されてない状態です。

あなたの会社でもそんなキマリがありませんか?



本書によれば、このような場合、

  • どんな方法で知らせてあるのか?
  • それは理解されたのか?
  • なぜ理解されないのか?

を確認しましょう、ということです。

さらに、なぜ理解されないのか?といえば、

  • 教える仕組みがない
  • 学ぶ時間が与えられていない
  • 理解していないまま放置されている

という理由があります。

ルールは作ったけど、機能してないな~と感じるのであれば、ぜひ上記の点を確認してみてください。

 

ミスが起こる原因とは?

ミスが起こる原因は、「必要な知識と経験を与えていない」「他の優先する職務でいっぱいだった」「実際に果たしても評価されない実情があった」

仕組み経営の大原則のひとつは、”ミスは人のせいにせず、仕組みで解決する”というものです。

ここで出てくるミスの原因は、

必要な知識と経験を与えていない・・・教育の仕組みの不在または不備

他の優先する職務でいっぱいだった・・・仕事の指示や分担の仕組みの不備

実際に果たしても評価されない実情があった・・・評価システムと仕事内容のアンマッチ

というように、仕組みの問題に置き換えることが出来ます。

”ミスは人のせいにせず、仕組みで解決する”という原則を守ることで、仕組み化も進みますし、良い社内文化も出来てきます。

 

指示を増やすなら作業を減らせ

新しく指示するときには、同時にいままでやっていた作業量を減らすことが交換条件。

渥美氏は、”指示は追加するのではなく、入れ替えること”と指導しています。

社長はいろんなアイデアが湧き、それを全部実現しようと社員に指示を出します。

しかし、社員はいまやっていることを何か減らさなくては新しいことが出来ません。

既存業務を減らすことなしに、新しいことをやろうとすると、先述のミスが起こる原因となります。

 

立て直しの原則

経営の手術は、修正や改善よりもゼロからの再出発構想。

ゼロからの再出発とは、創業の精神に立ち戻ることです。

  • そもそも自社はどんなアイデアで生まれたのか?
  • どこが顧客から支持されていたのか?
  • どんな世界を作りたかったのか?

何代も続く老舗企業は、危機に直面すると創業の精神に立ち戻って立て直すことがあります。

たとえば、羊羹の虎屋さんは、480年の歴史を持つ老舗ですが、「変えてはいけないものはない」という発想で、いまの時代でも新しいお店を生み出し続けています。

 

良いマニュアルの原則

良いマニュアルの3S。「スペシャリゼーション(差別化)」「シンプリケーション(単純化)」「スタンダーリゼーション(標準化)」

これはほぼ言葉そのままですが、解説を加えると、

スペシャリゼーション(差別化)・・・マニュアル化とは、単に作業を文書化することではなく、自社独自の方法を文書化することです。だからこそ、マニュアル化が他社との差別化になるのです。



シンプリケーション(単純化)・・・マニュアル化の手順として、仕事内容を文書化する前に、仕事自体を単純化したほうが良いです。そして、単純化した仕事をマニュアル化する。それによってマニュアルがシンプルになり、作るのも改善するのも楽になります。

スタンダーリゼーション(標準化)・・・マニュアルの作り方を標準化します。それなりの規模の会社の場合、複数の人がマニュアル作りに取り組むことになりますが、その作り方を最初に標準化したおかないと、あとで見た目がバラバラになったり、内容の深さがバラバラだったりと、編集が大変になります。

 

システムづくりとは?

システム作りとは、ひとりでに良くなってしまう仕組み=個人が特別な努力や配慮や留意、注意をしなくてもいつの間にか良好な結果が出るような慣習やしきたり。

この引用を読むと、仕組みとは社員を縛るものではなく、みんなが重要なことに意識を集中させ、生産性を高め、自分の力を最大限に発揮できるようにするためのもの、だということがわかると思います。

うちは人を大事にしているから、仕組みで動かしたくはない、という方もたまにいらっしゃいます。

しかし、成長していて人がイキイキと働いている会社をよく見てみると、人を活かす仕組みがたくさんあることに気が付きます。

マネジメントとは、人を通じて仕事を進化させるものではなく、仕事を通じて人を進化させるものである、と言った人がいますが、まさに仕組み化とはそのために取り組むものだと思います。

 

多店舗化、チェーンストア化なら仕組み経営へ

以上、本記事では「チェーンストアのマネジメント」について解説してきました。何か参考になる点を発見していただければ幸いです。私どもでは、本記事でご紹介したような内容に基づき、中小スモールビジネスを成長させる仕組みづくりをご支援しています。詳しくは以下からぜひご覧ください。

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