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マイケルE.ガーバーインタビュー記事「ウォルト・ディズニーが毎年やっていたこと」

本日は、ビジネスコーチであるマイケル・バートとマイケルE.ガーバーのインタビューをご紹介します。

このインタビューでは、

・起業家の夢が実現しない理由
・ガーバーがディズニーから学んだこと
・大半の人が働き続ける状態から抜け出せない理由

などをご紹介しています。

以下からぜひご覧ください。


バート
今日、インタビューを聞いている皆さんは、私の5年前の状態と同じかも知れません。

私は、得意な仕事をして生きていくため、会社経営のことを何も知らずに独立しました。

1日何時間働くことになるのか、資金調達や売り上げを上げることがどれほど難しいのか、顧客の要求がどれだけ厳しいのか、社員をどのように管理するのか、こういったことをまったく理解せずに、とりあえず飛び出しました。

同じように独立した人は、成功した人もいるでしょうし、不幸にもそうならなかった人もいるでしょう。中には、自分が作り出した仕事をこなすことで精一杯になったり、あきらめて元の組織に戻った人もいるかも知れません。

大半のスモールビジネスオーナーは、ビジネスを所有しているというよりも、ビジネスの中で働いています。そのため、終わりも目的地もない仕事を続けています。

独立当初に思い描いた夢は、悪夢に変わってしまっているかも知れません。

今日のゲストは、そんな何万ものスモールビジネスオーナーと接し、彼らのビジネスと人生を変えてきたマイケルE.ガーバーです。

ガーバーの考え方は、拡張可能なビジネスをつくり、かつそれをオーナーに依存しない方法で運営するということです。

さて、最初の質問なのですが、多くのスモールビジネスオーナーが夢を見て独立しますが、なぜ彼らの夢は頓挫し、単に仕事に追われる人生になってしまうのでしょうか?

ガーバー
あなたの言ったとおり、多くの人は生活のためだけに働いています。ビジネスを構築するというよりも、自分のために仕事を作り出しているだけです。

ビジネスとは、そのオーナーが信じているものを形にしたものです。

そして、それ自体が起業家にとっての商品になります。それは私たちよりも大きな存在であり、収入を得たり、生計を立てる、ということよりも、大きな意味を持っているものなのです。

ですので、まずは、ビジネスに対して持っている認識を変えることからはじめる必要があります。

マーチンルーサーキングが言った、「I have a Dream」という言葉を知っていると思います。それにしたがって、みんな自分には夢がある、と言います。

しかし、マーチンルーサーキングが言った夢と、大半の人が持っている夢には、根本的な違いがあります。

私はこれまで何万という経営者と話してきましたが、彼らが私に言う夢は、私が”パーソナルドリーム”と呼んでいるものです。

”あれがほしい、これをしたい、これを作りたい”

これらの夢はとても個人的なものであり、その人自身ためだけの夢です。

こういったパーソナルドリームは、偉大なビジネスを作るにあたっては、まったく的外れです。

本来、ビジネスとは、そういったパーソナルドリームではなく、意義ある夢、私たちの存在を超えた夢によって生まれます。

偉大な起業家だけがそのことを知っています。

パーソナルドリームでビジネスをはじめる人は、一生自分のために仕事を創り続けるだけです。なぜなら、彼らは自分自身のためだけに働いているからです。

偉大なビジネスは、それとはまったく異なる意図を持って創造されます。

言い換えれば、だからこそ偉大なビジネスへと成長するのです。

起業家が意義ある夢に基づいて会社をスタートさせるならば、それは経済環境をも一変させる力を持ます。

真の起業家が生み出すビジネスは、お金を生み出すだけではありません。人々の感情に触れ、魂に触れるものになります。

私たちのプログラム、ドリーミングルームで、最初に夢について教えているのは、それが理由です。

バート
あなたが教えているのは、さらにそこからビジネスを形にする方法ですね。

ガーバー
はい、夢はそれ単体では十分ではありません。

夢、ビジョン、ストーリー、システムが必要です。

起業家の仕事はそれらの要素を統合させることです。

私たちすべての人に、その能力が備わっています。ただし、眠っているのです。

これまでの人生で、親や先生、上司に、良い作業者になりなさい、良い仕事に就きなさい、こういったことを言われることで、創造性が眠ってしまっているだけです。

これも私たちのプログラムで教えていることですが、創造性をもう一度呼び覚ますには、白紙の心になる必要があります。子供の頃のように。

バート
あなたはビジネスの中で働き続けるのではなく、外側から働きかけるというコンセプトを世に広めました。

しかし、それが経営者にとってなかなか難しいのは何故でしょうか?

ガーバー
簡単に言えば、習慣です。ある食べ物に中毒になるように、その働き方、その生活、その考え方の中毒になっているからです。

その中毒から抜け出すことが必要ですし、可能です。

それができたとき、まったく新しいアイデアや視点が見えてきます。

もし、あなたが結婚していたり、恋人がいるならば思い出してください。

とても美人な奥さん、とてもハンサムな旦那さんと初めて出会ったときを思い出してみてください。

そのときは、誰しも、”新しさ”を感じることができます。

そのうち、時間がたつと、それは当たり前になり、習慣になります。

習慣になってしまうと、感動や新鮮さ、生き生きとした感情を忘れてしまいます。

私たち人間は、すべて創造するために生まれてきていますが、日々の仕事に慣れすぎてしまい、創造することを忘れてしまうのです。

だから彼らは、ビジネスの中で働き続ける、という状態になってしまうのです。

私が経営者に教えているのは、まず、いまいる場所で立ち止まることです。これは40年経営していようが、スタートしたばかりであろうが、関係ありません。

立ち止まる、というのは、文字通り今やっていることをいったん止める、ということです。

そして、さきほど言ったように、白紙の心に立ち戻るのです。

私の親戚で、マーチン・スクラーという人物がいます。彼は世界中のディズニーを設計している、ディズニー・イマジニア社の副社長だった人です。

白紙の心に立ち戻る、というのは、彼から教えてもらったことです。

彼はこう言っています。

”ウォルトは私たちに言いました。「ディズニーは毎年新しくなる。毎年だ。ディズニーは新しい機会を提供する。だから誰もディズニーランドをすべて知ることはできない」と。だから私たちはいつもディズニーを新しく発明しなおしているのです。”

考えてみてください。

私たちの人生をそのように考えることができたら。会社をそのように考えることができたら。

私たちのドリーミングルームでは、実際にそれをプロセスに則って行っていけるように設計しています。

創造することが起業家の役割であり、学歴や経験や知識の量は関係ないのです。

まとめると、ビジネスとは単に働き続け生計を立てることよりも大きな意味を持つものです。

まずはその認識を持つこと。次に立ち止まり、白紙の心に戻ることです。

そして、ディズニーが毎年、テーマパークを再創造しているように、あなたのビジネスと人生を再創造するのです。

バート
さて、会社を大きくしようとするとき、人を雇う必要があります。これは卵が先か、鶏が先か、のような話だと思います。お金を稼いでから人を雇うのか、人を雇ってお金を稼ぐのか?

会社を大きくしようとしている人に対してアドバイスはありますか?

ガーバー
そうですね。現実的なことを言うと、会社をスタートした直後は、ビジネスとはいえない状態です。私がプラクティスと呼んでいる状態です。

会社はすべてシステムで成り立っていますが、プラクティスの状態では、最初のシステム、顧客獲得システムとフルフィルメント(商品やサービスを届ける)システムを作る必要があります。

誰もがこの二つのシステムが必要ですが、うまく創れている会社は多くありません。ふたつのシステムが機能することによって、初めて、会社の中ではなく、外から働くことができます。

これら最初に必要となるシステムを作り、テストし、評価することができなければ、会社を成長させることができません。

そのステップが過ぎると、プラクティスからビジネスへと成長します。そして、ビジネスオーナーは、職人的な仕事からマネージャー的な仕事へと軸足を移すことになります。

このステージでは、マネジメントのシステムが必要になります。それらが機能すると、私がエンタープライズと呼ぶステージになります。

ここまで来ると、成長というものを実感できるようになります。

プラクティス、ビジネス、エンタープライズ、これが会社の3つの成長ステージです。

そして、成長ステージに応じて、フォーカスすべきシステムが異なってくるのです。

バート
なるほど、そのようにシステム的に仕事を捉えられていない会社はたくさんありますね。

あなたの本には、ワールドクラスの会社になるには、単に製品の機能が良いとか、価格が安いとか、そういったことだけではなく、人々の感情や感覚に訴えることが必要だと書いていますね。

私も多くのスモールビジネスを知っていますが、彼らの大半は、古ぼけた家具を使っていたり、ブランドイメージが古臭かったりします。

これらの感情や感覚が重要であるのはなぜでしょうか?

ガーバー
ワールドクラスの会社にとって、人々の感情や感覚に気を配ることは欠かせません。

これは私がプリファレンスと呼んでいるものですが、会社に関係する人たちを、感情的、視覚的、財務的、機能的に満たしてあげる必要があるのです。

ワールドクラスのブランドを見れば、実際にそれらがどう表現されているのかがわかるでしょう。 それは起業家が夢を描き、構想した結果なのです。

いまの時代、大半の会社がコモディティを売っています。コモディティとは、 どこでも手に入るような商品を指しています。

多少の機能や性能の違いはあれど、ほぼ似たような商品やサービスを売っている会社が多いということです。

その中で、卓越した存在になるためには、人々に与える感覚や感情に注目する必要があります。

バート
なるほど。

次に、私の知っている多くの起業家は、いつも新しいアイデアを思いつき、頭の中が混乱しているように見えるのですが、どう思いますか?

ガーバー
それはまさに起業熱に駆られた人の行動パターンですね。

優れた会社を作るには、たしかに最初に優れたアイデアが必要です。

ただ、考えてみてください。すでに仕事量に圧倒されている社員に、次から次へと新しいアイデアを投入してしまえば、混乱をきたすだけです。

だからあなたの会社では、ひとつのことにフォーカスするようにしてください。ふたつのことを同時に行うことも可能ではありますが、そうなればふたつともが非効率的になります。

偉大な会社、偉大なリーダー、CEOはひとつのことにフォーカスしています。

だからいつも自問しなくてはならない質問は、

“いまここですべきひとつのことは何か?”

です。

もし、そのひとつのことをこの地球上のすべての会社よりも上手くできたら、どのようなインパクトがあるかを想像してみてください。

その質問がいつも、あなたを原点に戻らせてくれます。

いつも新しいアイデアが浮かんできてしまう人は、一度会社から離れたほうが良いでしょう。

そして、それらのアイデアが自然と自己解決していくようにしましょう。心をリフレッシュして、ひとつのことへ戻るのです。

そのようにして、あなたがあなたの会社を超越する存在にならなければ、会社を変革させることができません。そして、そのための唯一の方法は、会社の中からではなく、外側から働きかけることなのです。

それは文字通り、会社を外側から捉えることです。これまで見えていなかったものが見えるようになります。

お勧めの方法は、会社から6ブロック離れた場所にスペースを借りることです。社員がいない空間、ホワイトボードしかない場所で、会社を外側から見つめなおすことです。

バート
なるほど。物理的に会社から離れることによって、外側から働きかけることができるようになるということですね。

今日はどうもありがとうございました。