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経営者の仕事を楽にする「時計仕掛け」とは?

本日は仕組み化に関連する洋書「ClockWork」の要約とレビューをご紹介します。

時計仕掛けの経営とは?

ClockWorkとは直訳すれば「時計仕掛け」ということになります。この本のコンセプトを簡単に言えば、経営を仕組み化し、時計のように自律的に経営していきましょう、ということです。仕組み経営のコンセプトとほぼ同じですね。

本の著者は、マイク・ミカロウィッツさん。この方は日本でも出版されている「プロフィット・ファースト」の著者でもあります。ちなみにこの「プロフィット・ファースト」の翻訳者は、元マイケルE.ガーバー氏の認定ファシリテーターでもある近藤学さんです。

▶近藤さんのインタビューはこちらから

 

経営者は仕事をするのではなく、会社/ビジネスを設計しよう

それでは早速本の内容に入っていきます。まずはこの本にどんな内容が書かれているかをご紹介していきます。本書では最初に、経営者の時間の使い方について視点を変えるようにと解説しています。

経営者は社員よりも長時間働いており、休暇を取っていません。経営者は体系的に仕事に取り組み、より効果的に優先順位を付け、好きなことをするためにより多くの時間を費やすべきです。あなたは成功するために他の誰よりも懸命に働き、苦しむ必要があると信じています。このアプローチはあなたを消費させ、前進するのを妨げます。目の前の仕事をするのを止め、ビジネスを設計することにより多くの時間を費やしてください。

目の前の仕事をすることと、ビジネスを設計することの違い。これは会社を仕組み化し、経営の仕事を楽にするために非常に大切な違いです。一方、慣れない方にはちょっとわかりにくい概念でもあります。仕組み経営では、

目の前の仕事をすることをWorking IN business(ビジネスの中で働く)

ビジネスを設計することをWorking ON business(ビジネスの外から働きかける)

と表現しています。詳しいことはこのブログの他の記事でも何度か紹介していますので、以下の記事などをご参照ください。

自分がいなくても上手くいく仕組みとは?【動画書き起こし 4/4】

“ダメな経営者”に足りない視点とは?知るだけで会社がグンと成長!②

 

自律的経営にする7つのステップ

では実際に時計仕掛けのように経営をするにはどうすればいいのでしょうか?本書ではそのための7つのステップについて紹介されています。

ステップ1:会社の時間を分析

ステップ1は会社の時間を分析することです。大事なのが、会社の、ということです。社長だけではなく、全社員と一緒にどんな仕事に時間を使っているのかを5日分記録してみましょう、と書いてあります。

ステップ2:会社の女王蜂の役割(QBR)を発見

ステップ2は、QBR(Queen Bee Role)を発見することです。これは新しい概念ですが、QBRとは、会社にとって最も重要な役割ということのようです。女王バチは、ハチの巣の中では中心的な存在です。女王バチがいなければ、巣が成り立たないため、最も重要な存在と言えます。それと同じように会社の中で、最も重要な役割を見つけましょう、というのがステップ2です。

QBRを見つけるためには、まず、ステップ1で分析した仕事のうち、各メンバーが6つの重要な仕事を特定します。次に、6つのタスクのうち、他の人でも出来る仕事を4つ選び、リストから外します。すると2つ残ります。その2つのうち、どちらが会社を成功させるために貢献する仕事でしょうか?それがあなたのQBRになります。本書によれば、会社の全メンバーがたった一つのQBRを見つけ、それを毎日の優先順位にするべきとのことです。

ステップ3:QBRを保護する

QBRに集中するために、可能な限り他の仕事に時間を使わないようにします。その他の仕事を止める、アウトソーシングする、または合理化するにはどうすればよいかを考えます。これを全社員が行います。

ステップ4:仕事を記録する

各仕事内容を記録します。要するにマニュアル化です。これは文書化、録画、録音でやります。本書では録画、録音を進めています。

ステップ5:チームのバランスを取る

チームを構築する際には、自分の強みと情熱を知り、補完的な特徴を持つ人材を雇うこと。QBRを把握し、人の強みに応じて適切な役割に人を合わせます。自分のクローンではなく、多様な人を選ぶこと。経験とスキルではなく、学習と仕事への意欲で選ぶこと。会社の使命と目的を頻繁に伝えます。

ステップ6:最良の顧客を知る

誰に何を提供するかを明確化するために、最良の顧客を特定します。自社のサービスや商品が誰に最も役に立つかを知ることが大切です。

ステップ7:ビジネスの状況を測定、監視する

ステップ7は経営者が余計な時間を割くことなくビジネスを運営するために重要な数字を測定、監視します。財務的な数字はもちろん、リードの数や新規顧客の数等々、複数の指標を設定し、監視します。

以上が7つのステップです。仕組み経営のメソッドに似ていますが、かなり簡素化されているイメージです。新しいのはQBRという概念でしょうか。社長だけではなく、全社員が優先事項を特定し、そこに集中することが大切ということですね。

上手く行き始めたら意図的に休暇を取ろう

会社があなた無しで運営できるかどうかを知るために、連絡が取れない状態にして休暇を取ります。

ステップ7まで行って、上手く機能し始めたら休暇を取りましょう、と書いてあります。これは単に休むために休暇をわけではなく、自分がいなくてもうまく回るかどうかをテストするための休暇です。もし4週間連絡なくても問題ないようであれば、”時計仕掛けのビジネス”が完成したことになります。もし何か問題があれば、その部分を調整します。それを繰り返せば時計仕掛けに近づいていきます。その状態になると、チームメンバーは自分たちの仕事に自信を取り組める状態になっているはずだ、とのことです。

まとめ:自分がいなくても上手く行くか?

以上、ごく簡単でしたが本書の内容をご紹介しました。これは”仕組み経営”をスタートさせた時と同様なのですが、自分がいなくても上手く行く仕組みを作る、というのは日本人経営者には非常に考えにくい、想像しにくいことだと思います。社長こそ最前線で働くべき、という価値観がしみ込んでいるからです。

”仕組み経営”の場合には、実際の仕組み化を進めていく前に、”なぜそのビジネスをするのか?”というストーリーを経営者の人生から深堀していきます。仕組み化するためには社員の協力が必須であり、そのストーリーがなければ決して協力は得られないからです。(本書にもその辺の話が少し書かれています)

仕組み化するのは経営者が楽をするためではなく、自社が提供している商品やサービスをより多くの人に届けるためです。そのために経営者や社員の仕事を楽にし、目の前の仕事に追われるのではなく、長期的な視点を持って仕事を出来るように設計するわけです。

結果として、経営者には様々な選択肢が生まれます。空いた時間で新規事業を立ち上げたり、誰かに承継する準備をしたり、またはM&Aをして新しい人生をスタートさせたり。

私がこの本の中で気に入ったフレーズはこちらです。

もしあなたが全世界にあるすべてのをお金を持っていたらどんな仕事をしますか?また、もしあなたが生計を立てるために仕事をしないといけないとしたら、どんな仕事をしますか?もし両方の答えが一緒であれば、それがあなたの運命です。

これは仕組み経営の考え方と似ています。自分がいなくても上手く行く仕組みを作って、自分がやりたかったことをやるのも良いでしょう。しかし、もっと良いのは、人生の目的と仕事を一致させることです。そのためにも人生の目的や計画からビジネスを設計することが大切だと思います。ぜひこの記事をご参照いただき、人生とビジネスを発展させてください。

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