保険代理店の経営で同業の数十倍を売り上げる大成功。



清水直樹
本記事では、保険代理店の経営を大成功させた海外事例をご紹介します。

 

今回ご紹介するのは、「EMythファインナンシャル・アドバイザー(未翻訳)」という本に書かれている内容の抜粋です。

この書籍は、中小企業経営者向けの書籍として世界的なベストセラーである「はじめの一歩を踏み出そう(E-Myth Revisited)」の業界特化版です。

今回のファイナンシャルアドバイザー向け以外にも、

たとえば、

  • 歯科医
  • カイロプラクター
  • 会計士
  • 造園業
  • 不動産ブローカー

などがあります。そのうち、他の書籍の内容もご紹介したいと思っています。

これら業界別の書籍は、「はじめの一歩を踏み出そう(E-Myth Revisited)」を読んで各業界で成果を収めた人たちと、マイケルE.ガーバー氏の共著となっています。

 

EMythファインナンシャル・アドバイザーの著者はマイク・ストランカという人です。

マイク・ストランカは保険、特に年金保険を販売するリタイアメント・プランニング・サービスという会社の創業者。

1990年代に「はじめの一歩を踏み出そう」の書籍を読み、その通りに経営することで、同業者の数十倍~の売上を記録することが出来ました。

いま彼は創業した会社を引退して、同業者向けにソフトウェアなどを販売したり、執筆・講演活動をしています。

その実績をもとに書かれたのが、「EMythファイナンシャル・アドバイザー」です。

今日はこの本の中から、私が重要だと思った点をピックアップしてご紹介させていただきます。

 

動画でも解説しています。

 

保険代理店の経営は理念(ビジョン)から逆算する

あなたの目標が売上5億円ならば、それを219日(年間の稼働時間)で割ること。そうすれば、毎日、230万円くらいの新しい売上を立てないといけないことがわかる。お金の目標は一日分にまで分解することだ。一日にどれだけ売上なくてはいけないのかがわかれば、何をすればよいのかがより分かりやすくなる。休暇を取りながらも目標とする売上をあげるためには、ここがスタート地点となる。

「本は初めから読むが、ビジネスの経営はそれとは逆である」というのは、私たちがいつも引用してご紹介している言葉です。保険代理店に限らず、経営は逆算が大事です。

将来のビジョンを明確にし、そこに至るために今何をすべきかを考えるわけです。

目標とする売上を立てるために、自分の時給をいくらに設定すべきか?
そして、それより低い金額で外注できる仕事は外注する。

このような社長の働き方改革はとても大事ですね。

 

保険代理店の経営者としての出口は?

あなたは出口戦略を思い描きながらビジネスをするべきである。あなたは生涯、いまのビジネスを続けるかもしれない。しかし、仕組み化の考え方が素晴らしいのは、やりたくなければ続けなくてもいい、ということだ。続けたければ続ければいい。そういう状態を作れることが素晴らしいのである。

これもいつもお伝えしていますが、自分の人生の出口戦略が大切です。あなたにはビジネスからの出口戦略がありますか?すべての経営者には今経営している会社を離れる時が来ます。それは高齢による引退であったり、意図的な会社売却や承継、または急死や急病かもしれません。

いずれにしろこれも逆算で、自分の出口戦略を描き、その出口に向かうためのビジネスの計画を作ることが大切です。

これは仕組み化のために行うべき最も重要な最初のステップです。

 

保険代理店の経営はたゆまぬ改善の連続

改善の余地のある分野を36個、優先順にリストしてみよう。そして毎月3つの分野について集中して取り組むようにしよう。半年もすれば、リストの下のほうにある項目は、勝手に改善されて解決されているだろう。私はこのようなパターンを自分の会社で何度も体験してきた。

会社の経営はすべて「仕組み」で成り立っていますが、それらの仕組みは一度作って終わりではありません。

マイケルE.ガーバー氏によれば、あらゆる仕組みはまだ改善の余地があります。



世界クラスに成長する会社というのは、何十年にわたって、その仕組みを改善し続けてきた結果、今の地位にあるのです。

マイク・ストランカ氏も、実際にこのような改善を何年も続けてきたそうです。

 

経営者の仕事は現場で働くことではない

平均的なCEOは35%の時間を計画づくりに使っている。(中略)もしあなたにとってそれが現実的でないならば、まずは10%の時間からはじめて、年に5%ずつアップさせていこう。

経営者の仕事は現場で働くことではありません。ビジネスが理念(ビジョン)に近づくように、会社の仕組みを設計することが仕事なのです。

とはいえ、まだ小さい会社やスタートしたばかりの会社では現場の仕事で忙しい、というのも事実です。

ここで重要な概念である「3つの人格と成長ステージ」の話をしておきましょう。

保険代理店経営者は、3つの人格を使い分けよう

あらゆる経営者は、その内に3つの人格を併せ持っています。職人、マネージャー、起業家です。

ここで重要なのは、3つの人格が存在することを認識し、事業の成長ステージによって使い分けることです。

そして、3つの成長ステージは次のとおりです。

 

成長ステージによって、以下のように経営者の仕事の割合を変えていかなければ、トラブルが起き続け、ジリ貧の経営になっていきます。

計画作りは、職人、マネージャー、起業家でいうところのマネージャーの仕事になります。

成長期の会社では、大体3つの人格の時間配分が1/3ずつとなりますので、35%を目指すのは妥当と言えますね。

 

保険代理店が市場を支配するためのステップ

市場を支配するために焦点を当てるべき12のステップ。
第一に、ビジネスのビジョン。クライアントのために何をするのかを明確にすること。単に売り上げを上げるとか、コミッションを稼ぐだけの仕事に時間を使わないこと。
第二に、どこの誰を顧客にするのかを明確にし、顧客にリーチするために5つのマーケティングの柱を構築すること
第三に、アポイントのプロセスをすべて文書化すること。
第四に、商品・サービスのデリバリープロセスをすべて文書化すること。
第五に、顧客と生涯付き合えるコミュニケーションの仕組みを創ること。
第六に、大きな一時的な売り上げと継続的な売り上げをミックスさせること
第七に、戦略的なパートナーシップ。これは多くの人が見逃している点である。優れたパートナーはプロフェッショナルであり、あなたを成長させてくれる。
第八に、ITを正しく活用すること。多くのプロフェッショナル業がいまだにウェブサイトも持っていないことに驚く。
第九に、会計と財務。特に現金の出入り。
第十に、責任の所在。正しいスキルを持った人を正しい責任につかせることだ。
第十一に、自己投資を継続的に行うこと。本を読むだけよりも、その著者と実際に知り合いになっているほうが良い。
第十二に、付随する収益源。言い換えれば、複数の収益源。

市場を支配する、というのは過激な言葉ですが、この12のステップは経営者がやるべき基本的なことをちゃんとやろう、ということだと思います。

保険代理店を開業する人はもともとは営業マンであることが多いですが、開業した途端に営業マンではなく、経営者としての発想に変える必要があります。それが出来ずに、経営の基本的なことを見逃している方が多いのも事実でしょう。

 

もしあなたが成長していれば、5年後にはあなたは違う仕事をしている。これは業界を変えたり、キャリアを変えたりする、という意味ではない。あなたがその市場において担う役割が変わるということだ。(中略)今のポジションから引き下がってみない限り、いまのスタッフたちがどんな才能を持っているのか、本当の意味で見極めることが出来ないものだ。

5年後にはあなたは違う仕事をしている、というのはわかりにくいかも知れませんが、たとえば、マイクのように、いまの会社の社長という立場から、同業者向けのサービスを始めたりとか、業界リーダーとして業界全体に影響力を持つようになるとか、そういったことを意味しています。

 

経営はすべて仕組み

マネジメントに関して、私の考え方を生涯にわたって変えたひと言は、「人は管理できない。仕組みは管理できる」というものである。(中略)あなたは自分の会社に大きな投資をしているので、人を管理したくなる誘惑に駆られるだろう。しかし、人が「正しい」かどうかを気に掛ける必要はない。仕組みが正しいかを気に掛けることだ。そうすれば、自然と合わない人は去っていくものだ。

先ほども言いましたが、経営はすべて仕組みです。これは何も人が重要ではない、と言っているわけではありません。人が仕組みを作り、仕組みが会社を動かすわけです。これに関しては以下のページで詳しく説明しています。

▶「企業は人なり」は幻想?

ここで言っている仕組みが正しければ、合わない人は自然と去っていく、というのは私も何回も体験していることなので納得できます。

採用した人が去ってしまうのは寂しいことではありますが、その分、本当に自社に合う正しい人が入社してくるようになります。



 

属人業務の仕組み化が成功のカギ

以上、EMythファイナンシャル・アドバイザーからの抜粋でした。

保険業界では属人的な仕事のやり方(営業のやり方など)が常識なので、それを仕組み化したことが彼が他社とぶっちぎりの差をつけて成功できた理由だと思います。

このサイト「仕組み経営」では保険代理店を含め、世界中のあらゆる業界で成果を出してきた経営の方法を使って、経営者をご支援しています。詳しくは以下からご覧ください。

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