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マイケルE.ガーバー氏共著「EMyth Landscape Contractor」の解説 造園業を仕組み化する方法その2

今日は前回の引き続き、マイケルE.ガーバー氏とトニー・ベース氏と共著「EMyth Landscape Contractor」から重要だと思える点をピックアップしてご紹介していきます。

前回見ていない方のために念のためにおさらいをしておくと、トニー氏は、もともと造園業者でしたが、マイケルE.ガーバー氏の書籍(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)のとおりに会社を運営し、41歳で会社を売却。その後、2つの会社を作って、同じ造園業者向けの支援事業を行っています。

今日は本の後半、人材について、見積もりについて、などをカバーします。

 

人材について

造園業では、人が入ってきては出ていくということを繰り返し、なかなか組織として成長できない課題を抱えています。

しかし、トニーの会社は”人材の仕組み”を構築することで、数百人の社員を抱えるまでに成長し、業界では突出した存在になっています。

以下、彼のエピソードから。

私は造園業で数百人の社員を雇う機会に恵まれたが、一人忘れられない男がいる。彼は採用のプロセスをくぐり抜けてきて、最終的に私との面談をすることになった。私は彼と会うと、彼の体型に目を向けざるを得なかった。彼は私と同じくらいの背丈だったが、体重が120キロはありそうだった。私はなぜこの仕事に応募してきたのかを聞いた。彼は言った。”私は体重を落としたいのです。仕事をしながら痩せなくてはならないのです”。ここで痩せられないと家族を支えることが出来ません。チャンスをください。

(中略)

私は懐疑的だったが、ひとまず彼を雇うことにした。体重以外は申し分がなかったからだ。その後、彼はとある支店に配属された。

(中略)

2か月後、私はその支店の会議に赴いた。見知らぬ社員がいたので、支店長に聞いた。”彼をいつ雇ったんだ?” 支店長は言った。”あなたが雇った、あの太った彼ですよ。20キロ痩せたんです”

私はこの経験から二つのことを学んだ。ひとつは、私たちの採用のプロセスは間違っていなかったこと。ふたつには、社員の個人的なゴールに関連する仕事を提供するのが大事だということだ。

人の採用ほど、”社長の勘と経験”が物を言わせている分野はないでしょう。会社がだんだん成長してくると人事担当者を雇うことになりますが、実際のところ、経験のある人事担当者であればあるほど、さらに”勘と経験”で判断するようになります。

かく言う私も、会社員時代に営業所長をしており、かなり大人数の採用をしていました。当時はもちろん、採用に仕組みが必要などという考えはなかったので、履歴書と第一印象くらいで判断していました。

会社の方針としては、とにかく雇え、ということだったのでほとんどの人を採用していたのですが、いま考えるとその後の離職率は相当なものだったと思います。

もちろん、人の問題はすべて科学的に解決できるわけではありません。

それでも、仕組みを洗練させていくことで、良い人を採用する可能性を高めていくことはできます。

 

見積もりについて

トニーは、大半の造園業者がお金に困っているのは、見積もりを行う正しい仕組みを持っていないからだと言います。

トニーは元々、作業員の時給と材料の仕入れコストだけで見積もりを計算していましたが、それだとどの案件が儲かっていて、どの案件が赤字なのかがわからない、ということで、見積もりを行う仕組みを作り上げました。

トニーは、”すべての仕事は異なり、すべての顧客は異なる。しかし、見積もりのプロセスは微調整だけで全案件に対応できるようにすべきである”と言っています。

さらに、見積もりは完全なる科学であると言い、どの機械がどれくらいのパフォーマンスなのか、すべての作業にかかるコストを文書化しています。

物販や比較的低単価のサービス業の場合、見積もりという概念自体がないかも知れません。

一方で、毎回異なる案件に対応するビジネスの場合、トニーが言うように見積もりが”勘と経験”の世界になっています。

たまに、見積もりこそ経験がものをいうので、これは誰にも譲れない、という社長もいらっしゃいます。

しかし、トニーも言うように、見積もりを科学的に行う方法を見つけない限り、職人型のビジネスから抜けだせないのです。

 

100,000ドル・チャレンジ

100,000ドル(約1000万円相当)・チャレンジとは、100,000ドルの案件のチャンスがやってきたら、あなたの会社はそれを成約できる準備が出来ているか?というもの。

100,000ドル・チャレンジは、いつでも起こる。それは一本の電話、一件のウェブサイトからの問い合わせ、一件の営業かも知れない。あなたには一年分の売上をたったの2分で達成できるチャンスがあるのである。あなたはその時のための準備が出来ているだろうか?最高の顧客を目の前にして、その他大勢の会社と差別化する提案をする準備が出来ているだろか?会社の成長は、社長の営業力を複製できないことで発生する。紙に書かれた提案のスクリプトがないおかげであなたの会社の成長は限界を迎えているのである。

起業家の世界では良く”エレベーター・ピッチ”という言葉が使われます。

これは、重要な顧客とエレベーターに乗り合わせた時、顧客がエレベーターから降りるまでの間に、あなたの商品やサービスを欲しいと思わせることが出来るかどうか(そのためのメッセージが決まっているか)?というもの。

エレベーターから降りるまではせいぜい数分です。その間に、他の造園業と何が違うのかを説明できるか?さらに社員も社長と同じように説明できるか?

あなたの会社ではどうでしょうか?

時間について

トニーは講演会やセミナーで良くこの話をするそうです。
仕事中にコンビニに立ち寄ると6分はかかる。同じように1時間に6分くらいの暇つぶしをしていれば、1日8時間勤務として48分は無駄な時間を使っていることになる。
時給1000円とすれば、1日約800円の無駄。社員が10人いれば1日約8000円の無駄。
これを年間に換算すれば、200万円くらいのコストになる。

これは何も仕事中に休むな、ということではなく、皆が時間のコスト意識を持っているかどうかが大切ということです。

社長は時給制ではないので、あまり時間のコストを考える社長はいないかも知れません。

しかし、これは仕組み化するにあたって、とても大切な考え方です。

社長の自由な時間を増やしたいなら、まずは大体でいいので自分の時給をいくらにするのかを設定し、それより安い金額で出来る仕事は外注するか、やらないと決めることが大切です。

たとえば、自分の時給を3000円と設定してしまったら、どんなに頑張っても、年間で600万円(3000円×1920時間)くらいにしかなりません。一方で、時給5万円に設定すれば、年間で1億円くらいになります。

つまり、年間で1億稼ぎたかったら、時給にして5万円以上の価値のある仕事に集中すべきということになります。

では、どんな価値のある仕事とは何なのか?

それを自問自答することが大切になります。

では本日は以上となります。
引き続きよろしくお願いいたします。