仕組み経営の導入はこちら

経営者必見!家族経営が従業員に嫌われる理由と不満の解消策

経営者必見!家族経営が従業員に嫌われる理由と不満の解消策

今回のテーマは、家族経営/同族経営と従業員です。

実は日本の97%の企業が家族経営/同族経営と言われる中、世間の家族経営の評判はとても良いものとは言えません。

その理由の一つに、非家族である従業員が家族経営に抱える不満が挙げられます。

では、家族経営の企業で働く非家族従業員はなぜ不満を抱えてしまうのでしょうか?

本記事では、家族経営が従業員に嫌われる理由を解説すると共に、従業員に愛される家族経営の事例を見ながらその対策を紹介します。

ぜひ最後までご覧ください!

まず同族経営とは何かを知りたい方は以下記事も参考にしてください↓

同族経営とは?メリット/デメリットや成功事例まとめ

家族経営が従業員に嫌われる理由

家族経営が非家族の従業員に嫌われるケースには、いくつかの共通点があります。

それらの共通点は、従業員と家族経営という関係だけの問題ではなく、会社経営全体に関わる問題なのです。

つまり、非家族従業員の不満の種は会社全体の問題を映し出す鏡であるということです。

家族経営は伝統が次の世代へそのまま受け継がれやすいため、小さな不満や綻びが世代を超えて大きな問題へと発展していき、倒産や重大な不祥事へと繋がっていきます。

そのため、早いうちに従業員が何に不満を感じているのか、その背景にある問題は何なのかを突き止め、早期解決に努めることが持続的な会社を創る上で非常に重要なのです。

従業員に嫌われる家族経営の共通点は以下の4つです。

①会社の私物化

ファミリーメンバーの公私混同や長期的なワンマン経営によって、会社が社員ではなく社長だけの意志で動いている場合などを指します。

このようなケースでは、非家族の従業員は創業一家への信頼を失うと共に、自分の会社での立場の弱さや裁量権の小ささを不満に感じることが多くなります。

②ガバナンスの欠如

ガバナンスとは、企業内の統治機能のことで、法令やルールを皆が守って経営がうまくいくようにする仕組みのことを指します。

ガバナンスが欠如している状態では、例えば

  • 取締役会が監督機能を果たしておらず、社長の誤った判断を是正できる人間がいない
  • ワンマン経営が当たり前になってしまう
  • 法令遵守意識が低い

といった問題が起こります。

こういった場合、従業員は会社に対する不信感や不正に対して意見できないフラストレーションを感じてしまいます。

③規律なき身内の関与

これは家族経営と非家族従業員の間で最も起こりやすい問題でしょう。

身内に対する偏った人事や甘い処分といった縁故びいきや、家族間の争いが経営に影響を及ぼす場合などを指します。

このようなケースでは、従業員は不公平さや家族間の争いから生まれる社内政治に疲れてしまいます。

④理念なき経営

これは非家族経営にも当てはまりそうですが、経営理念なし、あったとしても理念に沿わない経営をしてしまうことを指します。

一貫性のないポリシーや経営戦略によって従業員に混乱を招きます。

さらに、経営理念が会社に浸透していないことによって、従業員はどのような価値観で意思決定をして良いかわからなくなり、意思決定のスピード感の遅い組織体質が生まれてしまいます。

では、一方従業員に愛される家族経営にはどのような特徴があるのでしょうか?

従業員に愛される家族経営

従業員に愛される家族経営の事例として、アメリカのリージョナルスーパーマーケット「ウェグマンズ」を紹介します。

アメリカ東部に77店舗を持つスーパー「ウェグマンズ」は、2005年に「Fortune」誌の全米で働きた会社ランキングでMicrosoftやAppleを抑えてNO.1に輝きました。

ウェグマンズは消費者にも大人気で、アメリカの金融誌「Wall Street Journal」では” 米国だけでなく、世界で1番のスーパーマーケット”と評されているほどです。

そんなウェグマンズは1916年にジョン・ウェグマンズがNYで青果店を開いたところから始まり、現在の会長であるダニー・ウェグマンは3代目で、現在の社長は会長の娘であるコリーン・ウェグマンで4代目に当たります。

ウェグマンズでは従業員は家族のように大切にされており、実際に経営理念では、従業員と顧客に対して“Everyday You Get Our Best”(我が社は毎日最善を提供します)を掲げ、会社は従業員の夢を叶える手助けをするという意味が込められています。

人材育成ももちろんしっかりしており、従業員の教育や研修に奨学金を出し、例えばチーズ売り場の担当者をヨーロッパ研修に派遣するなどしているそうです。

また、業界の中では高額な給料や手厚い福利厚生を設け、従業員が満足して活き活きと働けるよう努めています。

このようなウェグマンズの経営理念や方針は「従業員はわたしの友人です」が口癖だった2代目のロバート・ウェグマン社長に始まり、現社長のコリーンまで引き継がれています。

世代を超えて経営理念が引き継がれやすいのは家族経営の特徴でもあるので、ウェグマンズのように一度良い理念を設け、しっかりと浸透させると、非家族企業よりもずっと長期的に継承されていきます。

さらに、3代目で現会長ののダニー・ウェグマンズは以下の5つの宣言を出しています。

  1. 当社は全ての人の幸せと成功に関心を寄せている。品質の良さは一つの生き方である。
  2. 当社は実施する全てにおいて卓越性を実施する。
  3. 当社は当社が所在する全ての地域社会に貢献する。
  4. 当社は従業員を尊重し、その声に耳を傾ける。
  5. 当社は従業員が自らの仕事を改善し、顧客や当社のためになる決断を下す権限を与える。

5つの宣言からもわかるように、ウェグマンズは家族・非家族関係なしに従業員全員を家族として考えることで、ファミリービジネスの強みを前面にひきだし、皆んなに愛され続ける企業となっています。

非家族従業員の不満解消策

さて、従業員に愛される家族経営の事例を紹介しました。

ウェグマンズの事例では、主に経営理念とその浸透によって従業員を家族の一員とみなすことで従業員に愛される企業となっていることがわかりました。

しかし、どうやったらそのような経営理念を浸透させることができるのでしょうか?

また、従業員の不満の種が他にある場合はどうしたら良いのでしょうか?

方法は様々ですが、今回は非家族従業員の不満を解消し、会社全体として安定的に成長していくために有効な3つ仕組みを紹介します。

①取締役会の機能化

家族企業においては、取締役会を正しく機能させるのは実は難しいことです。

というのも、ビジネスだけではなく家庭のヒエラルキーや事情が介入してしまう家族経営においては、社長に率直な意見を言える、厳しい現実を突きつけることができる役員があまりいないためです。

しかし、上記でも紹介したように取締役会なしでは会社のガバナンスが欠如してしまい、従業員の信頼を失うことに繋がります。

そこで、取締役会をしっかりと機能させるために社外取締役を設置することが有効です。

社外取締役というと大企業だけに当てはまる仕組みのように感じるかもしれませんが、経営の視野が狭くなりがちな家族経営人は外部の視点を取り入れることがとても重要です。

また、家族の事情に深く関わらない社外取締役は社長にも率直な意見を述べることができるため、ファミリーメンバーと社員だけで構成された取締役会よりも、より機能的で現実的な判断を下せる取締役会だ出来上がるでしょう。

ここで一つ重要なのが、社外取締役と家族と非家族社員の構成比をなるべく等しくすることです。

社外取締役の数が少なすぎたり、家族が多すぎたりすると、結局は家族の意見のみが尊重される風潮が出来てしまうため、平等な比率でガバナンスを保つようにすると良いでしょう。

②明確で透明性の高い身内の関与

上記で紹介したように、縁故びいきや親族内の争いといった規律のない身内の関与は従業員の不満を大きく増大させる要因となります。

この問題を解決する糸口となるのが、身内を関与させる明確で透明性の高いプロセス作りです。

例えば、社長の甥っ子がよその会社をクビになり就職に困っているからといって、適切な能力の判断もせず係長ポジションを与えてしまうのは、一般社員だったら納得がいきませんよね?

しかし、もしもそこにしっかりと明記された採用プロセスや査定があり、甥がそのプロセスをクリアした上でそのポジションに付いたとしたらどうでしょうか?

より納得感があるのではないでしょうか。

この時に大切なのが、そのプロセスをしっかりと書類に明記し、会社のルールとして家族および非家族社員に発表しておくことです。

また、このプロセスは従業員だけでなく家族や後継者に会社に関わることの責任の重さなどを教えることに繋がるでしょう。

▶後継者育成についてはこちらの記事もご参照ください。

 

③経営理念の策定と浸透

最後に紹介するのが、ウェグマンズの事例で紹介したような経営理念の策定と浸透です。

従業員の混乱を避け、理念に基づく一貫した経営を行うために経営理念やコアバリューを定めてしっかりと社内に浸透させましょう。

経営理念はウェグマンズのように従業員を大切にしようという内容である必要は全くありません。

創業者の思いや会社経営を通じて実現したいことを基に作っていきましょう。

※経営理念の作り方と浸透については以下の記事を参照⬇︎

真に持つべき経営理念とは何か?経営理念の作り方の心得

経営理念とは?経営理念を浸透させる7つの方法

そして、重要なのは従業員全員が理念を共有していることと、経営トップと家族が理念に沿った業務を行う手本となることです。

そうすることで、従業員の中で経営者や家族従業員への信頼や尊敬が増していくでしょう。

以上の3つの仕組みが従業員の不満を解消し、会社への信頼度を高める第一歩となります。

ただここで注意していただきたいのが、これらの仕組み作りを実践する前に、まずは従業員の声をしっかりと聞いて、何に不満を持っているのか、会社のどこに問題を感じるのかを調べることが最優先であることです。

原因がわからず闇雲に仕組みづくりをするのは効率的ではないので、問題の原因を探るところからスタートしましょう。

そして、もしかすると従業員は創業一家のメンバーに不満を言いづらいこと自体を問題に感じているかもしれないので、外部の人材を活用して特別調査委員会を構成することもいいかもしれません。

自社にとってどのやり方が一番いいのか、どんな仕組みが必要なのか、是非一度見直してみてください。

家族経営/同族経営についてもっと知りたい方は以下記事も参考に↓

ファミリービジネス 経営者必見!同族経営の課題と解決策とは?

同族経営はなぜ3代で潰れるのか?理由と回避策まとめ①

同族経営はなぜ3代で潰れるのか?理由と回避策まとめ②

【同族経営の成功事例】星野リゾート星野佳路の経営手法

 

▶Eブック「社長不在で成長する会社の創り方」

▶社長不在で成長する会社を個別支援で実現

▶仕組み経営プログラム一覧