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家族経営のオーナー必見!家族経営の課題と解決策とは?

今回のテーマは、家族経営/同族経営の課題とその解決法です。

一般的に家族経営というと、そのマイナス面が取り上げられることが多いのですが、実は日本の97%の企業が家族経営なのです。

その母数の多さから、騒動の起こる企業も必然的に同族経営となることが多いのです。

そんな家族経営の持つ特有の課題と、解決へのアプローチについて本記事では事例を用いて紹介していきます。

記事の内容は、ファミリービジネスアドバイザー協会の理事長である西川盛郎さんの著書「長く繁栄する同族企業の条件」の内容を基にしています。

是非最後までご覧ください!

家族経営の課題とは?

まずは家族経営の課題とは何かを紹介します。

過去25年間で不祥事を起こした家族経営の企業の事例をみてみると、実はいくつかの共通点があります。

それらをまとめてみると、家族経営の課題が大きく9つの項目に分けられるのです。

  1. 会社の私物化
  2. ガバナンスの欠如
  3. 継承問題への取り組み
  4. 規律なき身内の関与
  5. 人を育てていない
  6. 理念なき経営
  7. 時代の変化への不適応
  8. 短期主義
  9. 個人から組織化、システム化への切り替えに失敗

一つ一つ詳しくみていきましょう。

家族経営の課題①会社の私物化

これは一般的にみなさんが持っている家族経営の悪いイメージによく当てはまる項目です。

家族による長期に渡るワンマン体制や公私混同、世間のルールの無視や社長が会社経営を真剣に行わない、などといった例が挙げられます。

家族経営の課題②ガバナンスの欠如

ガバナンスとは、企業内の統治機能のことで、法令やルールを皆が守って経営がうまくいくようにする仕組みのことを指します。

家族経営の企業では、取締役会の監督機能不全や、トップの誤った判断やワンマン経営の弊害を正す人がいない、また法令遵守意識への欠如などが起こり得ります。

家族経営の課題③継承問題への取り組み

近年の少子化で特に増えているのが、この継承問題でしょう。

経営者が高齢化しても後継者がいない場合や、継承計画を後回しにした結果後継者を育てることができなくなってしまうといった後継者不足問題が後を経ちません。

また、継承問題に関しては他にも、創業者と後継者の価値観の違いや不適格者に継承してしまうといった課題が挙げられます。

▶後継者育成についてはこちらの記事もご参照ください。

 

家族経営の課題④規律なき身内の関与

これは、家族びいきのことを指します。

家族への偏った人事や甘い処置、非家族と家族間の不公平さ、親族間の争いが経営に影響を及ぼすといった課題です。

家族を優遇したい気持ちはわかりますが、それを繰り返すと非家族社員からの信頼や顧客からの信頼を失いかねません。

非家族従業員の不満問題については以下の記事をご参照ください。

経営者必見!家族経営が従業員に嫌われる理由と不満の解消策

家族経営の課題⑤人を育てていない

これは家族経営だけでなく如何なる組織にも当てはまりそうですが、人を育てる仕組みを持っていないという課題を指します。

具体的には経営者の指示がないと何も判断できない組織になってしまってスピード感が欠如することや、個人の意見が奨励されない文化などが挙げられます。

家族経営の課題⑥理念なき経営

その名の通り、経営/企業理念に基づいた経営が行われないという課題です。

社訓や理念がただのお飾りになり、組織内に浸透していない/日々の業務に活かされていないことや、思いつきで経営をすることでポリシーに一貫性がなくなってしまうことなどが挙げられます。

家族経営の課題⑦時代の変化への不適応

過去の成功体験や成功モデルから抜け出せず、市場ニーズの変化を見失ったり、従来のやり方に固執するばかりに時代についていけなくなったり、といった課題が当てはまります。

この課題を抱える企業には、過度のうぬぼれや自己満足が見られ、改革や革新を欠いた内向きな経営に陥る傾向にあります。

家族経営の課題⑧短期主義

短期主義とは、短期的利益の追求を急ぐあまり、将来の競争力を削いでいる状態を言います。

長期的成長のための投資が不十分であり、その結果、品質や信用を犠牲にし、社員に長期的計画やポリシーが理解されないこといん繋がります。

家族経営の課題⑨個人から組織化、システム化への切り替えに失敗

家族/家族から組織へのシフトがうまくできないことを指します。

具体的には、同族、取締役会、執行役員会のそれぞれの役割が不明確である、同族のいたずらな関与が見られる、執行役員がなばかりになる、指示待ち管理職が増えて自らの判断で行動できる組織になっていないといった課題が挙げられます。

家族経営の課題〜事例:西武鉄道

家族経営の課題をよく表している西武鉄道の事例を紹介します。

<会社概要>

社名:西武鉄道株式会社

設立年度:1912(明治45)年

資本金:21,665,232,000円

事業内容:鉄道事業、沿線観光事業、不動産事業

従業員数: 3,660人(2018年度末)

西武鉄道グループは、1912年に堤康次郎氏によって創業されました。

康次郎氏は「ピストル堤」の異名を持つほど強引なやり方で事業を大きくしていった伝説の実業家で、家庭では5人の女性との間に5男2女の子供を持つ艶福家でした。

そんな康次郎氏の後を継いだのが堤義明氏でした。

彼は1993年にビルゲイツを抑えて世界一の大富豪に選ばれ、その豪華絢爛な生活っぷりが非常に有名でもありました。

しかし、その12年後に西武鉄道株式会社に関する証券取引法違反の疑いで逮捕され、懲役2年6ヶ月、罰金500万円の罪が課されることとなりました。

これによって西武グループの堤家の資本関係は解消され、経営陣も第三者によって引き継がれる結果となったのです。

義明氏は父親同様ワンマン体制で多くの事業を成長させ、見事な経営手腕を見せていたのですが、このような不祥事が起こってしまった背景には、一族の利益だけを考えた利己的なやり方があったのです。

義明氏は「株の多数を買収されたり、乗っ取られないようにせねばならぬ」という父の教えにしたがって、西武鉄道の株式の一部を従業員の名義として実際の保有率を偽って有価証券報告書に記載することで大量の株式を保有しつつ、東京証券取引所の上場廃止基準に触れるのを防いだり、多額のインサイダー取引も行なっていました。

また、西武の流通グループを継いだ母違いの兄・堤清二氏も事業拡大に先走り2兆円もの負債を抱え、バブル崩壊後に経営破綻に陥りました。

この事例における西武鉄道の同族経営企業としての課題をまとめると、以下の8つに分類できます。

  1. 一族の利害だけを考えた行動
  2. 会社の私物化、法令遵守意識の欠如
  3. 長年のワンマン経営から管理職、社員が指示待ちの組織となった
  4. 納税意識の低さ
  5. 過去の成功体験から抜け出せない
  6. 従来のやり方への固執
  7. 改革・革新を怠る
  8. 同族、取締役会、執行役員会それぞれの役割が不明確でガバナンスが欠如

このような不祥事の後、西武鉄道にはみずほコーポレート銀行から経営改革委員が派遣され、社長に就任した後藤高志氏が中心となって改革が進められた。

まずは偏った資本関係を外部からの資本注入によって整理し、コンプライアンス体制の見直し・確立を目指して企業倫理委員会を開催、さらにコンプライアンスマニュアルも配布されるようになった。

こうして西武鉄道グループは堤家の騒動を乗り越え、組織の課題を一つ一つ解決する仕組みを作ることで現在まで順調に経営を続ける事ができているのです。

家族経営の課題の解決法

ここまで家族経営企業の課題を事例とともに紹介してきましたが、課題を解決するにはどのようにしたら良いのでしょうか?

一言で言えば、問題が起こらないようにする/すぐに解決できる仕組みづくりをする事です。

上記の西武鉄道の事例でも、トップのやり方・社会的に問題のある価値観を是正する仕組みを欠いていました。

人間は必ずミスを起こす生き物です。

しかし、きちんと設計された仕組みづくりを早いうちから行なっておけば、人のミスを減らし、カバーできる組織が出来上がっていきます。

それぞれの企業が抱える課題はそれぞれ異なるためこの仕組みを作っておけば間違いない!ということは言えませんが、現状の会社の状態を見直し、問題点を挙げ、それを解決する仕組みを同族だけでなく非同族社員も交えながら検討することで、より持続可能な組織を作っていく事ができるでしょう。

家族経営/同族経営についてもっと知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください↓

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