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家族経営の後継者問題とは?正しい事業継承計画まとめ

家族経営/同族経営の企業において、事業継承はとても最も大切なイベントの一つであり、最も悩ましい問題でもあります。

誰を後継者に指名するのか?どうやって後継者を育てるのか?いつ引退すべきなのか?

こういった悩みを抱える家族経営の社長は沢山います。

今回はそんな家族経営の後継者問題をテーマに、事業継承に関するよくある課題と正しい事業継承計画の作り方、ポイントを紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

家族経営の後継者問題とは

多くの家族経営の経営者が継承について悩んでいます。

というのも、会社が成長するにつれてステークホルダーの数が増え、ビジネスは複雑化しするため、現社長が事業を創業/継いだ時よりも後継者に求められるハードルが上がるためです。

また、事業継承は後継者を選んで社長が交代するだけという単純な話ではありません。

社長が代わればガバナンスの仕方や目指すビジョン、組織マネジメントも大きく変わり、大きな混乱を招く可能性があります。

なので、現社長は引き継ぐ前にビジネスが将来どのような方向に進んでいって欲しいのか、組織としてどんな変化が必要なのかといった会社の未来を関係各所と話し合いながらしっかりと継承計画を立てる必要があるのです。

家族経営における事業継承のよくある失敗をいくつか紹介します。

  • 遺言を書かずに死ぬ
  • 家族と会社の幹部に財産継承と事業継承の考えを秘密にしておく
  • 会社の株は子供に継がせると決めつけて、家族や役員と継承計画について全く話し合わない
  • 生命保険に入らない
  • 会社のコントロールを死ぬまで手放さない
  • 今までのマネジメント手法に固執して新しい戦略プランなどを認めない etc.

このような特徴を持つ家族企業では事業継承がうまくいかないことが多々あります。

承継に失敗しないためには、承継を一時的なイベントとして考えるのではなく、重要な会社経営のプロセスの一部としてしっかりとした事業継承プランを作ることがとても大切なのです。

家族経営の事業継承計画の作り方

家族経営の研究が進む海外では、事業継承計画は現社長が引退する10年前くらいから作り始めた方が良いとされています。

早すぎると思うかもしれませんが、ファミリービジネスにおいて継承するものは株や事業の資産といった財的な資本だけでなく、経営に使える個人の能力や経験といった人的な資本や、家族内の倫理観や価値観、家族外部とのネットワークといった社会関係的な資本も含まれるので、長期的な計画が必要となります。

事業継承計画には次の4つの準備を考える必要があります。

現経営者の準備

継承計画において一番大切なのが、社長が世代交代の必要性を認識し、いつ引退するかを明言できるかどうかです。

しかし、これが中々難しいのが現状です。

現社長の引退が遅れるばかりに継承がうまくいかずに終わった事例がいくつもあります。

会社の経営や家族の将来に関する不安が社長を引退から遠ざけ、継承計画を先延ばしにしてしまいます。

しかし、人間の機能は年と共に必ず衰えていくので、適切なタイミングを定めて後腐れなく引退する勇気と準備が必要不可欠になります。

後継者の準備

後継者の育成も継承計画には欠かせません。後継者はまずビジネスの基礎を学ぶために自分のキャリアプランを考えましょう。

後継者自身が必要な知識や経験を積めるようプランを立て、実行することで自己管理能力も身につきます。

キャリアプランのポイントは3つです。

  1. 売上・利益に直結するライン部門とコストセンターであるスタッフ部門の両方を体験すること
  2. 最初は現場を経験し、次にできる部下とできない部下の両方を含めて直属の部下を持つこと
  3. たとえ小さくても部署の損益の責任を持つこと

また、後継者の育成をスムーズに行うためにメンターを付けるのも良いでしょう。

メンターは経験のある非家族社員や社外取締役などがおすすめです。

後継者がビジネス基礎を習得したら、次に部長や子会社の社長などを通じてリーダーシップを育てましょう。

目標・目的の設定とチームビルディング・マネジメントを学び・経験することで経営者としての素質を身に付けることができます。

株主と家族の準備

世代交代には家族の支援が欠かせません。

そして、ファミリーミーティングなどで後継者の選定に関する家族の合意を取ることはとても重要です。

家族全員が認めた後継者である、という事実はその後のビジネスを円滑に勧める上で不可欠な要素です。

また、事業承継の頃には社長だけでなく株主にも世代交代の時期が訪れているでしょう。

ファミリーミーティングなどで家族全員で株の所有について話し合い、兄弟・いとこ集団など、どのような株の分配携帯を取るのかを予め決めておくことが必要です。

ビジネスの準備

継承前の社長の重要な仕事の一つは、自分がいなくても会社が成長していく仕組みを作ることです。

非家族経営においてはM&Aで会社を手放す際に大切なポイントになりますが、家族経営においては後継者の負担軽減や承継後の会社の混乱や従業員の不安の軽減に繋がります。

具体的には、社長の普段の業務をマニュアル化/システム化して社長自身が現場にいなくても会社が回る状態を作っていきます。

このプロセスを”経営の仕組み化”と言います。

※詳しい内容は以下の記事もご参照ください。

仕組み化で社長不在で成長する会社を実現

継承計画の重要なマインドセット

最後に家族経営の事業継承計画を作る時に、大切となるポイントを紹介します。

従来の伝統的な事業継承では、資産や経営権の移行といった側面に焦点を当てますが、これからは少し違った視点から継承を考えてみてください。

事業継承計画を“将来起こりうるどのような変化にも対応できるようなビジネスとファミリーを準備すること”と捉えてみてください。

この視点から計画を進めることで、承継もより自然な流れで、納得のいく形で完了できるようになるでしょう。

このような視点にシフトすると、事業継承に対してこれまで持っていた”WhoとHow”の疑問以外に、“What, Why, When”という新たな疑問が生まれてきます。

①What = ビジョン

成功している家族企業では共有している会社のビジョンが大変明確です。

明確なビジョンがあることで、自然と家族全員が同じビジョンを実現するために意思決定を行うようなり、継承計画もよりスムーズに進んでいきます。

  • 将来の会社に望むものは何か
  • 会社で働く子供達に望むことは何か
  • 株主に望むことは何か
  • 株主は健全な家族にとってどのような意味を持つのか

こういった質問の答えを考えることでビジョンはどんどん明確になっていき、同時に継承によって実現したい目標も明らかになってきます。

※ビジョンについて更に気になる方は以下もどうぞ

ビジョンとは?

ミッション、ビジョン、バリュー(理念)を決める – 仕組み化のステップ7

②Why =バリュー(価値観)

家族経営が成功する理由の一つに、家族で共有している力強いバリューがあります。

起業家は自身のバリューに基づいてビジネスを作り、後継者はそのバリューを引き継いでいきます。

そして”Why”と尋ねる質問の答えを考えることは、ビジネスに関する意思決定をする際の判断軸となるバリューを明らかにします。

  • なぜうちの会社では従業員や顧客への対応を今のようにしているのか?
  • なぜ世代交代したいのか?
  • なぜ家族同士の繋がりが大切なのか?
  • なぜ我々は資産の味方を今のようにしているのか? etc.

こういった”Why”は家族の価値観/バリューを定義し、承継計画プロセスをより明確な議論へ導いてくれます。

③When = タイムライン

これは最も難しい質問ですが、いつ事業を引き継ぐのが良いのか?という質問です。

家族と深い議論なしに継承時期を決めようとすることや「準備ができたら/もういいと感じたら引退する」といった曖昧な答えは家族にプレッシャーを与え、継承計画作りと実行を満足に行えないことに繋がります。

正しいタイミングを見定めるのは難しいことですが、一度ぜひじっくりと考えてみてください。

一度時期を決めると、そこから逆算してやらなくてはならないことのスケジュールを効率よく立てることもできますし、迅速に実行するエネルギーにも変わります。

もちろん定めた時期は絶対ではないですし、変更しなければならないこともあるでしょうが、継承までのロードマップを作るのにとても役立つことでしょう。

 

では、今回は以上になります。

 

▶後継者育成についてはこちらの記事もご参照ください。