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同族経営はなぜ3代で潰れるのか?理由と回避策まとめ②

同族経営はなぜ3代で潰れるのか?理由と回避策まとめ①」の続きです。

最近、武井一喜氏の著作「同族経営はなぜ3代でつぶれるのか?」を読んだので、本から学んだ同族経営/ファミリービジネスに関する知識を共有したいと思います。

著者の武井氏は自身が寝具製造を行う同族企業を4代目として父から継ぎましたが、彼が会社を継承してから1年もせずに会社は潰れてしまいました。

彼はその経験から同族経営/ファミリービジネスについてアメリカで学び、ファミリービジネス専門のコンサルタントとして多くの同族企業にアドバイジングを行ってきました。

本記事では、本の内容を基に同族経営が3代で潰れる理由と、倒産を回避して同族企業を長続きさせるためにはどのようにすべきなのかを紹介していきます。

もちろん本にはより多くの情報が詳しく載っているため、読むことをおすすめしますが、今回はその中から一部を拾って解説することとします。

ぜひ最後までご覧ください!

同族経営の成功の秘訣①

このような三円モデルの中で、成功の秘訣となるのが、それぞれの境界線のマネジメントです。

三円モデルのうち、ビジネスの円は成果、つまり利益が大切な世界です。

一方、ファミリーの円では平等愛情親孝行などが重要となります。

両者は相反する価値観で形成されていますが、互いに重なり合っています。

そのため、この重なりをどうコントロールするかによって同族経営全体の強みとも、弱みともなるのです。

これを本の中で武田氏は”境界線のマネジメント”と呼んでいます。

成功する同族企業の経営者や同族メンバーはこのファミリーとビジネスの境界線を上手に扱い、ファミリーの問題はファミリーの価値観で解決し、ビジネスの問題はビジネスの価値観で解決する。

と言う様に、ビジネスとファミリーの帽子をうまくかぶり分けているのです。

2つの帽子を同時にかぶったり、間違った方の帽子をかぶると同族企業の弱みが出やすくなってしまいます。

しかしここで注意しなくてはいけないのが、ファミリーとビジネスを全く別物と考えて、非同族企業と同じ経営スタイルを同族企業に持ち込んでしまうのも間違いであるということです。

米国の同族経営に関する研究でもこのことがしっかりと指摘されています。

強い同族経営は、社員を家族の様に扱い、育てるとい文化を持っていますし、それを支えるオーナーファミリーは、ビジネスを発展させ、継続させようと言う強い意思を持っています。

かといって、両者を完全に混同してしまうのではなく、両者の良い面をバランスよく取り入れながらファミリーとビジネスの境界線のマネジメントを行なっていくのが良いでしょう。

同族経営の成功の秘訣②

境界線のマネジメントの他に、同族経営の成功んい欠かせないのが、冒頭にも述べた健全なファミリーを育てることです。

健全なファミリーの育成には多くの要素が関わってきますが、第一歩としてやるべきは、自分自身とファミリーメンバーのコミュニケーション能力を高めることです。

というのも、一般のビジネスに要求されるコミュニケーション能力よりも同族経営に要求されるコミュニケーション能力の方がレベルが高いからです。

同族経営においては非同族経営に比べて、コミュニケーションを取る相手の数、そして利害関係を調整する相手の数が増えます。また、世代を重ねるごとにその数はどんどん増えていきます。

故に、個人の意思を尊重しながら集団としての意思決定ができる様な能力を高める努力をする必要があるのです。

また、ファミリー内でのコミュニケーションとは色々な意味で外部とのコミュニケーションよりも難しくなります。

その理由は、ファミリー内では議論となっている直接の話題だけでなく、家族の一員として持っている前提や過去の経験、序列、満たされない期待感などが会話に付きまとい、問題解決の邪魔をするからです。

こういったファミリー内特有のコミュニケーション不全は、問題を解決から遠のき、いずれ蓄積された問題や争いが取り返しのつかない結果となって経営に露呈してきます。

これを防ぐには、コミュニケーション能力を向上させ、ファミリー内のコミュニケーションを健全に保つことがとても大切なのです。

コミュニケーション能力を高めるには?

ファミリーのコミュニケーション能力を高めるために、本の中では「ファミリー力アップの4段階法」が紹介されていました。

メンバー1人の能力だけでなく、ファミリー全体としての能力(ファミリー力)を高める方法です。

まず、ファミリー力は困難を乗り越え、チャンスを掴む集団としての技術「関係のスキル」と、家族が持つ文化やモラルといった共通の概念である「関係のモード」の2つの要素で成り立ちます。

この2つの要素は互いに関連し、スキルが高まるとモードも肯定的なものになり、モードが肯定的なものになるとスキルも高まります。

関係のスキルアップには、以下の5つの分野の能力を高めることが求められます。

  1. 相互理解能力:いかにうまく話し、聴き、理解できるか
  2. 受容力:意見や考えの違いを受け止める能力
  3. 対立解消力:対立を早いうちにん解決する能力
  4. 計画力:将来に対しての方針・計画を立て、実行する能力
  5. 組織力:ファミリーや他の人との関係に積極的に参加しながら、価値観や自信を肯定的に保つ能力/チームワーク力

これら5つの項目で高いか低いかを評価してみましょう。

一方関係のモードに関しては、家族に対して悲観的な先入観を持って、期待しない・信頼しないという関係を持っている場合はモードが否定的になってしまい、経営にいい結果も現れません。

成功している同族企業では、関係のモードが肯定的で相互の期待と信頼感が高く、生産的な関係が築かれています。

関係のモードは以下の5つの観点で計ることができます。

  1. 相互信頼度:ファミリーメンバー間の信頼度が高いか低いか
  2. 自信度:自分達に自信を持ち、ファミリーの関係に楽観的か悲観的か
  3. 敬意:互いに敬意を持っているのか、軽蔑し合っているのか
  4. 情報・心情の共有:情報や心情をオープンに共有しているか、それとも秘密が多いのか
  5. 幸福感:満足感や幸福感を持っているのか、それとも互いに奪い合い、不足感があるのか

これら5つの観点に置いて、肯定的/否定的で評価してみてください。

以上の2つの要素を組み合わせて表にすると、「ファミリー力アップの4段階法」でファミリーを評価することができるようになります。

4段階のファミリー力

第4段階にあるファミリーは幸福度が高く、多くの時間や労力を喜んでビジネスのために費やします。

このような同族企業では非同族社員の創業一家に対する信頼や尊敬も厚くなる傾向にあります。

逆に、第1段階にある同族企業ではファミリーへの満足度は薄く、関係維持のための時間・労力・経済的コストがかかり、ファミリー間の不信感が非ファミリー社員を混乱させます。

しかし、しっかりと意志を持って改善に取り組めば必ず上の段階へ上がり、より良い会社を作っていくことができるでしょう。

まずは関係のスキルと関係のモードを評価し、自分のファミリーがどの段階にいるのかを把握することから始めましょう。

本には、評価するためのより詳しい質問表などが掲載されていたので参考にすることをお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか?

2記事に渡って、同族経営はなぜ3代で潰れるのか、そしてその回避法2つを紹介しました。

同族経営はその特異な構造からファミリーの問題が会社経営に影響を及ぼすこと、構造の強みを引き出すにはそれぞれの境界線のマネジメントが必要なこと、そして核となるファミリーを健全に保つにはコミュニケーション能力を高めることが大切であることがわかりました。

実際の書籍にはもっと多くの同族経営成功の方法が書かれています。

もっと知りたい方は是非読んでみてください!

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