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スモールビジネスからビッグビジネスへ成長した秘訣とは?【KEAP社共同創業者インタビュー】

清水直樹
清水直樹
本日は急成長中のCRMソフトウェア、KEAP社の共同創業者のインタビュー記事をご紹介します。

KEAP社は、メルマガ等でも何度かご紹介していますが、全経営陣がガーバーのドリーミングルームを受講後、5年で年商12倍、業界でトップの地位に上り詰めました。いまでは、世界中のスモールビジネスが彼らのシステムを使っており、スモールビジネスとはいえない規模に成長した会社、たとえば、ザッポスのような名だたる会社がクライアントとして名を連ねています。

また、その将来性を買われ、ゴールドマンサックスが彼らに54億円もの投資を決めました。彼らのオフィスはアリゾナ州にあり、広大な建物の中に、ガーバー流の経営を反映した工夫が随所に見られます。

KEAP社の社内

 

以下、共同創業者のScott Martineau氏(以下、スコット)のインタビューをご紹介します。このインタビューには彼らがどのような経緯で成長してきたか、どんな困難があったかなどを話してくれています。

※文中、Infusionsoftという旧社名が使われていますので、ご容赦ください。

 

最初はスモールビジネスとしてスタートした

Infusionsoftと他のCRM/マーケティング用ソフトとの違いは何ですか?

スコット:他にも素晴らしいソフトウェアはありますが、我々はスモールビジネスに特化しています。中堅企業では、ITを担当する社員がいて、彼らがソフトウェアの管理をしています。

一方、我々の顧客であるスモールビジネスにはそういった人員がいません。そこで、我々は技術に詳しくないスモールビジネスのオーナーが僅かな調整や操作で簡単にマーケティングをスタートできるようにしているのです。

また、もうひとつの違いとして、我々はライフサイクル・マーケティングという概念を提唱しています。これは我々がオリジナルで開発した概念ではありませんが、我々のソフトウェアを使うことで、それが実現できるようになっています。

ライフサイクル・マーケティングとは、新規のリード(見込み顧客)のコンタクト情報を獲得し、フォローし、購入へつなげ、さらにリピートや紹介までを含めた一連の流れを指しています。Infusionsoftでは、その流れを一貫して実現できるようになっています。

 

素晴らしいですね。ところで、あなた方が創業した時、どのようにして顧客を獲得したのでしょうか?

スコット:創業数年間は、暗い日が続きました。我々は外部から資金調達をしなかったので、財務的に厳しかったのです。最初の4-5か月間は収益がゼロでした。創業当時は、いまのようなパッケージされたソフトウェアではなく、顧客ごとにソフトウェアを開発する仕事をしていました。こういった仕事は最悪でした。常に値下げを要求され、倍働いても受け取る支払いはわずかなものです。

とある金曜日の午後、会社の電話が鳴りました。その電話をクレート(共同創業者であり、現CEO)が取ったのです。電話の向こうから「我々のビジネスを助けてくれないか?」と聞こえてきました。

電話の相手は不動産業界を相手にしているマーケティングのコーチで、新規リードの獲得やフィードのフォローアップなどをもっと上手くやる方法を探していたのでした。

そこで我々は、彼のためにソフトウェアを開発し始めました。彼は、彼の持っている複雑なマーケティングのテクニックを実現できるソフトウェアを探していたのです。

その後、彼は他の業界で活躍しているマーケティングの専門家を連れてきてくれました。彼らも同様にそのソフトウェアを使ってくれるようになり、徐々に火が付き始めました。そしてある時、彼らが、「このソフトウェアを我々の顧客にも売ったらどうだ?」と言ったのです。

私たちは、彼らが主催するマーケティングのセミナーに参加しました。そのセミナーでは、彼らが様々なマーケティングのテクニックをスモールビジネスオーナーに解説するのですが、そのテクニックを自動的に実現するために我々のソフトウェアを紹介したのです。

そのような構造が出来たことによって、現在の我々のビジネスが実質的にスタートしたのです。

 

スモールビジネス成長の7段階とは?

では次にあなた方が開催しているInfusionカンファレンスについて教えてください。

スコット:はい。今はICONという名前になっています。 スモールビジネスのメッカにしたいという想いも込めて、ICON(アイコン)にしたのです。このイベントには、我々のユーザーはもちろん、そうでない人も来場します。昨年は2500人が参加し、間もなく3000人に到達する予定です。

参加者は、Infusionsoftをより効果的に使うためのトレーニングを受けると同時に、他の参加者とも繋がって、お互いのビジネスを助け合っています。

 

Infusionsoftを成長させるにあたってのハードルは何でしたか?

スコット:我々はスモールビジネスが成長していく段階を7段階に分けて解説していますが、他の会社同様、我々自身も各フェーズで困難がありました。

スコット氏の基調講演から。スモールビジネス成長の7段階

まず大事なのは、精神面でしょう。粘り強く続けるということです。そして、資金も重要です。また、どのように正しい人材を雇うかも困難でした。何人をいつ雇うか?さらに、それぞれのフェーズで何が一番大事なのか?どんなギャップを埋めないといけないのか?ということを考えなくてはいけません。

我々は4半期ごとに文字通り会社の外に出て時間を取ります。そして、現在の懸案事項をすべて洗い出すのです。そして、4半期毎の優先順位を創ります。この方法は我々のビジネスにとって、とても有益なものです。

私たちの特徴的なことは、文化と成果を密接につなげていることです。私たちの文化の一つの要素は、オープンであることなのですが、会社のすべての指標、数値は、全社員が見ることが出来ます。完全にオープンブックです。ですから、何が達成できたのか?何が達成できなかったのかを全社員が知っています。

そして、私たちがビッグスリーと呼んでいる重要な指標があります。それを四半期ごとに確認します。そのビッグスリーをみんなが知っていることで、自分が何をすればよいかがわかるのです。

社内に掲げられているKPIのボード。社内情報のため、指標名はボカシてあります。

 

スモールビジネスからビッグビジネスへ成長するアイデア

最初は自己資金でやっていたそうですが、なぜ途中から外部から資金調達を行ったのでしょうか?

スコット:私たちは最初、自己資金でやっていくことにこだわっていました。当時、私たちは、マイケルE.ガーバーのEMyth Revisited(はじめの一歩を踏み出そう)に沿って経営をしていました。当時はまだ、マイケルE.ガーバー本人には会ったことがなかったので、書籍がメンターだったのです。我々は、もう少し成長させてから会社を売却しようと考えていました。

そんなとき、マイケルE.ガーバーが雇ったコンサルタントが、彼の会社で使うマーケティング用のソフトウェアを探しているという話が入ってきました。そして、コンサルタントは、InfusionsoftをマイケルE.ガーバーに推薦してくれたのです。

そして、ガーバーが開催する「ドリーミングルーム」というイベントを知ったのです。このイベントにいけばガーバーと話せると思い、申し込みました。

会場には、70人くらいいて、会場は素晴らしくセットアップされていました。ガーバーは、次のようにイベントを開始しました。

「皆さんの目の前に白い紙がありますね。真っ白な紙と初心者の心で始めてほしいのです。今日はビジネスのことを考えないでほしいのです」

彼はイベント中、参加者の中から、何人かを壇上にあげてアドバイスをしていました。最初の男のことを覚えています。

その男はこう言いました。

「私は鉛管のビジネスをしています」

ガーバーは質問をしました。

「なぜそれをやることになったのか?」

「私がテキサスにいるとき、カリフォルニアにいる友人が私を呼び、このビジネスを一緒にやらないか?と言ってきたのです」

「では、あなたが鉛管のビジネスを12年間もやっているのは、知り合いに言われたからですね?」

みんなは笑っていましたが、ガーバーは人生とビジネスの関係性についての深い話を始めました。

彼が言うことは、いまのビジネスのことを一旦置いておいて、もう一回、自分自身と、あなたが何を成し遂げたいのかを再創造しなさい、ということでした。

大半の人が失敗するのは、夢が大きいからではなく、小さすぎるからだとも言いました。そのときが、我々にとっての核心となるものが何かを考え始めたときでした。そして、起業家を支援するということを我々の夢にしたとき、世界中のスモールビジネスを変革させる、素晴らしいビジネス機会があることに気が付いたのです。

私はイベントから戻ると、クレートとランチをしました。そして、彼にこう言いました。

「スモールビジネスの世界のマイクロソフトにならないか?」

と。

それからゲームのやり方を変えました。我々の夢を実現するには、これまでとは別の方法で資金調達が必要だと考えました。それから軌道修正をして、資金調達を開始したのです。

いま25000社がソフトウェアを使っていますが、まだ始まったばかりです。何百万社もの人たちが我々のソフトを必要としています。そのために小さく考えることを辞めたのです。

 

スモールビジネスが直面する成長の壁とは?

25歳だった時の自分に何をアドバイスしたいですか?

スコット:管理を手放すことを学びなさいと言いたいですね。私はビジネスオーナーが行き詰っているのを見てきましたが、彼らはヒーローになりたくて、会社の中の震源地であり続けようとします。そうなると二つのことが起きます。

  1. 彼らがボトルネックとなり、会社が成長しない
  2. 彼ら自身と社員をダメにしてしまう。

多くの起業家は、自分がすべてであり、そのようにするしかないと言います。しかし、会社を成長させるには、正しい人を探し、高いバーを設定し、彼らにオーナーシップと責任を持たせる必要があるのです。

 

インタビュー終わり

 

スモールビジネスを成長させるポイント

以上、スコット氏のインタビューをお届けしました。最後に、インタビューから得られる、スモールビジネスを成長させるポイントについてまとめておきましょう。

1.顧客像を絞り込むこと

インタビューにも登場した、マイケルE.ガーバー氏は書籍の中で、明確な顧客像を持たない限り、どんな事業も成功しないと言っています。Infusionsoftの場合、IT担当者がいないレベルのスモールビジネス相手に特化しています。そのため、その顧客層が使いやすいようにするにはどうすれば良いか?という明確な開発の方針が出来ます。

 

2.自分たちで事業のコントロール権を握ること

インタビューにもあるとおり、Infusionsoftは最初、受託開発の会社でした。受託開発では、常に値下げ要求があり、案件のコントロール権も発注者側にあります。他業界でも同じことが言えますが、それでは経営も脆弱になりがちです。自分たちで事業のコントロール権を握るために彼らは自社でパッケージソフトウェアを開発し、それを販売していくことに決めました。同様に、受託開発から脱却した例としては、Basecamp(https://basecamp.com/)などが挙げられます。

 

3.顧客同士をコミュニティ化すること

Infusionsoftでは、ICONという既存顧客、新規顧客が集まるイベントを毎年開催しています。これはInfusionsoftの業界内における存在感を示すものであるばかりではなく、社員にとっても顧客と直接接し、自社のエネルギーを感じられる大切な場になります。

 

4.成長のために管理を手放すこと

インタビューの中でスコット氏は、成長のために管理を手放すことについて語っています。これは私たちが「仕組み経営」の中で常々言っていることと同じになります。ここでいう手放すとは、放任することではなく、権限と責任を明確にして社員を管理から解放することを意味しています。また、多くのビジネスオーナーは、自分が会社の中でヒーローになりたがるというのも、自分依存のビジネスから脱却できない心理的な障害としてありがちなことです。

 

スモールビジネスを成長させる仕組みづくりなら

さて、インタビューはいかがだったでしょか。何か参考になる点を発見していただければ幸いです。私どもでは、インタビューにも登場したマイケルE..ガーバー氏の思想を基に、スモールビジネスを成長させる仕組みづくりをご支援しています。詳しくは以下からぜひご覧ください。

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