全社会議の内容(アジェンダ)やオンライン化の方法は?



清水直樹
今日は、全社会議の内容や、オンライン開催における注意点をお話をしたいと思います。
動画でも解説しています。

 

全社会議とは?

私たちは日頃、会社の仕組みづくりをお手伝いしてるんですけれども、仕組みの1つとして全社会議というのをおすすめしております。これを行うことによって、会社の雰囲気も良くなり、会社の文化も良くなり、ひいてはそれが会社の業績につながっていくというので、全社会議のやり方をおすすめしています。

今日は全社会議の内容と、最近コロナの影響によって、オンラインで開催するにはどうすればいいか?という注意点をご紹介できればと思います。

全社会議とは、全社員が参加する定例会議のこと

全社会議とは、全社員が参加する定例会議のことのことです。ここでのポイントは、全社員が参加することなので、よっぽどの事情がない限りは必ず全社員が参加するということです。そしてもう1つのポイントが、定例会議ということです全社会議は思いついたときにやるのではあまり意味がないんです。毎年このときにやるとか、例えば3カ月に1回やるとか、そんな感じで定例で行っていくことが非常に大切です。それによって会社の経営にリズムができ、会社の文化が良くなっていきます。

全社会議は英語でいうと、All Hands Meeting

全社会議は英語でいうと、All Hands Meetingと言います。直訳すれば、「すべての手の会合」ということなので、全社員の手を合わせる会議と言えますね。

 

全社会議の目的とは?

よく、会議が苦手な会社があって、どうしてもだらだらやってしまって、社員からは「こんな会議、何の意味があるの」と不平不満が出ることがあるんですけども、そうならないように、全社会議をやる目的を最初に明確にしておく必要があります。これはそれぞれ各社ごとに考えていただければいいと思うんですけれども、大体こんなところかなということで挙げております。

ビジョンや戦略、計画を共有する

まず「ビジョンや戦略、計画を共有する」ことです。特にリモートワークが進んでくると、会社の中で社長と直接話す機会がなくなり、会社のビジョン、戦略、いわゆる長期的な目標みたいなもの、そして計画が、なかなか一般の社員に伝わってこないので、それを全社会議を通じて定期的にビジョン、長期的な目標を共有するということです。

 

社員に安心感を与える

2つ目に「社員に安心感を与える」ことです。会社の情報をちゃんと公開してあげるということです。情報がないと社員は不安になります。だから全社会議で、会社の今の状況とか情報を提供し、社員が安心して働けるようにします。

 

関わりを強める(エンゲージメント)

そして、「関わりを強める」、エンゲージメントといわれるものです。普通に仕事をしているだけだと、特にリモートワークだと特定の人としか話さないことが多くなります。会社に行っていれば、例えばランチに行くとか、たまたま廊下で出会うとか、そういう偶発的な出会いがあって、他の部署の人とかこれまであまり話したことない人と話し、そこからいろんなアイデアが生まれたりすることがあると思うんですけれども、リモートワークだとそういう出会いがなくなるわけです。

いつも仕事上で関係してるごく一部の人としか話さなくなります。そうすると会社に所属してるという気持ちが薄まっていき、いろんな不安を抱えてしまったり、それが重なって「この会社辞めようかな」という感じで離職率上がっていくこともあります。そういう意味で、全社会議を定期的にやり、他の社員との交流もすることによって、会社との関わりを強める目的があります。

 

アイデアを引き出す

あとは「アイデアを引き出す」、社員の人からアイデアを引き出すということです。全社会議は一方的に経営陣が話すだけじゃなく、社員が現場で働いてるわけなので、社員から現場の声を引き出して、それを経営に生かしていく目的もあります。

 

作業に没頭する(Working IN)のではなく、外から捉える(Working ON)

そして「作業に没頭するのではなく、外から捉える」ことです。これは私たちの独自の言葉で、「WorkingINBusiness」というのと「WorkingONBusiness」というので分けてるんですけれども、一般社員の人は、いつも同じような作業をしてることが多いので、どうしても目の前の仕事ばっかりに集中しがちになるんです。

そうじゃなくて全社会議という場で、より大きな観点で会社の経営や世の中の状況や他の人の働いてる状況を知ることで、全体の中での自分の仕事の位置付けを知ることができるんです。これが外側から捉えるっていうことなんですけれども、これによって自分の将来をよりよく考えることができたりします。

 

全社会議の内容(アジェンダ)とは?

では、この全社会議は何をやるのか、参考となる内容、アジェンダをご紹介したいと思います。

どこに向かっていて、今どこにいるのか(ビジョンと進捗)

まず「どこに向かっていて、今どこにいるのか」という、会社のビジョンとか現在の進捗を共有するということです。さっき言ったとおりで、全社会議の大きな目的は、長期的な展望をみんなに伝えることです。だからこういう会社のビジョンはこういうとこに向かっていて、それに対して今こういう状況にあるというのを定期的に社員と共有していくのが大切だと思います。人はどこかのタイミングでどこかにたどり着くという目標がないと、仕事に対して動機付けがされないわけです。そういう状況にならないように全社会議でビジョンと進捗を共有していくということです。

 

なぜそのビジョンなのか

そして「なぜそのビジョンを目指してるのか」という、ミッションとか使命感みたいなものを共有することです。目標があってもそれに対して目的がないと、人って動かないんです。なので、こういうビジョンがある、なぜならば自分たちはこういうことを目的としているからだと理由付けをしてあげないと、なかなか人は動機付けされないわけです。それを全社会議でやってあげるんです。

ビジョンとか目的の話は日常の仕事の中ではしないので、どうしても目の前の仕事の内容とか作業とか直近の案件の話とか、そういう細々した部分だけに話が行きがちなんですけれども、それだと長期的な展望が見えず、働き甲斐が得られないので、全社会議で全体像を見せて、今、自分たちが何をやっているかをあらためて認識してもらうことが大切だと思います。

 

短期的な計画

そしてビジョンだけじゃなくて「短期的な計画」、例えば3カ月後、半年後の計画も必要になってきます。

 

誰がどの仕事をしているのか(部門ごと発表)

「誰がどの仕事をしているのか」も、会社が大きくなればなるほど分かんなくなるので、こういうことを共有する場も設けてあげるといいと思います。やり方としては、部門の責任者や担当者が、前回の全社ミーティングからの進捗を報告する、発表する場を設けてあげるといいと思います。それによって特に新しく入った人たちは、会社にはこういう部門もあってこういう仕事をしてる人がいるということを知ることができるわけです。そうすると何かあったときに、その部門の人に聞いたりヘルプをお願いしたりもできます。

 

何が変わり、何が変わらないのか(方針やルール)

そして「何が変わり、何が変わらないのか」ということです。全社会議の中で、方針やルールが変わったことがあれば共有します。今だとほとんどメールで方針の連絡とかルールの変更とかをやってる会社多いと思うんですけども、なかなか全部見切れないし、覚えてないです。

大切なことは何度も言わないといけないんですけど、メールで何度も言ってもなかなか聞かないっていうかみんな見ないので、そうじゃなくて、こういう全社会議という大切な場で重要なことを伝えます。

「メディアもメッセージである」という有名な言葉がありまして、大切なことは大切な場所で伝えないといけないっていうのもあるんです。なので、重要な方針の変更とか重要なルールの変更がある場合には、全社会議という大切な場所で行います。

 

自分は何を求められているのか(期待値と役割)

そして「自分は何を求められているのか」です。社員に対して期待値とか役割をあらためて伝えてあげるということです。こういうことができると全社会議としては成功なのかなと思います。

 

こういったことを全社会議を皆さんのスケジューリングに入れていただくと非常に有意義な会になるんじゃないかと思います。

 

全社会議をZoomなどのオンラインで行う場合の注意点

次に、オンラインで行う際の注意点です。最近だとほんとになかなか全社員で集まるってことはできないし、あと店舗ビジネスされてる場合には店舗は散らばってるので、一同に集まるって難しいです。1日全店舗休めて、それで集めないといけないっていう話にもなってくるんで、そういうビジネスの場合にはオンラインでやることもぜひ検討するといいと思います。

オンラインで行う場合にはいくつか注意点があります。

ファシリテーター/モデレーターを用意する

まず「ファシリテーター/モデレーターを用意する」ことです。オンラインでやる場合には、機械に慣れてない人はなかなか入れなかったりミュートにできなかったりするので、そういう機材のヘルプも必要だし、全体の進行役も必要になるんです。そういう意味で誰かファシリテーター、モデレーターを用意してあげるといいと思います。場合によっては1人だと難しいので、2、3人いたほうがいいっていうケースもあります。

 

事前にQ&Aを集める

オンラインの場合には、その場で質問を募ってもなかなか出てこないケースが多いです。オフラインで集まったときには、みんなワイワイしてるんで質問しやいんですけど、オンラインの場合って話してる人以外はみんなシーンとしてるんで、発言しづらい雰囲気あるらしいんです。なので、会議の前に、事前に社員の人から経営陣に聞きたいことをQ&Aとして集めて、それに対して答えるという場を設けてもいいと思います。

 

投票やコメントを募る

オンラインの会議のシステム、ZoomとかGoogleとかMSのやつとかありますけれども、そういうのは大体、投票とかコメント機能が付いてますんで、それを使ってインタラクティブに会議を進めるのが大切です。皆さん分かると思うんですけど、オンライン会議で単に聞いてるだけっていうのは非常に苦痛なんです。1時間ももたないぐらい苦痛なんです。なので、一方的な情報提供にならないように、インタラクティブに進めるために投票とかコメントの機能を使うってのがいいと思います。

 

開始前のバッファ時間を設ける

例えば会議を10時から始める場合には、9時40分ぐらいから会議のシステムをオープンさせといて、早く入ってきた人は雑談できるような場にしておくといいと思います。そうしたほうが会議全体も進めやすくなると思います。オフラインで行う場合は、大体会場は15分前くらいから開くわけです。そこで早く入ってきた人は、入ってきた人同士で雑談したりおしゃべりします。それで会場があったまって会議がうまくいくっていうこともあると思うんで、それをオンラインでもやりましょうということです。

 

スライドは多めに

これはPowerPointで何か話す場合の話です。例えば、このスライドを表示するとしましょう。



項目が6個ありますけれども、普通に会場でオフラインでスライド使って話す場合にはこういう書き方でもいいし、スライドに加えて、動画に人が登場して手振り身振りがある場合には、まだ何とか見えるんです。ただ、画面全体にスライドが出ている場合、画面が変わらないですよね。音はもちろん聞こえますけれども、スライド自体が変わらないので、退屈になるんです。スライド全画面でやる場合には画面の動きがないので、なるべくスライドを多くしてスライドの動きを出すのは非常に大切になってきます。

項目が6個ある場合には、1項目につきスライド1個にするのがおすすめです。「ファシリテーター/モデレーターを用意する」で1つスライド作って、次の項目行くときにはスライドを進めて「事前にQ&Aを集める」っていうスライドを別途用意して、っていう感じで6枚にします、この場合だと。そういう感じでスライドをガンガン動かすのが、見てる人を退屈させない1つのポイントなんで、おすすめです。

 

チームに分けて議論させる

そして「チームに分けて議論させる」ということです。これも退屈させないためのやり方なんですけれども、会議システムでは例えば100人参加してたら20人ごとに分けるとか5人ごとに分けるというのができるんで、そういう機能を使ってチームごとに何かテーマを与えて話をさせるのがいいと思います。

ザッポスっていう、いつも例に出してる会社があるんですけど、そこもAllHandsMeetingを定期的にやっています。そこは全社会議の中で、チームに分かれて会社に対する改善点をチームごとにいくつか出すっていうセッションがあるんです。それによって会議が終わったときには会社の改善点が何十個も出てる状態にすることができるというやり方です。オンラインの場合にもこうすることで、参加者も退屈せずに済みますし、会社としてはみんなからアイデアを募ることができるので、非常に有意義な会になります。そういう意味で、チームに分けて議論するのもおすすめです。

 

 

会議は仕組みで行おう

というわけで今日は全社会議のやり方、特にオンラインでやる場合の注意点をご紹介しました。ぜひ参考にされてください。

なお、仕組み経営では、こういった会議の仕組み作りから、各種業務の仕組みづくりまでトータルでご支援しています。詳しくは以下からご覧ください。

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