社員が指示待ち人間になってしまう原因と改善&対策方法



清水直樹
指示をしないと自分から何も行動しない、考えない人を”指示待ち人間”を言います。社長としては社員に指示待ち人間がいて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、主に中業企業の社長向けに、社員が指示待ち人間になってしまう原因と改善方法について解説していきます。

 

この記事の信頼性

この記事は世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)、マイケルE.ガーバー氏著「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースにしています。世界700万部のベストセラーの内容を日本の会社に当てはめてご紹介していきます。執筆者である私はマイケルE.ガーバー氏のメッセージをおそらく日本で最も多く翻訳したり、代理となって発信してきましたので、本記事の内容も信頼いただける内容かと思います。

 

指示待ち人間になってしまう原因とは?

最初に、社員が指示待ち人間になってしまう原因として考えられるものを挙げてみましょう。

マイクロマネジメント

社員が指示待ち人間になってしまう原因、そのトップともいえるのが、上司(社長)のマイクロマネジメントです。社長からすれば、”え、俺(私)の責任?”と思われるかもしれませんが、そうなのです。

上司が知らず知らずのうちに行っているマネジメントの仕方が、社員を指示待ち人間にしているケースが多々あります。会社の組織というのは、社長の考え方や行動の反映です。つまり、社長の考え方や行動を変えない限り、組織や社員が変わることはありません。これは厳しい現実かも知れませんが、受け入れないといけない現実でもあるのです。

社長がマイクロマネジメントをすることの悪影響は非常に大きいので、少し詳しめに解説したい思います。

マイクロマネジメントをする人は、完ぺき主義で社員を管理しすぎて、やる気を失わせる傾向にあります。

マイクロマネジメントをする人が恐れているのは、自分の支配力を失うことです。また、部下に仕事を任せ、期待はずれな結果を目の当たりにしたときに、アドバイスをするよりも、ついつい反射的に自分で細かな口出しをしたり、部下の仕事を奪って自分で手を動かしてしまいます。

こういうことを長く続けていると、部下たちはだんだん、自分からやろうとしない態度を身に付けていきます。「社長が自分でやるに違いない」と思うからです。こうしたリーダーシップを持つ社長が管理職を持つと、さらに悪影響を広げてしまいます。管理職たちは、自分たちは結局正しいことができないと感じてしまい、サバイバル・モードに引きこもってしまって、成果を上げるよりも社長の顔色を伺ってばかりになってしまうのです。

 

共通目的不在

次の原因は、共通目的の不在です。会社が目的としている活動と、社員本人の人生や仕事の目的が乖離しているため、前向きに仕事に取り組もうという気がありません。そのため、指示待ち人間になってしまうわけです。こういった社員は近いうちに転職、退職することになりますし、社内にとどまるにしても大きなパフォーマンスは見込めないでしょう。

 

役割不在

組織の中で、自分がどんな役割を担うべきか?を理解していない、または教えていないことも社員が指示待ち人間になってしまう原因です。

自分の役割は自分で見つけてほしい、という社長もいるかもしれません。しかし、それは組織づくりを放棄しているようなものです。社員に明確な役割を与えるのは、組織づくりの基本になります。

 

権限不在

自分で何かを決めたり、行動したりする権限が与えられていない場合、社員は指示待ち人間になります。権限不在にはさらに2種類あります。一つ目は、どこまで権限があるのか?が明確になっていないために、自分で勝手に判断して”自分には権限がない”と思い込んでいるケースです。二つ目は、社長がマイクロマネジメントしているために、実際に社員に権限が与えられていないケースです。

 

仕事の能力や知識の不在

担当している仕事を自分でやり遂げるだけの能力や知識がないときに指示待ち人間になりがちです。能力や知識がないことを自分で認識し、ヘルプを求めてくる社員の場合にはまだわかりやすいです。一方で、能力や知識がないにも関わらず、誰にも相談せず、自分で仕事を抱え込んでいる場合には厄介になります。

 

成長意欲不在

そもそもその本人に仕事で成長しようという意欲がないケースです。

 

指示待ち人間の改善&対策方法

以上、指示待ち人間になってしまう原因を挙げてみました。

では、社員に指示待ち人間がいる場合、どうやって改善&対応すればいいのでしょうか?

その方法は、上記に挙げた原因を一個一個つぶしていけば良いということになります。以下に見ていきましょう。

1.成長意欲がない人は雇わない

成長意欲がない人はなかなか変えることが難しいものです。はっきり言って、成長意欲のない人は、”可能な限り楽に仕事をして生活できる給与をもらえればいい”、と考えています。

これはその人の人生に対する価値観なので、他人がどうこう言って変わるものではありません。なので、こういう人はそもそも雇ってはいけません。成長意欲のない人は採用しないような仕組みに変えましょう。

 

2.マイクロマネジメントを辞める

そして社長がマイクロマネジメントを辞めることが大事です。マイクロマネジメントをしている人は、部下の仕事っぷりに納得がいかないから自分で口出しや手出しをしてしまっているのだと思います。でもその口出しや手出しが社員の成長を妨げ、さらに自分が口出し、手出ししないといけない状況を作り出している、と認識する必要があります。

マイクロマネジメントに自分で気が付くのは難しいのですが、社内に指示待ち人間増えることはその一つのサインでもあるのです。

 

3.会社の目的を明確にする

社員があなたの会社で働く理由は、もちろん給与をもらえるから、ということもあるでしょう。しかし、給与ならばほかの会社でももらえます。なので、給与より大事なのは、共通の目的なのです。会社が目指す方向性と自分の人生の方向性に共通点がある、と感じた時にその会社に入りたいと思いますし、その会社にとどまりたいと思うものです。



そして、会社の目的に貢献することが自分の人生の目的にもつながるので、指示待ち人間にはならないのです。また、会社の目的を明確にすることで、成長意欲がない人や、自社の望む人材ではない人がやってこなくなります。そのため、全体的に社内の指示待ち人間は減っていきます。

会社の目的とは、つまり”理念”ということになります。会社の理念の作り方については別の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

ミッション・ビジョン・バリューとは?作り方や違いを完全解説

 

4.役割を明確にする

会社の目的が明確になったら、次は各役職の役割を明確にします。人は役割を与えられれば、その期待に応えようと思うものです。私たちの提供している「仕組み経営」の中では、これを組織戦略を作る際に行います。詳しくはこちらも別記事にアップしましたのでご覧ください。

中小企業の組織図の作り方を完全解説

 

5.能力や知識を与える

役割を明確にしたら、次は能力と知識を与えることです。人材が豊富な大企業の場合、”その仕事をやる能力や知識があるから、その仕事をその人に任せる”というわけなのですが、中小企業の場合、そうもいきません。まだ社内で誰もやったことがない仕事を誰かに任せ、やってもらう必要があります。そのため、能力や知識を身に付ける機会を提供してあげる必要があるでしょう。

これについても別記事がありますのでご参照ください。

人を育てる仕組み完全ガイド

 

指示待ち人間をなくし、社長不在で成長する会社を創りたい方は仕組み経営へ

以上、社員が指示待ち人間になってしまう原因と改善&対策方法について解説いたしました。私たち仕組み経営では、経営者の方がリーダーとして成長し、会社を成長させるための仕組みづくりをご支援しています。詳しくは以下から是非ご覧ください。

 

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