「苦手だから経験のある誰かに任せよう」が危険な理由

【動画】「苦手だから経験のある誰かに任せよう」が危険な理由


お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

これまでのメルマガで、拙著「仕組み化の経営術」の補足説明動画シリーズをアップしております。


今日は第十一本目、

「苦手だから経験のある誰かに任せよう」が危険な理由

です。
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​【動画】「苦手だから経験のある誰かに任せよう」が危険な理由&書き起こし


書き起こし​

ブラックボックス化とは、ある業務がその担当者しか理解していない状態のことを指します。この状態が続くと、トラブルが発生しやすくなります。そこで、業務を仕組み化することが会社の安定的な運営につながると考えられています。


これまでの動画で、会社には大きく分けて3つの仕組みがあるとお話ししました。まずは価値提供プロセスです。これは集客や営業、サービスの提供など、いわゆる現場の仕事です。次にサポートプロセスがあります。これは価値提供プロセスを支援する業務で、経理、総務、法務、人事などです。

そして最後に、経営の仕事であるマネジメントプロセスがあります。これら3つの仕組みをそれぞれ仕組み化することで、仕組みで成長する会社が作れます。

今日のテーマであるブラックボックス化しやすい業務は、意外にもサポートプロセスにあります。創業社長が会社を起業し、ある程度売上が立ち、社員や顧客が増えると、営業や開発、顧客サポート以外の雑多な仕事が増えてきます。これが経理や人事、労務管理などの仕事です。

創業社長はこういった業務を自分ではやりたくない、もしくはやったことがないため、苦手意識を持っています。例えば、営業系で独立した社長は営業は得意でも、経理や人事はわからない。技術系で独立した社長も同様に技術は得意でも、経理や人事は苦手です。

そうなると、社長は自分がやりたくない業務を経験者に任せようと考えます。しかし、サポートプロセスの業務はどの会社でも似たような内容であるため、他の会社で経験のある人を雇えばうまくいくだろうと考えるのは自然です。しかし、ここでステップを間違えると、業務がブラックボックス化してしまいます。

社長がやりたくない仕事を経験者に任せると、その経験者は前の会社でのやり方で業務を進めます。社長はその業務内容を理解できないため、「任せておけば大丈夫だろう」と思いがちですが、このままだとブラックボックス化が進んでいきます。

ブラックボックス化が進むと、トラブルが発生します。例えば、経験者が病気になったり、辞めてしまったりすると、その業務が停止してしまいます。また、業務品質が低下していることに気づかないまま、トラブルが発生します。

社長との対立も起こりやすくなります。ブラックボックス化された業務を担当する人は、その業務がブラックボックスであることで自分の存在価値が生まれるため、やり方を他人に教えたくないと考えます。そのため、業務品質が落ちても社長は強く言えず、対立が発生します。現場との関係も悪化し、社内の雰囲気が悪くなることもあります。

例えば、『はじめの一歩を踏み出そう』では、経理の経験者であるハリーを雇った結果、彼の業務がブラックボックス化し、最終的に大きなトラブルになった例が紹介されています。


ではこの問題を解決するにはどうすればいいのか?


たとえば、京セラ創業者の稲盛和夫氏は、典型的な職人型経営者として会社をスタートしました。そして、大半の社長と同じく、経理をやってくれる人を雇いました。彼が他の経営者と違ったのは、自分が理解できないところをそのままにしなかったことです。


逐一、理解できないことを担当者に質問し、自分なりの経理に対する持論を組み立てていきました。それが最終的に京セラ流の会計システムやアメーバ経営につながったと考えられます。


つまり、ブラックボックス化を防ぐためには、苦手な業務であっても放任せず、自社流の仕組みにしていくことです。経験者の力を借り、しかし、彼らにまかせっきりにすることなく、”自社独自のやり方”を探求することが大切になるでしょう。


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では本日は以上となります。


引き続きよろしくお願いいたします。



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