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事業承継とコロナ禍、二つの波を乗り切った中小企業経営者。

清水直樹
清水直樹
先日書いた記事で、ヴィレッジビーチマーケット社の事例をご紹介しました。この会社、実はコロナ禍においても売り上げを2倍以上に増やしています。なぜそんなことが可能になったのか?本日な経営者のインタビュー記事の要約をご紹介します。

 

以前の記事:アフター/withコロナの世界に生き残る術を見つけた中小企業の事例

こちらのインタビューを受けているのは、ヴィレッジビーチマーケット社の3代目社長、ジェイソンさんです。同社はフロリダ州ベロビーチで生鮮食品、ワイン、ビール、グルメ商品、日常の食料品を専門に扱っているお店です。

同社は元々、マイケルE.ガーバー氏が創業した会社のビジネスコーチング(私たちの「仕組み経営」のベースになっているコーチングプログラム)を受けています。

このインタビューでは彼がどのようにして事業承継、そして今回のコロナ禍を乗り切ったか?を答えてくれています。彼らはコロナ禍において事業を方向転換(ピボット)し、通常の2倍以上の売り上げを実現しています。

 

事業承継とコロナ禍、二つの波を乗り切った中小企業経営者

 

現在のビジネスの状況を教えてください。

そうですね。大変な状況は数年前から始まりました。約16ヶ月前、父が癌と診断され、昨年4月29日に亡くなりました。私にとっては、父を失ったことだけでなく、ビジネスパートナーとしての彼を失ったことも大きかったのです。彼は地元、そして業界の象徴的な存在でした。彼は1951年からこの業界にいて、フロリダの協会と卸売業者の理事会に48年間在席していました。

父が亡くなってから、ここ数年は、危機と変化のサイクルが続いていました。そのためか、コロナ禍が始まったときにも、私たちは、変化に対応できるように準備が出来ていました。

非常に困難なことでしたが、過去2年間の苦労は、いまこの瞬間や将来のために与えられたものだと感じています。これは私にとってリーダーシップを訓練する場でもありました。

 

ビジネスコーチングはどのような役割を果たしましたか?

2年半前からコーチングを受けています。私の父は職人気質で育ち、マイケルE.ガーバー氏が言う、「起業熱に駆られた職人」としての振る舞いをしていました。

私は「はじめの一歩を踏み出そう」を読んで、私が父に対して感じていたことをまさに言い当てていると思いました。

私はそのような状況から抜け出そうと変化をしたかったのですが、同時に日々のルーチン作業に絶えず引っ張られていました。自力でなんとかすることも考えましたが、旅を歩んでくれる人が必要だと思い、コーチングを依頼したのです。

コーチングのおかげで、私はビジョンを持って会社をどこに導くかを考えることに集中できました。将来、ビジネスはどこに行くのか、どうすればそこにたどり着けるのか、というビジョンに集中できたのです。

それが出来たことで、仕事が仕事以上のものになりました。

どんな規模の組織でも、トップは孤独だと言われています。自分を励ましてくれる味方がいなかったり、自分は正しいことをしていると感じたり、”この視点で考えてみて”と言ってくれる人がいなかったりします。そのような人にとって、コーチを持つことはとても意味のあることなのです。

 

これまでの道のりで最大の挑戦は何でしたか?

最大の課題は、リーダーとして、自分の役割を理解し、スタッフを育てることだと思います。自分自身を見つめ、「どうやって人々を変化させ、自分自身をリードするか」ということです。

マネージャーの中には、自分のやり方に固執している人もいます。彼らは、その業界やキャリアの中で、自分なりの方法で行ってきました。だから変化を受け入れるのは、彼らにとって簡単なことではありません。

ビジネスオーナーとしては、やるべきことをメンバーにメールで伝えて、完了させてもらいたいと思うものです。しかし、そうはうまくいきません。だから、人を育てることは常に課題なのです。

コーチが私にとって重要な存在であるのと同じように、私もスタッフを指導し、育成しています。それは業績向上のためだけではありません。最終的な目標は、スタッフが幸せで、成功し、他の人の人生に変化をもたらしていると感じることです。

誰も危機が来ることを望んでいませんが、危機が来たときこそ、真の学びとチームワークが発揮されるのです。私はそれを直接見てきました。見ていて感激しました。楽しくはなかったですが、今はある意味で安心感があります。

危機が迫ってくると最初はみんなの心に 疑念や不安が忍び寄ってきます。しかし、私たちの場合、それは2年前に父が亡くなったときほどではありませんでした。

 

パンデミックの中、何が一番大変ですか?

コロナ禍において、私たちは通常の2~2.5倍のビジネスをしています。私はいまあえて、職人モードで仕事をしています。スタッフと一緒に塹壕の中にいるように、一緒に仕事をするようにしています。

最初の3週間は1日14~16時間仕事をしていました。妻も私もそうしていました。スタッフは合間に休みを取っていましたが、私は常にチームと一緒にいることが重要だったのです。

職人モードでずっと生きていけ、言っているわけではありません。ただ、スタッフと一緒に働くことで、「この先のどこにチャンスがあるのか」と考えることができるようになりました。

“我々のビジョンに合っていて、ビジネスを前進させる機会はどこにあり、それをどうやって利用するか?”と考えています。

 

コーチングで具体的に何をしましたか?

主にマネジメントの仕組みづくりです。”Old Co. “(父の時代の会社)と “New Co. “(自分の時代の会社)で分けて考えています。

“Old Co. “(父の時代の会社)では、父は自分に合ったシステムとプロセスになっていたのでう、今度は自分に合うものを作ることが必要でした。

いまは新しい財務計画に取り組んでいます。これは、二つ目の店舗、三つ目の店舗を準備するためのものです。

新しい人も雇いました。彼は3週間ほど現場のスタッフとして働きましたが、彼はハングリーで、意欲的だったため、彼を管理職に昇進させました。彼には最低限の経験しかありませんでしたが、彼の存在によって、チーム全員が会社の新しいビジョンを見始めることが出来ました。

また、ビジョンに沿った店づくりをするために、何度も組織図の修正を重ねてきました。3年後に1店舗から4、5店舗に成長させるためのビジョンが見えてきます。

あと時間の使い方も変えました。自分で倉庫からお店に品物を持ってくることが良くあったのですが、もうそれはやらないと決めました。これは小さな変化でしたが、それがきっかけで、ビジネスの戦術的なことをすることが少なくなっていきました。

パンデミックの影響で、一時的に戦術的な仕事をやらなくてはいけない状況にはなっていますが、本来は戦略的な仕事に集中しています。

 

リーダーとしてまだまだ頑張らないといけないな、と思う瞬間はありますか?

父を引き継いだ時が一番その感情が大きかったと思います。ビジネスの戦略的側面を見なければならなくなりました。

それまでの職人的な仕事から離れて、より高いレベルのポジションになりました。何年もの間、私は父と一緒に意思決定に関わってきましたが、実際には、父が多くの仕事をしていました。

ビジネスオーナーとして会社を継いでからは、職人的なことをする時間はありませんでした。将来のために自分がどのようなポジションを取るか?今の会社にとって何がベストなのか?”を考えなければなりませんでした。

リーダーの最大の資質の一つは、スタッフを信頼することができることです。信頼し、仕事を手放すと彼ら自身が立ち上がるのです。

 

将来のビジョンは何ですか?目標は何ですか?

2021年のビジョンを作ったんですが、コーチがは僕の中からビジョンを引き出してくれたんです。私たちは家族経営のビジネスで、私は3代目です。ただ、社員も長い付き合いで家族のようになっています。

だから自分たちのための会社ではなく、もっと目的を持った会社にしたいと思っています。そのために、会社としての卓越性を追求したい。他者に奉仕し、利益を上げて成長していきたいと思っています。誰もが成長し、進歩と向上の機会を持つことができる場所になることを思い描いています。

 

コロナ禍の危機を乗り切るために

ジェイソン氏のインタビューをご紹介しました。重要な点をいくつかまとめておきましょう。

ビジョンを持って経営をすること

ジェイソンさんは常にビジョンを持ち続けていました。危機にある時こそ、ビジョンがあることは、経営者、スタッフにとって、希望になります。またインタビューの中で、父が経営してきた”古い会社”と、”新しい会社”の違いを話しています。

彼は自分の代になってからの新しいビジョンを創り、それに合わせて会社の仕組みも作り変えました。これは特に時代の変わり目や事業承継にあたっては非常に大切な考え方です。詳しくは以下の動画で解説していますので、よろしければご覧ください。

Youtube動画:世界No.1の起業・経営アドバイザー、マイケルE.ガーバーから学ぶ「”経営者は二つの会社を経営しろ”の意味とは?」

 

自分がなんの仕事をすべきかを知ること

私たちは常々、社長は現場で職人仕事をするのではなく、戦略的な仕事をしなければならない、と伝えていますが、ジェイソンさんはコロナ禍において、あえて、現場に入り職人的な仕事をしました。

これは、危機においては、リーダーは自らの価値観を示すために先導して働くことが必要だと教えてくれます。ただ大切なのは、その中にあっても、自分は今、職人的な仕事をしている、と認識することです。

自分はいま、経営者の仕事をしているのか、現場スタッフの仕事をしているのか?どちらの帽子をかぶって仕事をしているのか?を知ること。同じ仕事をしていたとしても、その認識があるかどうかが大きな違いになります。

 

リーダーとしての自覚を持つこと

実際のところ、社長の中にはリーダーとしての自覚がない人もいます。そのせいで戦術的な仕事ばかりに集中してしまったり、自分の言動がスタッフや組織全体に及ぼす影響を理解できないでいます。

ビジネスは経営者の人格の反映です。多くの社長はビジネスが変われば自分の人生も変わる、と思っていますが、実際には逆です。社長が変わらなければビジネスは変わらないのです。そのためにまず必要なのは、自分がリーダーであることを理解し、自分の行動、言葉、性格がどのようにビジネスに影響を与えているのかを知ることです。

 

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