仕組み経営の導入はこちら

後継者不在に悩んだら・・・職人技を承継するチェックリスト

今回のテーマは、”職人技伝承のチェックリスト”です。

職人型ビジネスから脱却しましょう、と常々言っていますが、そのために必要なのが、”職人技の伝承の仕組み”です。

職人技というのは、文字通り職人の匠の技みたいな技術的な技もありますし、サービス業における顧客対応やサービス提供などの技もあります。

いつも例に出すのが、伊勢神宮の話です。

伊勢神宮は式年遷宮が20年に一度行われます。

遷宮によって、いつまでも神宮を変わらない姿にしておくと同時に、唯一神明造という神宮独自の建築技術を伝承していくことが出来ます。

神宮を永遠に残していきたいという想い(会社でいう理念)があり、遷宮というイベント(会社でいう事業モデル)があり、その中で職人技を伝承していく仕組み(会社でいう組織)があります。

今日はもうちょっとかみ砕き、”職人技伝承のチェックリスト”ということで、会社にどのような条件や体制があれば職人技伝承が可能になるのかを考えてみたいと思います。

1.ビジョンや事業モデル達成に職人技が必要か?

自社内の職人技を伝承していこう、という前に、そもそも将来的なビジョンや事業モデルを考えなおしてみます。

いままでは職人技でやって来たけど、これからたとえば機械化したり、職人技に頼らない事業モデルに出来ないか?という選択肢も考えてみます。

そのためにはテクノロジーの動向や他社がどうやっているか?なども調査する必要があるでしょう。

 

2.技術伝承の社内文化があるか?

技術系の会社によくありがちなのが、ベテラン職人さんと若手社員との壁です。

ベテラン職人さんは仕事は見て覚えるもの、時間がかかって当然、という価値観です。

一方、若手社員は教えてくれないとわからない、という価値観です。

この価値観の違いが、技術伝承の文化を妨げます。

Culture eats strategy(文化は戦略を喰う)と言われるように、いくら戦略が優れていても、文化次第で戦略が実行されないのです。

上記のような価値観の相違がある場合には、まずは同意できるスモールグループだけで事を始めるのが大切です。全員の同意を得ようと思ったらいつまでも始まりません。

人の価値観というのは、過去の成功体験や失敗体験をベースにして形作られます。

スモールグループで成功した事例が出てくれば、最初は抵抗していた人たちも徐々に混ざってくることがあります。

 

3.伝承すべき職人技が明らかになっているか?

どの技を伝承しなくてはいけないか?というリストやマップが必要です。

たとえば、私たちみたいな講座ビジネスをする場合には、講座終了後に受講生がどうなっているか?何が出来るようになっているか?というゴールから考えます。

そして、そのために何をどの順番で伝えていくか?という設計に入ります。

職人技の伝承もこれと同じで、何が出来るようになっている必要があるのか?というところから考えていきます。

 

4.指導する能力はあるか?

よく言われる通り、プレイヤーとして有能なことと指導者として有能なことは別です。

元ラグビー日本監督のエディー・ジョーンズさんはプレイヤーとしては芽が出なかったそうですが、指導者としては有能でした。

指導者としては、言語化する能力や根気強さ、コーチング能力などが求められます。

そういった人が社内にいるかどうか、育てられるかどうかが大切です。

 

5.マニュアルやツールがあるか?

指導者がいても、口伝だけでは体系的に職人技を教えることが出来ません。

そこで必要なのがマニュアルやツールです。

この辺はいつもメルマガなどでお伝えしているとおりになります。

 

6.学ぶ人に意欲があるか?

これから職人技を受け継ぐ側の人の資質も大切です。

受け継ぐ側が学ぶことに準備が出来ていなければ、すべての努力が無駄になります。

IT業界の名だたるトップリーダーが”コーチ”と崇めているビル・キャンベルという人物がいます。

この人を描いた「1兆ドルコーチ」という本があるのですが、成功するにはコーチを受ける側が”コーチを受ける準備が出来ていること”が大切だと書いてあります。

新卒社員の場合にはこの辺があまり問題になりませんが、中途採用の人に教えようと思うと、意外と問題になることがあります。

そこで大切になってくるのが、採用の仕組みです。採用時点でどういう人を入れるか?それ次第で決まってきます。

どんな能力や資質の人を採用するかは各社ごとに変わってくると思いますが、どんな会社でも唯一、共通して求められる資質は、”素直さ”です。

これは私が言っているわけではなく、「はじめの一歩を踏み出そう」の著者、マイケルE.ガーバー氏が過去何十年、何万社と見てきて導き出した原則です。松下幸之助さんも同じことを言っていたと思います。

 

以上、”職人技伝承のチェックリスト”ということで6つの点をご紹介しました。ぜひご参考にされてみてください。

では本日は以上となります。