こんにちは、一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
今日はこのサイト「仕組み経営」を作るきっかけとなったマイケルE.ガーバー氏から、起業家、起業家精神について学んでいきます。これから起業したい、と思っている人はもちろん、すでに何年、何十年と経営している経営者に方にも必ずお役に立てると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
本記事から得られることの一部:
- ほとんどのビジネスが小さいままである理由
- あなたのビジネスをすごいビジネスに変革する方法
- 普通のビジネスとワールドクラスの会社の決定的な違い
- 1 前提知識:起業家とは?
- 2 起業家に向けたメッセージ
- 2.1 起業家は仕事をするのではなく創造する
- 2.2 レイクロックは52歳で起業し、大成功した
- 2.3 起業家は普通のビジネスを偉大なビジネスにする
- 2.4 起業家精神とは創造する力
- 2.5 誰もが偉大な起業家になれる
- 2.6 会社を前に進める「起業家の夢」はなんだろうか?
- 2.7 「起業家の夢」とは偉大な結果
- 2.8 起業家は複製可能なビジネスを創る
- 2.9 起業家は現場で働いてはいけない
- 2.10 大半のビジネスが小さいままである理由
- 2.11 創造力が起業家の会社のサイズを決める
- 2.12 ビジネスが成長しているとは、夢とビジョンに近づいていること
- 2.13 ワールドクラスの起業家になるために必要なこと
- 2.14 全ての起業家にとって必要な質問
- 3 誰でも凄い起業家になれる
世界中でスゴイ起業家を生み出したマイケルE.ガーバー氏とは?
米EMyth創業者、Michael E.Gerber Companies会長。世界No.1のスモールビジネスの権威(米INC誌による)。1977年に世界初のビジネスコーチング会社を設立。その後、約40年間にわたって、7万社の中小・成長をクライアントに抱える会社に成長させた。「E-Myth革命」や「会社をE-Myth化する」などの言葉が生まれるほど、世界中の会社に変革をもたらしてきた。1985年には、初の書籍「E-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)」を出版。現在につながる、起業と経営の新しいスタンダードを創った。同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっている。INC誌が実施した急成長企業のCEO向けのアンケートでは、「7つの習慣」や「ビジョナリーカンパニー」などの名著を押さえ、ベストビジネス書に選ばれている。
マイケルE.ガーバー氏に関する詳しい説明はこちらの動画でしておりますので、合わせてご覧ください。
▶https://www.youtube.com/watch?v=E3mLgWslFr8
前提知識:起業家とは?
本記事のテーマになっている、起業家とは、英語で言うとアントレプレナー(Entrepreneur)となります。この言葉の語源はフランス語と言われており、「Between」を意味する「Entre(アントレ)」と、「taker」を意味する「preneur(プレナー)」が合わさって「Entrepreneur」となったとされています。直訳すると間を取り持つ者となり、もともとは仲買人や貿易商という意味を持つ言葉になります。昔は貿易商などが活躍していたことから、ビジネスをする人のことをアントレプレナーと呼んでいたのでしょう。
アントレプレナーにクラフトマンシップなどでも使われる、”シップ”をつけると起業家精神となります。日本で起業家精神というと、単に独立起業する意思を持っていること、という意味にとらえられがちですが、本来は世の中に革新的な価値や違いをもたらそうとする志のことを指しています。ちなみに私たちの団体名は日本アントレプレナー学会ですが、そういう志を持つ人たちを支援していこう、ということで名付けています。
起業家に向けたメッセージ
マイケルE.ガーバー氏は、彼が過去40年間にわたって経験してきたことを世界中の経営者に伝えるため、1年にわたって、音声として残しました。本記事ではその内容の大意をご紹介させていただきます。一般受けするように編集された書籍と異なり、ガーバー氏が本来伝えたかったメッセージをそのまま収録しています。
ちょっと長いですが、ぜひ最後までお付き合いください。なお、読むより耳で聞いたほうが良い、という方向けに音声データもYoutubeにアップしてあります。こちらはガーバー氏の言葉を日本語で吹き替えたものです。
▶音声版はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=dM2H92cKzGg
起業家は仕事をするのではなく創造する
この時代に、とても成功している人たちがいるのはどうしてだろう?やっていることがとても偉大なものになっている人もいれば、残酷にもそうではない人がいるのはどうしてだろう?私たちの違いは何だろう?
その答えを見つけ出すために、今日は、私がこれまでに行ってきたことの原点である、起業家の神話の話をしたいと思う。
何十年も前、私は街中に出て行って、スモールビジネスのドアを叩いて回り、電話し続けた。それをするにつれて、私は何度も何度も、同じ現象を目の当たりにすることになった。私が初めてスモールビジネスに電話をしたときに発見したのと同じ現象が、今でも起こっている。
それらのスモールビジネスには起業家がいなかった。それらのビジネスには、創造者がいなかった。そこには“起業熱に駆られた職人”がいるだけだった。彼らは私が後に命取りの仮説と呼ぶものを信じていた。
「私は、どのように仕事をすれば良いのかを知っているから、どのようにしたら上手くいくビジネスが創れるのかを知っている。」
もしあなたが持っているのが、そのような考えなら、私が何年もしてきた話をあなたにお伝えしていきたい。弁護士は弁護士の仕事の仕方を知っている。税理士は税理士の仕事の仕方を知っている。デザイナーはデザインの仕方を知っている。パン屋はパンの焼き方を知っている。彼らはみんな、どのように仕事をすれば良いかを知っている。
しかし、だからと言って、成功するビジネスの創り方を知っているわけではない。私の書籍を読んだことがあるならば、ビジネスを所有することと、仕事をすることの違いがわかるだろう。
- なぜ、私たちはみんな、そんなに一生懸命働いているのだろうか?
- なぜ、私たちはみんな、充分な時間、お金、優秀な人材がいないのだろうか?
- 良い人材を見つけられない、資金が無い、人生は難しい、人生は厳しい、自分だけが基準を満たす仕事を出来る
- 自分がやるのと同じくらい上手く、それをやってくれる人のことを信用できない
起業家は、こういったことを信じている。しかし、その信念はどこから生まれたのだろうか?誰がそれを信じろと言ったのか?
私は何年も前、これら問題の本当の原因は、人々が私に教えてくれた原因とはかけ離れていることに気が付いた。私が気がついたのは、起業家熱に駆られた職人、忙しい、忙しいと言っている人たちは、ひとつの事実を見逃している、ということだ。
その事実とは、「真の起業家は、起業熱に駆られた職人と呼ばれている人たちの方法とは、まったく異なる方法で会社を作る」というものだ。
真の起業家は、単なる実行者ではなく、創造者である。マイケル・デル、ウォルト・ディズニー、ハワードシュルツなど、あなたが知っているような起業家は、あなたがやっているように、ビジネスの中で働いているわけではない。
彼らは別のことをしている。彼らはビジネスから別のものを生み出している。彼らのような真の起業家が創るビジネスは、世の中の99%の人が構想するものとは異なる方法で開発され、設計される。
これから、あなたにもその方法を共有していきたい。そのための最初のステップ、そして、最も重要なステップは、目の前のことをいったんやめることだ。
そして、「もしこれが世界で最も成功しているスモールビジネスだとしたら、どんなことが行われるのだろうか?」とあなた自身に質問をし始めることだ。
あなたは、そんなことを考えている暇はない。自分が止まれば、会社も止まってしまうから、というかも知れない。もしあなたが人を雇う余裕があるならば、やるべきことを彼らに委任できるだろう。しかし、もしあなたが人を雇うお金を見つけることができなくても、あなたと一緒に働いてくれる人を見つけることができる。
なぜなら、彼らはあなたの会社を成長させるエキサイティングな機会に参加できるからだ。実際、あなたにはそれができる。あなたの周りに、どこにでも、創造、学び、成長の機会を求めている人は存在する。
それがどんなビジネスでも構わない。小売店でも、流通業でも、ディーラーでも、オンラインでもオフラインでも。それは大した違いをもたらさない。創造的な人を待っている人たちがいる。あなたの夢を手助けするために待っている人がいる。
しかし、理解しないといけないのは、あなたに夢がなければ、ビジョンがなければ、彼らはあなたに魅力を感じない。彼らはあなたのところにやってきて、あなたと一緒に働きたいと思わない。あなたをサポートして、助けたいと思わない。
なぜならば、彼らにとって重要なことは、あなたのビジネスのエネルギーであり、魂であり、卓越したビジネスを創るという夢だからだ。
あなたは、そのエネルギーはどこにあるのか?という質問を追及していく必要がある。小さなビジネスが大きなビジネスになるための、生命の力はどこにあるのか?社員の誰もが、明日仕事に行くのを待ちきれない、といえるようなエネルギーはどこにあるのか?
これまで、7万社以上のスモールビジネスと30年以上に渡って働き続けてきた中で、私が発見した最も大きな問題がある。それは、起業家が奮い立っていないことであり、真の意味で生きていないことであり、自分がやっていることに情熱を感じていないことである。ビジネスは単なる仕事になり、明日もまったく違いがないものになり、明日も自分をすり減らすものになっている。
あなたが水道屋であっても、メカニックであっても、医者であっても、歯科医であっても構わない。どんなビジネスであっても関係ない。何を売っているかが問題なのではなく、それをどうやるかが問題なのである。心が何なのか、魂が何なのか、生命の力が何なのかが問題なのだ。
もう一度、自分に問いかけてほしい。
あなたのビジネスは、何をしようとしているのか?世の中にどんな革新を作りだそうとしているのか?
レイクロックは52歳で起業し、大成功した
1977年に私がスタートさせた会社は、いまにいたるまで、世界中のスモールビジネスの状況を変革させている。私たちのプログラムを活用し、ビジネスを革新させ、人生を革新させた人々の7万以上のサクセスストーリーがある。
それは全てとてもシンプルなアイデアが元となっている。とてもシンプルなアイデアというのは、ビジネスの中で働くのではなく、ビジネスの上から働くということである。
ビジネスの上から働くというのは、あなたのビジネスの上にあがるということだ。2万フィート上がり、そこから見下ろす。それをそのままに正確に見ること。そして以前は見えなかったものを見ることである。
私たちがやったように、あなたのビジネスも、世界中に拡張可能で、革新的な結果をもたらすことができる。地球上にあるすべてのビジネスは、世界で最も成功するスモールビジネスになる可能性があるのだ。
ここでレイクロックについて話したい。彼はマクドナルドの創業者として知られているが、実際には彼ではなく、マクドナルド兄弟が創業者である。レイクロックは52歳だった。そして、ミルクを作る機械を販売していた。
ミルク製造機を売るために、カリフォルニアにある、マクドナルド兄弟のハンバーガー屋に行った。彼は見ているものが信じられなかった。人々がハンバーガー、ポテト、シェイクを買うために、列をなしていた。彼ら兄弟が行っていたのは、地球上にある他のハンバーガー屋とはまったく異なることだった。
マクドナルド兄弟は、彼らならではのハンバーガー屋を開発していた。その素晴らしい小さいお店はとても上手く機能していたので、レイクロックは、彼にフランチャイズ権を譲ってくれるように説得した。
そして実行し、彼はイリノイ州に戻って、一店舗目をスタートさせたのだ。レイクロックがやってくるまで、マクドナルド兄弟は、フランチャイズにしなかった。なぜなら、彼らはそれがフランチャイズ出来るとは信じていなかったからだ。
レイクロックは、マクドナルド兄弟が開発したお店の運命を見通すことが出来る男だった。聞いて欲しい。それが偉大さなのである。ハンバーガー屋が、数千億の世界的な大企業になっている。私はハンバーガー屋について話している。普通のビジネスの中でも、さらに最も普通のビジネスについて話している。ハンバーガー、ポテト、シェイクについて話しているのである。
何万、何十万もの小さなハンバーガー屋が、決まった時間にオープンし、約束されたものを、約束された方法で正確に提供し、顧客の期待を満たすように正確に行われている。最低賃金の子供たちの手で運営されている。考えて欲しい。どのようにやっているのだろうか?これほど普通のビジネスを、どうやって偉大なものへと変革させられるだろうか?ありふれたものを、どのようにして商品へと、偉大なビジネスへと変えることができるだろうか?
それこそレイクロックが行ったことである。それこそマクドナルド兄弟が行ったことである。それこそマイケル・デルがデルコンピューターで行ったことである。それこそサム・ウォルトンがウォールマートで行ったことである。それこそアニタ・ロディックがボディショップで行ったことである。それこそスターバックスが行ったことである。それこそすべての偉大な企業が行っていることである。
起業家は普通のビジネスを偉大なビジネスにする
ごく普通のビジネスを偉大な方法で行うことによって、偉大なビジネスになる。
どのようにして、普通の中に偉大さを見ることができるだろうか?あなたが行っていることを、どのようにして、顧客が想像すらしなかったことへと変化させられるだろうか?どのようにして普通のコーヒーショップをスターバックスに変えるのか?それが起業家のすることである。それがここで私たちが追求するべきものである。
普通の水道屋がより一生懸命働くことによって、偉大な水道屋になるだろうか?いや、そうはならない。
普通のグラフィックデザイナーをどのようにして偉大なグラフィックデザイナーに変えるだろうか?より多くの時間を投入することによって偉大になるだろうか?いや、そうはならない。
ありふれたものをどのようにして偉大な商品に変えるのか?
普通のシステムをどのようにして偉大なシステムに変えるのか?
普通の結果をどのようにして偉大な結果に変えるのか?
その答えは、起業家的な視点から考えることによってである。単に典型的な職人として考えるのではない。ここでは、あなたに私の考え方、視点を共有できたら嬉しく思う。私はそれを何年もやってきた。何千、何万ものスモールビジネスオーナーが、内なる起業家精神を発見した。
起業家精神とは創造する力
次に、あなたにあるものを読んでみたい。これは「Why Does e=mc2?」という本からの引用である。もちろん、e=mc2は、皆さんが知っているようにアインシュタインの数式を意味している。ここには、「天の川銀河は、2000億個の太陽がある島である」と書いてある。外を見れば、その中のひとつの太陽が見える。
地球を引っ張っている太陽、いつも我々がたったひとつの太陽だと認識している、2000億個のうちのひとつの太陽がある。しかし宇宙には、10億以上の銀河があり、それぞれ2000億個の太陽がある。地球を引っ張っている私たちの太陽は、銀河の中心から15京6,000兆マイルのところを、毎時48万6千マイルで移動している。
このスピードでは、ひとつの軌道を回るのに、2億2600万年かかる。こんな話を想像できるだろうか?どうしたら、このようなことを想像することができるだろうか?私たちの誰が、このような次元や規模を理解できるだろうか?どのように受け入れられるだろうか?
もちろんできない。
しかし、もし受け入れられなければ、見ることができなければ、私たちのビジネス、この小さなものがとても大きなものに見えてしまう。
そして、この小さなものによって、私たちはどれだけ消費されてしまうのか?最終的には、これらの小さなものと、あなたが一体化してしまう。
ここでこの話をしたのは、あなたに大局観を与えるためである。あなたが見ているもの、やっていることに大局観を与えるためだ。私たちが理解していない何か、理解し始めることすらできない何か、想像より大きな何かと、小さな点、すなわちあなたのビジネスがつながっていることを見る機会をあなたに与えたいのだ。
それによって、あなたの魂をこめたビジネスは、小さなものではなく、とても偉大なものであると知ることができる。そこから創造が始まる。私たちがこれまで経験したり、見たりしたことよりも、壮大なことを経験し始めることができる。
誰もが偉大な起業家になれる
ウォルト・ディズニーの話をしよう。彼は、史上最も壮大なブランドの一つを作り上げた。ミッキーマウス。ディズニー帝国が、この小さなネズミによって築き上げられたことを信じられるだろうか?
何がウォルト・ディズニーをこんなにも奮い立たせたのだろうか?このネズミという小さな生き物を利用するというアイデアによって。どのようにして、マウスに命を与えられるだろうか?どのようにしたら、この小さなもの、この小さな生き物に、命を吹き込むことが出来るだろうか?
考えてほしい。
あなたの会社の普通の壁、普通の床、そして窓、ドアがある小さな店にどうしたら生き生きとした命を吹き込むことができるだろうか?どのようにして普通のものを超えられるだろうか?
マイケル・デルがやったこと、ウォルト・ディズニーがやったこと、レイクロックがやったことは、私たちにも同じようにできる。彼らは、普通の商品を偉大な経験に変えた。それは私たちにも出来る。その能力を持っている。
ただし、それには、私たちが、毎日行っている普通で予測可能な仕事から離れることが必要だ。
水道屋はどうしたら水道屋を越えられるだろうか?医者はどうしたら医者を越えられるだろうか?エンジニアはどのようにしたらエンジニアを越えられるだろうか?
これから、その可能性をあなたと一緒に見ていこう。あなたのビジネスについて、人々が虜になるものは何だろうか?それは決して突拍子の無い、想像できないことではない。
あなたが想像できないことで、いま起こっていることは他に何があるだろう?
あなたが想像できないことで、あなたの心にあるものは他に何があるだろうか?
いま、あなたの目の前で起きている、あなたが想像できないものは何だろうか?
視線を向けているけれども、心で見ていないために、見えていないものは何だろうか?
私たちは当たり前を超えたことを創造出来る。我々全員が、創造したくてたまらない起業家精神を内に秘めている。私たちは、もし時間があれば、もしお金があれば、と言う。しかし、これは時間やお金の問題ではない。創造力の問題である。
創造力さえあれば、人生はまったく異なるものになり、新鮮で新しく、他の模範となるような会社を作り出すだろう。私たちを小さく留めている、いなくても良い場所に留めている些細な感情を超えなくてはいけない。
私たちはそこから抜け出すことができないでいる。なぜならば、私たちは、自分達の心の中に、行ったことのない遠い場所に連れて行ってくれる誰かが存在しているということを学んでいないからである。あなたが学んでこなかった、そのことをここで共有していきたい。
それが普通の中の偉大さを見つけることである。あなたのビジネスは、世界で最も成功するスモールビジネスになることが出来る。だからあなたにそれをやって欲しい。
そう、あなたは今日からスタートできる。これまであなたが体験した中で、最も驚異的な体験になるだろう。あなたは、この宇宙の中で、この時、この場所で、これまでに会ったことの無い誰かに出会おうとしている。
その誰かとは、あなた自身である。あなたの自身の中にいる起業家、創造者である。あなたは、本来のあなた自身と出会う。私がそうなったように。
1976年、私は夢を持っていた。しかし、私はこれまでに会社を作ったことなどなかった。私はそれまで、そのような成功は収めたことが無かった。今日やっているようなことはやったことが無かった。1976年、私がマイケル・トーマス・コーポレーションを作った年、いま、私がInc誌に世界ナンバーワンのスモールビジネスの権威と呼ばれるようになると想像した人は誰もいなかった。誰も想像しなかった。
13冊の最も成功しているビジネス書の著者になるとは想像していなかった。誰も私たちの会社が、145国、何万もの起業家に影響を与えることなど想像もしていなかった。
考えて欲しい。これは不可能だ。できない。
私がそれを始めようとしたとき、人々は私を見て言ったものだ。
“あなたは嘘つきだ。”
“マイケル、あなたはクレイジーだ。”
“マイケル、君はそんなことできない。”
“どうやってそんなことが出来るだなんて考えたんだ?”
私が彼らに言うのはこれだけだった。
“わからない。出来ると思っただけだ。”
だから真っ白な紙とペン、そして初心者の心で聞いて欲しい。私は人々が世界中で繁栄するのを見たい。私はあなたと一緒にその経験に参加したい。私はあなたが見えていないもの、見ていないもの、欠けているものが何かを見えるようになるまで、あなたを手助けしたい。
私はあなたがもがいている場所を超えて、別の場所を発見させることができるだろう。その場所とは、あなたが見たことのない、追いかけたことのない、創りあげたことのない場所である。私はあなたをそこに連れて行きたい。あなたがその場所に行くとき、一緒に行きたい。あなたがそれを見つけたとき、なんと言うのかを聞きたい。
会社を前に進める「起業家の夢」はなんだろうか?
“もし、こうだったら”と私たちは言う。
“もし、彼らがしてくれれば”、
“もしそれが本当だったら”、
と言う。
もちろん、“もし、こうだったら”なんてことは無いのだ。あなた自身が問題なのだ。ほかの誰でもなく、国でもなく、不況でもなく、あなた自身に問題があるのだ。その例として、バンクーバーにある、オーデジー・グループという素晴らしい会社を訪問したときのことを話そう。
※オーデジー・グループは、小規模のクリニックに向けに様々なビジネスサービスを提供し、医師が治療に集中できるようサポートしている会社。2016年にGN Hearing社が約160億円で買収した。
創業者のブランドン・ドーソンに招待されて、彼らの会社に行き、彼らが私の本の内容をどのように適用しているのかを見てきた。
オーデジーグループは、小さな診療所に対して、さまざまなビジネスサービスを提供している。それによって、診療所の医者は、患者の診療に集中できるのだ。ドーソン氏は、そのためのシステムを作り上げた。
彼が偉大なビジョンを追及しているのを見て、私はとても嬉しかった。なぜなら、それは私がいつも話していることだったからだ。ドーソン氏は、起業家たちが、「なんてこった!彼は本当にやったのか!本当にやったのか!」と思うようなことをやり遂げたのだ。本当に素晴らしい。
ここ数年、私たちの経済状況の中では、いろいろと物事に悪い変化が起きている。そして人々はそれが起きていることを信じておらず、私たちはそれによって、非常に大きな、目に見えないコストを払っている。
そして、みんな、それについて自分達が出来ることは何も無いと感じている。しかし、それは正しいのだろうか?
あなたの経済状況に対して、あなたが出来ることは無いと言うのは本当だろうか?
私たちが自分の人生をコントロールできなくなったというのは本当だろうか?
バンクーバーのドーソン氏を訪問したことによって、「それは本当ではない。」とわかった。まずは、これまでやったことのないことをやると決心することだ。いつもやっていた方法を捨て、次の質問をし始める決心をするのだ。
「業界リーダーになるとしたら、この新しい会社では何をすべきか?業界内で、オンリーワンの存在になるとしたら、新しい会社では何をしなくてはいけないのか?成長するためには、この新しい会社は何をしなくてはならないのか?生み出す必要がある全ての結果を生み出すには、何をしなくてはならないのか?」
どうやってやるのだろう?質問によってはじめよう。この瞬間、私の話を聞いているあなたの夢はなんだろうか?会社を前に進める夢はなんだろうか?情熱を前に進める夢はなんだろうか?ドーソン氏が完璧な運営システムを作り始めたときのような、前に進むための夢はなんだろうか?
「私はいったい、何を生み出したいのか?いったい何を創り出したいのか?私のこの会社で、いったい何を起こしたいのか?私の夢は何か?」この質問を追及し続けてほしい。
「起業家の夢」とは偉大な結果
世の中で、あなたの会社が生み出したい、型破りな結果である。それは個人的な結果ではない。たくさんのお金を稼ぎたいというものではない。たくさんのお金を稼ぐな、と言っているのではない。誰も貧乏にはなりたくない。しかし、これはお金を稼ぐことについてではないのである。
偉大な夢は偉大な結果のことである。
夢とは、これから作る会社が世界で最も成功したスモールビジネスになると仮定したとき、あなたのところにやってくる人々とあなたが交わす約束のことである。
あなたの夢は何か?どうやって夢を見始めるか?それがどんなものか、どのようにして言葉にし始めるか?
それには、身の回りを見渡し、ドーソン氏がやったように、ここでは何が欠けているのか?と観察することだ。たとえば、病院に行ったことがあるだろう。あなたを診察することになってから、20分も待たされるのがどんな気持ちかわかるだろう。そんな経験があるだろう。どんなものかわかるだろう。待って、待って、待ち続けている時間がどんなものかわかるだろう。
しかし、大半の医者はそんな患者の状況には興味がない。なぜなら、彼らの夢は治療することなのだ。彼らは学校を卒業すると、まもなく夢を実現させ始める。彼らはしたいと思って、期待していたことをすぐにやり始める。毎日仕事に行けばこう実感する。 - 「私は医者になった。」
夢が満たされるのだ!
ドーソン氏は、それらの病院を、これまで以上のものに変革させるために、不可能なことを追求し始めた。どうなれるのかを想像することによって。
さて、今、私の話を聴いているあなたに、ここでもう一度尋ねたい。
夢は何かと。
大半の起業家は、そんなことを気にしたことがない。彼らは「あれをどうやるのか?」「これをどうやるのか?」「どうしたらもっと稼げるのか?」「どうしたら、どうしたら、どうしたら?」という類の質問ばかりを気にしている。しかし、これらは、忙しくて、すべては生計を立てるためにやっている状況の中でなされる。毎日起こる問題を解決するための質問である。
30年以上に渡って7万以上のクライアントを相手に仕事をしてきた私は、そのような日常的で平凡な問題は、実は決して無くならないことに気が付いた。なんとかその問題を解決しても、結局は繰り返すだけなのだ。
なかなか人材に恵まれないとか、人材はいるはずなのに、以前のように実績が改善されていかないとか、貧弱なキャッシュフローをどう立て直したら良いかなど、私たちの周りはいつでも問題だらけだ。
だからあなたには、どうすれば起業家のように考えられるか、その出発点をご紹介したい。私はあなたが抱えているさまざまな問題を解決したいと考えている。今、抱えている問題を解決するだけでなく、問題を考える方法を教えたい。
あなたは、あなたが成し得ることが見えてない。私はそれを知っている。「会ったこともないのに、どうしてわかるのか?」と聴くだろう。もし知りたければ、簡単な話だ。私はビジネスの中で、あなたのような人に何万回も会ってきたからだ。想像しうるあらゆるタイプのビジネス、ビジネスを始める前のあなたのような人たちにも。そう、想像しうるあらゆるビジネスだ。
あなたのように計画を持っている人たち、始めたときには、ベストだと思って始めたけれども、いまや惨めに働いていて、そこから抜け出したいと思っている人たちと会って来た。昔を思い出して欲しい。いま考えれば、そのときには、それが出来うるベストなことではなかったかも知れない。しかし、当時のあなたは、そのことを知らなかった。そして、それがいまのような状況になった。
新しく会社を始める人は、ビジネスとは自分の才能の反映されたものだと思っているが、そうではない。起業家のすること、彼らが他の人よりも上手くできることの反映に過ぎないのであれば、彼らの創るビジネス、または創ろうとしているビジネスは、最初から無駄な努力になってしまうだろう。
あなたは、ビジネスを始めれば人生が劇的に変わると信じている、スタートしたらビジネスがいつか変わると信じている。しかし、そうはならない。もちろん、変化は常にあるが、あなたの意図している変化ではない。もしビジネスがあなたの才能、能力の反映ならば、あなたの未来は既に決まったようなものである。
風に書いてあり、雲に書いてある。上を見れば、すでに決まった未来を見ることが出来る。あなたが店のドアを開け閉めし、お店で忙しく働いている、そのありのままの姿を見れば、将来の姿も見ることが出来る。ここには何の秘密もない。あなたの人生やビジネスは劇的に変わらない。
もし、ビジネスは自分の才能の反映だという考えを貫いていているのであれば、あなたを落ち込ませることになるだろう。だが自分自身を落ち込ませてはならない。あなたのビジネスは、あなたではない。あなたの仕事は、あなたではない。あなたのキャリアはあなたではない。それは全く異なるものである。これは難しい話かも知れないが、とても大切なことだ。ごくわずかな人しか、この違いを理解していない。
あなたは、仕事を上手くやるためにスキルを学ばないといけないと考えている。しかし、そうではない。それらのスキルのうち、どれもあなたのビジネスにたいした違いをもたらさない。あなたが学ばないといけないスキルは、あなたが学ぶ必要があると信じているスキルとは全く異なるものである。
あなたが学ばなくてはならないスキルは、仕事のやり方についてのものではなく、仕事におけるあなたの存在に関するものである。それは、あなたをより優秀な仕事人にするためのものではない。
ともかく、これだけ覚えておいてほしい。あなたには、いま考えているのとは全く異なる機会が存在する。さらに言うならば、あなたは、あなたが成し得ることが見えてない。
私たちは、奇跡が起こる、起ころうとしている事実をまったく信じていない、信じようとしないからである。その代わり、私たちは奇跡を単なる出来事だと思ってしまう。
起業家は、その奇跡に気づき、偉大なビジネスにする。これからあなたの中にある起業家精神を呼び起こしていきたい。起業家精神とは神聖なものである。起業家精神とは大半の人が考えていることを超えた何かである。新しい起業家の時代には、いまやっていることを改善したり、調整したり、といった以上の会話が求められる。ここではその会話を追及していきたい。
起業家は複製可能なビジネスを創る
スモールビジネスの多くは、サービス業である。彼らは自分の専門性に頼って独立するため、自分の仕事を複製することができないと考えている。しかし、それは事実ではない。まったく事実ではない。
私の例を挙げよう。2005年に、これまで30年以上にわたって関わってきた会社を引退し、新しくドリーミングルーム(起業家向けプログラム。現在は提供停止)を始めた。前の会社をスタートさせたときには、トムという名前のパートナーがいた。しかし、ドリーミングルームにトムはいない。いるのは私だけで、何が起ころうとも自分ひとりで向き合わなければならなかった。今でも、どうやってやり遂げてきたのかわからないが、私はやったのだ。
そして、私は次のように信じるようになった。夢やビジョンによって、どこか知らない場所に行くとき、自分の中の誰かが、私の行動の実権を握るのだ。
過去30年以上、70,000を超すクライアントと共に働いてきた。その結果、私が言えることは、このような体験は、誰でも起こりうることであるということだ。このような状態になった時には、その誰かに道をゆずり、ただ起こるがままにさせておくべきである、ということを学んだ。また、自分の中で他の誰かが実権を握ったその時、奇跡が起こる。
全てのことが、その誰かによって行われていて、私たちは、すべてのことを安心して見ていられるのである。まるで、全ての瞬間、すべてのやりとり、すべての思考をカメラを通して見ているように。まるで時間が止まり、動かなくなったように。
そうなったとき、自分がしていることをプロセスやシステムとしてみることができる。つまり、拡張可能性を感じることができる。だから私は、ドリーミングルームを他の人でも実行できるように出来たのだ。私は全てを自分でやる必要性がなくなる。
大昔に誰かが私に言ってくれた。私がやっていることは、誰にも同じように出来ない、ということだ。しかし、私がドリーミングルームで発見したのは、まったく正反対のことだった。まったくの偶然にそのことを発見した。
これは空想を話しているわけではない。私の人生で、何度も何度も同じことを経験して、あなたに語っているのだ。だから誓っていえる。あなたのしていることは、世界中で複製可能である。それをやる可能性を追求してほしい。
起業家は現場で働いてはいけない
次の質問を問いかけてほしい。
どうすれば他の人に任せても、事業が成長するだろうか?
どうすれば自分が現場にいなくても、社員は働いてくれるだろうか?
どうすれば自分の時間を確保しながら、事業を経営できるだろうか?
残念なことに、ほとんどの起業家は卓越した実行者であるがゆえに、全てのことを自分のうちに閉じ込めてしまっている。自分のやっていることが得意だから悪くなっていく。彼らはクライアントを見つけ、仕事を生み出す方法を知っている。問題は、彼らが組織をリードし、委任する方法を知らないことだ。
大半のビジネスが小さいままである理由
「人を雇うようなお金は無い。人材は採用しても去っていってしまう。自分がオーナーだから、全てのことに責任がある。自分の代わりにやってくれる人を信用できない。なぜなら、毎回、その結果にがっかりするから」
これが大半の起業家の考え方である。この考え方が原因で、大半のビジネスは、とても、とても、とても小さいままで留まっている。ここで小さいと言っているのは、本来、そのビジネスが持つ可能性に対して、小さすぎるという意味である。
だから明日も明後日も、想像できる程度の変化しか起こらない。毎日、似たような問題に対処し、想像できる程度の解決策しか生まれない。自分が問題だと理解していることと、真の問題の違いを深く理解することが鍵だ。
理解して欲しいのは、あなたの限界は、あなたの会社に対する想像力、成長しようという決意の限界に基づいているということだ。限界は、あなたの想像力と成長に対する決意の限界で決まる。限界は全て内面的なものなのだ。外部ではない。
経営者が、なぜこれだけしかクライアントがいないのか、なぜロクな人材がいないのか、などの不満を言うとき、全部的が外れている。これらは全て、あなたの想像力と、会社を自分と切り離して、偉大な企業のように成長させようという意欲と決意の限界で決まるのだ。
創造力が起業家の会社のサイズを決める
偉大な会社とあなたの会社の違いは、会社のサイズの違いだけではない。決意と想像力のサイズが問題なのだ。起業家とは創造者であり、創造するものが起業家となる。
偉大な起業家はチャンスを見通し、それを掴んだ。もしあなたが不満を言っているならば、 あなたはその奇跡を掴んでいないだけである。1985年に出版された「はじめの一歩を踏み出そう」の副題は、”なぜ大半のビジネスはうまくいかないのか、そしてそれにどう対処すべきか?”である。
では、ここで言っている、ビジネスがうまくいかない、とはどういうことだろうか?あなたのビジネスはうまくいっているだろうか?このように聞いて、明確に、”うまくいっている”と答える起業家ほとんどいない。
なぜならば、大半の起業家は、ビジネスがうまくいっているのか、いっていないのか?それすら、自分でもわかっていないからだ。倒産していなければうまくいっているのか?もちろん、そうではない。去年より売り上げが下がっていれば、うまくいっていないのか?必ずしもそうではない。もちろん、売り上げはビジネスの成功を計る重要な指標であるが、それがすべてではない。
ビジネスが成長しているとは、夢とビジョンに近づいていること
ビジネスがうまくいっているとは、あなたが思い描いた夢やビジョンに日々近づいていることを意味する。だから、夢とビジョンが必要なのだ。夢とビジョンがなければ、あなたは一生働き続け、人生の最後になって、何かを達成した、と言うことができないであろう。
一方で、ビジネスがうまくいかない、とはどういうことか。倒産、というのは誰の目から見ても明らかな、ビジネスがうまくいっていない状態である。ただ、それだけではない。
倒産していなくても、当初思い描いていた姿を実現するため、挑戦することを諦めまま、日々、同じように仕事をし続けることも、ビジネスがうまくいっていない状態である。つまるところ、ビジネスの状態は、成長しているか、衰退しているかしかない。
成長しているとは、夢とビジョンに近づいていることである。そして、衰退しているとは、文字通り、倒産へと向かっているか、去年と変わらぬ仕事をし、昨年と変わらぬ結果しか出せていないことである。
なぜ変わらなければ、衰退なのか?それはあなたが日々、歳をとるからだ。そして、日々、新しい競合が増え、新しいタイプの消費者が増えるからだ。あなたが変わらなくても、世界は進化している。だから相対的に見て、あなたのビジネスは衰退してしまう。
しかし、安心してほしい。実のところを言えば、世界的に成長した会社の多くは、創業当初から、すばらしい成長を遂げたわけではない。成長しようとする試行錯誤の中で、起業家の起業家精神が目覚めた結果、いまの姿になったのである。
ワールドクラスの起業家になるために必要なこと
起業家精神とは訓練で身につけられるものである。私が12歳のとき、サックスフォンの先生が言った。「マイケル、君が音楽を作るのではない。音楽が君を作るんだ。音楽が君を見つけるんだ。君の仕事は練習をすることだ。」そして練習を続けると、音楽が育っていくのだ。
起業家精神もこれと同じだ。起業家精神とは訓練で身につけることができる。訓練を続けることで、向こうから見つけてくれるのだ。あなたはいつでも、成長へと舵を取ることができる。あなたが昔、思い描いた、夢とビジョンを取り戻したとき、それが可能になる。
あなたに、4つのことを伝えたい。
「私は夢を持っている。」「私はビジョンを持っている。」「私は目的を持っている。」「私はミッションを持っている。」
これら4つを紙に書いてほしい。これらは、起業家に必要不可欠な動力源となる。ワールドクラスを目指す会社をスタートするために欠かせないものだ。ライアンがこれら4つのことを真剣に考えれば、会社の本質を、法律サービスを提供することから、それを超えた何かに変えることができるだろう。夢、ビジョン、目的、ミッションがなければ、あなたは同じ仕事を繰り返すの弁護士になる。クライアントを獲得し、失い、同じことをやり続ける。元々の夢とは反対になり、法律の仕事に疲労してしまうだろう。
人が弁護士を雇うときに経験することを、クライアントの立場で考えたことがあるだろうか?弁護士が必要になって、弁護士とやり取りしなくてはいけなくなったときの感情がわかるだろうか?大半の法律が問題を抱えていることを知っているだろうか?
夢があり、ビジョンがあり、目的があり、ミッションがあれば、あなたは会社で行うこと全てを、極めて明確に発信できるだろう。それができれば、あなたのところにやってくる人たちは、既に購入しているのと同然になる。取引が終わっているのと同じになる。クライアントをクロージングするのではなく、彼らとの関係性をスタートさせるのだ。
聞いているあなたに言っておきたい。職人は仕事をスタートさせる一方、起業家はワールドクラスの会社をスタートさせる。仕事をスタートさせるとは、いま質問してくれた彼らのように、同じことをやりつづけることだ。やり方を知っていることをやり、それがなくなってしまうことを恐れ、慣れていることをやり続け、やり続けることによって、ビジネスを維持する収入が得られると信じている。
しかし、さっきいったように、それはビジネスではなく、単なる仕事である。自分のやりたいことをやるために事務所のドアを開いてから、毎日、毎日、過ごしていた日々は、本来送るべき人生とは、程遠かったのだ。
私は、あなたがこれまでにやってきたことを馬鹿にしているわけではない。言いたいのは、あなたが、何をしてこなかったのか、本来何が為されるべきだったのか、何が起こることを約束されていたのか、何が情熱的に為されるべきだったのかを理解してほしいということだ。そして、あなたはそれをする人物になることが出来たのだ。
全ての起業家にとって必要な質問
何が欠けているのか?という質問は、これから花を咲かせる全ての起業家にとって偉大な質問である。
あなたが毎日働きに行くとき、何が欠けているのか?やりえ終えた仕事、出来なかった仕事の中で、何が欠けているのか?疲れて、酔って家に帰ってくるとき、今日起こらなかったことが、起こり得たかも知れないことを理解したとき、いったい何が欠けているのか?最初にビジネスのドアを開いて、10歳年を取って、「ああ!これをしなければいけなかった。」と気がつくとき、何が欠けているのか?
あなたには、何か他にしなければならないことがある。何かが為されるのを待っている。あなたが見るべき、感じるべき、体験すべき、想像すべき、他の何かが存在する。
あなたが神の想像で作られたなら、あなたは創造する為に生まれた。地球上すべての人は創造者であり、何かを創り出す心と魂を内に秘めている。「自分が知っている以上のもの、出来ること以上のもの、学んだ以上のもの、過去に考え付いた以上のもの」を。
私の机に、ウォルト・ディズニーの素晴らしい本がある。彼のアニメーション、ディスニー、ミッキーマウス、ディズニーランドについての思想が抜粋されている。
「人々は私のことをアニメーターであるとか、漫画家であるとか、アーティストであると言う。しかし、それらは真実から最も遠い話だ。私は心の中に描いた。魂の中に描いた。想像の中に描いた。そして、実際にそれを描いてくれる人に伝えるのだ。彼らは私が伝えるストーリー、私が想像の中で見た絵に魅了され、魔法がかかったようになる。私の夢を現実にするために、だれかが紙に書いてくれ、想像したものが進化して顕在化し、物質になる。」
あなたは何を夢見るのか、あなたの夢を紙に描いてくれる人は誰か、いまこの瞬間、あなたのアイデア、コンセプト、創造物が日の目を見るために、誰の手が動いているのか。今日1日、クライアントのため働いて家に帰ってきて、新しいクライアントを探す活動や、必要と思っているが、好きではない活動をするためのエネルギーを搾り出せないなら、あなたの会社は現状を超えて成長しない。ワールドクラスになることを待ちながら仕事をするだけである。
自宅でサロンを開いている多くの女性と、ボディショップの創業者、アニタ・ロディックの違いは何だろう?見ていること感じていることの違いは何だろう?それは単純に大きさの違いだろうか?私はあなたに、しなくても良い何かをしろと言っているのではない。私が言っているのは、あなたは、真の起業家たちが毎日見ている他の世界を見ていないということだ。世界を変えたいと思っている新しい起業家が見ている世界を。古い起業家ではなく、これから花を咲かせる起業家の心と想像の中で息づいている世界を。
私はあなたを信じている。弁護士のライアンを信じている。私たちの身の回りを劇的に変革させる可能性を持った弁護士を。夢を持ったライアンが法律の世界を変革させるために出発するところを想像できる。あなたが世界を変革させるために出発するところを想像できる。たった一人の内にある起業家魂を呼び起こすことによって、どれだけの可能性が広がるか想像出来るだろうか?
あなたがすることは、内なる起業家精神を呼び起こすことであり、私はそれを手伝う。そうすれば、世界は一瞬にして変えられるだろう。
誰でも凄い起業家になれる
以上、いかがだったでしょうか。かなり長いメッセージでしたが、あなたのビジネスのヒントになれば幸いです。私がこのメッセージの中で大事だと思ったことは次の通りです。
- 誰でも凄い起業家になれると信じること
- 起業家は仕事をするのではなく、創造すること
- 起業家としての夢とビジョンを発見すること
あなたはいかがでしたでしょうか。
ちなみにマイケルE.ガーバー氏から学んだことはメルマガでも配信していますので、ご興味のある方は以下からEブックをご請求してください。