ティール組織の自主経営(セルフマネジメント)とは何?



清水直樹
「ティール組織」を読んで自主経営を知ったけど、どう始めればいいの?という方に向けて基礎から実際に行われている運営のやり方などをご紹介していきます。

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目次

自主経営とは?

「ティール組織」を読むと、自主経営ってフラットな組織のことでしょう?と思われるかと思います。たしかに従来型と比べるとフラットな構造になっていますが、自主経営とはそれだけではありません。

日本版ティールともいわれる株式会社日本レーザー 代表取締役会長 近藤宣之氏は次のように説明しています。これは自主経営の定義として非常にわかりやすい説明だと思います。

「自主経営」とは、社員が主体的、自立的、能動的に動き、働く組織のあり方です。誰に指示されるまでもなく、自分で考え、行動する。どうすれば売上げに繋がるか、どうすれば顧客が喜ぶか、どうすれば取引先と良好な関係を維持できるか…。そうしたことをいつも自分で考え、実行する。それが「自主経営」ができている組織だと思います。この対極にあるのが、指示待ち族の多い組織です。

引用元:https://www.hrpro.co.jp/next-hr_vol7.php

生命の自然な姿はセルフマネジメント

自主経営という言葉自体は「ティール組織」で初めて紹介されましたが、このコンセプト自体は新しい発明ではありません。過去何十億年もの間、地球上で生まれた生き物や生態系はセルフマネジメントで動いています。たとえば、魚の群れ、鳥の群れはリーダーがいなくてもみんな同じ方向に向かって動いていきます。

フレデリックラルー氏も、自主経営について「一番自然なやり方」と言っています。人間の組織の進化系であるティール組織においてセルフマネジメントが特徴とされるのはごく自然なことだと思います。

こちらもご参照ください。

▶ラルー氏による自主経営の説明

自主経営によくある誤解

フレデリックラルー氏は「自主経営によくある誤解」として以下の7つを挙げていますので、自主経営を正しく理解するためにも確認していきましょう。

誤解1:自主経営はリスキーである

本を読んで理解はしたものの、

斬新すぎてうちでは到底無理だ

と思ったリーダーもいるのではないでしょうか?

しかし、自主経営は本来は自然な形です。実際、書籍で登場する事例の会社は、かなり古い時代からスタートしています。たとえばWL Gore社は1958年に自主経営で始まり、フランスのFAVI社は1983年に自主経営に切り替えています。そういった会社は幾つもあり、幾度の不景気の波を乗り越えながら生き延びてきました。ですので、前例がないというのは大きな間違いです。

誤解2:構造やプロセスやルールがなくなってしまう

自主経営=構造、プロセス、ルールの廃止

と捉えると悲劇的な結果になります。「セルフマネジメントなんだから私は私のやり方でやる」という人たちが出てきてしまうのです。自主経営にも決まった構造、プロセス、ルールがあります。ただ、従来型の会社と比べて数が少ないのです。たとえば、ビュートゾルフ社はセルフマネジメントを導入する際、これまでのルールをすべて見直し、要らない多くのルールを排除して新しくルールを制定したといわれています。

誤解3:トップダウン経営は終わり

それまでトップダウンで経営をしていた会社のリーダーが、意思決定を放棄してしまえば混乱が起きます。ラルー氏は、この点について、初期段階は引き続き同じトップが全体の決定を担うなどして徐々に変わる必要がある言っています。また、決定事項を個別案件と全社案件に分けて考えることも薦めています。どんな会社にも両方の決定事項があり、個別案件については各メンバーに、全社案件についてはこれまで同様リーダーが行うことになります。

誤解4:セルフマネジメントにおいては皆、平等である

ラルー氏は、「自主経営においては皆平等である、というのはある意味誤解だ」といいます。これはちょっと理解が難しいですが、次のように言えます。

自主経営においては個人個人の価値は平等であるが、役割や貢献には大きな違いがある

組織で動く以上、メンバーはそれぞれに違う専門性や知識があります。それを尊重し、それぞれが違う形で会社に貢献するということになります。なので、みんな同じ、というよりも個々を最大限に活かすことが大切、と言えます。

ラルー氏は、自然が一番のお手本だといっています。以下に彼の言葉を引用してみます。

森の中には色や形の違うあらゆる木が生えていて、下の方を見ればキノコやシダが生い茂っている。背の低いキノコやシダのような植物が大きな木に成長することはないわけで、その必要もないことです。キノコにはキノコ、シダにはシダの得意な姿があって、それが失われれば生態系のバランスが崩れるわけです。



誤解5:エンパワーメントとサーバントリーダーシップ

エンパワーメント、およびサーバントリーダーという言葉には、誰かが権限を持っていて、それを他の人に配分する、または組織に上下関係があるという前提があります。しかしティール組織ではそういった前提ではありません。権限はすべての人に配分されており、またリーダーがメンバーに奉仕する(サーバント)のではなく、すべての人は「存在目的(ティール組織の特徴のひとつ)」に奉仕します。したがって、ラルー氏自身は、個人的にはエンパワーメントとサーバントリーダーシップという言葉はあまりティールの文脈の中では使わない、と言っています。

誤解6:ティールの経営において、コントロールは悪いことである

自主経営を始めようとすると、「管理はやめて、信頼に基づく仕組みに変えよう」という考えになりがちです。ラルー氏は、一部は正しく、一部は間違っているといいます。正しいのは、信頼は自主経営の必須要素であること。間違っているのは、信頼は必要ですが、それだけでは不十分だということです。自主経営を導入する場合には、信頼に加えて、組織が自己修正する仕組みが必要になります。

これに関してはラルー氏が以下の動画で詳しく説明していますので合わせてご覧ください。

「誤解6:ティール組織の経営において、コントロールは悪いことである」動画(4.1.10)の要約

「セルフマネジメントにおける自己修正システムのビュートゾルフ社などの事例」動画(4.1.12)の要約

誤解7:セルフマネジメントでは組織図はない

自主経営では、古い階層構造を取り払ったから組織構造や役割などがなにもない、というのは誤解です。ラルー氏は、新しい組織構造をできるだけ可視化してつくりあげることが重要だといいます。誰がどんな役割を持っているのかを誰が見てもわかるようにしなければなりません。ポストイットやマグネットでもいいですし、ソフトウェアを使っても良いでしょう。

 

どこまで自主経営を導入するか?

では実際に自主経営を進めていくにはどうすればいいのでしょうか?

ラルー氏は、自主経営を始める前に、どの程度までセルフマネジメントを実行するのか?を考えようと提案しています。それは社員に自分たちの将来を理解してもらい、計画できるようになってもらうことが必要だからです。かつ、それを実際に自主経営に移行し始める前に決めておくことが大切です。なぜなら、一度口に出したことを変更するのは大変だからです。どこまで自主経営を導入するかには次のような3つのパターンがあります。

1.形式的なヒエラルキー型を維持する

ラルー氏によれば、経営陣の中には、本当はセルフマネジメントを望んでいない人もいるそうです。ヒエラルキーなしで経営が成立するのか疑問を感じていたりする場合です。そのような場合、形式的なヒエラルキーを維持しながら自主経営に近いことができるケースがありす。ヒエラルキーを維持しながらもサーバントリーダーシップをとるなどしてエンパワーメントを持つのも1つの方法です。

2.部分的にセルフマネジメントを導入する

ある程度のヒエラルキーを維持しながら、部分的に自主経営にするケースです。例えば、ホールフーズは、それぞれの店舗がレジ担当者、生鮮食品担当者、精肉食品担当者などのチームでセルフマネジメントをしてますが、店舗以外の部分は従来のピラミッド型の経営形態になっています。

先述した日本レーザーもすべてがティール的なのではなく、部分的に進化しているといいます。以下、同社近藤会長のインタビュー引用です。

弊社も「衝動型(レッド)」から始まり、少しずつ形態を進化させてきました。現在は「達成型(オレンジ)」が5割、「多元型(グリーン)」が3割、「進化型(ティール)」が2割くらいのバランスになっています。まず「達成型(オレンジ)」的な部分としては、利益を出すことを目的にはしていませんが、目的を達成する手段として利益を出すことは重要であると考えていますし、個人としても会社としても成長を目指しています。こうした部分はオレンジ型の要素でしょう。

引用元:https://www.hrpro.co.jp/next-hr_vol7-2.php

3.全社的に自主経営にする

ヒエラルキーを完全になくします。ラルー氏によれば、会社の規模にもよりますが、大きな組織であれば1年から2年、もしくはそれ以上の年月を要する場合もあるとのことです。

中間管理層や経営層の苦悩

自主経営やティールを目指す際、一番多い疑問・不安は上司やリーダーの役割はどう変わるか?ということでしょう。実際、ホラクラシーを導入した米ザッポス社ではマネージャークラスが一時大量に離職した、と言われています。それまで持っていた権限が無くなったことでやりにくさを感じたのかもしれません。

ザッポス社についてはこちらの記事で解説しています。

このテーマについては、従来型の中間管理層と経営層という2つに分けて考えてみましょう。

中間管理層の苦悩

ラルー氏によれば、セルフマネジメントに移行する際に最も抵抗感を示すのは、中間管理層の人たちだそうです。この人たちはこれまでのルールで成果を上げ、昇進して今の地位まで上がってきたので、セルフマネジメントに移行するとそのハシゴを外されたと感じるのでしょう。(人の上に立つことにプレッシャーを感じていた人や、人の管理よりも現場仕事のほうが好きな人は、セルフマネジメントへの移行を好意的に受け入れるそうです)

ラルー氏は、抵抗感を示す中間層に対しては、これまで管理職としてとして培ってきたスキルを発揮して会社に貢献できるということを理解してもらうのが大切だと言います。また、もし管理職のポジションを続けたいという人には、他の企業でそういった道を進む選択肢を提供するのも有りだということです。

経営層の苦悩

特権を手放すことによる苦悩

大半の経営層は、一般社員とは異なるルールに則って動いています。海外の大企業でいえば、経営陣だけ駐車場で止める場所が違う、などというのはよく聞く有名な話です。自主経営に移行する際には、こういった経営層だけが持っている特権を手放すことが必要になります。ほとんどの経営層はまずそのことに苦悩します。

エゴから来る苦悩

もう一つの苦悩は、中間管理層と同じです。人を管理できる特権を失うことによる苦悩です。

錯覚的な痛み

最後はラルー氏が、錯覚的な痛み(phantom pain)と呼ぶものです。これまで経営層は自分が介入することによって仕事を進めてきたわけですが、自主経営に移行すると、管理の仕事がほとんどなくなるために、自分がいなくても仕事が進むようになります。そのことに対して、最初は不安を感じるのです。自分の存在意義や役割に自信が無くなるといっても良いかも知れません。しかし、これは錯覚なのです。実際、自分が介入しなくても仕事が進むようになったことはリーダーとしての大きな成果です。ラルー氏によれば最初は不安を感じていたとしても、その状態に慣れれば、逆に心地よく感じるようになるとのことです。

自主経営に移行しながらもマネージャー職を残す場合のヒント

自主経営になるとマネージャーは完全に無くなる、と思っている人も多いですね。ですから先ほどの通り、現在、その役割を担っている人たちからは反抗が出てくるわけです。



一方で、実際には完全にマネージャー職をなくさない場合もあります。それは完全な自主経営への移行途中の段階だったり、会社の一部のみを自主経営にする場合です。

そんなケースではマネージャーという役職をどう扱えばよいのか?ラルー氏は7つのヒントを紹介していますのでここでご紹介させていただきます。

1.複数チームをマネージャーが面倒みる

マネージャーが専属でなくなれば、チームメンバーはマネージャーがいないときには自分たちで判断しなくてはいけません。そのため、徐々にセルフマネージングできるようになります。

2.マネージャーの存在意義を明確にする

チームのコーチなのか、メンターなのか、ファシリテーターなのか、または結果への責任を持つ人なのか。自主経営の中での存在意義を明確にしてあげます。

3.詳細な役割を定義する

従来組織ではマネージャーの役割がたくさんあります。自主経営ではそれらをメンバーに分配してくわけですが、どれかの役割を現在のマネージャーが担うようにします。

4.意思決定の権限を決める

自主経営への移行にあたって、マネージャーが何の決定に拒否権を持っていたいかを話し合い、決めることです。基本的にはチーム全体で意思決定をすしますが、マネージャー自身がどうしても譲れない決定権と拒否権を明確にします。

5.助言プロセスを利用

上記で決めた決定権、拒否権以外に関して、助言プロセスを使えるような環境にしておきます。

6.メンバーがチームを選べるようにする

メンバーはマネージャーの承認なしでいつでも自由にチームの移動ができるようにします。マネージャーがセルフマネジメントを尊重しないのなら、メンバーたちはチームから去っていくようになります。これは組織の自己修正プロセスと言えます。

自主経営における経営者やトップリーダーの役割

では自主経営における経営者やトップリーダーの役割とは何でしょうか?ここではラルー氏の言葉を借りて、経営者とリーダーの無くなる役割2つと新しい役割6つをご紹介します。

自主経営で無くなる役割

1. 個別の意思決定

これまでのリーダーはミーティングを繰り返して個別の意思決定しますが、それはほぼ完全になくなっていきます。ティール組織で紹介されている助言プロセスというものを活用し、アドバイスを求められることはありますが、従来よりも短いプロセスになります。

2.プレッシャーを掛けること

これまで、もっと早く、もっと良く、もっと安く、もっと効率よくできないか?とプレッシャーを掛けることが経営者やリーダーの役割の一つでした。しかし自主経営では、組織の仕組み自体がその役割を担うようになります。

自主経営組織での役割

1.会社の外向きの顔になること

これは従来型と同じで、会社の代表としてやるべきことをやる、ということです。自主経営の組織であってもこれは必要ですね。

2.新しいセンシング(感知や判別)と会社にビジョンを提示する

ラルー氏は、あらゆる会社には”ソースとなる人”がいると言います(正確にはピーター・コーニックという人の本を読んで知ったそうです)”ソースとなる人”とは、組織に何が必要で、何が良い意思決定なのかということを感知(センシング)出来る人のことです。アップルのスティーブジョブスは典型的な例です。彼はいったんアップルを離れましたが、戻ってきたあと、会社に必要なことを感じ取り、明確な目的と方向性を明示しました。もちろん、ティール組織で紹介されているビュートゾルフ、モーニングスター、FAVIのような企業でも、ソースにアクセスできる人がいます。

3.スペースを確保すること

これはちょっと理解が難しいですが、チームが古いやり方に戻りそうな時に、「ちょっと待った。そうじゃないよね」と言って、なぜ古いやり方に戻りたくないかを説明することです。この役割は最初は経営層の役割ですが、そのうち、他のメンバーも同じような役割を担えるようになります。

4.存在目的、自主経営、全体性という3つのロールモデルになる

なんだかんだ言っても、会社のメンバーは経営者やリーダーの姿勢、あり方、言動を見ています。ですから、常にどのようにすればロールモデルになれるか?と考え続けることが大切です。

5.他の人に機会を提供する

従来型では、経営者やリーダーは「何かあったら私に言いなさい。私が決める」という感じでメンバーからの信頼を得ていました。しかし、自主経営では、そのやり方はなくなり、ビジョンを伝えた上で、他の人がそういったことに取り組むようにするということです。

「予算を立てなければいけないが、誰か新しいやり方を考えないか?」「戦略立案について他の新しいやり方は?」というように、メンバーを招き入れることです。

6.他の人が意思決定できるように状況を作り出す

何か意思決定したいことがあったとき、自分がするのではなく、他のメンバーが出来るように状況を作ること。たとえば、ミーティングを開催したり、適切な話し合いに参加させることです。

 

以上、経営者、リーダーの役割を見てきました。なんか役割が増えたような気もしますが、ラルー氏によれば実際のところ、個別案件の意思決定をしなくなるだけでも相当自由時間は増えるとのことです。

 

自主経営をスタートするいくつかのヒント

では自主経営はどうやってスタートすればいいのでしょうか?ステップバイステップのやり方は?と思うかもしれませんが、そんなものはありません。試行錯誤を繰り返しながら、やっていくしかないのです。それでもラルー氏はいくつかのヒントを提供してくれていますので、見ていきましょう。

目的とビジョンを明確に

会社全体で目的とビジョンを持っていないと自主経営ができません。ほとんどの企業ではこれが出来ていないと思います。目的とビジョンは二段階あります。組織全体としてのものと、各チームのものです。自主経営を実行するにあたって、これらができていれば、いちいちリーダーやマネージャーが口を出さずとも協調的な行動が取れます。

マネージャーが担ってきたタスクをチームで分配する

目的やビジョンを設定する、結果を観察し、フィードバックする、対立を中和する、チームの雰囲気を保つ、などマネージャーには数々の仕事があります。そもそもこれらの仕事を一人の人が上手くこなそうというのは無理があります。そこで、自主経営ではこれらのタスクをチームで分配することで、各メンバーが自分がやりたいタスク、得意なタスクをこなせるようになります。

ラルー氏はこのタスクの配分について注意点を挙げています。それは、タスクの担当を一定期間で交代するようにすることです。1人が長いこと同じ仕事をしていると他の人が学べなくなったり、特定の人が特定の領域で力を持つようになるというリスクがあるからです。こういったことを防ぐために、一定期間で交代したほうが良いとのことです。

どこに痛みがあるかを知る

「組織のどこに”痛み”があるのか?」「どこにエネルギー(成長の源泉)が留まっているのか?」を考えることです。例えば、予算作成に多くの時間と労力を割いて、それがみんなにとって悪夢のような業務であるとすれば、最初に取り掛かるべきところは予算作成となります。組織のどこに痛みがあるのか、どこに成長を滞らせる要因があるのかを考えてみると、変革を始めるべきところが見えてきます。

一部(Pilot)でのテストを行う

まずは会社の一部でテストを行います。一部の選び方は、組織の中で最も痛みを抱えているところです。そういったところには改革の必要性があるため、快く協力してくれる社員もいるでしょう。ただし、ラルー氏はここでの以下の通り注意点を挙げています。



Pilotでテストすることを、リスク回避の施策だと思わないで欲しいということです。つまり、「全体を同じ方法で一気に変革するのはリスクが大きすぎるため、まずは一部でテストをしてうまくいったら全体に同じ方法を適応していく」、というマインドセットでは従来の機械的な組織論と変わりません。この方法では組織は「生き物」として認識し、更に一番大切なのが経営者が一番正しいと思う方向に変えていくことなので、リスク回避の視点ではなく、組織にとって正しいこと/経営者が理想とする組織を作るためにやるべきことをやる、という視点でPilotでのテストを始めてください。 - フレデリックラルー氏

一つの新しい制度を組織全体に適応させる

先の方法とは逆で、ひとつの新しいやり方、先ほどの例でいえば新しい予算計画のやり方を組織全体に適用することです。つまり、あらゆる業務を自主経営にするのではなく、一部の業務を自主経営的にするということです。

新しい会社を作り上げ、1から作っていく

新しい理想的な組織を作り、既存の事業をどんどんそちらに移行していくことで、既存のシステムを変革する必要が無くなります。

組織全体で実験

規模の大きい会社では、新しいことを全社に適応させるのが非常に難しいです。そこで、自主経営に移行させたいということを各事業部やチームに伝え、それぞれでテストを行ってもらうよう促します。すると当然、それぞれ違うアプローチを取ります。そのため、あるチームが他のチームより成功しているということが起こります。そうなると、うまくいっているチームから学ぼうという動きが始まり、その方法が広がり、発展し、確立されていきます。組織内で一つの方法が広く行き渡っていることが確認できたら、それを仕組みとして標準化していきます。

ティール組織マップを使って対話を始めましょう

以上、この記事では自主経営についての解説を行ってきました。あなたの会社をセルフマネジメントに移行させていくヒントになれば幸いです。

さて、改めてご紹介になりますが、このサイトではヨーロッパで開発された「ティール組織診断マップ」を無料配布しています。おそらく世界で唯一、全体像を俯瞰して診断できるマップです。これを使っていただくと、チームや会社内でティール組織に向けた対話をスタートすることが出来ます。使い方の簡単なガイドも付けていますので、ぜひ以下からダウンロードされてください。

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