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アメリカのIT企業の社長が会社継承から企業合併に至るまでの物語

スモールビジネスの社長にとって、会社継承会社売却はどこかのタイミングで向き合わなくてはならない課題です。

アメリカのソフトウェア開発会社TerrAlignの社長であるジム・ブラウンは、優秀な右腕であるケン・クラマーを見つけて経営の現場から退きました。

多くの経営者にとって、経営を信頼できる人間に任せられる状態は理想でしょう。

さらにケンは会社を引き継いだだけでなく、その後アメリカの大手ソフトウェア会社であるセールスフォースと合併することにも成功しました。

今回は、ジムとケンの出会いから企業合併に至ったストーリーを、ケン・クラマーのインタビューより紹介します。

ぜひ最後までご覧ください!

 

1. ケンが会社を継承するまで

TerrAlignは地図のソフトウェアサービスを提供している会社です。

会社はジム・ブラウンによって設立され、約15年以上も続く優良企業です。

現トップであるケン・クラマーは元々TerrAlignのパートナー会社で働いていましたが、TerrAlignとの共同事業や、ジムと親しくなったことからTerrAlignに移籍してきました。

ケンが移籍した頃のTerrAlignは、マップサービスを始める前で従業員数は10〜15人程度の小さな会社でした。

ケンは当時を振り返りながら、あの時移籍を決めたのは、主にジムの賢さや経営者としての腕の良さ、TerrAlignの社員の優秀さや顧客レベルの高さに惹かれたからだと語っていました。

ケンが移籍してから数年後、ジムはそろそろ現場を引退しようと考えていました。

ジムの引退計画はいたってシンプルなもので、ケンをトップに起用し、他の優秀な従業員2人をマネージャーに昇進させました。

ジムが退いても会社が回るように必要なポジションに見合った人材を落とし込んだのです。

これだけ聞くと非常に簡単なことのように感じますが、実際は1年以上の時間をかけてジムとケンはこの件について話し合って2人3脚で事を進めていったそうです。

ケンによると、社長職を誰かに委任する時に最も大切なことは、詳細な労働契約、条件、給与や仕事内容などを明確に決定し、十分に説明して交渉を重ねることだそうです。

大切な会社を継承する訳なので、会社のためにも社長自身、後継者自身のためにも各業務や必要事項を細かく定義づけし、明確にすることが重要です。

 

2. 企業合併に至るまで

さて、ケンが会社を引き継いで約1年後、ジムとケンの間でどこかと企業合併した方が良いのではないかという話し合いが始まりました。

そして丁度その半年後に競合が大手ソフトウェア会社に買収されました。

その出来事をきっかけに、二人は売却を決意し、ケンが中心となってM&Aのパートナー探しをはじめました。

その頃丁度TerrAlignの地図ソフトウェアサービスが軌道に乗りはじめた頃で、成長の可能性が大きくありました。

しかし、資金的にも販売チャネルに関してもTerrAlignはその規模の小ささから成長に限界があったのです。

そのため、ケンは合併のパートナーは絶対に類似した事業を行う大手がいいと考えていたそうです。

そんな時に合併を申し出てきたのがアメリカの地図ソフトウェア企業MapAnythingでした。

ケンは事業シナジーの可能性とMapAnythingの規模に惹かれて、申し出を承諾し、2018年に両者は合併しました。

この時、TerrAlignの他の管理職は合併の件についてほとんど知りませんでした。

というのも、ケンは合併の話が漏れると社内に様々な噂が飛び交い、従業員が仕事に集中できなる可能性があると判断したからです。

合併が決まった後は、アメリカ各地にリモートで働いている社員のことも考えて、テレビ会議で事実を報告したそうです。

何も知らなかった社員はもちろん驚いていましたが、彼らは会社の規模が拡大したことで、成長や事業拡大に繋がることを理解し、納得してくれたようです。

しかし、TerrAlignのM&Aはここで終わりではありませんでした。

MapAnythingと合併してからわずか半年もしないうちに、MapAnything自体がセールスフォースに買収されたのです。

ケンもこの件については予想していなかったため非常に困惑したそうですが、セールスフォースは世界ソフトウェアランキングトップ10に入る超優良企業であったため、彼はこの事をプラスに捉えて、会社のさらなる飛躍を期待していると語っていました。

また、この合併によって従業員のキャリアパスも大きく拡大したと言います。

実際、セールスフォースに買収された際にTerrAlignの従業員の大半はそちらに移籍したと言います。

ケン自身は移籍はしなかったのですが、従業員が様々なキャリアを選択できるチャンスができて、彼ら自身の成長に繋がることは非常に喜ばしいと語っていました。

 

今回のケースでは、TerrAlignのオーナーであるジムがケンに経営業務を継承してから、ケンがMapAnything、セールスフォースと企業合併するまでの経緯を紹介しました。

会社継承に関しては、以下の3点がポイントです。

・適材適所に人材を昇進させる

・後継者との交渉はじっくり行う

・社長職の労働条件・契約は詳細に、明確に決定する

また、企業合併に関しては

・自社の事業成長を指標にパートナーを選定する

・従業員の人生にとってどんなメリットがあるかを熟考する

以上の2点がポイントであることがわかりました。

 

いかがだったでしょうか?

M&Aの事例が増えていく中で、合併を視野に入れている経営者の方も多いかと思います。

会社経営の参考になれば幸いです。