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起業が3年目に失敗する理由や末路などを解説

清水直樹
清水直樹
起業した人のうち、5割が3年以内に失敗すると言われています。この記事ではその失敗の理由や末路、そしてどうすれば3年目を乗り切れるか?を解説していきます。

 

中小企業庁のデータによると、起業3年目における廃業率は法人の場合には37%、個人の場合には52%です。つまりせっかく夢を持って起業したにも関わらず、約半分くらいの人たちがわずか3年で失敗してしまうということです。

起業の半数は3年目で失敗

何を隠そう、私自身もいまの会社の前に作った2社は、ちょうど3年くらいで潰してしまいました。。。その理由も後で解説したいと思います。

 

半数の起業が3年目で失敗する理由

では、なぜそんなに多くの人が3年目に失敗するのでしょうか?

会社が失敗する理由は(これは3年目に限りませんが)、ずばり、キャッシュの枯渇です。

ほかにもいろいろと理由を挙げられるかもしれませんが、最終的にはキャッシュが枯渇して倒産するのです。

ではなぜキャッシュが枯渇するのでしょうか?

これにはいくつかの理由があります。

起業の失敗はキャッシュの枯渇が原因

 

1.集客力、営業力不足

キャッシュが枯渇する一つ目の理由は、集客力、営業力不足です。要はビジネスを維持するだけの顧客が付かず、売上が立たなかったというわけです。

起業する人、独立する人には大きく分けると2つの人種が存在します。

一つ目の人種は、元々営業系の人です。こういう人は何かしらの代理店として起業したり、技術や商品を持っている人と組んで起業します。このような場合には元々営業力があったり、これまで培った人脈があったりしますので、集客力、営業力不足で失敗するということはあまりないでしょう。

二つ目の人種は、元々技術系・職人系の人です。たとえば、シェフをやっていた人が独立して飲食店を開くとか、エンジニアがSI企業を起業するとか、大工さんが工務店を開くとか、税理士さんが税理士事務所を開くとか、そういったパターンです。

この場合には、集客力、営業力不足で、キャッシュが枯渇し、失敗しやすくなります。なぜならば彼らはこれまで営業らしきことをしたことがないですし、そもそも営業することの大切さを理解できていないケースもあります。

 

2.利益モデルの見通しが甘かった

キャッシュが枯渇する2つ目の理由は、そもそも起業当初に立てた計画、とくに利益を上げていくための計画が甘く、商品・サービスが売れても大して利益が出ず、コストをカバーしきれなくなっていくパターンです。

会社員をしているとあまり気が付かないものですが、自分で起業すると予想外のコストが色々とかかってきます。たとえば、交通費、備品、通信費、家賃などです。会社員の時には会社がこれらのコストを支払っているのであまり意識することがありません。しかし、起業した途端、これらのコストは自分の身銭を切って支払うことになるのです。その辺の見通しが甘く、資金が足りなくなるケースがあります。

また、商品やサービスを安売りしてしまい、売っても売っても利益が出ない、というようなこともあったりします。これは値付けやポジショニングを間違った時に起こります。

 

3.放漫経営

キャッシュが枯渇する三つ目の理由は、いわゆる放漫経営です。首尾よく売上も利益も上がってきたため、調子に乗って高い家賃のオフィスを借りてしまったり、不必要な車を買ったり、接待で大盤振る舞いをしたり、儲かりそうな新規事業に手を出したり、、、という感じで、まだ本業の基盤が脆弱なステージにも関わらず、いろんなところにお金を突っ込んでしまうパターンです。

 

キャッシュの枯渇以外で3年以内に失敗する理由

さて、起業が失敗する理由はキャッシュの枯渇と書きましたが、例外的に他の理由もあります。それが次の二つです。

組織崩壊

創業メンバーが何人かいる場合や、急激に成長したりする場合には起こりえるのが組織崩壊です。最初はみんなでわいわい仲良くやっていたとしても、3年くらいたつと、メンバー同士の方向性や価値観の違いが明確になってくることがあります。そうなってくると社内のコミュニケーションの量が減ってきたり、最悪の場合には創業メンバーが離脱するということもあります。

そうなると残された社長だけではやっていけなくなり、事業を閉めざるを得ない、ということがあります。

 

情熱の喪失

起業当初は、”これこそ自分の生きる道”と思っていたものの、時間がたつにつれ、”あれ、なんか違うかな?”とか、”あっちのほうが面白そう(儲かりそう)”というように考え始めたり、”思ったより儲からないな~”などの理由で、当初の事業から情熱が喪失するケースもあります。

そして、ひっそりと会社を閉じるパターンです。このようなケースは、他の人からはわかりにくいのであまり表面化しませんが、実は結構多いケースかなと思います。

このケースの場合、当初のビジネスを方向転換して(ピボット)、成功することもあるので、必ずしも失敗とは言えないかも知れません。

 

起業の失敗の末路とは?

では上記のような理由で起業が失敗したら、その後はどうなるのでしょうか?これから起業しようとしている方には気になるところですね。

起業に失敗した場合、一番の問題は借金でしょう。借金が返せないとなると、最終的には自己破産ということになります。

ただ、借金と言っても色々ありますね。

親戚友人から借りるパターン

普通、この場合には借金が返せなくても自己破産まで追い込まれるケースは少ないと思います。多くの場合、貸した側が泣き寝入りするか、今後の人生で少しずつ返していく、ということになると思います。ちなみに私は昔、知人に事業資金を貸したことが何度かありますが、返ってくることはあまり期待できないとわかりました。なので、もう貸すことはないと思います・・・。

 

銀行から借りるパターン

銀行から融資を受けて返せなくなった場合、リスケ(支払いのスケジュール猶予)をしたりしますが、それでも返せない場合には、債権が債権回収会社に移ります。社長個人が借金の連帯保証人になっている場合、最悪のパターンでは自己破産となります。ただ、自己破産=人生の終わり、というわけでもありません。破産から立ち直った起業家はたくさんいます。

 

投資家から借りる(出資してもらう)パターン

この場合は正確には借金ではなく、出資をしてもらうということになります。この場合、リスクは出資してくれる側が負います。つまり、出資をしてもらったものの、ビジネスが失敗してキャッシュがゼロになってしまった場合でも返済の義務はありません。ただもちろん、”返さなくていいんでしょ”、みたいな態度では出資者との関係性が悪くなります。返せなくなった場合には人としてきちんとした対応をしなければなりません。

 

というわけで、起業の失敗の末路として最悪なのは自己破産ということになりますが、私個人の意見から言うと、起業3年目に失敗した場合、大した問題ではないと思います。

そもそも起業3年目に失敗するような事業をやっている場合、それほどの規模感でやっていないわけです。そのため、雇っている社員も少数でしょうし、借金があったとしてもそれほどの金額ではないと思います。

なので、社員は別の会社に転職すればいいですし、借金は再起して返せばいいのです。

 

3年目で起業が失敗した例

では次に私個人の失敗例をご紹介したいと思います。

1社目:利益モデルの見通しが甘く失敗

私が最初に起業したのは26歳の時。それまでの会社員時代とは全く異なるビジネス、プライベートアイランドの紹介業を始めました。

一度目の起業

このビジネスを選んだ理由はひとつ、”ワクワク感”でした。こんなすごい世界があることをみんなに知らせたい、という思いだけでした。

実際、ウェブサイトを自作したり、プレスリリースを打ったり、小冊子を出したり、と色々としているうちにいくつかのメディアにも取り上げられ、やっている本人は楽しかったのです。

しかしながら、ちょうど3年目くらいの時、キャッシュが枯渇してきて立ちいかなくなってしまいました。先ほどの挙げた中の、”利益モデルの見通しが甘かった”という理由でキャッシュが枯渇したのです。

プライベートアイランドを販売するには、現地に視察に行ったりしないといけないので、まずそのお金がかかります。また、取引が完了するまでのスパンが非常に長いので、当初貯めていた資金があっという間に減っていったのです。

 

2社目:組織崩壊

二回目の起業は、いまでいうスタートアップ、昔はITベンチャーと呼んでいたものです。このときは前回と異なり、複数人の創業メンバーが一緒でした。結論から言うと、この会社も3年目くらいで解散、となってしまいました。

この会社は創業時に投資家から1億円超の出資をしてもらってスタートしました。最初は新しいサービスを生み出すことに対するワクワク感や上場を目指す、という野心があり、とにかく働いていました。

しかし、社員数が10名くらいになると、徐々に思ったようにサービスの開発が進まなくなってきました。すると、創業メンバー同士で責任の擦り付け合いが始まりました。今考えると良くないことだとわかるのですが、当時、創業メンバーは他にも自分の会社を持っており、このベンチャーの調子が悪くなればなるほど、自分の会社の仕事に逃げるようになっていったのです。

そうなるともう悪循環です。みんな本腰を入れなくなってしまい、組織崩壊が始まりました。そして、1人会社に来なくなり、また1人会社に来なくなり、、、ということが続き、会社が自然消滅状態になってしまったのです。

 

起業3年目で失敗しないために

では起業3年目で失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?この限られた記事のスペースで紹介するのは難しいのですが、ここでは大切な考え方を3つご紹介します。

 

起業の失敗=人生の失敗としない

まず、起業の失敗=人生の失敗だと考えないことが大切です。会社の倒産件数が増えると、自殺してしまう人も増えてしまうわけなのですが、そうなってはいけません。

起業すること、会社を経営することは、人生の中の一部分でしかありません。もちろん、ほとんどの経営者にとって人生の大部分を占めるのが会社の経営です。しかし、それでも人生=経営ではありません。

会社やビジネスは人生を幸せにしてくれる乗り物であり、それ以上のものではない、という捉え方をすることが大切です。

一度失敗したらもう一回やればいいだけの話です。人生100年時代と言われる今、再チャレンジの機会は山ほどあります。

 

致命的な仮定を理解する

致命的な仮定とは、このサイト「仕組み経営」のベースになっているベストセラー書籍「はじめの一歩を踏み出そう」に書かれているコンセプトです。

本にはこう書いてあります。

致命的な仮定とは、「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」ということである。

本書には大半のビジネスがうまく行かない理由は、起業するほとんどの人が、「致命的な仮定」を信じてしまっていることだと書いてあります。職人的な仕事を行う能力と事業を経営する能力が別物なのです。

職人的な仕事を行う能力とは、たとえば美容室の経営であれば、カットする能力、税理士事務所であれば税理業務を行う能力、リフォーム店であればリフォームする能力のことを指しています。これらの能力が高いことと、その事業が成功することは全く別ものである、ということです。

起業したら、まずその事実を理解し、これまでとは違う仕事、たとえば営業やマーケティング、財務、組織作り、ブランドなどにも意識を向ける必要があります。

はじめの一歩を踏み出そうの詳しい解説はこちら

 

成長ステージに合わせて会社を経営する

3つ目は会社の成長ステージを理解し、それに応じた働きをするということです。

会社の成長ステージ

起業3年目くらいの場合には、この図で言う1か2の幼少期に当てはまると思います。

ステージ1では、時間とアイデアが大事です。自分自身が全てをやらないといけないので、限られた時間をいかに使うか?が成功のカギを握ります。また、事業自体のアイデア(利益モデルや対象市場等)でその後順調に成長するかしないかが決まってきます。

ステージ2では、顧客と仕事が増え、初めての採用を試みます。同時に、その人件費をカバーするためにこれまで以上に多くの顧客を見つけてくる必要があります。そのため、セールスやマーケティングが成功要因となります。

 

以上、起業3年目で失敗する理由や事例、また失敗しないための考え方を少しご紹介いたしました。

このサイトでは世界中の成功企業が活用してきた書籍「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースに中小企業・成長企業のご支援をしていますので、ぜひ以下から詳細をご覧ください。

 

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