自走するビジネスとは?種類や創り方を解説。



清水直樹
自走するビジネスとは、オーナーの介在無くして運営され、利益が上がっていくビジネスのことを意味しています。オーナーにとっては理想の状態のひとつと言えますが、どうやれば、そんな状態ができるのかを見ていきます。

 

自走するビジネスを創ることでどんなメリットがあるのか?

自走するビジネスを創ることで、オーナーの介在無しに利益が上がるようになります。その結果として、オーナーには3つの選択肢が得られます。

拡大させる

ひとたび、自走するビジネスが出来たら、それを複製し、利益を増やしていく選択肢があります。もちろん、うまく成長させられるとは限りませんし、成長すればするほど、リスク要因も増えますので、もしかすると成長しなかったほうが良かった、となるかもしれません。それでも成功させられれば、大きな利益を得られるようになります。

そのまま維持する

そのまま維持し、利益を得続けるという選択肢もあります。いまの利益に満足しているのであれば、これも良い選択肢と言えるでしょう。

売却する

自走するビジネスは、売却しやすいです。逆に言えば、オーナーが介在しないといけないビジネスは売りにくいと言えます。ビジネスを売却すると、短期的に大きな利益が得られます。売却金額の相場は、一般には「純資産+営業利益の3年~5年分」で算出されます。したがって、3~5年間、自走するビジネスを所有し続けた場合に得られる利益を、先にまとめてもらう形と言えます。

※事業売却については以下に詳しく解説しています。

会社売却(外部・第三者承継)完全ガイド

 

 

自走するビジネスの種類

世の中の自走するビジネスを見てみると、いくつかのパターンがあります。以下は代表的なものになります。

 

1.小規模な自走するビジネス

小規模な自走するビジネスは、オーナーとスタッフ数人レベルで運営されているビジネスです。可能な限り、人手がかからないように設計されたビジネスと言えます。

たとえば、セルフ式のエステや無人のトレーニングジム等、機材の活用によって運営にほぼ手間がかからない小規模な店舗ビジネスが当てはまります。

また、アフィリエイトサイト、Eコマースサイト等、集客が自動化されているウェブサイトを活用したビジネスモデルなどもここに当てはまります。

年商規模の目安としては、数百万円から数千万円といえるでしょう。オーナーとしては、めちゃくちゃ儲かるようなビジネスでもありませんが、安定して収益が得られる不動産投資のようなイメージかも知れません。

 

2.中規模な自走するビジネス

中規模の自走するビジネスは、小規模の自走するビジネスを複製して、成長させたものと言えます。ここまで成長すると、オーナーに加え、複数店舗を管理するマネージャーや現場を指揮する監督者が必要になります。彼らが活躍し、きちんとビジネスを回してくれることで、オーナーは自分の介在無しで運営できるわけです。

年商規模の目安としては、数千万円から数億円といえるでしょう。もちろん、成長意欲や対象市場次第ではもっと行けるかもしれません。オーナーは、いわゆる”スモールビジネス”のオーナーとなり、人並み以上の生活を実現できるレベルの収益を得ることも出来るでしょう。

 

3.大規模な自走するビジネス

大規模な自走するビジネスは、オーナーが、自分の代わりに会社を経営してくれる社長を雇い、自分は株主、会長としての立場に退くというモデルです。これはどんな業態でも実現可能です。まさにその状態が自分の理想と考える人もいるでしょう。

大規模な自走するビジネスは、意外と世の中に多いものです。特に会社の所有と経営を明確に分けている米国では、多くのスモールビジネスオーナーがこの状態を目指します。

(ちなみに、私たちが運営しているこのサイト「仕組み経営」では、この状態になることをひとつのマイルストーンとして、会社の仕組み化をご支援しています)

年商規模な天井知らずです。雇う社長の能力やオーナーの意欲次第と言えます。

 

自走するビジネスはどうやれば出来る?

では、次に、どうすれば自走するビジネスができるのか?を考えていきましょう。

自走するビジネスには、上記に申し上げた通り、いくつかのパターンがありますので、どこのレベルを目指すかによって、方法が変わってきます。

小規模な自走するビジネスを目指すには?

小規模な自走するビジネスを手っ取り早く手に入れる方法は、

  1. 既に自走しているビジネスを買う
  2. 自走するビジネスモデルを持っているフランチャイズに加盟する

です。

まず、①買うほうですが、いまはオンライン上で、様々な会社の売却案件を見ることが出来ます。その中には、”自走可能”と表記されている案件もあり、そういった案件を吟味して買うことです。



もちろん、本当に自走可能か?ほかにリスクはないか?などの調査はじっくりと行う必要(ビジネスデューデリジェンス)があります。これは会社を買う場合には、欠かせないプロセスです。

次に②フランチャイズに加盟する、です。これは会社を買うよりもリスクが少ないかも知れません。なぜならば、そのビジネスが本当に成功するのかどうかは、他の加盟店を調べてみればわかるからです。もちろん、他の加盟店が成功しているからと言って、自分も場合にも、間違いなく成功するとはいえません。しかし、他の参考例がない①の場合と比べると、成功率は高いと言えるでしょう。

①も②ともに言えることですが、どちらも確実とは言えません。また、自分の介在無しで回るとはいえ、自分がある程度興味を持っている分野のビジネスを選んだほうが良いでしょう。そのほうが

別の方法としては、自分で自走するビジネスを創る方法もあります。これはまさにアイデア次第になりますが、すでに成功している自走するビジネスを参考にし、より改善されたものを自分で立ち上げる、という手もあります。

 

中規模な自走するビジネスを目指すには?

先述した通り、中規模な自走するビジネスは、小規模な自走するビジネスを複製することで出来ていきます。ただし、スタッフ数が増えれば増えるほど、様々なトラブル(離職や人的ミス等)が起こります。そのため、どこまで成長させていくかは考えどころです。

また、オーナーの代わりに管理監督してくれるマネージャーの人選や育成も非常に重要性が高いです。信頼がおけて、数値管理や人の育成、採用などが出来る人が必要になります。

 

大規模な自走するビジネスを目指すには?

大規模な自走するビジネスを創るためには、何より、オーナーの代わりに経営をしてくれる社長を採用、任命しなくてはいけません。ここが一番難易度が高いところです。

そのほかのポイントとしては以下のような点が挙げられます。

共通の目的と目標

組織の人数が増えれば増えるほど、共通の目的や目標を持つことの重要性が増します。それがなければ、みんながバラバラに行動し出し、顧客へのサービスに一貫性が生まれません。それが最終的には業績の低下を生み出してしまいます。

明確な組織構造と役割

誰が何の仕事をするのかを明確にすることが、自走するビジネスの基本と言えます。各々が自分の持ち場を守り、かつサポートしあうことで自走するビジネスが出来ます。

以下、参考記事:

分業化のデメリットと克服法

 

ルールを決める

自走するビジネスを創るためには、みんが働くうえで守るべきルールが必要です。ルールがあることで、スタッフはその範囲内で自由に働けるようになります。

以下、参考記事:

社内ルールとは?作り方、テンプレート(例)、徹底方法を完全解説

 

財務情報を見える化する

自走するビジネスを創るために、財務情報を社内で公開するのもひとつの手です。いわゆるオープンブックマネジメントというやり方です。オープンブックマネジメントで、自分の働きによって、どのような財務的インパクトが生まれるのかを理解でき、より良く働けるようになります。

以下、参考記事:

オープンブックマネジメントとは何か?メリット・デメリット・始め方について解説

マニュアル化する

ルールを決めるということと近いですが、業務のマニュアル化も自走するビジネスには欠かせません。マニュアルがあるこどで、スタッフが交代したときの引継ぎも楽になります。

以下、参考記事。

マニュアル作成大百科(コツや事例、ツールからテンプレートまで)



 

自走するビジネスを作るなら仕組み経営へ

以上、自走するビジネスについてパターンや創り方をご紹介してきました。私どもでは、主に小規模な自走するビジネスを中規模に成長させる、また、いまのビジネスを大規模な自走するビジネスへと変革させていくための仕組み化のご支援をしています。

詳しくは以下のウェブセミナーで解説していますので、ぜひご参考にされてください。

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