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「治水した者が勝つ」2024年9月2日号


​お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

あなたの地域では台風の影響は大丈夫だったでしょうか。

我が家は山と森に囲まれているのですが、特に災もなくやり過ごせたようです。今日は快晴です。

今日から子供の幼稚園始まるので、いいタイミングで晴れてくれました。

私の仕事部屋から西側には箱根外輪山の一つ、明神ヶ岳がすぐ真正面に見えます。

一方、東側には、酒匂川(さこうがわ)があります。

酒匂川は富士山を源流とする、比較的大きな川です。

江戸時代から度々氾濫を起こし、下流にあった二宮尊徳(金次郎)の生家や田畑に甚大な被害をもたらしたことが知られています。

二宮尊徳は成人後、多くの農地改革を行ったことで有名ですが、その背景には、子供時代に自然災害の恐ろしさを体験し、治水や土木に深い関心を持ったことがあります。



■昔から、治水、つまり自然の脅威を治める術を持ったものが天下を治めるという伝説があります。

かつて、いまでいう黄河流域にいた舜(しゅん)という王は、禹(う)という人物に黄河の氾濫を鎮める治水工事を命じました。

禹(う)はそれをやり遂げ、王の地位を受け継ぎました。

徳川家康も江戸に入る際、利根川の流路を大きく変える工事を行いました。


それまで江戸は利根川がたびたび氾濫し、大湿地帯となっていたそうです。

家康は利根川の流れを東に変え、千葉の銚子に流れるようにしました。

これによって、江戸の町が繁栄できるようになったのです。

いまの利根川を目の前にしたら、よくこんな大きな川の流れを変えようと思ったな、と感心せざるを得ませんね。

このように、治水の成功が天下を治める大事な要素になってきたのです。


■治水とは、川の氾濫が起こった際に、それを元通りに復旧するだけでなく、同じことが二度と起こらないようにすることを意味します。

そのためには、水の流れをよく把握し、その力を上手に活用することが重要とされています。

これは会社の経営にも全く同じことが言えますね。

まず、何かトラブルやミスが起こった時、そのことに対処するだけではなく、

それが二度と起こらないように仕組みを変えることが大切です。

トラブルやミスを個人個人の責任にしていては、再び同じことが起こり得ます。

たとえ担当者を変えたとしても、トラブルやミスが起こる構造が存在する限り、同じことが起こります。


■次に、水の流れを良く把握し、その力を上手く活用することです。

これは物事の道理や、社員の動機と能力を良く把握し、活用することと同じです。

私たちは仕組み化を推奨していますが、よく勘違いされるのは、経営陣が仕組みを作り、社員に画一的にその仕組みに従わせるべきだという考え方です。

​これは社員の反発を招き、かえって生産性を下げることになることがあります。

自社に必要な仕組みを考え、その仕組みを活用するのに適した人を見つけ、その人のやる気や目標と仕組みをうまく結びつけることが大切です

例えば、オフィスの整理整頓の仕組みを作る際、整理整頓が好きで得意な社員にその仕組みの運用を任せたらどうなるでしょう。

その社員の”快適な仕事環境を作りたい”という意欲と、会社の整理整頓の仕組みを結びつけることで、全体の整理整頓が進むと同時に、その社員の可能性も引き出せます。

このように、仕組み化も自然(周り)の力を活用することでうまく行きやすくなるはずです。


というわけで今日は以上となります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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