清水直樹プロフィール

一般財団法人日本アントレプレナー学会 代表理事
仕組み経営株式会社 取締役

大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後、モバイル事業の創業メンバーとして参加し、上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。2010年、マイケルE.ガーバー氏(「はじめの一歩を踏み出そう」著者)と出会い、2011年1月に同氏の「ドリーミングルーム」を日本で初開催。以降、ドリーミングルーム卒業生を300人以上、同氏の認定ファシリテーターを20人以上輩出(いずれも世界最多)。

2019年に東洋・西洋の思想と方法論を統合した仕組み経営を開発。日本企業をワールドクラスカンパニー®にするための支援活動に力を注いでいる。

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清水直樹
こんにちは、清水直樹です。このサイト、仕組み経営を運営しています。このページでは、私がどのようにして仕組み経営を作ったのかをご紹介していきます。

2度の起業失敗、知識、人脈、資金すべてゼロに

私の最初の起業は26歳の時。

IT関連だった会社員時代とは全く無関係の海外プライベートアイランドの紹介業をスタートさせました。

清水直樹プロフィール写真①

プライベートアイランドとは、個人所有の島。超高額の不動産です。昔から自分の島が欲しいな、と漠然と考えいてた私は、起業するにあたって、自分で島を買う前に島を売買するビジネスをやろう、と思い立ったのです。

当時の富裕層ブームのおかげでいくつかの雑誌に掲載させてもらったりしながら、まさに夢のような仕事をしていました。しかし、インターネットが今ほど発達していない当時、視察や海外業者との交渉に思いのほかお金がかかり、想定以上のスピードで資金がショートしてきました。

お金が無くなり、どうしようもなくなってきた頃、元々IT業界にいたこともあり、モバイルベンチャーのスタートアップに参画することになりました。ベンチャーキャピタルから億単位の資金調達をして、社員数も20名弱になりました。このままいけば20代で上場企業の役員になれるはずだったのです。

30歳にしてアルバイトの日々

しかし、しばらくして今度は、経営陣のビジョンの違いから組織が崩壊することになりました。一人、また一人とリーダークラスが会社に来なくなり、そのまま会社は解散になってしまったのです。

結果として30歳くらいで実質フリーターになってしまいました。毎日何もやることが無くなり、生活費を稼ぐためにアルバイトをして食つなぐことになりました。

ホテルのウエイター、パソコン教室の教師、バーの店員など学生に混じってアルバイトをしながら、どうやって生きて行こうかと悩む日々でした。

3度目の起業 – 3か月働いて報酬1500円

アルバイトを続ける中、インターネットを使って収入を得ようと思い立ちます。当時流行っていたアフィリエイトビジネス(インターネット上で他社の商品を紹介して報酬を得る仕事)を始めました。アルバイトは全部やめて、すべての時間をウェブサイトの制作やリサーチに費やしました。お金がなかったので、見様見真似でウェブサイトも全部自分で作りました。

これで稼げなかった先がない、と思っていたので本当に寝る間を惜しんでパソコン作業を続けたのです。

そして3か月が経ちます。

アフィリエイトビジネスで得られた報酬はたったの1500円でした。

当時、ほとんどのASP(アフィリエイトビジネスを仲介する会社)は、最低支払額が5000円でした。報酬が5000円以上行かないと支払われないのです。つまり、3か月間の努力はすべてタダ働きになってしまったのです。

アルバイトも辞めていたので、この時はキャッシングに手を出し、借金生活。さすがにマズいと思いました。

一番惨めだった瞬間を今でも覚えています。

友人から食事に誘われ、外出する際、ふと財布の中を見たら数十円しかなかったのです。銀行口座ももちろん残高はゼロ。キャッシングも限界までいっていたので友人と食事に行くお金すらなかったのです。幸い、カバンの中に何かでもらった商品券が入っていたのを思い出し、それを換金してギリギリのところで食事は行くことが出来ました。

海外のビジネスノウハウを買いあさる日々

清水直樹プロフィール写真②

再びお金が無くなった私は、もう一度アルバイト生活に戻らざるを得ませんでした。しかし今度は、明確な目的がありました。ITは海外のほうが進んでいることが分かったので、アルバイトでお金を貯めて、海外の教材を購入し、勉強しようと思ったのです。

そして、実際に海外の経営教材を買いまくりました。今度は教材の中身に書いてあることをそのまま実践しました。学んだノウハウを使って、簡単なブログを作り、新しく商品を販売しました。

すると、今度は以前とは全然違う結果が出ます。

ブログ開設から1週間程度で、1万円以上の収益を得ることが出来ました。その後も1日数十分の作業でアルバイトをするよりも多くの報酬を得ることが出来るようになったのです。収益は月50万円程度まで成長しました。

この結果から、何ごとも本場から情報を得ることの大切さを学んだのです。

しかし、月に50万円入ってくると言っても、この状況がいつ終わるかもわかりませんし、これではビジネスとは言えない、お小遣い程度だと思っていました。

そこで、もっと海外からビジネスを学ぼうと思いました。海外の教材は平均するとひとつ5万~20万円くらい。海外セミナーに行くとなると渡航費含めて50万円~100万円はかかります。それだけかけても学ぶ価値はあると思い、得た収益のほとんどを教材の購入、さらには海外セミナーへの参加費に投資をし始めました。

海外ノウハウを使い、24時間で3000万円

清水直樹プロフィール写真③

海外に目を向けてから半年くらい経った頃、海外のセミナーで出会った日本人の人と共同でプロジェクトを行いました。“投資の教材をプロダクトローンチで売る“というプロジェクトです。

プロダクトローンチというのは、新商品を販売する際、数週間かけて顧客の感情を暖め、一気に販売するという海外発のプロモーション手法です。今ではインターネットマーケターの間で結構使われていますが、当時の日本ではほとんど使っている人はいませんでした。

このプロジェクトでは24時間で1000万円、10日で3000万円。トータルで1億円弱の売上になりました。この成功によって、私はようやく数年間にわたる“暗黒時代”から抜け出せると確信できました。

初めてのコンサルティングビジネス

清水直樹のルーツ

 

その後、私はさらに海外情報の仕入れにのめりこみました。ようやくまとまったお金が得られたので、前から欲しかった教材や行きたかったセミナーに参加しまくりました。同時に、自分のウェブサイトを作り、海外ノウハウを日本の起業家や経営者に提供するという仕事を始めました。

会員制サービスもスタートさせ、ようやく収益が安定してきたのです。この頃からコンサルティングをして欲しい、という依頼が来るようになりました。ちょっと前までフリーターだった自分が、人様に物を教えるなんて出来るのかな、と思いましたが、依頼がどんどん増えたので引き受け始めたのです。

同業のインターネットビジネス関連はもちろん、化粧品の通販や伝統芸能のプロモーションなど、様々な分野のマーケティングに携わりました。化粧品のプロモーションでは海外映画祭のレッドカーペットも歩かせてもらいました。

清水直樹&ハリウッド

いまから振り返ると全くレベルの低い内容ではあったと思いますが、知識や考え方を求める人はたくさんいるんだ、ということを知りました。

と同時に、“自分で起業を成功させ、将来は起業家にアドバイスする仕事する”という学生時代に考えていた夢を思い出しました。

ちょっと過程は変わってしまったけど、昔から思い描いていた仕事をしているな~と実感したのです。

世界No.1の起業・経営アドバイザー、マイケルE.ガーバー氏との出会い

 

清水直樹&マイケルE.ガーバー

海外情報を色々と調べている中で、マイケルE.ガーバー氏の考え方に出会いました。「はじめの一歩を踏み出そう」は実は会社員時代に読んでいましたが、さっぱり印象に残っていませんでした。自分でビジネスを始めてみて、ようやくあの本に書いてあることの重要性に気が付いたのです。

また、海外情報をくまなく調べていた私にとって、マイケルE.ガーバー氏の思想が、他の大勢のコンサルタントやアドバイザー達のノウハウの原点になっていることも気が付きました。

そして、2010年11月にマイケルE.ガーバー氏のドリーミングルームという講座に初めて参加をし、彼のプログラムを日本で広めるという仕事をするようになりました。翌1月には、東日本大震災が起こる中、日本初のドリーミングルームを開催しました。以後、300名以上の卒業生を輩出し、その認定ファシリテーターも日本から20人以上を輩出しました。いずれも世界最多の人数になりました。

西洋と東洋の統合を目指して

その後、ガーバー氏の思想を日本に広める活動を続ける中で、残念ながらそれだけでは会社が上手く機能しないケースも見てきました。

何が欠けているのかと考えていくうちに、日本の歴史や文化の問題に突き当たりました。

欧米のビジネス環境と日本の企業風土は根本的に異なり、ただ単に彼の理論を持ち込むだけでは、日本人には馴染まないのではないか、と考えたのです。

目指すものの違い

たとえば、ガーバー氏の理論では「経営者がいなくても回る組織」「社長がオーナー的立場になって、働かずに収益を得る」ということが目標になります。

しかし、日本では「働くことに美徳がある」「経営者自身が現場に関与し、社員をリードする」という価値観が大事にされています。

また、ガーバー氏の理論は、経営トップが仕組みを決め、現場の自由裁量を排除するという考えで成り立っています。しかし日本では現場で働く人たちの質が高く、むしろ彼ら主導で仕組みを作ったほうがうまく行くのです。

西洋的な仕組みが機能しない理由

さらに、これが最大の問題でもあるのですが、リーダーとしての在り方を正しいものにしなければ、ガーバー氏の言う仕組みはまったく機能しないことも学びました。つまり、周りから信頼、共感、尊敬を得られる人格の高いリーダーでなければ、どんなに良さそうに見える仕組みを思いついても、社員がその実行や改善に協力してくれることはありません。

そして、リーダーとしての在り方については、西洋の理論は、実はその多くが東洋思想を周回遅れで追いかけていることにも気づきました。

たとえば、マイケルE.ガーバー氏がドリーミングルームで提唱したインパーソナルドリーム(顧客のための夢)という概念は、そもそも利他心/自利利他円満という仏教が2,000年以上前から教えてきたこととほとんど同じです。

西洋的経営理論に染まってしまった今の日本企業にとって、ガーバー氏の提唱した概念は、私たちに原点へ戻るきっかけを与えてくれるものではありましたが、まったく新しいもの、というわけではありません。

ガーバー氏の理論について

マイケルE.ガーバー氏は私たちが「仕組み経営」を開発するきっかけを作ってくれた人物であり、本ページで彼のプロフィールや思想、人物像などをまとめておきたいと思います。 目次 マイケルE.ガーバー氏とは? マイケル[…]

松下幸之助氏、稲盛和夫氏ら経営の神様からの学び

ガーバー氏の仕組み化理論だけではうまく行かないと感じ始めた私は、松下幸之助氏、稲盛和夫氏を始めとする日本の偉大な経営者、さらには神道や儒教、仏教等の東洋思想への学びを始めました。

その結果わかったのは、先ほど述べたリーダーの人徳無くして仕組み化は決して機能しないということでした。

たとえば稲盛和夫氏は「京セラフィロソフィ」と「アメーバ経営」という思想(人徳)と仕組みを高度に融合させる考え方を私がガーバー氏と出会うはるか昔から実践されてきています。

また、人徳と仕組みを融合させる徳治と法治という考え方は、数千年前から議論されていることです。

答えは日本企業にあり

私が感じていた上記のような疑問への解決策は、実は私がこれまで見逃してきた素晴らしい日本企業の中にありました。

仕組み化などのフレームワークの開発力は欧米に一日の長があるものの、仕組みの細部の作り込みに関しては日本の企業のほうが優れていると確信を得ました。

日本の長寿企業では、長年改善し続けられた仕組みだけではなく、創業者や経営者の理念が脈々と受け継がれ、理念と仕組みが融合していることがわかりました。

 

普通の人が幸せになる社会

ガーバー氏から学んだ仕組み化の重要性は今も変わることはないと思います。

ただし、そのやり方は大きく変わってきています。

最大の要因は、テクノロジーの進化です。

多くの業務がデジタルツールを活用して自動化できるようになっています。そのため、従来の「仕組みを作る」という発想を、現代の環境に合わせた形へと進化させることが求められるのです。

そこで私は、西洋一辺倒を止め、東洋思想と方法論を統合させた、統一的な経営の考え方を体系化したいと考えるようになったのです。

それが「仕組み経営」になりました。

私が「仕組み経営」を創った最大の目的は、単なる業務効率化や事業拡大を支援することではありません。正しい想いを持ち、仕組み化された会社を増やすことによって、普通の人が普通に働くことで成果を上げ、幸せに生きていける人を増やすことです。

特別な才能や圧倒的な努力をしなくても、正しい仕組みの中で働けば成果を出せる。仕事に振り回されるのではなく、仕事を通じて人生を豊かにできる。そんな環境を作ることこそが、経営者の本来の役割ではないかと考えています。

もちろん、どんな仕事でも他者の支援をすることが出来ます。しかし、私はいまの仕事をはじめたおかげで目の前で人の人生や会社が劇的に変わっていくのを見てきました。

実際に、経営者の方から、”人生が変わりました”と言われたことは一度や二度ではありません。それは感動的でもありますし、そのたびにずっとこの仕事をしていきたい、と思えるのです。

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