当社の設立趣意や社会における存在意義、目指す姿、日々の仕事で大切にしていることを理念体系として制定いたしました。

ドリームは顧客のための夢であり、世の中にもたらす偉大な結果です。

ビジョンは当社が長期的に目指す姿です。

コアバリューは日々の仕事や人生で大切にする価値観です。

(2022年11月改訂)

Dream:私たちの夢

仕組み化で中小・成長企業にかかわる人々の創造力と可能性を引き出し、世界を持続成長させる。

世界を変革しよう。一度に一人の人を。一度にひとつの家族を。一度にひとつの地域を。一度にひとつの国を。

私たちの夢は、当社設立のきっかけを作ってくれたマイケルE.ガーバー氏の意志を引き継いでおります。マイケルE.ガーバー氏は、起業家精神と仕組み化で世界中の中小・成長企業を変革させることに人生をかけてきました。


起業家精神とは、会社を設立することではありません。起業家精神とは創造力であり、全ての人に備わっている人格です。私たちが参加したマイケルE.ガーバー氏の講義にて以下のように日本にメッセージをもらいました。

この言葉にあるように、私たちはすべての人に備わっている創造力を引き出し、中小・成長企業をもう一度、起業家精神溢れる状態にしていきたいと考えています。

新しい時代

起業家精神の物語をお話ししましょう。

日本という国が、敗戦の灰の中から、何の希望もなく生まれ変わったときの話です。

この地球上のどの国も、そんなことはあり得ないと思っていたのです。

誰がそれをしたのか?

起業家達です。

彼らは何者なのでしょう?

あなた方は知っているはずです。

その後、何か別のことが起こり、成長から衰退へのストーリーが始まりました。

日本が起業家主導の国から、政治家や官僚に支配された政治の国になったのです。その過程で、偉大な起業家たちの創造力によって生み出された、並外れたエネルギーとパワーを完全に失ってしまったのです。

だから、あなた方一人ひとりの内に秘めた偉大な起業家を見つけてください。それこそが、今日本が苦しんでいる経済問題を解決する唯一の方法なのです。

私はこの場所で、あなた方と一緒にそれをやりたいと思っています。あなたは人々に奉仕するためにここにいるのか、それとも人々から搾取するためにここにいるのか?

もしあなたが搾取するためにここにいるのなら、私はあなたに興味がありません。もしあなたが奉仕するためにここにいるのなら、新しい起業家の時代に歓迎します。

中小・成長企業こそ世界の原動力

人間を含め、地球上の全て、または宇宙空間の全ての存在は持続成長するために存在しています。宇宙の原理である持続成長を遂げていくためには、中小・成長企業を経営する人、そこで働く人々が担い手になります。


なぜならば、世の中の大半の人は中小・成長企業にかかわっているからです。


中小・成長企業(社員数300人以下)は、日本における企業数の99%以上を占め、そこで働く人々は、全体の約70%と言われています(経済センサス)。つまり、中小・成長企業の経営者と、そこで働く人々は世の中に大きな影響力を持っていると考えられます。さらに人は一日24時間のうち、少なくとも8時間くらいは仕事に費やしており、彼らがどのような心持ちでどのような仕事を行うか?が世の中を左右するわけです。

そして、日本は経済的には失墜しているとされているものの、いまだ世界第三位の経済大国であり、世界に与える影響も大きい国です。

そういった意味で、中小・成長企業にかかわる人々は、世の中に大きな貢献をしていると言えます。

私たちは、中小・成長企業は以下のような権利があると考えます。

1.どんな小さい会社の小さい仕事でもそれが情熱と誇りを持って行われれば、称賛を得るに値するということ。

中小・成長企業は世間的に見ると、“しょせん小さい会社”とみなされていることも事実。

有名なテレビドラマ「下町ロケット」では、大企業の会社員が、“社員数200人程度のちっぽけな会社”と言うセリフが出てきます。実際に経営してみれば、社員200人を抱えることがどれだけ大変で責任の求められることなのかわかるでしょう。ただ、その大変さは一般にはわからないのです。そのため、中小・成長企業は様々な意味で世間から冷遇されていると言ってもいいでしょう。 

2.社長や社員の方々が経済的にも精神的にも豊かで幸せな人生を送れること。

一般に、大企業のほうが給与が高いわけです。ただ肥大化して硬直化した大企業よりも、機敏な小さい会社のほうが生産性を高める余地があるのではないでしょうか。

松下幸之助氏は、中小企業こそ大企業以上に給与を上げるべきだ、と発言したとされています。なぜならば、これから入社しようとする社員からすると中小企業のほうがリスクが大きく、給与が低いと割に合わないからです。この発言の背景には、中小企業は工夫次第で生産性を高めることが出来るのだ、という確信があったのだと思います。

また、大企業には斜に構えている社員が多いため、人間関係も表面的で、もっといい条件の会社があれば容易に転職してしまいます。しかし小さい会社では、社長と社員の関係性も近く、一体感のある企業文化を創りやすいはずです。それが働く人々にとっては精神的な豊さを生み出します。

 

3.成長する機会があり、仕事と人生を成功させる考え方や能力を身に付けられること。

経営の学問と言えばMBAですが、主に大企業の会社員向けとなっており、中小・成長企業の現場の仕事に役立つものではありません。

また、成功した社長が書いた書籍やセミナーなどは多数ありますが、“私はこうして成功した”というものであり、体系的、普遍的なものではありません。

世界の持続成長のためには、中小・成長企業が成長しないといけない、つまり、そこで働く社長と社員が成長できるための学びの場が必要です。

95%の人をなんとかしなければならない

ただし、これらの権利を得るためには、いまの中小・成長企業の現状を変えないといけないもの事実です。

日本の中小・成長企業には停滞ムードが漂っています。

その際たる指標が、生産性の低さとエンゲージメント(やる気、貢献心)の低さです。日本企業の人時生産性は、先進国の中でも20位程度にとどまっています。また、日本企業の従業員で士気・熱意がある者の割合は5%と世界最低(出典:第1回 未来人材会議 2021.12)を記録してしまっています。

世界が持続成長するための最大の担い手が中小・成長企業にかかわる人々であるものの、その実は低い生産性、低いやる気という事態に陥っています。

会社が停滞する唯一の理由

このような事態になっている大きな原因は、中小・成長企業をリードする経営者に起業家精神が失われてしまっていることにあると考えています。

  • たとえば、創業当初は業界を変えてやろう、世界を変えてやろうと意気込んでいたものの、現実の厳しさに気が付き、いつの間にか、身の程を知るという言い訳のもとに自ら限界を決めている人がいます。
  • 独立・開業すれば自分の好きなことで生きていけると思っていたにも関わらず、経営者になってみると、やるべきことに忙殺され、いつの間にか夢を失い、創造力を失ってしまった人もいます。
  • また、自らの意志ではなく、“家業”だからと会社を継ぎ、魂の入らないまま経営を続けている人もいます。

経営者自身が人生に対する夢や情熱にかけている、つまり本当の意味で生きていないため、それが会社に波及し、非生産的な文化を生み出しています。

本来、全ての人は豊かな創造力と可能性を秘めています。しかし、夢や情熱を失った経営者の元で働く社員はそれが引き出されることなく、人生を過ごしているのです。

先ほどのデータを見れば、95%の人は仕事に対してやる気がなく、お金がもらえるから、という理由だけで出社しています。これは社会全体の損失に他なりません。

私たちはその現状を変え、経営者や社員が高い志をもって働き、会社と人生を充実させていく支援をしていきたいと考えています。

そのために、仕組み化という考え方を世の中に広め、彼らの創造力と可能性を引き出していきます。



これまで何万ものスモールビジネスと付き合ってきて、彼らが八方塞になっているのを見てきました。彼らには生きる力もなくなっていました。

なぜそうなってしまうのか?

それは経営者自身が問題なのです。

実際のところ、多くの会社には、起業家がいませんでした。

彼らは、起業家熱にうなされた職人でした。

彼らがやっていたことは、自分自身のために仕事を生み出していただけでした。

自分や家族の生計を立てるために、仕事をしていただけです。

そして、トンネルを掘って、掘って、掘って、掘り続けて、地球の裏側まで進みます。

このどこかに終わりがあって、光が見えるのだと思いながら、出口が見えるに違いない、光が見えるに違いない、あれが光かも知れない、あれが光だったかも知れない、と思いながら。

しかし違うのです。

少し暗さが弱くなっただけです。

それは光ではありません。

私たちは、何が光なのかを知ることが出来ません。光とはどういったものか?それを実際に体験するまでは。

その光とは、私たちが起業家として目覚めたときに見えるものなのです。

それは突然、見えるようになります。

起業家精神とは神秘的なものでしょうか?

もちろん、そうです。

そもそも宇宙が神秘的なものだからです。

トンネルの中に光はないのです。それはトンネルの中にいては出来ません。

それは私たちの想像力の問題です。

覚えていますか?

最初の顧客と接したとき、どんな感じだったか覚えていますか?

どんな光があったか覚えていますか?

日々の仕事をこなすことに慣れてきて、光がどこかに行ってしまったのです。

会社を始めたときには、あった光が。

ワールドクラスの会社を作ろうと決めたとき、あなたはその光を世界中に広げることを決意したことになるのです。

仕組み化で社員の創造力と可能性を引き出す

仕組み化とは、自社独自の再現性のある仕事のやり方です。

まず経営者自身が、“このような会社を創る”という高い志を掲げ、そのために、“このような仕事のやり方が必要である”と決めなくてはなりません。それが「自社独自」ということです。

自社独自の仕事のやり方を生み出すには、創造力が求められます。仕組みがあることで雑多な仕事から解放され、創造力を高めることが出来ますが、逆に、創造力がなければ素晴らしい仕組みは作れません。

創造力は人類発展の源泉です。創造力を言い換えれば起業家精神を発揮するということです。起業家精神とは会社を創ることを指すのではありません。

起業家精神は、全ての人の内に秘められている隠れた人格であり、”人のために働き、世の中をより良い場所にしていくことが自分の人生の目的”だと気が付いたときにその人格が表面に現れます。

起業家的な会社とは

サンバルディーノにあるマクドナルド一号店を視察
マクドナルド一号店
マイケルE.ガーバー氏のセミナー(1980年代)

マイケルE.ガーバー氏は、41才まで百科事典や保険を売って生計を立てていた普通のセールスマンでした。しかし、たまたま親戚の紹介でシリコンバレーの経営者にあったとき、技術の最先端を行く経営者であっても、職人的に働いているだけであり、経営は仕組みであることを知らない、という事実に気が付きました。

そして、自分がこれまで培ってきたセールスの仕組みをその会社に導入することで、成長させることが出来ると考えたのです。その後、世界初とされる中小・成長企業向けのビジネスコーチング会社を創り、世界中に知れ渡るようになりました。


また、いまのマクドナルドを作ったレイクロックに至っては、52才までしがないセールスマンでした。しかし、マクドナルド兄弟が作ったハンバーガーショップに足を踏み入れた際、このハンバーガービジネスを世界中に広めることが自分の役割だと気が付いたのです。


このように、偉大なことを成し遂げられる起業家精神は誰にでも備わっているのです。


起業家的な会社では、すべての社員が起業家的な意識を持っており、すべての人に創造力という才能が備わっていることが固く信じられています。

多くのビジネスオーナーは、まだ自分が創ったビジネスのすばらしさに気がついていません。彼らがそれに気がつくのは、人々のうちに秘めた能力を開放し、普通の人でもすばらしい結果を残せるシステムを作り、自分のビジネスが世界中に広がっている姿を見たときです。

社員の可能性を引き出す

多くの会社では、社員の起業家精神を押し込めてしまっています。経営者自身が自分の隠れた起業家精神に目覚めていないからです。

私たちは、経営者が本当に情熱をもって取り組める事業を発見し、それを創り上げることを支援します。経営者が掲げるその旗に、志を同じくする社員が集まり、彼らにインスピレーションを与えることが出来ます。それが社員のエンゲージメントを高め、創造力を引き出し、改善を積み重ね、改革へとつながります。

全ての会社は人を成長させる学校となる

また、創造力を持った経営者は、仕組み化によって、仕事を再現性のあるものにします。社員の方々がこれまでにやったことのない高度な仕事、出したことのない高い成果を出せるようになります。

これが人の可能性を引き出すということであり、それが出来れば彼らは内発的に動機づけされ、自分が思っていた限界を超えて仕事に取り組むことが出来ます。単に仕事を覚えるとか、知識を増やす、ということではなく、自ら動機づけされ、可能性を広げていけることこそ、本当の成長です。

冒頭で、中小・成長企業にかかわる人々の権利として、「成長できる機会があり、仕事と人生を成功させる考え方や能力を身に付けることが出来る」と言いましたが、その機会とは、外部の研修やセミナーなどに参加する機会を指すのではなく、会社での仕事を通じて提供される機会のことです。

つまり、経営者が起業家的な会社を創り上げることによって、社員が仕事を通じて、人生を豊かにする学びが得られる、ということなのです。

Vision:目指す姿

ワールドクラスカンパニーを次々と生み出す“仕組みのプラットフォーム”になる。

1人の会社か、3,000人の会社かというのは重要ではない。世界に通用する方法で取り組む決意をすることが重要なのである。

ワールドクラスカンパニーを創るために必要なこと

先に掲げた夢を実現するために、ワールドクラスカンパニーと呼べる会社を次々に生み出していきます。

ワールドクラスカンパニーとは必ずしも規模が大きい会社のことではありません。

経営のあらゆる側面が卓越した世界レベルの仕組みで運営されている会社のことを指しています。

私たちはワールドクラスカンパニーを創るために必要なことは3つあると考えています。

一つ目が起業家精神です。私たちの生活は、起業家が創ってきたものです。日本には、数え切れないほどの起業家のストーリーがあります。過去のストーリーを語り継いでいくことはもちろん、いま、この時代に生きる私たちが、次なる起業家として、新しいストーリーを創っていくことが、本当の役割ではないでしょうか。

二つ目に、同じく日本人が大切にしている匠の技:クラフツマンシップ(自己成長を続け、商品やサービスの細部への卓越性を追求すること)です。日本には優れた技能や技術、サービスを持った会社や仕事人がたくさんいます。クラフツマンシップによって生まれた商品やサービスは世界中どこでも求められるものになります。

アントレプレナーシップとクラフツマンシップの二つだけでも良い会社は出来ます。ただ、せっかく良い商品やサービスを持っていても、それだけでは小さな規模で留まってしまいます。自社が持つ価値をより多くの人に伝えていくために必要なのが3つ目のシステマイゼーション(仕組み化)なのです。

そして、このシステマイゼーション(仕組み化)こそ、多くの日本企業が苦手とする部分だと私たちは考えています。だからこそ、海外発の考え方とメソッドを使い、日本企業の仕組み化をご支援しています。

私たちが日本の会社に仕組み化の重要性をお伝えしている理由は、社長が戦略的な仕事に取り組むため、事業承継に備えるため、生産性を上げるため、などの理由ももちろんあります。しかしそれ以上にお伝えしたい理由は、日本の中小・成長企業が仕組み化を推進することによって、日本人が持つ匠の技(商品やサービス)をより広く世の中に広げていくことができるからなのです。

世の中を良くしていきたいという「想い」、そして顧客の問題を解決するこだわりの「商品やサービス」、さらにそれを広く広めるための経営の「仕組み」

これら3つが相まることで、世の中に役立つ素晴らしい会社が実現します。

世界基準の仕組みで運営される会社

ワールドクラスカンパニーは以下の4条件を兼ね備えている会社です。

  • 革新性・・・崇高な志やビジョンとともに、現状の改善を続ける仕組みがあること(ダブルビジョン)です。未来を見据えながら現状の仕事に一生懸命取り組むことで、創造力が発揮され、革新といえるような大きな変化が生まれます。そして、革新とは、人々に単に何かを売って、少しばかりの変化をもたらすことではなく、人々の人生に変革をもたらすことです。

 

  • 拡張性・・・売上と経費が比例して増える膨張ではなく、売上拡大ともに合理化が進み、小さい組織でも大きなインパクトを生み出せるようになることです。そのような組織はより大きく成長できる可能性を秘めています。

 

  • 永続性・・・経営者が変わっても同じように成長できることです。世代を超えて存続している会社には、確固たる思想(社会性)と仕組みが存在します。

 

  • 一貫性・・・いつでも、だれでも、どこでも同じ価値を顧客に提供できる仕組みがあることです。これにより、素晴らしいブランドが生まれます。

これらの条件を兼ね備えることで、その会社は、いわば“全ての会社にとってのお手本”となります。

そのお手本となるような会社が次々と生まれれば、他の会社にインスピレーションを与え、ともに繁栄していくことが出来るはずです。

仕組みのプラットフォーム

私たちのビジョンは、いま申し上げたワールドクラスカンパニーを次々と生み出すプラットフォームになることです。そこで中小・成長企業に「思想と経営の仕組み」「コミュニティ」「事例」「伝道師」を提供します。

思想と経営の仕組み

思想と方法論は和魂洋才で成り立っています。思想は主には和魂、経営の仕組みは洋才です。日本には江戸時代以降、素晴らしい経営や商売の思想があります。

一方で経営の仕組みは米国をはじめとする海外から学ぶことが多いです。そこで、和魂に洋才を加えて、唯一無二の思想と仕組みを提供します。

戦後30年にしてようやく日本は精神的には敗北したわけです。 日本の持てる精神です。日本人の古来の。 そういういいものがあるとするならここらで精神復興しなければならない。 精神復興、それはほんとうの日本の復興です。

高め合いのコミュニティ

人材は群生すると言われます。たとえば、松下村塾では後の日本に貢献する人材が多数輩出されました。現代では、シリコンバレーに世界を変える人材が群生しています。このような場には、高めあいのコミュニティが存在し、人材輩出のエコシステムが出来ているのです。

日本にも様々な中小企業向けの団体やコミュニティが存在しますが、経営者の遊びを中心としたものや、同じ業界の仲間と悩みを共有するという程度のものにとどまっているケースが多いようです。私たちは経営者をはじめとする中小・成長企業にかかわる人々の起業家精神を育み、仕事の質、人生の質を高めるためのコミュニティを創っていきます。

優れた事例

優れた事例は人にインスピレーションを与えます。他社の事例を見て、うちの会社でも同じことが出来るかもしれないと刺激を受けることもあれば、あの人に出来たなら、自分でも出来るだろう、と発奮することもあるでしょう。

伝道師

伝道師がコミュニティをリードし、そこから事例を生み出す。そうすることによって、インスピレーションを受ける人たちが増え、さらにコミュニティが拡大していく。そのような循環のプラットフォームになることが私たちの目指す姿です。

意義ある会社を所有すること、そこで働くことは、その人の人生にとって、欠かせない存在となる。そうなったとき、リーダーは、ビジネスの中で働くことも、外から働きかけることも、自分が自由に選択できることに気がつく。そして、ビジネスがスタッフにもたらす影響、商品やサービスが市場やコミュニティにもたらす影響の大きさを感じることができる。経営者がそのような革新的な環境を作り上げたとき、ビジネスはあなたの情熱を世界に届ける乗り物へと進化する。

Core Values:大切にする価値観

コアバリューは、人生と仕事の判断軸であり、会社としての約束事です。関わる人が日々追求すべき価値観を以下の通り7つ策定いたします。

1.利他心

人に最大限の慈しみをもって見返りを求めず尽くすこと。

起業家は、当初心で描いた通り、顧客とビジネスが本当に一体化したときに喜びを見出す。発明したビジネスが世の中にとって重要であればあるほど、成功の継続がより簡単になるのである。

インパーソナルドリーム

マイケルE.ガーバー氏は、偉大な会社を創るためには、パーソナルドリーム(個人的な欲求)ではなく、インパーソナルドリーム(他の誰かのための夢)に目覚めることが必要だと説いています。日本語でいえば、利己心ではなく、利他心で経営するということです。

利他心に良くある誤解

利他心には二つの良くある誤解があります。

まず、他の誰かのための夢と言うと、ボランティア精神で経営をしなくてはいけないのか?と思われるかもしれませんが、そうではありません。たとえば、高い品質の商品を安い値段で売れば、顧客は喜ぶかもしれませんが、会社の利益率は下がり、社員とその家族に悪影響が出るかもしれません。これは顧客のために社員を犠牲にしていることになります。逆に高い値段であっても、他社よりも品質が良いのであれば、顧客が安物買いの銭失いをしないように、自社の商品を薦めて上げることが善となります。

また、誰かのために役立つことをすれば、それが巡り巡って後から自分の利益になる、と考えるかも知れませんが、それも少し違います。たしかに因果の法則で、他人に手を差し出せば、あとから自分も救われるということもあるかも知れません。ただ、これは利己心のために利他心を装っていることになります。目指すべきは、他の人のために仕事し、彼らの夢を実現することが、自分にとっても夢となる状態です。

何か良いことをしたとしても、その裏で“もっと自分を褒めてほしい”、“もっと自分に感謝してほしい”といったような心があれば、それは自分だけが知っている裏の心(偽の心)となります。自分だけが知っている裏の心をなるべく捨てていかなければ、いずれそれが表に出て、利己心丸出しの人物になってしまいます。

自利利他円満

最初は利他心を装った利己心でも良いかも知れませんが、大切なことは、顧客の人生や会社のステージを高めるために、仕事を洗練させることです。それによって、顧客が真の変化を得るのを見たとき、インパーソナルドリームを追求することが自分にとっての夢となるはずです。マイケルE.ガーバー氏は、この状態を発見できた時に起業家精神が目覚める、と表現しています。仏教用語では、これを自利利他円満と言います。自利利他円満とは、利他的行いをすれば自分にも利益が返ってくるということではなく、利他的行い=自分の利益だと考えることなのです。

2.礼節

言葉遣いを綺麗にすること。挨拶、お礼をしっかり行う。想いを伝えること。

群臣百寮、礼を以て本とせよ。其れ民を治むるが本、必ず礼にあり。上礼なきときは、下斉ず。下礼無きときは、必ず罪有り。ここをもって群臣礼あれば位次乱れず、百姓礼あれば、国家自から治まる。

顧客に対する敬意とは、礼儀正しく振舞ったり、嘘をつかないということだけではない。顧客との長い関係の中で、敬意は行動として示される。顧客のニーズを超える優れた製品を作ることによって顧客への敬意は伝えられる。

礼が全ての始まり

挨拶やお礼などの一般的なマナーを心を込めて行うことが礼節です。心が込められていない表面的なマナーは相手にも伝わります。

同じことが会社の仕組みにも言えます。

会社の仕組みが機能するかどうかは、根本的なことを言えば、それらが“社長の個人的な欲求のため”、“会社の都合のため”に作ったのか?“社員や顧客のため”に作ったのか?によって左右されます。社員の方々が、”自分たちをコントロールするためにこの仕組みがある“と思った瞬間に仕組みは形骸化するのです。

また礼節に欠ける社長は社員からの尊敬を集めることが出来ず、いくら優れた仕組みでも機能しません。そのような会社には、私たち自身が礼節を尽くした支援を提供し、見本となることです。

3.誠実

筋を通すこと。決して裏切らない。裏表のない人間関係を築くこと。

あなたのリーダーとしての能力は、あなたがすべてのことについて良く知っているかどうかによって決まるものではない。それは、あなたが自分の強さや弱さについて、いかにオープンであるか、いかに正直であるかによって、決まるものである。

二つの嘘

誠実さの妨げとなるのが嘘ですが、嘘には二つの嘘があります。

一つ目は他人に対する嘘です。これは良くないことだというのは誰でもわかると思います。

二つ目は、自分に対する嘘です。これは、表向きはこのように生きていくと掲げているものの、実際の行動が伴っていないことです。自分に対する嘘は他人からは気づかれないかもしれませんが、他人に対する嘘よりも質の悪いモノです。他人に嘘をつけば、信頼を失い、商売がうまく行かなくなり、お金を失うだけかも知れません。しかし、自分に対する嘘をつき続ければ、人生そのものを失うことになります。

自分に対する嘘をつかないためには、常に自分の人生の目的や価値観を振り返り、内省を行うことが大切です。

偽りの仮面を外す

また、裏表のない人間関係を築くとは、偽りの仮面を被る必要がなく、ありのままの自分で生きていけるということです。

ティール組織の著者、フレデリックラルー氏は次のように語っています。

歴史を振り返ると組織は常に、人々が仮面をつける場所であった。~中略~私たちは自分のありのままの姿ではなく、事前に定められた、組織に受け入れられるような一定の様式に従って装いを決め、ふるまうことを期待される。~中略~毎朝出勤前に着替えるたびに、自分自身の一部を締め出さなければならない、と思うようになるのだ。

また、グーグルのプロジェクトアリストテレスの結果では次のように語られています。

結果から浮かび上がってきた新たな問題は、個々の人間が仕事とプライベートの顔を使い分けることの是非であったという。もちろん公私混同はよくないが、ここで言っているのはそういう意味ではなく、同じ一人の人間が会社では「本来の自分」を押し殺して、「仕事用の別の人格」を作り出すことの是非である。

多くの人にとって、仕事は人生の時間の大半を占める。そこで仮面を被って生きねばならないとすれば、それはあまり幸せな人生とは言えないだろう。社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。“

仮面をつけ続けるほど、自分の中の二重人格が強固なものとなり、裏の自分が欲を出してきます。そうなると、愚痴を言ったり、人を裏切ったり、姑息な手段を使ったりすることになってしまうのです。

これらの言葉にあるように、裏表なく、いつも同じ自分でいることは人としての誠実さにつながるだけではなく、組織の生産性にもつながります。

4.卓越

人生のあらゆる分野でワールドクラスの基準を持ち、一所懸命勉強すること。

羽生は、持ってゆくトイレットペーパーの芯を抜いている。鉛筆も、手帳用の小さいものを、途中から切り落として短くしている。ノートの表紙でさえ、いらぬものとして破いて捨てている。これ等を合わせても、10グラムはあるまい。7,000メートルを超える高度だと、少し動いても息が切れる。そういう時、心に迷いが生ずるのだ。自分は、やれるだけのことをやったのか。もっと荷を軽くできたのではないか。そういう不安を抱えていても登攀の邪魔になるだけだ。低酸素と疲労で、ただでさえ思考が鈍る。そこへ、さらにわずらわしい考えがちらつけば、それが事故につながる。もし、きちんとその作業が済んでいるのなら、「やるだけはやった」余計な思考をせずにすむ。

ほかの人間と競争するとき、だれもあなたを助けたいと思わない。ところが自分自身に戦いを挑むと、誰もがあなたを助けたいと思う。

尊敬に値する状態を目指す

私たちはお客様から尊敬される存在にならなくてはなりません。尊敬されるとは、信頼される、感謝されるというレベルを超えた状態です。製品やサービスの質が高く、お客様の悩みを解決できれば感謝はされますが、これでは経済的な取引にとどまっています。

そのレベルを超えて、尊敬の対象となれば、お客様にとっての例証となることが出来ます。特に私たちは、会社経営陣向けの仕組み化という極めて根本的であり、難易度の高い仕事に取り組んでいます。そのため、私たち自身が提供している内容を体現していなければならないのです。

私たちはお客様から全人格で判断されます。全人格とは、知性(能力)、精神(人間性)、感情(人間関係)、身体です。高みを目指すお客様ほど、常に自分よりレベルの高い相手と取引したいと考えています。それが自己の向上につながると知っているからです。したがって、これらのうちどれかでも低劣であれば、尊敬されないどころか、信頼も失うことになります。

自動化から抜け出す

卓越を目指すには、停滞を回避することが必要です。たとえば車の運転を習う際には、最初は全ての動作に注意を払い、その後に知識を連携させて同時に複数の動作を行うようになります。そこから急速に技能が上達し、やがて自動化という状態になります。

自動化の状態になれば、助手席に乗っている人と話しながらでも運転できるようになります。しかし、この状態になると、能力向上は停滞します。ここからさらに車の運転技術を上げるには、サーキットに出て、またすべての動作に注意を払いながら走行を覚えるというチャレンジが必要になります。

仕事に置き換えれば、いま自分が自動的に出来ている業務というのは、これまで地道な蓄積が結実した結果であると同時に、能力向上が停滞している仕事でもあるのです。

卓越のレベルを目指すためには、知性(能力)、精神(人間性)、感情(人間関係)、身体において、意識してこれまでと異なった挑戦を行い、基準値を高めていくことが大切です。

5.影響力

才能を最大限に発揮し、より多くの人に良い影響を与えること。

私はあなたを信じている。あなたが世界を変革させるために出発するところを想像できる。たった一人の内にある起業家魂を呼び起こすことによって、どれだけの可能性が広がるか想像出来るだろうか?あなたがすることは、内なる起業家精神を呼び起こすことであり、私はそれを手伝う。そうすれば、世界は一瞬にして変えられるだろう。

才能を世の中のために使う

才能とは、その人が生まれ持った、またはこれまでの人生でたまたま培ってきた他の人よりも優れた能力、または置かれた環境のことです。誰にでもそのような才能があります。世の中のすべての存在は、他の存在に良い影響を与え、成長させるために誕生しています。つまり、一般的にいえば、人が存在する理由は、世の中に貢献することです。

そして、それぞれの人の個性によって、 “どう貢献するか?”が決まってきます。たとえば、たまたま一流スポーツ選手になれる才能(環境や身体)を持って生まれた人は、その才能を最大限に発揮し、オリンピックや世界大会で活躍し、多くの人達に生きる喜びや刺激を与えてくれます。同じように、全ての人には、他の人に貢献するために、その才能が与えられています。

世の中に70億人ほどの人たちがいますが、その中で自ら創業し、会社をやっていこうという人達は、わずか数パーセントにすぎません。彼らには、たまたま創業する気概やリーダーシップという才能が与えられたのです。別の人には、組織の中でひとつのことを卓越してやり抜く才能が与えられたのかもしれません。このように人それぞれ才能が与えられていますが、それはたまたまその人に与えられたものなのですから、他の人のために使うことが大切です。

最大レベルの責任感

世の中には、たくさんの信じられないことが起きています。 それを解決できるかどうかは、あなたにかかっていると思ってください。あなたに責任があると思ってください。時間がない、余裕がない、どうやればいいかわからない、というのはわかっています。しかし、私も同じでした。最初に始めたとき、どうやればいいのかわかりませんでした。発見と創造を繰り返してきたのです。それがすべての起業家が行ってきたことなのです。

私たちは経営者向けに事業を展開していますが、その経営者の会社には社員がいて、それぞれの社員には家族がいます。社員数が50人の会社であれば、全社員の家族は数百人に上るでしょう。それら数百人の人たちは、経営者の経営の仕方次第によって大きく生活や人生が左右されます。

そして、その会社には多くの顧客が存在しています。私たちの顧客の会社の経営がうまく行けば、さらにその先の顧客にも良い影響を与えることが出来ます。つまり、私たちは経営者一人を相手にしているようでいて、実は数百人を一度に相手にしているのと同じなのです。

さらにいえば、街中でうまく行っていない会社を見たら、それは私たちが十分に影響力を持っていないことが原因であり、彼らに対して責任を負うという覚悟も必要かもしれません。

なぜならば、私たちが十分に影響力を持っていれば、彼らは私たちのことを知り、会社を上手く経営するより良い考え方を得る機会があったかもしれないからです。

そのような責任感を持って、才能をより卓越させ、より多くの人に、より深い影響を与えるようにしましょう。

6.未来志向

夢を持ち続け、自分と相手の未来は必ずもっと良くなると信じること。

あなたがこの瞬間に行う決断が、あなたの残りの人生、 会社の未来、そして世界の未来を形作るのだ。 そのことを理解したならば、何も待つことはない。 下した決断に従おう。 それこそ、新時代の起業家が毎日行っていることだ。 彼らは偉大なエネルギーで、偉大な創造力で、 偉大な目的を持ち、偉大な意図を持ち、 偉大な情熱を持ち、行動する決断をする。 そして、世界をデザインし、 もう一度デザインし直すのだ。

リーダーのたった一つの役割

明日は今日よりも良くなる、と信じさせることが出来る人をリーダーと呼びます。まず自分をそう信じ込ませることによって、相手も信じ込ませることが出来ます。

自分を信じ込ませるために、未来について考える時間を取りましょう。その時間を増やすほど、アイデアがより具体的になり、アイデアが具体的になるほど、説得⼒が増します。

明日は今日よりも良くなると考えれば、より多くの可能性が見えてきます。たとえばいま、ある分野に対する知識がないとしても、これから1年間集中的に勉強すれば、仕事を依頼されるレベルになれるかもしれません。そのようにして、いまの自分の能力や知識で未来を考えるのではなく、未来時点での能力や知識で何が出来るかを考えることが大切です。

自分の未来が見えることによって、相手の可能性を相手以上に信じることが出来るようになります。彼らは未来を見通すことがそれほど上手くないかもしれません。しかし、あなたが相手の可能性を見通すことが出来れば、彼らを⿎舞し、前進するきっかけを与えることができます。

ダブルビジョンで仕事をする

君は、君の伝記を読んでいる人間が、君は将来絶対に成功する人間であると確信できるような一日にすればいいだけなのだ。

未来について考えると言っても、現在に集中することも欠かせません。これをダブルビジョン(未来と現在)と言います。ダブルビジョンは経営者に必須の視点です。楽観的に未来を描きながら、目の前の仕事に集中し、手を尽くすことです。

7.共生

かかわるすべての人々が幸せになる関係を築くこと。

オオカミの群れが強いのは、一匹一匹が強いからである。一匹一匹が強いのは、群れが強いからである。

共生≠妥協、依存

共生とは、関わる全ての人が繁栄できるような関係を創ることです。コアバリューの1から6を実践することによって、共生が可能になります。

共生には様々な意味合いがあります。ここで使っている共生とは、以下のような意味合いとは異なります。

自然界における共生。異なる生物同士がともに生きることであり、これは目指すべき状態というよりも、世界はそのようになっているという説明です。

自己都合による共生。自己の弱さに耐えられないことから出てくる欲求であり、弱者が強者に依存するという状態。

妥協。自らを押し殺して、他人におもねり、ともに生きていくこと。

真の共生

ここで言う共生には以下のような特徴があります。

第一に、自ら個として立つこと。かつて、松下幸之助氏は、メーカーと販売店の共存共栄の第一歩は、“自主経営”であると説きました。これは人に迷惑をかけないでやっていけることを意味しています。つまり、自分の人格や能力、見識を高め(卓越させ)、社会の中で生き抜いていけることです。

次に、他者との関わりの中に存在する“聖域(自分には理解不可能な領域)を認めること。全ての存在は他者との関わり合いで成り立っており、かつ、それら全ての存在が異質です。ですから、自分には理解できないが、相手にとっては大切な領域があることを認めることです。これは自ら個として立つ努力をした人だけが出来ます。

そしてさらに、他者との関わりの中で、異質ではない“共通領域”を設定することです。我々で言うところのコアバリューや共通のビジョンがこれにあたります。社員の価値観はそれぞれですが、共通領域が大きいほど、コアバリューの共有度が高まり、企業文化は強固になります。

そのため、誰を会社に入れるか?が大切になるのです。一方、ビジネスパートナーや取引先とのやり取りにおいては、社員ほど同一性を求めることが出来ません。しかしそれでも、どこか共通領域を探し、それに基づいて目的や目標を共有することが大切です。

そして最後に、お互いが共通領域に影響力を発揮し、貢献しあうことです。

これらのことを実践することで、それぞれの個性やアイデンティティを尊重しながら、共生することが可能になります。

学習するチームを創る

共生の状態が作れれば、他にはない唯一無二の考え方と方法論を確立し、改善し続けることが出来ます。

個人個人が持つ暗黙知(属人的な考え方やコツ、ノウハウなど)が文書として記録され、それを標準として後進の人たちが学び、さらに改善していくことで、標準レベルが高まっていきます。


世の中のすべての分野でそのように標準レベルの引き上げが行われてきたからこそ、いまの発展があります。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。愚者は自分だけの経験でしか学べないのに対し、賢者は先人の経験からも学ぶことが出来るから賢者になり得るわけです。


私たちは、チームとして動くことで、賢者を目指すことが出来ます。


仕組み経営には既に標準化された考え方と方法論があり、各個人個人が、それをもとに、顧客に貢献します。


そして、その過程において得られた“暗黙知”を持ち寄り、“新しい知恵”を生み出すことが出来ます。


その新しい知恵によって、標準を改善することで、さらにレベルの高い考え方と方法論が出来上がります。


このサイクルを繰り返すことで、唯一無二の考え方と方法論が完成していき、各人の共通財産として活用できるようになります。


これが一人でやるのではなく、チームで共生することの意味です。

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