仕組み化なら仕組み経営

社長も社員も頑張らなくていい。
人依存から脱却し、仕組みで成長する会社へ。

仕組み化ガイドブック

仕組みで勝手に成長する会社の創り方をPDFで解説しています。
3分 で解説

仕組み化で勝手に成長する会社にする

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仕組み化とは、「自社独自の再現性のある仕事のやり方を創ること」です。これによりビジネスが勝手に成長していくことを目指します。

仕組み化とは自社独自の再現性のある仕事のやり方

仕組み化の重要ポイント

自社独自性と再現性について詳しく解説します。

自社独自の仕事のやり方にする

”仕組み化=属人性の排除”という定義だけでは不十分です。仕組みづくりを正しく行えば自社の独占的な資産になり、競争優位につながります。 会社ではなく個人で考えてみても同じことが言えます。一流のスポーツ選手は自分独自のルーチン(習慣)を持っていますね。 これもまさに仕組み化です。自分ならではルーチンを続けることが他選手との違いを生み出すのです。

仕事のやり方に再現性を持たせる

中小企業においては、経営者の能力が非常に高い、または優秀な社員が入社してきたからという理由で、会社一気に成長することがあります。しかしそれはたまたま社長の能力が高いから、または、たまたま優秀な社員が入社してきたから成長できたのであって、 再現性があるとは言えません。仕組み化は、何度も繰り返し同じ良い結果を出すことのできる仕事のやり方を作っていくことです。

仕組み化とマニュアル化、
標準化、数値化、改善はセットで考える

仕組み化は、マニュアル化や標準化、数値化、改善が相まって実現できます。以下の図が仕組み化のサイクルであり、これを回していくことで会社が仕組みで成長していくことになります。
仕組み化のサイクル

標準化

標準化とは、標準化とは、業務の「やり方」を決めて、それを全員が同じ基準で行うようにすることです。 標準化は、型化(かたか)とも言います。

>>型化についての記事はこちら

マニュアル化

マニュアル化は、標準化した仕事のやり方を文書にまとめることです。誰でも同じ方法で仕事をできるようにし、個人の経験に頼らず、同じ品質で仕事を進められるようになります。

>>マニュアル作成についての記事はこちら

数値化

数値化は、標準化、そしてマニュアル化された業務の成果を定量的に測定することです。これによって、標準化、マニュアル化された業務の改善点を明確にすることが出来ます。

改善

改善は、標準化された業務のやり方をもっと良くすることです。そのためには前述した数値化が必要になります。改善の結果を数値で測るためです。逆に言えば、改善活動は、標準化や数値化が実現されていなければ効果があったのかどうかを判定することが出来ません。

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仕組み化による10のメリット

仕組み化によって、様々なメリットが会社にもたらされます。

ビジネスのスケールアップ

事業のスケールアップが可能になります。たとえば、店舗ビジネスではチェーン展開が可能になります。

事業承継がスムーズに

仕組み化された経営体制は後継者にとって負担を軽減し、経営者自身もスムーズな引継ぎが可能となります。

担当引継ぎが容易に

業務の再現性が高まり、他の人でも担当できるようになります。特定の人が休んだり辞めたりしても業務が停止することがありません。

社長/管理者の自由時間増加

経営者の仕事が仕組み化されることで自由時間が増え、より重要な業務に時間を割くことができるようになります。

人材育成のスピードアップ

経験やスキルの少ない人でも簡単な仕事を担当できるようになります。

顧客満足度の向上

一貫した顧客体験を提供でき、顧客満足度が向上します。

業務改善が可能

標準的な業務のやり方が定義されることで、改善の余地や効果が明確になります。

DX化/AI化の推進

業務整理や分析によって、どこをデジタル化、AI化すべきかが明確になります。

良い企業文化の醸成

ミスや問題の解決を仕組みの改善によって行うようになるため、人を責める文化が無くなります。

会社永続性の向上

カリスマ社長に依存しない仕組みづくりを行うことによって、会社の永続性が高まります。

仕組み化によるデメリットと対処法

仕組み化によるデメリットもあります。その内容と対処法について解説します。

仕組みづくりにリソースが必要

”仕組み化すればラクになるが、仕組み化するのが大変”というジレンマがあります。そのため、仕組み化の途中で、挫折し、元の属人的な運営に戻ってしまう会社も多いです。こうならないためには、仕組み化の正しい順序を知り、”最小の労力で、最大の効果を生み出す仕組み”を創ることから始めることが大切です。

組織の硬直化、官僚化

仕組み化して、プロセスやルールを明確にすると、組織が硬直化したり、官僚化したりしてしまうという懸念があります。しかし、これは仕組み化に対する正しい理解が欠けているために起こる現象です。高度に仕組み化された会社では、会社の理念と仕組みがうまく融合し、柔軟性がありながらも安定性のある経営が実現されています。

社内反発の増加

仕組み化に取り組み始めると、これまでの属人的なやり方に慣れている社員(特にベテラン)からの反発が起こるケースがあります。正直、これはある程度避けられないものです。それでも社内には仕組み化に協力してくれるメンバーがいるものです。そういった賛同者を味方にし、小さな成果を積み重ねることで会社の文化が仕組み依存へと徐々に変わっていきます。

仕組み化の具体例

多種多様な業態で仕組み化の実績がございます。

有限会社ファイブアローズ岩下由加里様

介護業界の具体例:創業時から仕組み化に取り組み、100人以上の組織をほぼ出社無しで運営。

有限会社ファイブアローズ岩下由加里様

岩下さんは創業前からマニュアル化のバイブルである「はじめの一歩を踏み出そう」(マイケル・E・ガーバー著)を参考にして、会社の仕組みを作られてきました。 今では100人以上のスタッフを抱えながらも、マニュアル化/仕組み化したおかげで新規事業にも取り組む余裕を創出されています。

成功事例については、以下のウェブセミナーでより詳しく解説しています。

株式会社AYOMOT代表取締役会長 鈴木朋弥様

美容室の具体例:カリスマからビジネスオーナーへ

株式会社AYOMOT代表取締役会長 鈴木朋弥様

表参道に完全紹介制の隠れ家美容室を開業以来、口コミのみで高単価、高リピート率、更なる紹介をキープしており美容業界のみならず数多くの経営者がその手法を学びに訪問する美容室に。ご自身がカリスマ美容師として働いていた状態から、社長をスタッフに譲り、ホールディングス化し、ビジネスオーナーへの転身を実現されました。

株式会社Deto  代表取締役社長 恩田多賀雄様

製造業の具体例:年商20億→34億→55億と毎年成長

株式会社Deto  代表取締役社長 恩田多賀雄様

製造業を中心に、グループ経営をされているDeto社では、成長を見越して、人に依存しない会社経営を目指され、実際に毎年成長を遂げられています。

「STORIA」小濱格様

現場脱却の具体例:1年で超多忙状態から現場抜けを実現

「STORIA」小濱格様

小濱さんは5店舗を構える美容室「STORIA」のオーナーで、仕組み化に取り組み始めてからわずか1年で働き詰めの職人型ビジネスから抜けだすことに成功されました。

小濱さんの取り組みについては、以下のインタビュー記事でより詳しく解説しています。

仕組み化ガイドブック
仕組みで勝手に成長する会社の創り方をPDFで解説しています。

仕組み経営の仕組み化は何が違うか?

仕組み経営では、実証された方法をもとに、会社経営を人依存から仕組み依存に変革するご支援をしております。外から持ってきた仕組みを御社に導入するのではなく、コーチング型で、御社独自の仕組みづくりを行い、理念実現をご支援しています。

仕組み化の経営術

世界中で実証された再現性のある手法

世界中であらゆる業種業態で成功してきた原理原則を基に仕組み化をご支援しています。

株式会社Deto  代表取締役社長 恩田多賀雄様

現役事業主が仕組み化を支援

一般的なコンサルティング会社と異なり、仕組み経営では、ほぼ全員が現役の事業主として自分の事業を経営しながら、仕組み経営コーチとして仕組み化のご支援をしています。

仕組み経営カリキュラムマップ

30+の豊富な仕組み化カリキュラム

理念策定、経営計画、人事制度、採用/定着、マニュアル化まで、持続成長のための仕組みを一気通貫で構築するためのカリキュラムをととのえています。

理念に基づく一気通貫の仕組みづくり

一気通貫の仕組みづくり

経営者の想いをベースにして、会社に一貫した仕組みを整えていきます。会社のビジョンとコアバリューをもとにした仕組みづくりを行い、業績向上と会社文化の改善の両方を実現していきます。

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仕組み化のおススメ本

仕組み化の経営術

「仕組み化」の経営術

“仕組み”とは、経営リーダーの想いを起点として、 すべての業務の仕組みを一貫してつくり上げていくことが大切です。 そうすることで初めて、ほかにはない独自の仕組みができ、 それが自社の知的資産となり、持続的な収益を生み出していきます。 本書では、そのやり方を体系的、具体的に紹介していきます

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▶「仕組み化の経営術」の動画解説シリーズはこちら

年商1億・10億・30億を叶える 経営しくみ化大全

仕組み経営コーチが書いたわかりやすい仕組み化の本です。お客様のため、スタッフのため、家族のためと仕事に打ち込み、自身を顧みずに働き続ける経営者の方々にとって、自動的に売上が上がる、人が辞めない、自分がいなくても仕事がまわる、という組織は理想的ではないでしょうか。本書では、成功する会社の土台を整えるための、理念づくりや自走する組織のしくみ化について、V字回復をしたキリンビールの事例なども含め、図版を用いてわかりやすく解説しています。

無印良品は仕組みが9割

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

無印良品をV字回復させたことで有名になったのは、同社のマニュアル(業務基準書)である「MUJIGRAM」です。MUJIGRAMは米国のチェーンストアで利用されているマニュアルを参考に作られたもので、このマニュアルの導入により、先輩社員の勘と経験による運営から、仕組みによる運営へとシフトしました。本書では、そのストーリーが解説されています。 なお、MUJIGRAMについて以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

MUJIGRAMを完全解説。無印良品の最強のマニュアル運用術

今回のテーマは無印良品のマニュアル、MUJIGRAMについてです。 無印良品を経営する良品計画は、母体であった西友から独立後に右肩上がりの成長→38億円の大赤字→V字回復を経験しました。このV字回復を成し遂げられたのは、2,000ページにもわたる店舗マニュアル・MUJIGRAMと6,000ページにも及ぶ本部の業務をマニュアル化した業務基準書に他なりません。 現在も継続的に成長し続け、働きがいあるの

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逆境経営

職人技を仕組み化した獺祭の「逆境経営」

いまや世界一有名な日本酒ともいえるようになった「獺祭」。実は獺祭がこれだけのヒット作になった大きな理由として、職人技を仕組み化したことが挙げられます。もともと小さな酒蔵だった旭酒造は、経営の悪化により、最終的に酒造りに欠かせない杜氏さんまでが辞めてしまうという逆境に陥りました。 しかし、そこから杜氏さんの職人技に頼らない酒造りを研究し続け、見事、獺祭というヒット作を生み出します。 私たちが経営者の方に仕組み化をお勧めすると、「いやうちの業界は特殊だから」「うちの職人技は仕組み化できないから」というようなご意見をもらうことがあります。そういう方には、ぜひこの本を読んでいただき、仕組み化できないのは単なる言い訳に過ぎない、ということをご理解していただければと思っています。

新たな“プロ"の育て方

職人を短期間で育てる仕組みを構築「新たなプロの育て方」

本書は、左官という仕事を人気職業に変えた原田左官工業所の社長が書いた本です。同社のような職人技にビジネスが依存している会社の場合、最大の課題は、人材育成でしょう。職人の育成に何年もかかるために、ビジネスがなかなか成長しにくいわけです。また、職人の高齢化も課題になっており、職人技の承継も大きな問題です。 そんな中、同社は職人の育成を仕組み化し、通常一人前になるまでに10年かかるところを4年にまで短縮しました。その結果、若い人でも左官になりたいという人が増え、若手職人が活躍する会社になっています。 人材育成に悩んでいる方はぜひご参考にされてみてください。

5つ星のおもてなしを1泊5120円で実現するスーパーホテルの「仕組み経営」

5つ星のおもてなしを1泊5120円で実現するスーパーホテルの「仕組み経営」

ビジネスマンならお世話になったこともある人も多いでしょう。スーパーホテルの仕組みづくりについての書籍です。同社は徹底的な仕組み化により、低価格化を実現。にもかかわらず、利用者にとっての利便性も追求するという通常は相反する要素を仕組みで両立させています。宿泊施設経営者のみならず、ヒントが満載です。

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仕組み化について良くある質問

仕組み化についてよく聞かれる質問と回答をまとめました。

ビジネスにおける仕組みとは、自社のビジョンや価値観に基づいた、再現性のある「仕事のやり方」を指します。

これによって、どの社員がどの業務を担当しても、顧客が期待する結果を再現できるようになります。

マニュアル作りは、仕組み化のプロセスの一部です。

仕組みは、「業務の標準化→文書化→改善」というサイクルを繰り返すことで洗練させていきます。

多くの会社では、マニュアル作成で満足してしまい、次の改善の仕組みがないために形骸化してしまうことが多いようです。

マニュアル作成についての詳細はこちらをクリックしてください。

結論から言うと、仕組み化をすれば確実に業務の無駄が減り、効率が上がります。なぜなら、「やり方がバラバラ」「確認の手間が多い」「毎回ゼロから考える」といった無駄な時間を削減できるからです。

例えば、飲食店のキッチンを思い浮かべてみてください。レシピが決まっておらず、作る人によって味が変わり、材料の使い方もバラバラだったらどうなるでしょうか? おそらく、提供スピードは遅くなり、クレームが増えるでしょう。しかし、レシピを標準化し、仕込みの手順を決めておけば、誰が作っても一定のクオリティで早く提供できます。これは、どの業種にも当てはまることです。

仕組み化をすれば、社員は「何を・どのように・どこまでやればいいのか」が明確になります。すると、余計な確認や作業のやり直しが減り、自然とスピードが上がります。さらに、業務がスムーズになることで社員のストレスも軽減され、モチベーションが向上し、より前向きに仕事に取り組めるようになります。

つまり、仕組み化を進めることで、業務の効率が上がるだけでなく、社員が本来の仕事に集中できるようになり、結果として会社全体の生産性も向上します。業務を楽にするためにも、仕組み化は必要不可欠なのです。

仕組み化がうまくいかない会社には、共通する問題があります。

まず、仕組み化の目的や目標が曖昧なことです。仕組み化は、単に仕事を効率化したり、省力化したりするためのものではありません。会社が成長し、長く続いていくために必要な取り組みです。しかし、その目的が社員にしっかり伝わっていなければ、「なぜ仕組み化をやるのか」が分からず、途中で挫折してしまうことがよくあります。

次に、仕組み化の進め方が整備されていない、もしくは実行されていないことも原因になります。仕組み化は、一度やったら終わりではなく、何度も見直しながら改善していくものです。ところが、多くの会社では「仕組みを作っただけ」で満足してしまい、その後の改善が続かずに形骸化してしまいます。定期的に見直す仕組みや、社員からの意見を取り入れる仕組みがないと、仕組み化は定着しにくくなります。

さらに、経営者やリーダーが仕組み化の重要性を理解していないことも、大きな問題です。仕組み化は、現場任せではなく、経営トップが主導して進めるべきものです。経営者自身が「なぜ仕組み化をするのか」「どのように進めるのか」を理解し、実行する姿勢を示さなければ、社員も本気で取り組むことはできません。

仕組み化を成功させるためには、目的を明確にし、継続的な改善の仕組みを整え、経営トップが率先して取り組むことが欠かせません。

仕組み経営の考え方では、「Same Process, Different Results」という原則を大切にしています。つまり、仕組み化の進め方自体はどんな業種でも共通しています。しかし、その結果、作られる仕組みは会社ごとに異なります。なぜならば、仕組み化の土台となるのは、その会社独自のビジョンや価値観、ブランドだからです。

この原則を踏まえると、どの業種・職種でも仕組み化は実行可能です。

ただし、業種ごとに重点を置くポイントが異なります。たとえば、製造業では業務フローの最適化や工程管理の仕組みを整えることが重要になります。一方、サービス業では、顧客対応の標準化や社員教育に力を入れることが求められます。

特に、知識労働やクリエイティブな仕事でも仕組み化は十分に可能です。創造性が求められる仕事だからといって、すべてが属人的でなければならないわけではありません。一定の作業プロセスを標準化し、業務の再現性を高めることで、社員がより創造的な業務に集中できる環境を作ることができます。

どの業種・職種でも仕組み化は可能ですが、重要なのは、ただ単に他社の仕組みを真似するのではなく、自社のビジョンや価値観、ブランドに基づく仕組みを作ることです。

仕組み化の第一歩は、「目指す姿」と「現在」のギャップを明確にすることです。理想の状態と今の状況を比べて、足りないものや障害になっているものを洗い出します。そのギャップこそが、仕組みで解決すべき課題です。

仕組み化は、単なる効率化ではなく、会社が理想の状態に近づくための手段です。まずは「何が問題か」をはっきりさせ、それを仕組みでどう解決するかを考えることが出発点となります。

判断基準として、以下の3つを意識するとスムーズに進められます。

  1. 影響が大きい業務を優先する
    会社全体や顧客に大きな影響を与える業務は、最優先で仕組み化すべきです。例えば、顧客対応や商品納品のように、品質や信頼性に直結する業務を改善すれば、会社の評価向上にもつながります。

  2. ボトルネックになっている業務を優先する
    時間がかかりすぎたり、ミスが多発していたりする業務は、仕組み化の効果が出やすいポイントです。例えば、書類作成やデータ入力など、負担が大きい業務を整備すれば、業務全体の流れがスムーズになります。

  3. 繰り返し発生する業務を優先する
    毎日のように発生する業務は、仕組み化の効果が積み上がるため、最も早く効果を実感できます。例えば、定型的な事務作業や営業の進捗管理など、誰でも同じように実行できる業務を標準化すれば、負担が減り、生産性が向上します。

このように、「影響の大きさ」「業務の詰まり具合」「頻度の高さ」を基準にすれば、仕組み化の優先順位を迷うことなく決めることができます。

このテーマについては、以下の記事にて詳しく解説しています。

仕組み化の正しい進め方

どんな仕組みでも常に改善の余地があるため、仕組み化には終わりがありません。大切なことは、会社の文化を仕組み依存に変え、仕組みの改善を続けることです。

参考までに、仕組み経営は、1年~2年のプログラムになっています。その期間で、御社に必要な仕組みをすべて特定し、ひとととおり構築を進めていきます。そして、その後には、御社内にて仕組みの改善を進めていけるように体制づくりをしていきます。(必要な場合には、継続のプログラムもあります)

はい、出来ます。

会社ごとに業務内容やビジネスモデルや人材、強みが違うので、ある種の特殊性はあるのかもしれません。
その特殊性が他社との違いになり、ビジネスが成り立っているわけです。

ただし、業務内容やビジネスモデルが違えど、会社の経営を仕組み化していく方法やステップはほとんど同じです。

私の師匠でもあるマイケルE.ガーバー氏は、過去40年以上にわたって、世界中の中小企業の仕組み化を支援し、成功させてきました。そして、そのメソッドはどの業界でも、さらには、どの国でも同じものでした。

すべての会社に共通して必要な仕組みがあります。これは会社経営にとってのOS(基本ソフト)と言えるものであり、OSが上手く動いていなければ、どんなアプリもうまく動きません。

私たちがご提供している仕組み化とは、”人”がどのように行動し、どのように動機づけされ、どのように考えるか、どのように成長していくのか?という人に対する深い理解をベースに構築されます。

より具体的いえば、どんな業界のどんな会社であろうと、
• 社員が共感する理念が必要であり
• 社員がやる気になるゴールや計画が必要であり
• 社員同士がコミュニケーションする必要があり
• 人を育てることが必要であり、
• 自社に合う人を雇うことが必要であり
• 仕事を上手く任せる方法が必要であり
• 自社の技術や職人技(目に見えない資産)を伝承することが必要であり
• 責任と権限が明確な組織が必要であり
• 顧客(患者)を引き寄せるマーケティングが必要であり、
• 投資家や銀行を納得させる計画が必要です。

そのため、業務内容が変わっても、方法やステップは同じなのです。 もちろん、これらの仕組み化の結果として生まれるマニュアルやチェックリスト等は会社ごとに異なるでしょう。 しかし、仕組み化のプロセスはそれほど変わるものではないのです。

仕組み化とは具体的に何を指すのか?

「仕組み化ってマニュアル化でしょう?面倒くさそう」と思っている方が多いようです。しかし、マニュアル化は仕組み化の一部でしかありません。

仕組み化とは、良い習慣作りと言えます。社内に良い習慣作りを増やしていくことで、自然と経営がうまく行くようになります。

優れた仕組みほどシンプルです。シンプルだからこそ、成果が上がり、生産性が高いのです。

仕組み化を進める際に社員の反発を避けるためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 目的を明確に伝えること:多くの社員は「仕組み化」という言葉を聞くと、「仕事が増える」「自由がなくなる」「管理が厳しくなる」といったネガティブな印象を抱きがちです。しかし、仕組み化の本来の目的は「社員がより働きやすくなり、成果を上げやすくすること」です。たとえば、「仕組み化を進めることで、毎回ゼロから考える手間が減り、本来の仕事に集中できるようになる」と伝えると、社員は前向きに捉えやすくなります。

  2. 社員の意見を取り入れながら進めること:仕組み化をトップダウンで一方的に押し付けると、社員は「やらされ感」を持ちやすくなります。ですので、「どうすればもっと仕事が楽になるか?」「どんなルールがあれば働きやすいか?」といった形で、現場の意見を取り入れながら仕組み化を進めることが大切です。社員が自分の意見を反映できると、取り組みやすくなります。

  3. 仕組み化によるメリットを実感させること:仕組み化が進むことで、業務の効率化が図られ、残業が減ったり、ミスが減ったりするなどの成果が出てきます。こうしたメリットを早い段階で実感できるようにすると、社員は仕組み化に対して前向きに取り組むようになります。「この仕組みのおかげで○○が楽になった」と実感できると、仕組み化への抵抗感がなくなり、社員が自発的に取り組む意識が生まれます。

このように、社員が納得し、積極的に参加できる環境を作ることが、仕組み化の成功には欠かせません。

仕組みというと社員を縛り付けるもの、というイメージを持つ方も多いようです。

しかし、仕組みとは本来、その人がやったことがないような高度な仕事をできるようにするためのものです。つまり、普通の人が非凡な成果を出せるようにするのが仕組みです。

社員の自主性を重んじようと思って仕組みづくりを怠ると、社員が勝手に行動しているだけで、ビジョンや目標に全くたどり着かない、という会社になります。

また一方、コントロールを強めようとすると、ルールや規則でガチガチになり、官僚的組織になります。

大切なのは、自主性とコントロールを両立する仕組みを作り、仕組みの上で自由に働ける文化を作ることなのです。

仕組みとは、「成功の複製」と定義することができます。

たとえば、

  • うまく行っている営業のやり方を別の人でも出来るようにする。
  • うまく行っているマネジメントの仕方を別の人でも出来るようにする。
  • 先代社長の勘と経験を後継社長も活用できるようにする。

このように、社内でうまく行っていることを複製することで、会社が持続的に成長していきます。

現場と経営の両方に目を向けることが重要です。現場だけに埋もれることも、現場を知らずに経営だけをすることも、どちらも問題があります。

仕組み経営では、「Working on business, Not ONLY in it(現場だけにいるのではなく、事業を俯瞰して捉えよ)」という原則を大事にしています。

現場に入りすぎると、細かい業務に追われて会社全体を見る余裕がなくなり、「ただの忙しい作業者」になってしまいます。結果として、会社の成長戦略を考える時間が確保できなくなります。

一方、現場を知らないと、顧客のニーズや社員の抱える課題が見えず、実態のない経営になりがちです。そうなると良いアイデアも生まれにくくなります。

現場で実情を体感し、一度離れて経営視点で考え、改善策を持って現場に戻るというサイクルを作ることです。この「現場⇔経営」の行き来によって会社は成長します。

自分が今どちらに偏っているか、定期的に振り返ってみることをお勧めします。

多くの仕組み化コンサルティングでは、経営陣やコンサルタントが持ち込んだ仕組みに社員を従わせる形で進めることがよくあります。その結果、社員は自分の意見や提案を出すことなく、単に指示された通りに動くことに終始し、思考を止めてしまうことがあります。

しかし、「仕組み経営」における仕組み化は、社員の思考停止を招くものではなく、むしろその逆です。

仕組みは、社員がこれまで経験したことのない高度な仕事に挑戦するためのガイドラインとなり、思考を促す道しるべとなります。

例えば、新米マネージャーが新人を育成する場面を想像してみてください。

もし育成の仕組みがなければ、新米マネージャーは過去のマネージャーたちが辿った道を再度通る必要があり、手間がかかります。

逆に、育成が仕組み化されていると、新米マネージャーはその流れに従って進むことができ、余計なことを考える必要がなくなります。その分、改善点の発見や新人の精神的なサポートなど、より重要な部分に集中できるのです。

仕組み化が進んでいるかどうかを評価するための指標は、いくつかの観点から見ることができます。以下は、取り組みやすい代表的な指標です。

  1. 業務効率の向上(生産性) 仕組み化が進むことで、業務がどれだけ効率よく進むかを測る指標です。たとえば、1人当たりが処理できる件数や、同じ仕事にかかる時間の短縮を見ていきます。例えば、毎月処理していた受注件数が、仕組み化後に増えた、または同じ数で時間が減った場合などが指標になります。

  2. コスト削減 仕組み化によって業務の無駄が減り、コストがどれだけ削減できたかを測ります。たとえば、仕入れや人件費がどれだけ削減できたか、業務の効率化で必要な材料や時間を減らした分、コスト削減に繋がった金額などを具体的に測定します。

  3. 従業員のパフォーマンス 仕組み化が従業員に与える影響を測る指標です。仕事がスムーズに進むことで従業員のモチベーションや仕事の質が向上したかどうかを確認します。具体的には、社員の離職率の減少や、定期的に実施する社員満足度調査の結果、さらに従業員の仕事のパフォーマンス向上を図ることができます。

  4. 顧客満足度 仕組み化によって提供する商品やサービスの品質が安定することで、顧客がどれだけ満足しているかを測ります。例えば、リピート率が増えたり、クレームの件数が減少することが具体的な指標になります。また、定期的に顧客アンケートを取って、その結果を評価することも効果的です。

  5. 売上・利益の成長 最終的に、売上や利益がどれだけ増加したかが仕組み化の成果を示す最も重要な指標です。業務効率が向上し、コストが削減されることによって、どれだけ利益に繋がったかを分析します。売上の増加と利益率の向上が、仕組み化の成果を数値で示すものとなります。

いずれにしろ大事なのは、何を目的に仕組み化に取り組むのかをあらかじめ明確にすることです。

仕組み化に反対する社員を説得するためには、まず社員がなぜ反対しているのかを理解し、その不安や懸念に対して対処することが大切です。反対の理由としてよく見られるものは、仕事の喪失への恐れや、変化への抵抗感、能力不足への不安などです。これらの不安を解消するためには、まずその理由に寄り添い、理解を示すことが重要です。

次に、仕組み化のメリットをしっかりと伝えることが必要です。仕組み化を進めることで、仕事の効率が上がり、負担が軽減されること、ミスが減り業務の品質が向上すること、さらに教育や引継ぎがスムーズに進むことなどを具体的に説明します。また、仕組み化によって定型的な業務から解放され、新しいスキルを習得し、より責任のある仕事に挑戦するチャンスが増える可能性もあります。これらのメリットが社員にとってどれほど有益であるかを伝えることが、反対意見を減らす一歩となります。

加えて、社員を仕組み化のプロセスに積極的に巻き込むことが大切です。現場の意見を取り入れることで、社員は自分の声が反映されると感じ、仕組み化への抵抗感が減ることが多いです。試行的に一部の業務や部署で仕組み化を導入し、その結果を社員と共有することも、社員の不安を和らげる手段となります。また、十分なトレーニングや説明を行い、社員が新しいシステムに適応できるようサポートすることも効果的です。

さらに、経営層や管理職が率先して仕組み化を推進する姿勢を示すことも、社員の理解と協力を得るために重要です。

最後に、仕組み化は段階的に進めることです。

一度に完璧を求めず、効果が高い業務から順番に取り組み、小さな成功体験を積み重ねていくことが社員の納得感を得る鍵となります。定期的に見直しを行い、社員からのフィードバックを取り入れながら改善を続けることで、より良い仕組みが作られていきます。

このように、仕組み化を進める際には社員との双方向のコミュニケーションを大切にし、社員が不安を感じずに協力できる環境を作ることが成功のポイントです。

仕組み化に失敗する原因は、他社の仕組みをそのまま取り入れること、自社の文化や実情に合わない外部の提案を導入すること、仕組みを運用できる人材が不足していること、そして社員とのコミュニケーション不足による反発に対応できないことです。

これらに共通するのは、正しいプロセスで仕組み化を進めていないことにあります。

仕組み経営では、実証されたステップに沿って仕組み化を進めていくことで、これらの失敗原因を回避します。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

仕組み化の正しい進め方

これは非常によく聞く話です。仕組みの形骸化の原因は、改善の仕組みがないからです。

そして、改善の仕組みがない理由は、仕組みがトップダウンや外部のコンサルティング会社から持ち込まれたものであるからです。

そのため、社員はその仕組みの有益性や意味を理解しておらず、改善の文化が定着しません。

仕組み化にかかる費用は、その範囲、対象となる業務の複雑さ、導入するツールやシステムの種類によって大きく変動します 。

中小企業がコンサルティング会社に依頼して仕組み化に取り組む場合、一般には、数百万円から1,000万円の費用が必要となります。

仕組み経営では、社員数人の会社でも無理なく導入できるサービスにしています。詳しくは「仕組み化検討会」をご活用ください。

仕組み化検討会はこちらをクリック

一般的な仕組み化の投資効果は、主に業務の効率化とコスト削減です。例えば、業務を標準化したり、繰り返しの作業を自動化したりすることで、社員の時間を節約し、無駄なコストを減らすことができます。これにより、企業は限られたリソースでより多くの仕事をこなせるようになり、経営が楽になります。つまり、短期的にはコスト削減や業務効率の向上が直接的な投資効果として現れるのです。

一方、仕組み経営の仕組み化は、それに加えてもっと大きな効果をもたらします。

仕組み経営では、成功した業務プロセスやビジネスモデルを会社全体に広げ、全社員が同じ方法で高い成果を上げられるようにします。

これにより、業績が拡大し、売上や利益が増加することが期待できます。また、業務の標準化やマニュアル化が進むことで、特定の社員や経営者に依存せず、誰でも同じクオリティの仕事ができるようになります。これが、経営者がいなくても会社が円滑に運営できる土台を作り、会社の長期的な成長や安定性に繋がります。

運営者:清水直樹

一般財団法人日本アントレプレナー学会 代表理事
仕組み経営株式会社 取締役

大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後、モバイル事業の創業メンバーとして参加し、上場を目指すが経営メンバー同士の空中分解によって頓挫。2010年、マイケルE.ガーバー氏(「はじめの一歩を踏み出そう」著者)と出会い、2011年1月に同氏の「ドリーミングルーム」を日本で初開催。以降、ドリーミングルーム卒業生を300人以上、同氏の認定ファシリテーターを20人以上輩出(いずれも世界最多)。

2019年に東洋・西洋の思想と方法論を統合した仕組み経営を開発。日本企業をワールドクラスカンパニー®にするための支援活動に力を注いでいる。

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仕組み化によって普通の人が成果を出せる世の中へ

仕組み化とは、単に業務の効率化や利益の最大化を目的としたものではありません。目指すべきは、普通の人が仕事や人生において、より容易に成果を上げ、幸せに生きられるようにすることです。人類の発展は常に、普通の人が容易に成果を出せる方法を生み出した人によって支えられてきました。現在の世の中では、賢く、努力した人だけが報われることが当たり前とされていますが、そのような社会はあまりにも無慈悲です。仕組み化の思想と手法を学んで、ぜひ、普通の人が成果を出し、幸せに生きられる世の中を共に築いていくことを目指していただきたいと思います。

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