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「社長を自由にする文書」2024年9月24日号


お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

さて、先日、半期に一度のイベント「仕組み経営サミット」のご案内をしましたが、すでに多くの方からお申込みいただきました。


今回は【仕組みで成長する経営計画】をメインテーマとし、特別ゲスト講演者として、元キリンビール代表取締役副社長 田村潤氏をお招きしております。

田村さんは書籍「高知支店の奇跡」で知られている方です。

同社内でも最下位ランクの業績だった高知支店において、企業理念の浸透、それに基づいた行動スタイルの改革を行い、支店長就任6年後、県内トップシェアを奪回、V字回復させました。

その後、「勝ち方」を全国で展開し、2009年、ついに全国でのキリンビールシェア首位奪回を果たしました。

いわば、高知支店でつかんだ”勝つための試作モデル”を仕組み化し、横展開したことで同社のシェア首位に貢献したと言えます。

今回のサミットでは、田村さんに、いかに組織を燃える集団にするかをお話しいただく予定です。

詳しくは以下のページに記載いたしましたので、ぜひご覧ください。
https://lp.shikumikeiei.com/summit2024win/
(超早割中)


■さて、先日、営業力を武器に開業したリフォーム関連の会社の社長からご相談を受けました。

「お客さんとの価格交渉の仕組みがないことに気が付いたんです。というのも、先日営業担当者が取ってきた案件の利益率が低くて、タダ働き状態になってしまったんです」

とのことです。

「価格を決めるルールや計算式はないんですか?」

と聞くと、

「あるにはあって、それをもとに見積もりを出しているのですが、結局、私自身もその場に応じて値引きをすることもあるのが現状なのです。社員もそれを見ているから、値引きしてしまったのだと思います」

とのこと。

さらに聞いてみると、社長は競合の有無やお客さんとの取引履歴などをもとに、値引きするかどうかを決めているそうです。

社員はそういった事情を考慮せず、自分の成績を上げたいのでとりあえず値引きをしてしまったようです。

この問題の原因はどこにあるのでしょう。

■詰まるところ、価格決定の仕方が社長の頭の中だけにあり、社員がそれを真似ることが出来ないということにあります。

社長の頭の中だけにある知識や知恵を「暗黙知」と言います。

この価格交渉の件に関わらず、社員が社長の思うように動いてくれない理由は、社長の「暗黙知」が「暗黙知」のままになっていることにあります。

文字通り、社長が”思っている”だけであり、社員からはうかがい知れない知識や知恵になっているのです。

社長が抱えるストレスの多くは、これが原因で発生します。

社長の暗黙知とは、経営理念やビジョン、価値観、理念実現までの具体的な道筋、表現したいブランド、事業モデルなどの戦略的なことから、価格決定の方法や細かい社内の規律など日常的なことにまで及びます。

もちろん社長は、こういったことを社員に伝えてはいるとおっしゃいます。

しかし

  • その場その場で、全てを正しく伝えられるわけではない。
  • 社長自身が上手く伝える能力を備えているとは限らない。
  • 言葉の取り違えで社員が誤解することがある。
  • 伝えても、それを覚えている社員は少ない
  • 以前と矛盾していることを伝えているが、社長がそれに気が付かない(ゆえに社員が混乱している)。

と言った理由で、社長の考えがうまく伝わらないのです。

■そこで大切なのが、

社長の暗黙知を形式知化する(文章など目に見える形にする)

ことです。

一般的には”経営計画(経営指針、経営方針)”がそのためのツールになります。

社長の考えを社員と共有可能な形に整えたものが経営計画です。

私たちは以前、経営計画を会社の“運営マニュアル”と呼んでいました。

運営マニュアルには、会社を運営するための全てが書かれています。

たとえば、誰かに会社を承継する場合、

「経営の仕方はこの運営マニュアルに全て書かれています。私は明日から引退しますので、あとはよろしくお願いします」

と言えるものを作ることを理想としていました。

通常のマニュアルが作業を任せるためにあるのに対し、運営マニュアルは会社の運営を任せるためのもの、という位置づけにしていました。

ただ、日本の商習慣上、経営計画書と呼んだほうがイメージが付きやすいだろうということで、名称を変えたのです。

基本的な目的は運営マニュアルの時と変わっておりません。

社長の暗黙知を形式知に変えることで思いを共有し、最終的には会社を移転可能な状態にするためのものが経営計画です

■このような目的で経営計画を作ると、社長は自由時間が増えます。

第一に、普段社員が社長に問い合わせてくるようなことは、全て経営計画に書かれているので、社員は問題を自己解決出来るからです。

第二に、同じことを何べんも言う必要がなくなるからです。

また、この経営計画は管理職や一般社員にとっても大きなメリットがあります。

管理職にとっては、部下からの質問が減り、自分の時間を増やすことができます。さらに、経営計画が会社の”ルールブック”になるので、指示や指導も計画に基づいて行うことができ、部下との感情的な衝突を避けられます。

一般社員にとっても、会社がどの方向に進むのか、その中で自分がどのような役割を果たすのかが明確になるため、安心して働けるようになります。上司や社長に確認せずとも、決められた範囲内で自由に働くことが出来ます。

自社の全てが書かれた文書を作るのには時間と手間がかかるかもしれません。


しかし、これは全ての仕組みに言えることですが、時間が無くてこういった文書が書けないのではなく、文書がないから時間がないのです。


社長、管理職、社員全ての人を自由にするのが、経営計画です。

ぜひあなたの経営計画が、そのように作られているか確認してみてくださいね。

なお、冒頭に申し上げたサミットでは、仕組みで成長するための経営計画の創り方を一からご紹介し、出来る限りその場で実践していただく予定です。

ぜひいまのうちにお申込みくださいませ。
https://lp.shikumikeiei.com/summit2024win/

では本日は以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。



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