この記事の信頼性
この記事は世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)、マイケルE.ガーバー氏著「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースにしています。世界700万部のベストセラーの内容を日本の会社に当てはめてご紹介していきます。執筆者である私はマイケルE.ガーバー氏のメッセージをおそらく日本で最も多く翻訳したり、代理となって発信してきましたので、本記事の内容も信頼いただける内容かと思います。私たちが運営している仕組み経営という会社自体、コアバリューに基づく経営をしておりますし、多くのクライアント企業のコアバリューの策定から定着までをご支援しています。
コアバリューの意味とは?
コアバリューとは、組織の中核となる価値観です。企業文化の基礎となり、経営や日々の仕事における意思決定の指針になるものです。一般に、企業理念を構成する要素のうちのひとつ(詳しくは後述)とされています。また、組織だけではなく、個人的に重要視しており、人生の指針としている価値観をコアバリューと呼ぶこともあります。
コアバリューと企業理念の関係は?
コアバリューは、企業理念の一つとして考えられます。一般に、企業理念は以下の3つで成り立っています。
- 自社の存在目的/存在意義・・・ミッションやパーパスとして定義される。基本的に不変のもの。
- 自社の長期的な姿・・・ビジョンとして定義される。10年、20年単位で時代の要請に応じて変更される。
- 自社の価値観や信条・・・コアバリューやコアビリーフとして定義される。基本的に不変のもの。
※ミッション、ビジョン、バリューの全体像については以下にも解説しています。
コアバリューと行動指針の違い
コアバリューと似た概念で使われるのが行動指針です。一般的にコアバリューは抽象的な言葉として定義されます。それを具体的な行動に落とし込んだものが行動指針と考えてよいでしょう。ただし、コアバリューは組織全体で共有していきたい価値観のことですので、行動指針が経営トップが一方的に決めたものである場合、少しニュアンスが異なる場合があります。この辺はコアバリューや行動指針をどのようなプロセスで創るか?ということに寄ってきます。
コアバリューの一覧リスト
コアバリューにはどんなものがあるのか、一覧をリストしてみましょう。もちろん、他にもあるかもしれません。
真実 | 人間関係の構築 | 誠実さ |
信頼性 | 謙虚さ | 知識獲得 |
リーダーシップ | 信念 | 感性 |
刺激性 | 安定性 | 柔軟性 |
チームワーク | 柔軟性 | インクルーシブ |
創造性 | 持続可能性 | 自己啓発 |
責任感 | パーソナルブランディング | 社会貢献 |
勇気 | 顧客満足 | ユーモア |
インテグリティ | プロフェッショナリズム | 均衡 |
自律性 | 勤勉さ | 真摯さ |
社会的な影響 | 家族第一 | 協力 |
イニシアチブ | ポジティブ思考 | 自然愛好 |
継続性 | インターカルチャー・コミュニケーション | ファミリー |
エンパシー | データドリブン | プライバシー |
コミュニケーション | クリエイティブ | 社会正義 |
コアバリューが必要な理由や定めるメリット
ではコアバリューを定める理由やメリットは何でしょうか?以下に見ていきましょう。
自己管理型組織を創ることが出来る
コアバリューが共有されている組織では、あれこれ社員に細かい指示をしなくてもうまく回る組織が出来ます。上司部下、社員同士の余計なコミュニケーションコストが削減され、生産性向上につながります。
たとえば、”家族”という組織を考えてみましょう。家族は長年、一緒に暮らすことで似たような価値観が醸成されています。つまり、家族という組織はコアバリューが共有されている状態であることが多いです。そのため、”ソレ取って”や、”アレどこやったっけ?”などのような曖昧なやり取りでもコミュニケーションが成り立ちます。一方、そこに一人でも部外者が入ってくると、”アレ”や”ソレ”では伝わらず、正確に名前を言う必要があります。
社内のコミュニケーションも同じようなものです。コアバリューが共有されていれば、細かいやり取りをしなくても、阿吽の呼吸で仕事が進んでいきます。逆にコアバリューが共有されていなければ、”アレ”が一体何なのかを細かくマニュアルで指図しないと仕事が回らないのです。
コアバリューが共有されていれば社長がいなくてもうまく回る組織になる
自分がお客様に接しているのと同じように、社員にもお客様に接してほしい”と思っている経営者の方は多いでしょう。
コアバリューを基に運営されている会社ではそれが可能になり、最終的な姿としては“管理不要”で経営を行うことも出来るようになります。
そして、社内のみんなが同じ価値観に基づいて活動していればしているほど、細かいマニュアルやルールで社員の行動を規定する必要がなくなります。
たとえば、ザッポス(後述)のコールセンターには、トークスクリプト(電話対応の原稿)はありません。これはコア・バリューに基づく経営がしっかりと行われているからです。
そのため、誰が対応しても、電話をかけてきたお客様に同じような感情を与えることができます。
スターバックスの接客がマニュアル的に感じられないのも同じ理由だといえるでしょう。
(ただし、これは彼らの社内にマニュアルがまったく存在しないということではありません。むしろ、その他のことについては、ほかの企業よりも圧倒的にしっかりとしたマニュアルと教育制度があります)
意思決定の基準が出来る
コアバリューはあらゆる決め事の基準となります。つまり、これとあれ、どっちをやろうかな?と思ったときの全社員にとっての基準がコアバリューです。いってみれば、全社員(社長も含む)にとっての上司がコアバリューになるのです。逆にいえば、コアバリューに沿っていない意思決定は社員や顧客から支持されず、組織が崩壊していく要因にもなりますので注意が必要です。
自社らしい永続する組織文化を作る
ディズニーはウォルトディズニーがいなくなった後に、“ディズニーらしさ“を失いましたか?アップルは?ソニーは?ホンダは?世の中に優秀なリーダーが作った優れた組織はたくさんありますが、その大半は、彼らが組織を去ってしまうと平凡な組織になってしまいます。一方、本当に偉大なリーダーは、永続する文化を組織に残すため、彼らが去っても偉大な組織であり続けます。そして、永続する文化の元になるのが、コアバリューです。
企業文化の作り方についてはこちらで詳しく解説しています。
採用の基準になる
コアバリューが明文化されていることで、会社の文化に合う人を採用できます。特に中小・成長企業の場合、採用の際に第一に優先すべきは能力や学歴、知識ではありません。その人が自社の価値観、つまり、コアバリューを共有できる人かどうか?が第一です。能力や知識は入社後にも身に付けてもらうことが出来ますが、その人の価値観は変えるのが非常に難しいです。そのため、採用時点で、コアバリューを共有できる人かどうかを見極める必要があります。これはカルチャーフィット採用と呼ばれいます。詳しくは以下の記事をご参照ください。
評価の基準になる
一体何を基準に社員を評価すればいいのか?と悩んでいる社長は多いことでしょう。いわゆる評価基準です。一般にはコンピテンシーや情意評価などが採用されていますが、持続成長する会社を創るにはそれでは不十分です。そこでコアバリューが評価の基準になります。コアバリューを定めることで、それが評価の基準となり、業績向上と企業文化の醸成を両立できます。これについては後述します。
コアバリューの事例
では、コアバリューの事例を2つご紹介したいと思います。
コアバリューの事例①ザッポス
ザッポスとは、アメリカの通販会社で、コアバリューという言葉が有名になったのも彼らの運営手法が書籍として公開されたことが要因と言えるでしょう。
そんなザッポスのコアバリューの例がこちらです。
1. サービスを通じて感動を届ける(Deliver WOW Through Service)
2. 変化を起こし、喜んで受け入れる(Embrace and Drive Change)
3. 楽しさと少し風変わりなものを作り出す(Create Fun and A Little Weirdness)
4. 冒険し、クリエイティブに、そして心を開く(Be Adventurous, Creative, and Open-Minded)
5.成長と学びを追い求める(Pursue Growth and Learning)
6. コミュニケーションでオープンで嘘のない関係を構築する(Build Open and Honest Relationships With Communication)
7. 積極的なチームとファミリースピリットを作り出す(Build a Positive Team and Family Spirit)
8. 少量で多くをこなす(Do More With Less)
9. 情熱的に、意志を固く(Be Passionate and Determined)
10. 謙虚に(Be Humble)
ザッポスがコアバリューをどのように活用しているのかは、こちらでさらに詳しく解説しています。
コアバリューの事例②(一財)日本アントレプレナー学会
手前味噌ですが、本記事の信頼性を担保する意味でも、私たち自身のコアバリューをご紹介しておきます。ザッポスのコアバリューとは少しフォーマットが違いますが、この辺は各社ごとにある程度、自由に決めていいと思います。(ただ、仕組み経営で推奨しているフォーマットは以下のものになります。このフォーマットにしておくと、後から使い勝手が良いためです)
自由:人間らしく生きること
- 立場や役職に関わらず、他者に何かを強要しないこと。
- 仮面を外し、いつも同じ自分でいること。
- 人に人として対応すること。逆は人をモノとして扱うことであり、自分の都合のみで相手と接することを意味する。
夢:夢を持ち、夢を応援すること
- 夢(自利利他円満となる夢)を持ち、毎日の行動をそこに向けること。
- 他人の夢を否定せず、その実現を彼ら以上に信じ、応援すること。
- より多くを期待し、大きな夢を持つこと。
誠実:裏表のない人間関係(ビジネスフレンドシップ)
- 人の陰口をたたかないこと。
- 全ての関係者に対して等しく感謝と透明性をもって対応すること。
- 全ての関係者と単なるお金と対価の取引を超えた関係性(ビジネスフレンドシップ)を築くこと。
好奇心:好奇心を持って新しいことにトライする
- 他社(者)を知るために積極的に聞くこと。
- やるリスクとやらないリスク(機会ロス)を比較し、意思決定を行うこと。
- 昨日より今日が良くなるように新しいことに挑戦すること。
智慧:智慧を求める智慧を持つこと
- 初心者の心(Beginner’s mind)で情報に接すること。
- 一般的な通説に自分なりの一工夫を加え、独自の物として発信すること。
- 新しい情報や知識を積極的に吸収し、心技体を向上させ続けること。
コアバリューの作り方
では、次にコアバリューの作り方をご紹介していきます。
重要なポイントとして、コアバリューは、その内容そのものと同じくらい、作り方のプロセスが大事だということがあります。
コアバリューの作り方には、決まった方法はありません。社内の人数や状況に大きく左右されます。私たちもクライアント企業様のコアバリュー策定をご支援する場合には、社内の状況をお伺いしたうえで、慎重に進めることにしています。
米国の中小企業向けに行われた調査によると、88%のビジネスオーナーは、価値観に基づく経営の重要性を理解しているものの、日々の意思決定や顧客対応にその価値観が反映されている、と答えたオーナーはそのうちの44%しかいませんでした。
ザッポスなどを真似て、コアバリューをサクッと言語化し、“感動を届ける”や“チャレンジ精神”などの標語を掲げている会社もあると思いますが、実際のところそれがどれだけ経営者や社員の本心に根付いているのでしょうか?
学べばすぐに実践できるマーケティングやセールスのテクニックとは異なり、コア・バリューは、概念を知ったからといって、すぐに社内で活かすことができるわけではありません。
ただ、コアバリューの作り方の原則的なステップは存在します。以下にご紹介しますのでぜひご参考にされてください。
1.経営者個人の価値観(個人のコアバリュー)を明確化する
ビジネスとはその経営者の人生の反映です。これは私たちが師事している世界No.1の中小企業アドバイザー、マイケルE.ガーバー氏からの教えです。
コアバリューに関しては特に当てはまります。会社のコアバリューは、何よりまず、経営者の個人的な価値観に基づいている必要があります。
先ほどのザッポスのCEOトニー・シェイやヴァージングループの創業者リチャード・ブランソンなどを見れば、彼らの個人的な価値観が会社に反映されていることがすぐにわかります。
なので、最初のステップは、経営者が自分としっかりと向き合い、自分の人生で大切にしているものは何か、5-10個程度の言葉にすることです。
これについては、以下のリーダーシップに関する記事が役に立つかも知れません。
2.それぞれのバリュー(価値観)の定義をする
たとえば、“一貫性”といったとき、それはいったい何を意味するのか?自分の中での定義を明確にし、文章にします。
3.行動を振り返る
次に、それをすぐに社内に告知するのではなく、それがどのように自分の人間関係、仕事、ビジョンに反映されているのかを振り返ってみます。つまり、本当に自分はその価値観で生きているのかを評価します。
4.個人の価値観から会社の価値観へ
ここからのやり方は、会社の規模にもよりますが、基本的に、鍵となる社員や幹部社員には、あなたと同じようにやってもらい、彼らの個人的な価値観を明確にします。そして、彼らと話し合い、最終的に5-10個程度の会社のコア・バリューを定義していきます。
ここで大切な考え方があります。
それは、コアバリューは作るものではなく、発見するものだということです。
そもそも価値観というのは、人間が誰しも持っているものです。それはこれまで生きてきた歴史によって形作られます。経営者にも個人的な価値観があり、社員にもそれぞれ個人的な価値観があります。
それら各人が持つ価値観のうち、共通する部分が何かを文書化したものが、組織としてのコアバリューです。
ベンチャー企業とかだと、変わった言葉や尖った言葉を使いたがりますが、自分たちらしい働き方とは何か?という質問が大切であり、何もカッコつけて文言を作り出す必要はありません。他人から見た時に平凡な言葉であっても、自分たちが本当に納得できるものであればいいのです。
5. 話し合いながら必要であれば修正していく
社員と話し合いながら、日々の仕事のやり方が、決めたコア・バリューに沿っているのか、または沿っていないのかを検討し、言葉を固めていきます。
6.オフィシャルな書類にする
最終的にコアバリューが定まったら、それを社員ハンドブックや入社時のオリエンテーション資料など、会社のオフィシャルな書類に盛り込んでいきます。
7. コアバリューに基づいて生きる
経営者自身がコアバリューのとおりに生きているのか?“社長は背中で語る”ものであり、自らがコアバリューの源泉となる必要があります。
コアバリューをマネジメントの仕組みに組み込む
さて、話が少しそれますが、一般的には、「経営理念を浸透」させるという言葉が使われたりしますが、私たちはこの「浸透」という言葉はあまり使わないようにしています。
なぜならば、浸透というのは、経営陣の考え方を組織の下部層に植え付ける、というイメージを想起させるからです。
先ほど言った通り、コアバリューは、組織内の人たちが共通して持っている価値観をまとめたものです。そう考えれば、たとえば、「コアバリューを浸透させる」という言葉自体、ズレています。コアバリューは、浸透させるものではなく、そもそもみんなが持っているものだからです。
と考えれば、大事なのは、いかにみんなが日々の仕事の中で、コアバリューを体現できるか?ということになります。
これまた日本の企業シーンでよく行われる方法が、経営理念の唱和です。別に唱和している会社を批判するわけではありませんが、個人的には好きではありません。自分が会社員の時にやらされ、効果ややり方に非常に疑問を持っていたからです。
コアバリューを体現するには、口で言うのではなく、会社の仕組みに組み込むことです。
具体的には、以下のような仕組みに組み込みます。
- 人事評価
- 教育の仕組み
- 採用の仕組み
コアバリューを人事評価に組み込む
さて、あなたの会社の評価項目はどうなっていますか?評価項目は、会社の文化に影響する大きな要因です。コアバリューを体現し、強い文化の組織を創るために大切なのは、コアバリューと評価の一貫性を取ることです。
コアバリューを評価に入れることで、強い文化が出来る
一般に、人事コンサルティング会社に依頼すると、コンピテンシーと呼ばれる評価モデルを導入されます。コンピテンシーとは、その職務を行うのに必要な資質や能力をモデルとして示したものです。一見すると、コンピテンシーを導入すれば自社の業績アップにつながる、と思われるでしょう。しかし、コンピテンシーモデルには欠けている視点があります。それが組織文化への影響です。文化は戦略を喰う、と言われているように、いくら優れた戦略を立てて、能力の高い人を集めたとしても、文化が良くなければ戦略は実行されないのです。
そこで、社員の評価には、コアバリューを組み込むことが大切です。つまり、その人がいかに会社の文化醸成に貢献しているかを評価する、ということです。
たとえば、”顧客中心”というコアバリューを掲げていても、とにかく利益を上げた人が評価される仕組みになっていれば、社員は顧客中心というコアバリューよりも、自分の利益を上げるための行動を取ります。
そうなるとコアバリューが形骸化します。
私たちのお勧めは、業績に関連する評価項目と、コアバリューに関連する評価項目をミックスさせて評価する仕組みを創ることです。ちなみに、私たちのクライアント企業の経験から言うと、今現在は成績が良くなくても、コアバリューの体現度が高い社員は、将来的に成績も伸びることが良くあります。
コアバリューを採用の仕組みに組み込む
コアバリューに基づく経営をするにあたって、採用は最も大切かも知れません。基本的に人の価値観を変えるのは、至難の業です。そう考えれば、そもそも、自社のコアバリューに全く合わない人を入れてしまったら、その人がコアバリューを体現してくれることは無い、と思ったほうが良いでしょう。
個人のバリュー(価値観)を変えるのは難しいので、入り口で制御する
ですから、採用する際には、その人の価値観が自社のコアバリューと共通点があるか?という視点が大事になります。ザッポスでは、コアバリューを大事にするため、非常に採用のハードルを高くしています。その結果、同社に採用される確率は、約2%程度と非常に低くなっています。
コアバリューに合わない人を採用してしまった時のコストは非常に大きいものです。そのため、私たちは、”出来れば、最初の一人を雇う前にコアバリューを決めましょう”という提案をしています。
コアバリューが合う人を採用する仕組みについては以下の記事で詳細を解説しています。
コアバリューを教育の仕組みに組み込む
多くの企業では、教育と言えばスキル研修をイメージされると思います。しかし、コアバリューを大切にする会社では、それと同じくらい、コアバリューを理解するための教育に力を注いでいます。ただ、繰り返しになりますが、ここでいう教育とは、その人の価値観を変えて、自社のコアバリューを刷り込む、ということではありません。
コアバリューを教育するために大切なこと
コアバリューに関する教育で大切なのは、
- 自分が持っている価値観を明確にし、それとコアバリューの共通点を理解してもらうこと
- コアバリューの意味や事例について理解してもらうこと
です。
特に大切なのは、入社初期時の教育(オンボーディング)です。ここでコアバリューに関する教育を外してしまうと、リカバリーが難しくなりますので、人を採用する前から考えておく必要があります。
コアバリューを導入するには覚悟が必要
以上、コアバリューの意味や決め方、コアバリューを仕組みに組み込むことをご紹介してきました。
最後に大切なことをお伝えしたいと思います。
それは、
コアバリューを導入するには覚悟が必要
ということです。
コアバリューを決める=ノーという勇気を持つ
コアバリューを定義している会社は日本でも増えていますが、本当の意味でコアバリューを軸にした経営を行うにはかなりの覚悟が必要です。
たとえば、
- コアバリューに沿わないことであれば、どんなビジネスチャンスにもNOと言う覚悟。
- コアバリューに合わない人であれば、どんなにスキルや能力が高い採用候補者でもNOと言う覚悟。
が必要です。
これらコアバリューをベースにした意思決定が、最終的に独自、かつ強い企業文化の構築に繋がります。
コアバリューを決めれば辞める人も出てくる
私たちのお客様の中にも、コアバリューを文書化する段階で、会社に合わない人があぶりだされていき、辞めていくパターンを数多く見てきました。
たしかにこれまで在籍していた社員が辞めてしまうのは寂しいことではありますが、人が辞めない会社を創るためには、一時的な人の離脱を受け入れなくてはいけません。
コアバリューを軸に採用や評価を創っていくことによって、会社は一つのコミュニティになり、人が辞めにくい会社が出来てきます。経営者がそこまで耐えられるかどうか、覚悟が必要になります。
コアバリューに基づく経営を実践するなら仕組み経営へ
以上、コアバリューについて意味や事例、作り方、活用方法をお送りしてきました。申し上げた通り、コアバリューは内容そのものと同じくらい作るプロセスが大切であったり、作った後に仕組みに組み込むことが大切です。
私たち「仕組み経営」では、経営者個人の価値観の発見から、コアバリューを仕組みに組み込むところまでを一貫してご支援しています。ぜひ以下の仕組み化ガイドブックから詳細をご覧ください。