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「自社の南西壁を登る」2024年9月18日号


お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

さて、仕組み経営では、半期に一度のイベント「仕組み経営サミット」を開催しています。

その次回日程が12月6日に決まりました。

今回は【仕組みで成長する経営計画】をメインテーマとし、特別ゲスト講演者として、元キリンビール代表取締役副社長 田村潤氏をお招きしております。

田村さんは書籍「高知支店の奇跡」で知られている方です。

同社内でも最下位ランクの業績だった高知支店において、企業理念の浸透、それに基づいた行動スタイルの改革を行い、支店長就任6年後、県内トップシェアを奪回、V字回復させました。

その後、「勝ち方」を全国で展開し、2009年、ついに全国でのキリンビールシェア首位奪回を果たしました。

いわば、高知支店でつかんだ”勝つための試作モデル”を仕組み化し、横展開したことで同社のシェア首位に貢献したと言えます。

今回のサミットでは、田村さんに、いかに組織を燃える集団にするかをお話しいただく予定です。

詳しくは以下のページに記載いたしましたので、ぜひご覧ください。
​⇒https://lp.shikumikeiei.com/summit2024win/​
(超早割中)


■さて、登山を題材にした「神々の山嶺(いただき)」という小説&漫画をご存知でしょうか。

エベレストの最難関ルートである南西壁からの登頂を試みた森田勝(作中名:羽生)という登山家を描いた物語です。

経営とは全く関係なさそうな物語ですが、実はそんなことはなく、学ぶことがたくさんあります。そのため我が家のそれほど広くない本棚にいまだに居座っています。



■羽生は日本の登山界から離れ、ネパールに滞在しながら準備を整え、エベレストを南西壁から登る機会を狙っていました。

エベレスト、さらにその際難関ルートからの登頂は、当然ながら死と隣り合わせです。

したがって、羽生の準備の徹底ぶりは、尋常ではありません。

羽生はこのように言います。

”南西壁のことなら、どんな小さい壁だってわかる。どこにどういう風に壁があって、どうハングしているか。みんなわかっている。目をつぶったってアイスフォールの中を歩けるよ。”

これだけの準備をしても、無事に登頂できるかどうかは分かりません。

天候などの人知を超えた条件が加わるからです。

それでも、自分が出来る限りの準備をしたかどうかが最後の最後で問われるのです。


■「神々の山嶺(いただき)」にはこんな言葉が書かれています。

”羽生は、持ってゆくトイレットペーパーの芯を抜いている。鉛筆も、手帳用の小さいものを、途中から切り落として短くしている。


ノートの表紙でさえ、いらぬものとして破いて捨てている。これ等を合わせても、10グラムはあるまい。7,000メートルを超える高度だと、少し動いても息が切れる。そういう時、心に迷いが生ずるのだ。


自分は、やれるだけのことをやったのか。


もっと荷を軽くできたのではないか。


そういう不安を抱えていても登攀の邪魔になるだけだ。


低酸素と疲労で、ただでさえ思考が鈍る。そこへ、さらにわずらわしい考えがちらつけば、それが事故につながる。


もし、きちんとその作業が済んでいるのなら、「やるだけはやった」余計な思考をせずにすむ”


■羽生の準備は、経営者が経営に臨むときの態度を教えてくれます。

経営計画とは、自分たちが目指す場所(南西壁からの登頂)に向けて、達成までの道筋が目に見えるまで考え抜くことに他なりません。

経営計画を作る理由は社員に希望を与えるため、利害関係者に説明するため、など様々あると思います。

しかし、何よりも本質的な意味は、経営者が頂までの道筋を考え抜くことにあります。



■映画「ファウンダー」で描かれたマクドナルドの創業者マクドナルド兄弟は、店舗を作る前に、テニスコートにチョークで店の図面を描きました。

そして、スタッフが効率的に動き、30秒でハンバーガーが作れるように試行錯誤を繰り返しました。

その後の結果は私たちの知る通りです。

このようなシミュレーションをすることを、私たちは事業の試作モデルを作る、と呼んでいます。

一般に考えられる”計画”という枠組みを超えて、未来を今に再現するのです。



■連続起業家であるロジャー・フォード氏は、仕組み化の発想を取り入れ、様々な業界で事業を成功させました。

彼はあるとき、全く門外漢であったペットホテル事業に参入しました。

彼はいきなり店舗を作ることをせず、1年間かけて、事業の試作モデルを作りました。

実際に事業を始める前から、運営のマニュアルを作り、完璧な準備をしたのです。

さらに、その事業を将来どうするかという出口戦略も予め決めました。

そして事業スタート後、わずか2年で、思い通りに完成したその事業を、ペットスマートというペット業界の大手に売却しました。

これも計画通りでした。


■このように、経営の計画とは、数字を積み上げるものではなく、心で描くことから始まるものです。

ビジョンという言葉は、もともと「目に見えるもの」という意味を持っています。

ですから、ビジョンを描くということは、目標達成への道筋がはっきりと見えるまでイメージを練り上げることを意味するのです。

社長業を何年もやっていますと、経営計画の作成も一つのルーチンになってきます。

それはそれで仕組み化されていて良いのですが、そこに魂や心が欠けてしまっては、「仕組み(計画)創って魂入れず」になってしまいます。

ぜひ、あなたの会社にとっての南西壁はいったい何なのか?

そこを登るルートは何なのか?

登るための準備は何なのか?

を考えてみてくださいね。

なお、12月6日の仕組み経営サミットは、今日述べたように、心で描くことからスタートする経営計画の創り方を実践していきます。

ぜひ以下から今のうちにお申込みくださいませ。
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では本日は以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。



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