お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
さて、手前味噌ながら、近いうちに私の新刊が発売される予定です。
タイトルはズバリ「仕組み化の経営術」です。
仕組み化の基本的な概念から、会社の理念を明確にし、それを体現するための現場のマニュアルづくりまで、体系的に解説をした本になっています。
これまで、マイケルE.ガーバー氏の「はじめの一歩を踏み出そう」を教科書として仕組み化をお伝えしてきましたが、新刊では、より具体的に、御社で実践できるように誌面コーチング型でまとめております。
今回、この新刊を仕組み経営サミットご参加者にいち早くプレゼントさせていただくことにいたしました。また書籍を深掘りした解説動画(非売品)もプレゼントいたします。
仕組み経営サミットは仕組み化の取り組み事例や実践のためのポイントを現場からお届けするイベントです。
間もなく満席になりそうですので、ぜひ今のうちに以下からお申込みくださいませ。
⇒https://lp.shikumikeiei.com/summit202406/
■では本日の本題です。
あなたの会社、そして日本の全ての会社の最大の課題のひとつは、生産性の向上といえると思います。生産性が高くなれば、社員の給与も上げることが出来、資金のダムもつくれますからね。
そして、私たちが日々お伝えしている仕組み化の目的の一つも、当然ながら生産性向上です。
仕組みとは、自社独自の再現性のある仕事のやり方ですが、仕組み化することによって、
- ミスが減り、品質が安定することで、不良対応、クレーム対応の業務が減る。
- 社員が仕事を自己完結出来、上司や先輩に尋ねる必要がなくなる。
- 新人教育が容易になり、教育時間が減る。
- 効果・効率の良い仕事方法を横展開出来、ムダな努力を減らすことが出来る。
といった感じで、仕組み化によって生産性が高まります。
■この仕組み化や生産性ということですが、自分のチームや自社だけで取り組んでもベストな状態が作れないという問題があります。
仕組み化をご支援する際、まずはこのチーム(部署)からやってみよう、ということにあることがあります。
たしかに小さい規模でスタートしたほうが、話が進みやすいし、抵抗も少ないものです。
そして、実際に仕組み化を進めることで、ある程度の効果は実感できるかもしれません。
■一方、ある程度以上の生産性向上は、そのチームの取り組みだけでは実現できないのです。
たとえば、まずは経理や総務などのバックオフィスから仕組み化を進めましょうということが良くあります。常にパソコン仕事をしていますし、社内にいるので、仕組み化しやすいように思うわけですね。
そこで経理の人たちは、業務の流れを改善したり、クラウドのソフトを使って作業を効率化しようと取り組みます。
ただ、経理の仕事には営業から上がってくる情報も必要となります。たとえば、商談の情報や経費の精算などです。
そこで営業の人たちが古い手作業の仕方を続けていたら、経理の人たちの努力が全く無駄になってしまいます。
極端な話、営業が注文や売り上げの数字を紙に手書きしているとしましょう。そうすると経理の人は、その紙の数字を一つ一つパソコンに打ち込む手間が発生します。効率の良いソフトを使っている意味がなくなってしまうんです。
また、営業が自分のメモ書きでしか商談内容を記録していないと、経理は適切な情報が入ってこないので、お金の計算を正確にできなくなります。売掛金の回収遅れなど、ミスが出る可能性が高くなります。
このように、経理部門が仕組み化に取り組んでも、営業が旧態依然のやり方だと、すべてがダメになります。
全ての部門はつながっており、一部分だけの取り組みでは、限界があるのです。これを断片的仕組み化と呼んでます。
■同じことが、会社同士でも起こります。
自社では情報を全部デジタル化していても、取引先がFAXでのやり取りに固執していたり、
自社は属人化が解消されていて安定運用が出来ていても、取引先が属人化していると、担当者が休みになれば自社の業務が止まってしまいます。
このように、会社間もすべてつながっているので、自社だけでの取り組みには限界があります。
■私が会社員のとき、あるシステム開発プロジェクトに営業として携わっていました。
そのプロジェクトに携わっているエンジニアの数がとても多く、私は毎月末に彼らの稼働時間の計算をするのが面倒になっていました。稼働時間を計算しないと顧客への請求が出来ないのです。
毎月10時間以上はかかる、その膨大な作業に悩まされていたのですが、当時の上司が解決策を思いつきました。
顧客との契約を毎月固定額への請求に変えたのです。もちろん、顧客との交渉は必要でしたが、顧客からしても毎月変動するよりも固定してた方が分かりやすいということで、話がまとまりました。
これで私の作業は圧倒的にラクになり、作業時間はほぼゼロになりました。
私が作業効率を上げたところで、10時かかる作業が1時間に短縮されることはありません。当時の上司は仕組みを変えることによって、部下(私)の仕事をラクにしてくれたのです。
■このように、本当の意味での生産性を実現するには、業務をすべて“流れ”としてみること。
そして、いったいどこに滞りがあるのかを見つけること。
まず一チームでスタートしたとしても、成功事例を積極的に共有し、他チームを助けることが大切になります。
取引先にも働きかけ、協力を得ることが必要かもしれません。
小さく始めるとしても、全体が良くなるような仕組みとは何かを考えながらやれば、あなたの会社の生産性も上がるはずです。
ぜひご参考にされてください。
では本日は以上となります。
※仕組み経営サミットもお見逃しなきようお申込みください。
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