会議体の意味とは?設計方法とサンプル一覧をご紹介。



清水直樹
今日は「会社を成長させる会議体の仕組み」という話をしたいと思います。会議体とは、「同じ目的で複数回設定される会議の集合体」のことを指します。

 

日頃、会社の仕組み作りをお手伝いしているんですけれども、さまざまな仕組みを作る中で、もっとも効果が出やすい仕組みが今回の会議の仕組みです。

うちのお客様からも、この仕組みが一番役に立ったというようなお声も頂いたりしますので、今日はその一部をご紹介したいと思います。

この記事では、『会社の仕組み化』の中でも、特に組織の生産性と成長リズムを創り出す『会議の仕組み』に焦点を当てて解説します。もし、仕組み化の全体像から理解したい方は、まずはこちらの『仕組み化とは?【完全ガイド】』からご覧ください。

あなたの会社は大丈夫? 生産性を下げる「ムダ会議」6つのパターン

「また会議か…」 多くの職場で、会議はネガティブなイメージを持たれがちです。結論が出ないままダラダラと時間が過ぎたり、頻繁な会議に追われて本来の業務に集中できなかったり。

もし、あなたの会社でこのような光景が日常なら、それは会議の「仕組み」そのものに問題があるのかもしれません。

会社の成長を妨げる「ありがちなムダ会議」の6つのパターンをご紹介します。自社に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

パターン1:ゴールのない会議

その会議で「何を決めるのか」「何を生み出すのか」というゴールが決まっていなければ、当然のように会議は長引きます。目的がなければ、いつ終わるべきかも分かりません。1時間の予定が、気づけば2時間、3時間と延びてしまう典型的なパターンです。

パターン2:ルールのない会議

「会議にルールは堅苦しい」と感じるかもしれませんが、生産的な会議にはルールが不可欠です。「時間内に必ず結論を出す」「決定事項と担当者を明確にする」といったルールがあって初めて、会議は機能する「仕組み」となります。

パターン3:上司の独演会になっている会議

参加者はただ聞いているだけで、実質的には特定の上司やリーダーの演説会になっていませんか。情報共有が目的なのであれば、わざわざ全員の時間を使わずとも、メールやチャットで十分なはずです。これは参加者の時間を奪う、コスト意識の欠如した会議と言えます。

パターン4:制限時間のない会議

開始時間だけが決まっていて、終了時間があいまいな会議も問題です。これは多くの場合、「ゴールのない会議」とセットで発生します。ゴールがなければ、達成に必要な時間を見積もることもできません。「とりあえず集まって話そう」という状態では、貴重な時間が失われるだけです。

パターン5:発言しない人がいる会議

10人の会議で、発言しているのは数人だけ。残りの人はただ座っているだけ、ということはないでしょうか。その人が会議に参加している時間も、会社にとっては人件費というコストです。情報を聞くだけの立場なら、後から議事録を共有すれば済む話です。

パターン6:「ちょっといいですか?」会議の乱発

「〇〇さん、今ちょっといいですか?」 こうした予測不能な割り込み会議は、個人の集中力を奪い、チーム全体の生産性を著しく低下させる大きな要因です。実はこの問題も、定期的な会議を正しく仕組み化することで、大幅に減らすことができます。

 

会議体とは?まず定義を理解する

それでは、本題である「会議体」について解説します。

「会議体」とは、特定の目的のために、定期的・継続的に開催される会議の集まりを指します

会議体とは

皆さんの会社にある「委員会」や、年に一度開催される「社員総会」などをイメージすると分かりやすいでしょう 。これらはすべて会議体の一種です。

  • 継続的な会議体の例: 企業文化の向上を目的に毎月開催される「文化向上委員会」
  •  

    単発的な会議体の例: 年に一度、全社員が集まる「全体会議」や「キックオフミーティング」

なぜ「会議体」の設計が会社の成長に不可欠なのか

前述したような「ムダな会議」が生まれる根本的な原因は、この会議体の仕組みが整っていないことにあります

特に、これから成長しようという企業ほど、会議の仕組みが未整備なケースが多く、次のような課題に直面しがちです

  • 課題1:突発的な会議の多発 「ちょっといいですか?」といった割り込み会議が頻繁に発生し、社員が本来の業務に集中できない
  • 課題2:情報共有の遅れや漏れ 知るべき人に情報が伝わらず、複数の担当者が同じ作業をしてしまうといった無駄が発生している
もし「社内の情報共有がうまくいっていないな」と感じたら、それは会議体をうまく設計し直すサインです 。会議の仕組みを意図的にデザインすることで、社内の混乱を収め、組織全体の生産性を高めることができます

では、どのように会議体を設計すればよいのでしょうか。ここでは、そのための「3つのヒント」をご紹介します

 

生産性を最大化する会議体の設計|3つの重要なヒント

会社の生産性を上げ、情報共有の混乱をなくすためには、会議体を意図的に設計することが不可欠です。ここでは、そのための重要なヒントを3つご紹介します。

ヒント1:会議を「投資活動」として捉える

最初のヒントは、すべての会議をコストとリターンで考える「投資活動」として捉えることです。目的が曖昧な会議は、投資効果の低い、つまりコストの無駄遣いになってしまいます。

会議のコストを正しく認識する

会議には、目に見える以上にお金がかかっています。

  • 場所代: 社外の会議室を借りる費用はもちろん、社内の会議室にも家賃というコストが発生しています。
  • 人件費: 会議の最も大きなコストは、参加者の人件費です。経営層など、役職が高いメンバーが参加するほど、会議のコストは高くなります。

これらの投資に見合う効果を得られなければ、その会議を開く意味はありません。

会議で得られるリターンとは

投資に対する効果(リターン)には、以下のようなものがあります。

  • 新しいアイデアや改善策の発見
  • 会社全体の方向性と、社員一人ひとりの仕事のベクトルを合わせること

会議体を設計する際は、常にこの投資と効果のバランスを検討し、不必要な会議が増えるのを防がなければなりません。


ヒント2:経営の「リズム」を会議で創り出す

会社経営には、成長を支えるための固有のリズムが存在します。仕組み経営では、このリズム作りを非常に重要視しています。

経営のリズムを生み出す会議体

会社経営を支える「3つのリズム」

経営は、以下の3つの異なる時間軸のリズムで成り立っています。

  1. 思考のリズム(長期的視点): 5年、10年、20年といった長期的な視点で、会社の未来や方向性を定めるプロセスです。
  2. 計画のリズム(中期的視点): 「思考」で定めた方向性に基づき、1年や3年といった中期的な計画を立てるプロセスです。
  3. 実行のリズム(短期的視点): 「計画」を達成するため、日々の業務を着実に遂行するプロセスです。

「思考・計画・実行」のサイクルを会議で回す

この「思考」「計画」「実行」のサイクルが円滑に回らなければ、会社の成長は望めません。例えば、優れた「思考」と「計画」があっても、現場の「実行」が伴わなければ、全ては「絵に描いた餅」で終わってしまいます。

これらの断絶を防ぎ、一貫性を持たせるために、会議を意図的に設計します。つまり、**「思考するための会議」「計画するための会議」「実行するための会議」**というように、それぞれの目的に合わせて会議体を配置していくのです。

ヒント3:「一貫性」のある会議で組織を動かす

効果的な会議体は、組織内に「一貫性」をもたらします。これには2つの軸があります。

時間軸の一貫性:未来から逆算する

これは、ヒント2で述べた「思考→計画→実行」の流れのことです。「未来のあるべき姿」から逆算して、「今、何をすべきか」まで落とし込む。この時間軸の一貫性を、年次・月次・週次といった会議体の連動によって創り出します。

組織軸の一貫性:戦略を現場に浸透させる

もう一つは、組織の階層における縦の一貫性です。経営陣が考えた方針や戦略が、現場の隅々にまで正確に伝わり、実行される状態を目指します。経営陣と現場の行動がバラバラでは、会社は前に進みません。

この縦の一貫性を整えるために、会議の仕組みは不可欠です。上層部で決定したことを、まるで滝の水が流れるように下層へ伝えていく。この情報の流れをカスケーディングプランと呼び、方針や戦略を組織全体に浸透させるための重要な考え方です。

会議体のフォーマットとサンプル

ここまでに解説したヒントを元に、会議体を設計していきます。まずは、以下の5つの項目を定義する基本フォーマットを作成することから始めましょう。このフォーマットに沿って一覧化することで、社内の会議の全体像が整理され、目的が明確になります。

 

名称 参加者 頻度 時間 目的
年次リーダーミーティング 経営チーム 年に一回 2日間 中長期目標&計画の立案
年次キックオフミーティング 全社員 年に一回 半日 中長期目標&計画の共有
四半期ミーティング 経営チーム、部門ごと 四半期に一回 半日~1日 中長期目標に向けた調整
週次ミーティング 部門ごと 週に一回 1時間 実行計画
EDM 上司、部下 週ごとor隔週 30分~1時間 社員の成長
日次ミーティング 部門ごと 毎日 15分 チームワーク向上
(任意)月次ミーティング 部門ごと 月に一回 1時間 部門間情報共有

会議体設計のフォーマット

以下の5項目を、会議体ごとに定義していきます。

1. 名称

その会議の目的が明確にわかる名前をつけます。「年次ミーティング」のような汎用的なものでも良いですし、「週次営業進捗会議」のように具体的な名前にすると、より目的がはっきりします。

2. 参加者

その会議に誰が出席すべきかを定義します。

3. 頻度

会議をどのくらいの間隔で開くかを決めます(例:年に一回、週に一回)。

4. 時間

会議の所要時間を設定します。

5. 目的

会議のゴールです。目的がない会議は終わらないため、あらかじめ「この会議で何を決定するのか」「何を持ち帰るのか」を明確にしておきます。

 

【サンプル】会議体の一覧とそれぞれの役割

以下に、経営の「リズム」を創り出すための会議体の設計サンプルをご紹介します。あくまで一例として、自社に合わせてカスタマイズしてください。

年次リーダーミーティング / 年次キックオフミーティング

  • 目的: 中長期の目標と計画を立て(リーダーミーティング)、それを全社員に共有する(キックオフミーティング)。
  • 役割: 主に「思考」のリズムを担います。

四半期ミーティング

  • 目的: 年次ミーティングで決めた計画の進捗を確認し、必要に応じて軌道修正を行います。
  • 役割: 主に「計画」のリズムを担います。

週次ミーティング

  • 目的: 計画を確実に実行するための具体的なアクションを確認します。
  • 役割: 「実行」のリズムを担う、非常に重要な会議です。

日次ミーティング(デイリースタンドアップ)

  • 目的: チームでその日にやるべきことを共有し、スムーズな業務遂行を促します。
  • 役割: 「実行」のリズムを細かく刻むための会議です。

EDM(社員成長のための1on1ミーティング)

  • 目的: 上司と部下が1対1で、社員の成長を目的とした対話を行います。
  • 補足: これは仕組み経営独自の会議体で、週に1回または隔週での実施を推奨しています。

月次ミーティング(任意)

  • 目的: 部門間の情報共有など。
  • 補足: このサンプルでは、月次ミーティングを「任意」としています。なぜなら、年次から日次までの会議体が正しく機能すれば、月ごとの大きな確認は不要になることが多いからです。

このように各会議が「思考」「計画」「実行」のサイクルと連動することで、会社は一貫性を持って成長していくことができます。

会議を活用して経営のリズムを作る

今回は、会社の生産性を劇的に向上させる「会議体の設計方法」について解説しました。一つひとつの会議を「投資」として捉え、経営の「リズム」に合わせて設計することで、これまで単なるコストだった会議の時間が、会社の未来を創る価値ある活動に変わります。

ムダな会議がなくなれば、社員は本来の業務に集中でき、経営者であるあなたも、目先の課題ではなく未来を創るための仕事に時間を使えるようになるはずです。

そして、この会議の仕組み化は、会社全体を仕組みで動かすための、非常に重要ですが、あくまで一部分にすぎません。

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