今回のインタビューは、小濱格さんです。
小濱さんは3店舗を構える美容室「STORIA」のオーナーで、仕組み化に取り組み始めてからわずか1年で職人型ビジネスから抜けだすことに成功されました。
HP:http://www.hairbeauty-storia.com/
このインタビューでは、どのような順番で仕組み化に取り組み始め成功したのか?を具体的にお伺いしています。
ぜひ以下からご覧ください。
高校生の時に美容師に憧れて、アルバイトで美容室に入りました。高校3年生になって、東京に出てきて、大手の美容室に入りました。4年でやめて、他の美容室に入りましたが、1年経った時、先輩が独立したのでついていき、そこで5年やりました。
その5年の中、ビジネスパートナーとの出会いがありました。 私とは違う視点をもったパートナー。 パートナーとの出会いは、20のとき。 定期的な食事会から始まり、あるきっかけで起業致しました。
一回り上のパートナーではありますが、相互尊重しあえる、友達でもあり、先輩でもあり、喧嘩もできるパートナーです。 これにより独立を決意しました。銀座でフリーランスからスタートしました。美容師としての仕事以外にも、自分で企画書を書いて講習やら勉強会やらなんでもやっていました。
はい、フリーランスを1年半くらい続けていました。ただ、そのときも社員を一人雇っていました。また、役員も一人いました。その後、お店を出しました。お店のオープン時には4人いました。
独立する前は、一緒にやっているメンバーたちがやりたいことをかなえたいと思っていました。お客様に対応しているのと同じ感じで、メンバーにも対応していたのです。しかし、実際にお店をだしてみたら、メンバーから何をしたいんですか?と聞かれて、戸惑いました。
はい、お店をどうしたいんですか?と聞かれました。 具体的にどういう問題が出ましたか? 仕事が全部自分に来てしまい、仕事を任せられませんでした。任せても、これどうしますか?と全部聞かれている状態でした。
はい、1年後に2店舗目を出しました。2店舗目は、どこに出せば売上が出しやすいかを考えて、戦略的に品川に出店しました。その戦略前に、2人新しく雇ったのですが、一人は美容師ではない人を新卒で雇いました。将来会社を大きくしたかったので、マネージャー的な人として雇いました。そして、最初からいたメンバーを店長にして、その下に2名のスタッフという体制でスタートしました。
その後、状況が変わったのは、翌年の春くらいでした。店長に子供が出来、産休に入ることになりました。そしてもう一人のスタッフが海外に行きたいということになり、同時に2名離脱しました。そして、2店舗あるにも関わらず、スタイリスト2人体制になってしまいました。2店舗で切れる人が2人しかいない、という状態が1年間続きました。
正直、会社を辞めたいと思っていました。人を育てても、抜けてしまうということを体験したので。残りのスタイリストの1人も辞めたいと言っていきました。一年引き留めたのですが、これはそのうち一人だけになるな、と思っていました。
それでも売上は悪くなかったんです。人が減っていくのに売上は増えていく、、、
2店舗目の戦略が当たって、お客様はたくさんいらっしゃいました。深夜営業もしたので、終わるのは3-4時なのですが、朝はまた9時からスタートします。売上があるけど忙しいという状態です。ちょうどそのころ、子供も生まれていて、いろんなことが重なっていました。
その時、スタッフが2人採用出来て体制も変わって、兆しが見えてきた頃でした。同時に、清水さんのメルマガを読んでいて、いまのままではダメだと思い始め、仕組み経営の講座を受け始めました。 その中で、最初に社長の人生計画がありき、というところが一番響きました。さっき言った通り、みんながやりたいことをやるという最初に独立した時の考えと違っていたので。
理念とビジョンを文書化することでした。
図書館にこもりました。講座で自分の人生の過去を振り返るというのがありました。それをやる中でもう一回美容でやっていこうと決めたのですが、ではこれから美容業界がどうなるかを考え始めました。経営者らしいことを始めたのです。
そこで、新美容という雑誌が1919年に創刊されていることを知りました。100年前に出ているので、これを見れば、未来も見えるかもしれないと思いました。国会図書館に創刊号を探しに行きました。戦争があったので、さすがに創刊号はありませんでしたが、昭和34年発刊の号があったので、そこから現代へ遡っていきました。
そういうことをやっていると、現場に入らないので、売上が落ちる怖さはありましたが、スタッフが後押ししてくれました。社長がやるべきことをやらないと会社が大きくならないので、やってくれというようなことを言われました。
雑誌を現代までを遡っていくと、時代も関係なく続いている業界だということがわかりました。表現をいかに時代に合わせて変えていくか?ということだと気が付きました。
はい、幹部に事前発表しました。そうしたら、全然気持ちが伝わらない、という声が聞こえてきました。 そこからもう一回作り直しました。
最初は、自分の言葉で書いていなかったと思います。いろいろなものを組み合わせて話しただけだったと思います。そこでもう一回、自分の言葉を探すことをし始めました。そしたらまた固まってきたので、2回目の共有を行い、何となく伝わったのかなと思います。
現場からは少しずつ抜け始め、ビジョンも出来たので、もう一店舗目を作ろうと思いました。仕組みづくりも考え始めていたので、最初に組織図と職務契約書を作りました。そうすると、こういう人が必要だなということに気が付き始めました。
さらに、講座で商品・集客・営業が基本と学んだので、自社の商品について考えました。自社の商品とは何だろう?何が他と違うのか?と。 いままでのように、美容師に依存しないように、商品に落とし込みました。
具体的には、メニュー表を作りました。ぱっと開いたらメニューの売りと時間、価格がわかるようにしました。
いまのところ、スカウトか紹介でしか採用していません。理念とビジョンが採用にとっても大事かと思います。それを採用の段階でそこをきっちり説明します。採用の一次面接は社長がやっています。その後、幹部の人が面接をします。最初に自分がやることで、自分のフィルターを通せば、あとは現場の人に任せていいと感じているからです。
ほとんどの美容室は、大手媒体に依存しないで集客したがっていると思いますが、うちにはコミュニティ集客というものがあります。 趣味であるクワガタを通じたコミュニティから繋げる、スタッフの趣味を生かしたクワガタ集客というのをやっています。
クワガタのブリーダーをやっている人がいて、彼が自分のコミュニティを使って集客できませんか?と言ってきました。クワガタ愛好家のコミュニティがあって、そこから集客するということです。さらにそこから採用につながることもあります。これは彼が理念に基づいて考えたことです。
以前は理念とビジョンがないまま、社員がやりたいことをやってもらうと思っていたのですが、理念とビジョンが出来たら、逆に社員がやりたいことを出来るようになりました。
一年で本当に変わりましたね。
そこをちょうど学びたいんです。自分から美容師を取ったら何が出来るか?自分の存在価値を考えている感じです。理念、ビジョンを伝えたり、もっと上手く仕事出来るようにしたりとか、あとは、大きく会社を伸ばすための方法を考えているところです。働いていないな、っという不安は少しあったりします。
ひとつは美容室業界の働き方改革ですね。美容師は働き方改革をして、稼働時間が少なくなると、稼げなくなるので、そうなると副業を考え始めます。なので、副業に対してどうするか考えたいです。 あとはインバウンドです。うちの理念では人生に特別を作る会社であるというのがあるので、そうなると美容室だけに限らず、旅行会社と通訳案内士と組んで、旅行者に向けた美容のサービスを提供しようと考えています。国をまたいで、台湾中国の美容室と提携を結んだり、といったことを準備しています。
他、 コネクト戦略、他とも手を結び、会社を大きくしたいと思っています。 今、持たない主義といいますか、大きくすることを、避けている会社が多いと感じる事があります。 美容室でいう、綺麗を提供するだけではなく、特別を提供することを掲げている私たちは、美容を中心にほかの業種との提携、M&A、または継承を受けたりして、顧客への約束を叶えていきます。
会社をつくって思うことは、 会社からみた顧客は お客様であり、一緒に働くメンバーでもあり、社長でもあることを学びました。 会社は顧客にとって、何を提供できるのか? 私は、当初社長に提供することを全く考えていませんでした。
今は、お客様、一緒に働くメンバー、そして自分自身にとっても、 私たちのキャッチである、人生に特別をつくる会社を目指しております! 何より、お客様、一緒に働くメンバー、パートナーがいることにこれからの会社の可能性にワクワクしております!
仕組み化なら仕組み経営
以上、いかがでしたでしょうか。
小濱さんは確実な技術力や人柄をベースにしながら、講座でご紹介してきたことを本当に順序通りに、そのまま実践され、私自身もびっくりするような進化をされてきました。
・業界の過去を振り返って、これからの展望を見つける。
・メンバーがやりたいことと自分がやりたいことのバランスを取る。
・人生計画から事業を組み立てる。
といった点が特に重要だったと思います。
同じように仕組み化を進めたい方は、ぜひ以下から詳細をご覧ください。