r

リーダーシップ論とは?5つの理論から読み解く経営者のリーダーシップ



今回のテーマはリーダーシップ論です。

「リーダーシップとは何か」

明確な答えのないこの問いに迷いを持つ経営者は多いのではないでしょうか?

そんな経営者に自分の信じるリーダーシップのあり方を見つけてもらうべく、
本記事では経営者にとってのリーダーシップ論とは何かを定義した後、
以下5つの世界的に支持を得るリーダーシップ論の概要を簡単に解説しています。

  1. ドラッカーのリーダーシップ論
  2. コッターのリーダーシップ論
  3. ケンブランチャードのリーダーシップ論(1分間リーダーシップ)
  4. サーバントリーダーシップ論
  5. サイモンシネックのリーダーシップ論

ぜひ最後までご覧ください!

※下記のリーダーシップ関連記事も合わせてご覧いただくとより理解が深まります↓

リーダーシップスタイルの種類とは?6つの種類と7つの必須要素

リーダーシップとマネジメントの違いを完全解説(スキル診断付)

リーダーシップ論とは?

リーダーシップ論とは、リーダーがフォロワーの考え方や行動にポジティブな影響を与え、目標達成を実現させ、良いリーダーとなるプロセスを、合理的に定義した考え方です。

リーダーシップ論の研究者たちは多様なリーダーシップスタイルやリーダーの研究からプロセスや考え方を理論化し、世の中には非常に多くのリーダーシップ論が存在します。

本記事では、6つリーダーシップ論(ドラッカー、ケン・ブランチャード、コッター、PM理論、サーバント、サイモン・シネック、)を紹介していきます。

ドラッカーのリーダーシップ論

ピーター・ドラッカーはマネジメントの生みの親で有名ですが、リーダーシップについても彼なりの哲学を持っていました。

ドラッカーのリーダーシップ論には5つの大きなテーマがあります。

①「リーダーの一番の仕事は戦略を練ることだ」

ドラッカーは以下のように述べています。

”マネージャーとリーダーの違いは、マネージャーが物事を正しくやることに焦点を当てるのに対し、リーダーは正しいことをすることにフォーカスするところだ”

更にドラッカーは、正しいことが何かを見つけ出すのは戦略のゴールであり、戦略を考案することはフルタイムの仕事であり、決して委員会に任せてはいけない、と語っています。

②「経営の倫理に従うことと個人の高潔さを保つことはリーダーシップに必須である」

ドラッカーは、リーダーシップは人格によって形成され、個の価値観と経営活動は切り離されるべきではないと考えていました。

従業員はリーダーを多くの面で許してくれますが、もしもリーダーの高潔さがなくなったら、リーダーシップの力は一気に衰えてしまうでしょう。

③「軍隊はリーダーシップの開発において最高の教訓を与えてくれる」

ドラッカーは軍隊を経営リーダーシップの開発モデルとして称賛していました。

彼は軍隊の実践的な訓練や継続的な能力開発と評価制度、合理的な昇級システムを非常に効果的であると信じていました。

④「影響力のあるリーダーシップは何が人々を鼓舞するのかを知っているかどうかで決まる」

ドラッカーは、リーダーシップにおいて、何がモチベーション向上に繋がるのかを長年熟考していました。

そんな中、数年後にドラッカーが非営利セクターに焦点を当てていた頃、彼はボランティアを鼓舞するものが従業員を鼓舞するものと似ていることに気がつきました。

経験と適任性への欲求や、影響力を高めたい、社会の一員として貢献したいという気持ちが
従業員のモチベーションへ繋がることに気が付いたそうです。

⑤「リーダーシップはマーケティングだ」



ドラッカーはキャリアの終わり頃に従業員(特にナレッジワーカー)は顧客やパートナーのようだと気づきました。

従業員のニーズや要求を満たすことは組織の仕事であると。

従業員を顧客だと考えると、リーダーは単純に彼らを管理しているだけではなく、導く必要があります。

そしてそのためには説得するための戦略的思考やセグメンテーション、差別化などマーケティング的要素がたくさん必要になってくるのです。

こういった意味で、ドラッカーはリーダーシップとマーケティングの仕事を重ね合わせて考えていました。

参考:「Drucker on Leadership」,Korn Ferry.

コッターのリーダーシップ論

コッターのリーダーシップ論では、リーダーシップとマネジメントの違いを明確にし、変革をリードするプロセスを定義しています。

リーダーシップとマネジメントの違いは、こちらの記事で詳しく紹介しているので、本記事では変革を進めるプロセスについて紹介します。

コッターのリーダーシップ論によると、変革を進めるためには、以下の8ステップが必要です。

  1. 緊急性を感じさせる:
    組織内で変革が必要なこと、すぐに行動することの必要性を伝え、認識してもらう。
  2. 指導する推進チームを作る:
    他の人に影響を与えるような強力な変革推進チームを作り、組織内の多くの人を導き、活動を伝える役割を与えます。
  3. ビジョンと戦略を策定する:
    過去と比べて変革後の未来がどうなっているのかを明示し、そのビジョン実現までの道筋を示す。
  4. 多くの人をビジョンにエンゲージする:
    大きな変化は数多くの人が共通のビジョンを共有した時に起こるので、組織内の多くの人間に緊急性を感じさせ、ビジョンに向かって行動させることが非常に重要です。
  5. 変革の上での障害を排除する
    非効率なプロセスやヒエラルキーなどの障害を取り除くことによって、インパクトのある変革を生み出しやすい自由な環境を作り出す。
  6. 小さな成功と進捗をトラックする
    小さな成功をマイルストーンとしてしっかりと認識し、集め、変革の支持者に伝えましょう。
  7. 変革の実現、進歩を持続させる:
    プロジェクトが軌道に乗った後はさらに勢いを加速させましょう。組織全体のポリシーや仕組みを改善し、ビジョンが実現するまで変化を継続させます。
  8. 変革を定着させ、組織全体を変える:
    組織の成功と変化した個々の行動をリンクさせ、変革が過去の習慣を完全にリプレイスするまで続けます。

ケンブランチャー ドのリーダーシップ 論(1分間リーダーシップ)

ケン・ブランチャードのリーダーシップ論は「1分間リーダーシップ」です。

ベストセラーとなったケン・ブランチャードの「1分間リーダーシップ」では、状況対応型リーダーシップ論(SL理論)が展開されています。

状況対応型リーダーシップとは、その名の通り、偉大なリーダーは人それぞれが求めるものを提供するという考えの下、従業員の状況や状態によってリーダーシップの取り方を変えるリーダーシップ論のことです。

状況対応型リーダーシップでは、従業員を発達レベルによって下記4つにわけ、リーダーはそれぞれレベルに合った4種のリーダーシップのスタイルを使い分けます。

1分間リーダーシップ、状況対応型リーダーシップ論

従業員の発達レベル

  • D1:熱意のあるビギナー
  • D2:期待外れの学習者
  • D3:能力はあるが注意深い貢献者
  • D4:自立した達成者

4種類のリーダーシップ

  • S1:指導型
  • S2:コーチ型
  • S3:支援型
  • S4:権限付与

D1の従業員にはS1、D2の従業員にはS2というように、リーダーシップのスタイルを変えることで従業員を効果的に導いて行きます。

※SL理論については、こちらの記事もご参照ください。

SL理論とは?4タイプの社員に合った4つのリーダーシップを解説

サーバントリーダーシップ論

サーバントリーダーシップ論とは、ロバート・グリーンリーフにより提唱された、支配型リーダーシップの反対の理論です。

Servant(サーバント)とは、英語で「召使い、しもべ」を意味します。

「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という哲学の基、
支援型リーダー(サーバントリーダー)は、奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を獲得し、主体的に協力してもらえる状況を作り出します。

支援型リーダー(サーバントリーダー)には10の能力があります。

  1. 傾聴力がある
  2. 共感できる
  3. 癒しを与える
  4. 気づき
  5. 説得できる
  6. 概念化できる
  7. 先見の明がある
  8. 執事役(信頼が置ける人柄)
  9. 人々の成長にコミットできる
  10. コミュニティづくりがうまい

これらを満たし、独善的でないリーダーとなれる人はサーバントリーダーに向いているでしょう。

サイモン・シネックのリーダーシップ論

サイモン・シネックはベストセラー「WHYから始めよ」の著者で、
アメリカの人気講義シリーズTEDでのスピーチが大いに話題になりました。

サイモン・シネックの提唱するリーダーシップ論では、人を動かす原動力について説かれています。

その中でサイモンはゴールデンサークルという人間の意思決定と行動のシンプルな仕組みについて解説しています。

成功する経営者はこのゴールデンサークルのパターンに基づいて行動しているのです。

サイモンシネックのゴールデンサークル



ゴールデンサークルには、What(何を提供するのか)、How(それはどのようなものか)、Why(なぜ提供するのか、何を信じているのか)の3つの層があります。

サイモンによると、一般的なCMや広告ではWhatとHowのみ伝えることがほとんどですが、
成功するリーダーはWhyを最も重視し、Why→How→Whatの順で物事を考え、人に伝えます。

Apple社を例にとると、AppleがiPhoneを発売した時、
彼らはまずなぜAppleがiPhoneを作ったのか、どんな信念に沿ってビジネスをやっているかを語りました。

人は信念を共有した時に、初めて惹きつけられ、行動を起こすためです。

では、なぜ人を惹きつける、信念を共有するのがそんなに重要なのでしょうか?

それは、人間は自分の信念を示すために行動を起こすからです。

身近な例でいくと、地球環境を守りたいという信念のある人はエコバッグを買い、持ち歩きますよね。

また、Appleを例にとると、iPhone発売日にストアに早朝から並ぶ人々も、
一番に買うことによって、最新のテクノロジーを常に身に着けるという信念を周りに示しているのです。

だからこそ、人に信念を伝え、共感・共有を得ることは、最も力強い、人を動かす原動力となるのです。

これは顧客だけでなく、社員にも当てはまります。

社員を動かす真のリーダーになるには、まずは社員に自分の信念を共有してもらう必要があります。

何の仕事を(What)、どうやってやるのか(How)から始めるのではなく、なぜ/何のためにこのビジネスをやるのか(Why)をまずは伝え、経営者の信念を社員自身の信念と捉えてもらうことができれば、ビジネスは必ず成功します。

サイモンシネックは、真のリーダーシップとは以下のような状態だと語っています。

”導く人はみんなを動かすことができ、
みんなが従うのは、「しなくてはいけない」からではなく、「そうしたい」からなのです。”

いかがだったでしょうか?

リーダーシップ論とは何か、そして6つのリーダーシップ論を紹介してきました。

自社に最も必要なリーダーシップとは何か、自分のビジョンや理念を実現するリーダーシップとはどのようなものかを考える参考にしてみてください。

参考:

Drucker on Leadership

Youtube「サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか

NPO法人 日本サーバントリーダーシップ協会HP

Ken Blanchard HP

>企業は人なりは嘘?
企業は人なりは嘘?

社長依存から脱却し、仕組みで成長する会社するためのガイドブックをプレゼント中。

CTR IMG