仕組み経営の導入はこちら

「スターバックスにマニュアルはない」はウソ?

ビジネス界では、「スターバックスにはマニュアルがない」と良く言われています。

スタバには普通大手チェーンと違って、マニュアルがないで、社員自主性が発揮され、細やかな接客が出来る。そため、顧客に優れた体験が提供でき、それが業績に繋がっていく。

というもです

今日はこの件について、「仕組み経営」の観点から解説したいと思います。

店舗ビジネスにマニュアルは必須

一般に言って、店舗ビジネス、特に多店舗化、チェーン店化する際には、マニュアルは必須となります。たとえば、

  • 接客のマニュアル
  • レジのマニュアル
  • バイト用のマニュアル

等々、現場レベルでのマニュアルもあれば、

  • 店長用マニュアル
  • スーパーバイザー用マニュアル
  • 店舗運営マニュアル
  • 教育マニュアル

などのようにマネジメントレベルのマニュアルもあります。これらのマニュアル無くしては、社員やバイトの言動にバラつきが出て、その店、そのチェーンのブランドや品質を維持することが出来ません。

どんなマニュアルがあるかは会社次第ですが、少なくともマニュアル無しで5店舗以上展開しているビジネスはないのではないでしょうか。もしあったら、日々何らかのトラブルが多発しているはずです。

 

「スターバックにマニュアルがない」が語り継がれるわけ

一方、いつのころからか、スターバックスにはマニュアルがない、というフレーズがネット上で流行るようになりました。多くのビジネスマンは、”やっぱりそうか、スタバはスゴイ”と思ったかも知れません。

「スターバックスにはマニュアルがない」が語り継がれるのは、日本人のマニュアル嫌いが反映されているのかも知れません。日本は昔から個人商店、家族経営の個店が多く、マニュアル通りではない、人間味のある対応がDNAに染み付いています。そのため、チェーン店のマニュアル対応を毛嫌いする傾向があるのでしょう。

しかし、「スターバックスにはマニュアルがない」というは、ウソです。ウソ、というとちょっと語弊があるかもしれませんが、一般に思われているようなマニュアルが無いだけであり、実際には他大多数企業よりもはるかに優れたマニュアル類があります。

店舗ビジネスにおけるマニュアルの種類

「スターバックスにはマニュアルがない」というのを真に受けて、

「よし、うちもやっぱり社員自主性に任せよう!」

と考えてしまうと、結局、人問題を抱えこむことになります。まず、マニュアルというものについて、理解を深める必要があります。

上記に申し上げた通り、マニュアルには様々な種類があります。多くの人がイメージしているのは、

ステップ1.・・・

ステップ2.・・・

ステップ3.・・・

というようないわゆる手順書、またはお辞儀な何度に・・・のような細かい接客マニュアルだと思います。

しかしたとえば、フランチャイズチェーンの場合には、以下のようなマニュアルがあります。

フランチャイズのマニュアル体系例(仕組み経営の資料より)

 

スターバックスにマニュアルがない、という時のマニュアルは、上記でいうところのオペレーションマニュアルをイメージしていると思います。これは現場レベルの仕事を行うためのマニュアルです。たとえば、店舗の掃除の仕方、開店・閉店の仕方、料理などの作り方、接客の仕方等々です。

スターバックスには、これらのうち、ステップバイステップの接客方法が書かれたマニュアルがない、というだけです。

スターバックスのマニュアルとは?

これまで述べたようにスターバックスのような一大チェーンを展開していくためには、接客マニュアル以外にも多数のマニュアルが必要になるのです。

実際、スターバックスには、

  • グリーンエプロンブック
  • ラーニングジャーニーガイド
  • パートナーガイド
  • バリスタベーシック

などのマニュアルがあります。(私が知っている限り。いまは変わっているかもしれません)これらは必ずしもステップバイステップの作業方法が書かれているわけではありませんので、一般に思われているマニュアルとは異なるかも知れません。しかし、”マニュアル=ビジネスが上手くいくやり方が文書化されたもの”と考えればマニュアルに当てはまります。

グリーンエプロンブック

グリーンエプロンブックは、スターバックスの理念体系が書かれた小冊子です。スターバックスが会社として大事にしている価値観について書かれています。グリーンエプロンというのは、スターバックスのパートナーが身に付けているエプロンがグリーンであることから来ているわけですね。ちなみにスタバには一部、ブラックエプロンと言われる社内試験に合格した専門家がいます。私も1度か2度見たことがあるだけで、普通はなかなか見かけないようです。

パートナーはグリーンエプロンブックを持ち歩き、行動の指針にしています。この小冊子に書かれているような理念が共有されているからこそ、細かい接客マニュアルがなくても、顧客はいつも同じ体験をすることが出来るというわけです。

ラーニングジャーニーガイド

ラーニングジャーニーガイドは、その名の通り、パートナーたちがスタバで働くにあたって必要なことを学び続けるためのガイドです。また、これは新人の教育用のテキストしても機能しているようです。

パートナーガイド

パートナーガイドは、パートナーとして働くための身だしなみや基本的なルールが書かれています。これがいわゆる一般的な意味でのマニュアルと言えるかもしれません。

 

マニュアルの作り方や在り方は会社によって異なる

マニュアル化をする際、どこまで細かく書くか?(粒度)ということが悩みの種になったりしますが、これは一律の答えがありません。考え方としては、理念共有度が高ければ高いほど、マニュアルの粒度は低くても大丈夫であり、逆に理念共有度が低ければ、マニュアルは出来るだけ細かく書く必要があります。

この違いを分かりやすく言えば、スターバックスとマクドナルドの違いと言えます。

マクドナルドは、そのビジネスモデルやブランドからして、”誰でも働けるように”マニュアル化されています。元々マクドナルドが生まれた米国は多民族国家であり、様々な背景や能力、価値観の人たちが入ってきます。そのため、大枠の方針を示すだけでは店舗ごとに運営がバラバラになってしまいます。だから細部にわたるマニュアルが必要なのです。

一方、スターバックスはマクドナルドよりも特化された市場を相手にしており、働く人もスターバックスのブランドや価値観に共感した人が入ってきます。さらに、上記に見てきた通りミッション、ビジョン、価値観などが完璧に文書化されています。そのため接客などは細かくマニュアル化しなくても、同じような体験を提供できるわけです。

マクドナルドのやり方、スターバックスのやり方、どちらがいいのでしょうか?

スターバックスとは逆に、”こような場合には、こようにお客様に声をかける”という細かい接客マニュアルを作って成功している会社ももちろんあります。

どこまでをルール化して、どこまでを個人裁量に任せるか?

これはビジネスオーナーがどういう会社を創りたいか?によって決まります。

「はじめの一歩を踏み出そう」著者のマイケルE.ガーバー氏は、どんなビジネスを創るかは、ビジネスオーナー人生目的によって決まると言っています。

ため、仕組み化手順も、本来は、ビジネスオーナー人生から紐解いていくが理想です

第一に、自分がどのような人生を生きたいか?があり、

第二に、どのような会社を創りたいか?があり、

第三に、ではどのような仕組みが必要か?

という順序になります。

この順番無しに、他会社マニュアルや仕組みを丸パクリしたところで、大した結果にはつながらないのです。

というわけで、「スターバックスにマニュアルはない」というフレーズをきっかけにして、仕組み化、マニュアル化をお伝えしました。ぜひ参考にされてください。

 

▶Eブック「社長不在で成長する会社の創り方」

▶社長不在で成長する会社を個別支援で実現

▶仕組み経営プログラム一覧