経営12カ条

「経営12カ条 – 経営者として貫くべきこと」の要約と感想文サンプル


清水直樹

「経営12カ条」は京セラ創業者稲盛氏が提唱した経営の成功条件です。稲盛氏は、これらの12カ条を守れば、必ず成功する、ともおっしゃっており、中小・成長企業の経営者にとっては参考になるところが多々あると思います。

本記事では、経営12カ条の要約と感想文のサンプル、さらに、自分が12カ条を実践できているかどうかのチェックリストをご紹介します。

 

目次

経営12カ条とは?

経営12カ条は、稲盛氏が自身の経験から導き出した、経営者としての心構えや姿勢について示されたイドラインです。経営者が事業を成功させるために持つべき価値観や考え方が詰め込まれた12の原則から成り立っています。

同じく稲盛氏の思想をまとめている京セラフィロソフィは、一般社員も対象にして心を高めることの重要性を説いているのに対し、経営12カ条はその名の通り、主には経営者や幹部職向けの教訓が書かれています。

▶稲盛氏の功績についてはこちらで詳しく解説しています。

経営12カ条の一覧

第1条 事業の目的、意義を明確にする
第2条 具体的な目標を立てる
第3条 強烈な願望を心に抱く
第4条 誰にも負けない努力をする
第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる
第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもって事に当たる
第10条 常に創造的な仕事をする
第11条 思いやりの心で誠実に
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

各項目の詳細については後述します。

書籍「経営12カ条 経営者として貫くべきこと」

経営12カ条については、専用の書籍が出ております。より詳しく知りたい方はこちらを手にされると良いでしょう。

経営12カ条の要約(チェックリスト付き)

では、経営12カ条の要約を見ていきましょう。

経営12カ条は内容自体はシンプルであり、当然納得できるようなことが書かれています。人は自分が追い込まれないと真剣にならないものであり、一度読んだだけでは、ついつい分かった気になってしまいがちです。

そこで、経営12カ条を因数分解し、チェックリストにしてみました。ぜひこれを活用いただき、12カ条をどれだけ自分自身で実践できているかどうかをテストしてみてください。

ちなみに、経営者同士で12カ条がどれだけ実践できているかどうかを話し合う場を設けることもお勧めです。私の経験では、数時間はあっという間に過ぎていきます。

第1条 事業の目的、意義を明確にする

– 公明正大で大義名分のある高い目的を立てる

事業の目的と意義を明確にすることが重要です。公明正大で大義名分のある高い目的を立てることが必要です。経営者は従業員に懸命に働いてもらおうとするならば、大義名分が不可欠です。創業時には、従業員から将来の待遇を保証する要求がありました。経営者は三日三晩かけて話し合い、真の目的は従業員やその家族の生活を守ることにあると気づきました。そして、経営者は全能力を傾け、従業員が幸福になるよう努め、私心を離れた大義名分を持つべきだと教訓を得ました。公明正大な事業の目的や意義が従業員の共感を勝ち取り、全面的な協力を得られるとともに、経営者自身も全力を尽くすことができるのです。

チェックリスト

公明正大で大義名分のある高い目的を立てる
  • 目的が社会的・人間的価値を持ち、誰もが共感できるものか確認する
  • 経営者の私的な利益や欲望だけでなく、より高尚な目的が含まれているか確認する
目的が大義名分を持っているかチェックする
  • 大義名分を持つ目的であるか確認し、経営者や従業員のモチベーションを高めるか確認する
  • 目的が従業員にとっても意味のあるものであるか確認する
目的が高い次元であるかチェックする
  • 目的が単なる利益追求だけでなく、より高い目標を追求しているか確認する
  • 長期的な視野で経営目標が設定されているか確認する
目的が従業員の共感を呼び起こすかチェックする
  • 従業員が目的に共感し、情熱を持って取り組むことができるか確認する
  • 目的が従業員の心を動かすようなものであるか確認する
目的が具体的に定義されているかチェックする
  • 目的が抽象的でなく、明確な定義と具体的な目標を持っているか確認する
  • 従業員が目標達成に向けて具体的な行動を取ることができるか確認する
目的が将来の従業員や家族の幸福を考慮しているかチェックする
  • 従業員やその家族の生活を守ることに焦点を当てた目的であるか確認する
  • 社会的責任として従業員の福祉を考慮しているか確認する
目的が経営者自身の価値観と一致しているかチェックする
  • 経営者自身が目的に共感し、自らの信念として持っているか確認する
  • 経営者が目的に向かって全力で取り組む姿勢を持っているか確認する

 

第2条 具体的な目標を立てる

– 立てた目標は常に社員と共有する

経営者は具体的な目標を立て、それを常に社員と共有する必要があります。ビジョンや目標は夢を持ちつつ、実現のための具体的な計画が必要です。明確な目標数字を現場まで落とし込み、社員一人ひとりに明確な指針と具体的な目標を持たせるべきです。通期目標だけでなく、月次の目標も明確に設定することが重要です。障害が立ちはだかろうとも、強い意志で組織をまとめ、力を結集して目標達成に向けて進むべきです。

チェックリスト

ビジョンと目標の明確化
  • 経営者が組織が目指す未来のイメージを明確に定める
  • ビジョンは夢や理想を含み、社員を魅了するものであるか確認する
長期目標の設定
  • ビジョンに向かうための長期的な目標を具体的かつ数値化して設定する
  • 目標が組織を一つに結集させる意欲的なものであるか確認する
短期目標の設定
  • 通期目標だけでなく、月次の具体的な目標を設定する
  • 一人ひとりの社員が明確な指針の下で作業することができるか確認する
目標の時間的明確化
  • 目標達成の期限や期間を明確に設定する
  • 目標の進捗状況を適切に管理するためのタイムフレームを設定する
目標の空間的明確化
  • 目標が組織全体だけでなく、各部署や個人にも具体的に落とし込まれているか確認する
  • 現場の最小単位まで明確な目標が設定されているか確認する
目標の評価と修正
  • 目標達成のための進捗状況を定期的に評価し、必要な修正を行う仕組みを確立する
  • 成果を評価するための指標と方法を明確に定める
目標の共有とコミュニケーション
  • 目標が常に社員と共有され、全体の意識統一が図られているか確認する
  • 目標の重要性や意義を従業員に理解させるためのコミュニケーション手段を確保する
障害の克服とチームワーク
  • 目標を達成するために予測される障害を洗い出し、克服策を立てる
  • チームワークを強化して、困難を共に乗り越える意識を醸成する

 

第3条 強烈な願望を心に抱く

– 潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと

成功の鍵は目標達成への強い願望です。特に潜在意識を活用することで経営を拡大できます。潜在意識は膨大な情報を蓄積しており、目標を実現するためには繰り返し強く思い続けることが大切です。難しい目標ほど、持続した願望が重要です。高い目標を掲げ、強い願望を持ち続けることをお勧めします。

チェックリスト

目標の強さと明確さを確認する
  • 目標が強い願望に基づいているか確認する
  • 目標が具体的で明確な形で設定されているか確認する
目標達成への執着心を評価する
  • 経営者や従業員が目標達成に対してどれだけの執着心を持っているか確認する
  • 障害が立ちふさがろうとも諦めずに目標に向かって努力できるか評価する
潜在意識の活用を意識する
  • 潜在意識を活用する重要性を理解しているか確認する
  • 目標を潜在意識に定着させるための方法や手段を知っているか確認する
目標を強く持続する意識統一を図る
  • 経営者や従業員全員が目標に対して強い意志統一を図っているか確認する
  • 目標達成のために集団としての一体感を醸成しているか評価する
目標の難易度に応じた願望の強さを評価する
  • 目標が高い難易度を持つ場合、それに見合った強い願望を持っているか確認する
  • 目標が挑戦的であるほど、願望の強さが重要であることを認識する
 目標の共有と確認
  • 目標が組織全体で共有され、理解されているか確認する
  • 目標達成に向けた進捗状況を定期的に確認し、目標への願望を高める取り組みを行う
願望の持続性を確保する方法を評価する
  • 目標への願望を持続するための具体的な方法やアクションを確認する
  • モチベーションを維持し、目標への意欲を高める手段を定める

 

第4条 誰にも負けない努力をする

– 地味な仕事を一歩一歩堅実に、弛まぬ努力を続ける

京セラ創業時は夜も昼も仕事に励み、他からは長続きしないと言われたが、経営者はマラソンのような全力の努力を強調。競合他社に負けない努力が必要であり、日々の積み重ねが偉大な成果につながることを忘れてはならない。

チェックリスト

地道な仕事も欠かさず着実に行う
  • 地味な仕事や基本的な作業にも真摯に取り組んでいるか確認する
  • 組織全体で地道な努力を大切にしていることを意識づける
計画的なスケジュール管理
  • 努力を継続するためにスケジュールや計画を立て、着実に進捗しているか確認する
  • 計画的な管理が行われているかどうかを評価する
経営者のリーダーシップ
  • 経営者が努力と継続を実践し、従業員に示すリーダーシップがあるか確認する
  • 経営者自身が模範となることで、努力を継続する組織風土を築く
努力を評価する文化づくり
  • 組織全体で努力を評価し、努力を認識・褒賞する文化があるか確認する
  • 努力を継続する動機づけになる評価制度を整備する
競合他社との比較と差別化
  • 競合他社の取り組みと比較し、それに負けないための具体的な戦略があるか確認する
  • 自社の特徴や強みを生かした差別化を図るための取り組みを評価する
努力による付加価値の創造
  • 努力を通じて顧客に提供する価値や品質を向上させる取り組みが行われているか確認する
  • 努力による付加価値の創造が事業に反映されているか評価する
組織文化の整備
  • 全社員が努力を重要視し、全力で取り組む組織文化が根付いているか確認する
  • 組織文化を支える価値観や信念を共有し、努力を大切にする環境を整える
努力を奨励する制度の構築
  • 努力を奨励し、全力で取り組む行動をサポートする制度や仕組みがあるか確認する
  • 努力を支える環境を整備するための取り組みを評価する

 

第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える

– 入るを量って、出ずるを制する。利益を追うのではない。利益は後からついてくる

利益を追うのではなく、売上最大、経費最小の創意工夫を続ける姿勢が高収益を生むと述べられています。経営者にとって重要な役割は、組織全体の業績向上に貢献するシステムや仕組みを構築することであり、それにはリアルタイムな管理会計システムが必要とされています。アメーバ経営は、そのために苦心して築き上げた仕組みであり、経営者の大切な役割の一つとして述べられています。

チェックリスト

市場拡大戦略の検討
  • 新規市場や顧客層の開拓に向けた戦略が策定されているか確認する
  • 売上拡大のための具体的なアクションプランを評価する
既存顧客のリピート率向上策
  • 既存顧客の維持とリピート率向上のための施策が実施されているか確認する
  • 顧客ロイヤルティを高める取り組みを評価する
無駄の削減とプロセス改善
  • 無駄な経費や作業プロセスの改善に向けた取り組みが行われているか確認する
  • コスト削減のための具体的な改善策を評価する
原価管理とリソース最適化
  • 原価管理が徹底されているか確認する
  • 人材や資源の最適活用に向けた施策を評価する
リアルタイムな業績管理
  • 組織の業績がリアルタイムに把握できる管理会計システムが導入されているか確認する
  • データに基づいた迅速な意思決定をサポートする仕組みを評価する
従業員参加の経営
  • 経営に参加できる環境が整備されているか確認する
  • 全員が経営目標に向けて意識的に取り組める文化を評価する

 

第6条 値決めは経営

– 値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である

価格決定は、製品の価値を正確に判断し、利幅と販売数量の積が極大値になる一点を求めること。この一点は、お客様に喜ばれる最適な価格になるように設定される。最大の利益を生み出すためには、固定概念や常識を捨て去り、コスト最適化に徹底的に努めることが必要。価格決定は経営者の仕事であり、経営者の人格が反映される重要な要素である。



▶値決めの方法についてはコチラで解説しています。

チェックリスト

価値の正確な判断
  • 製品の価値を正確に判断するための評価基準が明確に定義されているか確認する。
  • 顧客のニーズや要望に合致した製品開発プロセスが確立されているか評価する。
極大値の追求
  • 製品一個当たりの利幅と販売数量の積が極大値になる価格を見極めるための戦略的な分析手法が適用されているか確認する。
  • 価格設定において競合他社の動向や市場状況を考慮した慎重な戦略が策定されているか評価する。
お客様の満足と利益の両立
  • 顧客満足度を向上させるためのフィードバック収集システムが構築されているか確認する。
  • 妥協を許さずに利益を最大化するためのコスト管理策が徹底されているか評価する。
常識にとらわれない価格設定
  • 固定概念や常識にとらわれず、製品の付加価値やブランド力を考慮した価格設定が行われているか確認する。
  • 市場変動や需要の変化に柔軟に対応するための価格調整機制が設けられているか評価する。
経営者の役割と人格
  • 経営者が値決めに対して責任を持ち、積極的に関与しているか確認する。
  • 経営者の値決めに対する姿勢や価値観が組織に浸透しているか評価する。

 

第7条 経営は強い意志で決まる

– 経営には岩をもうがつ強い意志が必要

経営は経営者の意志が具現化されたものであると考えられます。目標を実現するためには強い意志が必要であり、従業員の共感を得ることが重要です。経営目標は経営者の意志から生まれますが、同時に従業員全員が共感し、実現に向けて動こうと思うようなものにしなければなりません。つまり、経営者の意志を全従業員の意志に変えることが必要です。

チェックリスト

強い意志を持つ経営者の存在
  • :経営者が自らのビジョンや目標に対して強い意志を持っているか確認する。
  • :経営者が困難に立ち向かい、目標達成のために執念を示しているか評価する。
従業員の共感を得るリーダーシップ
  • 経営者が従業員と共に働く姿勢を示し、共感を得るリーダーシップが発揮されているか確認する。
  • 経営者が組織のメンバーとのコミュニケーションを重視し、従業員の意見を尊重する態度があるか評価する。
強い意志に基づく経営目標の設定
  • 経営者が明確な経営目標を定め、組織全体に対して伝えているか確認する。
  • 経営目標が具体的で実現可能なものであり、従業員が共感しやすい内容になっているか評価する。
従業員の意志と経営目標の一致
  • 従業員が経営目標に対して理解し、共感しているか確認するためのコミュニケーション手段が適切に取られているか確認する。
  • 経営目標に対して従業員が積極的に取り組むためのモチベーション向上策が実施されているか評価する。
経営者と従業員の意志統一の実現
  • 経営者が従業員に対して継続的な目標設定と進捗管理を行い、意志統一を促進しているか確認する。
  • 経営者と従業員が共に目指すビジョンや将来像を明確にし、一体感を持つための取り組みが行われているか評価する。

 

第8条 燃える闘魂

– 経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要

小さな企業でも経営者は従業員を守るため、すさまじい闘志が必要です。絶対に負けることを許さない強い意志を持ち、企業間競争に臨まなければなりません。経営者として、従業員を守るためには柔弱な姿勢では信頼を得られません。

チェックリスト

経営者の闘争心と熱意
  • 経営者が企業間競争に対して激しい闘争心を持っているか確認する。
  • 経営者が従業員を守るために絶対に負けるまいという熱意を持ち合わせているか評価する。
従業員を守る覚悟と決断力
  • 経営者が従業員の福祉や利益を守るために闘魂を持ってリスクを冒す覚悟があるか確認する。
  • 経営者が重要な決断を迅速かつ果敢に行うことができる決断力を持っているか評価する。
闘争心を組織に伝えるリーダーシップ
  • 経営者が組織のメンバーに対して闘争心や熱意を伝えるためのコミュニケーション手段が適切に取られているか確認する。
  • 経営者が従業員に対して自らの闘争心を示すことで、共感を得るリーダーシップを発揮しているか評価する。
チームの結束と協力
  • 経営者が組織全体を一つのチームとして結束させるための取り組みが行われているか確認する。
  • 経営者が従業員同士の協力とサポートを促進するための仕組みが整っているか評価する。
信頼と共感を築く姿勢
  • 経営者が従業員の信頼を得るために誠実な姿勢で接するか確認する。
  • 経営者が従業員と共に戦う闘魂を持ちながらも、共感と協力を大切にする姿勢を示しているか評価する。

 

第9条 勇気をもって事に当たる

– 卑怯な振る舞いがあってはならない

経営者には「勇気」が必要であり、物事を判断する際には原理原則を重視してきました。その姿勢により、正しい判断を貫いてきましたが、時には災難や誹謗中傷に直面することもあります。それでも、会社のために最善の判断を下し続けることが真の勇気を持った経営者の姿です。

チェックリスト

原理原則に基づく判断
  • 経営者が物事を判断する際に原理原則に基づいているか確認する。
  • 経営者が迷ったときに、原理原則を頼りに正しい判断を下すことができるか評価する。
経営者の決断力と自信
  • 経営者が難しい決断を迅速かつ果断に行う決断力を持っているか確認する。
  • 経営者が自身の判断に対して確信を持ち、それを貫くことができるか評価する。
自己犠牲と会社の利益
  • 経営者が自己犠牲を厭わず、会社の利益や従業員の福祉を優先する姿勢があるか確認する。
  • 経営者が自身の利益よりも会社全体の発展を重視する心構えを持っているか評価する。
リスクを冒す勇気
  • 経営者が新しいアイデアやビジネスチャンスに対してリスクを冒す勇気を持っているか確認する。
  • 経営者が失敗を恐れずに新しい試みに挑戦する姿勢があるか評価する。
誹謗中傷に屈しない強さ
  • 経営者が誹謗中傷や批判に屈せずに自分の信念を貫く強さを持っているか確認する。
  • 経営者が困難な状況や反対意見に直面しても、自分の信念に従って進む意志を示しているか評価する。

 

第10条 常に創造的な仕事をする

– 今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。

自分の現在の能力でできることに限定せず、「今はできないものを何としてもやり遂げたい」という強い思いが、創造的な事業や企業の源泉である。強い思いをもとに絶え間ない創意工夫を積み重ねることで、創造的な事業と独創的な企業が実現される。

チェックリスト

改善と改良の継続
  • 日々の業務において、改善点を見つけ、積極的に改良を行う姿勢があるか確認する。
  • 現状に満足せず、常に明日よりも良い状態を目指す姿勢を評価する。
新しいアイデアの提案
  • 従業員が新しいアイデアや提案を積極的に行える環境が整備されているか確認する。
  • 新しいアイデアを評価し、実行に移すプロセスが適切に行われているか評価する。
問題解決と探求心
  • 問題が発生した際に、徹底的に原因を追求し、根本的な解決策を見つける姿勢があるか確認する。
  • 新しい知識や技術を積極的に探求し、組織全体の成長に貢献する姿勢を評価する。
強い意欲と挑戦心
  • 従業員が新しいことに挑戦する意欲を持っているか確認する。
  • 失敗を恐れずに挑戦し、新たなビジネスや事業展開に取り組む姿勢を評価する。
組織文化の促進
  • 組織内でのアイデア共有や情報交換を活発化させるための仕組みが整っているか確認する。
  • 創造的な仕事を奨励し、成功例を共有することで、組織文化としての創造性を育成する姿勢を評価する。

 

第11条 思いやりの心で誠実に

– 商いには相手がある。相手を含めて、ハッピーであること。皆が喜ぶこと

思いやりは「利他の心」とも言い換えられ、自己犠牲を払ってでも相手に尽くす美しい心を指します。ビジネスの世界でも、この心が最も重要です。「情けは人のためならず」というように、思いやりは自分に返ってきます。相手を大切にし、思いやる行為は一時的な損失に見えても、長期的には素晴らしい成果をもたらすのです。

チェックリスト

顧客・取引先への思いやり
  • 顧客のニーズを理解し、それに応える商品やサービスを提供しているか確認する。
  • 取引先との関係を大切にし、信頼関係を築くためのコミュニケーションが適切に行われているか評価する。
従業員への思いやり
  • 従業員の健康や安全面への配慮が行き届いているか確認する。
  • 従業員の個々の能力や成長を促すための研修やキャリア支援が実施されているか評価する。
社会・地域への思いやり
  • 社会的な課題に対して企業としての責任を果たすための取り組みが行われているか確認する。
  • 地域との連携や貢献活動が進められているか評価する。
パートナー企業との誠実な関係
  • パートナー企業との契約や約束事項を誠実に守っているか確認する。
  • パートナー企業の利益や成長にも配慮し、共に発展するための協力体制が整っているか評価する。
組織内での誠実なコミュニケーション
  • 組織内のコミュニケーションがオープンで誠実なものとなっているか確認する。
  • フィードバック文化が根付き、お互いに成長し合える環境が整備されているか評価する。

 

第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

前向きでひたむきな努力は、長いスパンで見れば必ず報われる。自然はそのように世界を創造している。私はこれを「宇宙の意志と調和する」と表現し、美しい心と思いやり、謙虚で感謝を忘れず、素直な心で努力することが重要だと信じている。善きことを思い、善きことに努める人々の運命は必ず開けていくと、魂の奥底から信じている。

チェックリスト

明るさを秘めた前向きな姿勢
  • 従業員や関係者とのコミュニケーションで、明るく前向きな姿勢が示されているか確認する。
  • 困難な状況にもかかわらず、希望を持って取り組む姿勢が見られるか評価する。
夢と希望を持つ経営の展望
  • 企業のビジョンや目標が具体的かつ明確に示されているか確認する。
  • 社員に対して共有された夢や目標に向けての意欲が高いか評価する。
謙虚で感謝を忘れずに
  • 成功や成果に対して謙虚な姿勢があるか確認する。
  • 従業員や関係者への感謝の気持ちが適切に表現されているか評価する。
素直な心と努力
  • 問題や失敗を素直に受け入れ、改善に向けた努力が行われているか確認する。
  • 社員が積極的に学び、成長する姿勢を持っているか評価する。
善きことを思い、善きことに努める心
  • 企業の社会的責任に対する取り組みや善意が具体的に示されているか確認する。
  • 従業員が利他の心を持って行動しているか評価する。

 

経営12カ条の感想文サンプル

会社から経営12カ条の感想文を求められている方も多いようです。感想文は本来、ご自身の経験やエピソードに沿って、考えて執筆しないといけないものです。そうでないと、感想にはならないですからね。

とはいえ、何も思い浮かばないという方もいるかもしれませんので、以下にサンプル文をご紹介しておきましょう。これは経営幹部の立場での感想文です。GPT(生成AI)に出力してもらったものなので、あくまでサンプルに過ぎません。ご自身の仕事や経験に合わせて書いてください。

経営12カ条を読んで、多くの原則が私の経営幹部としての経験に響くことを感じました。特に、「公明正大で大義名分のある高い目的を立てる」ことについては、私が子会社の立ち上げ時に直面した重要な瞬間を思い出します。

当初、目標を明確に定めることは難しく、経営の方向性に悩むこともありました。しかし、ある日、従業員たちとの意見交換の中で、私たちの製品が社会に貢献する可能性を見出しました。

それが私たちの「大義名分」です。私たちの製品は、地域の農業を支援し、地域経済に貢献することができるという認識が従業員たちに共感を呼び起こしました。その結果、従業員たちのモチベーションが高まり、一丸となって目標達成に向けて取り組むことができました。

「誰にも負けない努力をする」姿勢も、私の経験から強く感じることができます。私たちの製造業は競争が激しい分野であり、技術や品質を追求する中で様々な困難に直面しました。しかし、私は常に従業員たちに対して、自ら率先して努力し続けることの重要性を示すよう努めました。

ある時、私たちの製品の品質に問題が発生し、納期が遅れる事態が発生しました。その際、従業員たちに率先して対応し、夜遅くまで作業に取り組む姿勢を見せることで、彼らの信頼と共感を得ることができました。その結果、困難な状況でもチーム全体が前向きに取り組むことができたのです。

経営12カ条の中で強調される「思いやりの心で誠実に」についても、私の経験から学ぶことがあります。ある時、製品の品質に不具合が発生し、お客様から苦情の連絡がありました。その際、私たちは素早く対応し、誠実な態度でお客様に謝罪しました。

その結果、お客様からは理解と感謝の言葉をいただくことができました。誠実な姿勢と思いやりが、信頼を築く上で非常に重要だと感じました。

これらのエピソードを通じて、経営12カ条の原則が経営者としての大切な価値観を形成し、組織全体が一丸となって成長し、成功するために欠かせないものだと確信しました。私自身も、これらの価値観を常に心に留め、経営者としての使命を果たしていきたいと思います。

 

以上、経営12カ条について見てきました。稲盛氏はこれさえ徹底すれば必ず成功すると断言しています。ぜひ今回ご紹介したチェックリストなども参考に経営に取り組まれてください。

なお、仕組み経営では、経営12カ条に代表されるような経営者の哲学を会社の仕組みにし、持続成長する会社作りをご支援しております。詳しくは以下の仕組み化ガイドブックをダウンロードしてご覧ください。

 

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