企業理念と経営理念の違いと作り方

清水直樹
今日は、企業理念と経営理念の違いと作り方についてご紹介をしていきます。

 

動画でも解説しています。

 

そもそも企業理念、経営理念とは?

ビジネスに携わる方であれば、企業理念と経営理念というのは、必ず耳にしたことがあると思います。まず、この理念ということについて、簡単に前提の話をしたいと思います。会社の理念と言ったときに、いろんな定義づけとか意味合いがあるわけです。

例えば、ある会社さんでは、うちの基本理念はこれだと決めているところもあれば、うちの社是はこれです、うちの哲学はこれです、うちの信条はこれですみたいな感じで、それぞれに会社さん独自の理念というのを掲げているところがあると思います。

最終的には、その会社独自の決め方でいいと思います。本記事の内容を、必ずしも採用しないといけないわけじゃなくて、会社それぞれ、うちの理念はこれですと決めればいいかと思います。

例えば、私たちの理念は何かと言われたときに、私はこの三つですと答えてるんです。それが、ホームページに載ってるんですけども、私たちの夢がこれです。私たちのビジョンはこれです。私たちのバリュー、価値観はこれですと、決めてるんです。

https://entre-s.com

 

ドリーム、ビジョン、バリューを三つ合わせて、理念と定義しております。なので、実はうちは、企業理念と経営理念という言葉は使ってなくて、この三つを併せて理念と定義しているということになります。

こんな感じで、会社それぞれ定義づけをしてもらえばいい話なんで、必ずしも今日話すところが正解ではないということです。

 

理念に含まれていると好ましいこと

理念は何かと言われたときに、大体この三つが含まれていればいいかというのがあります。それが、

  • 会社の存在意義
  • 長期的展望
  • 働くうえで大切にすること

です。

なので、皆さんの会社の理念は何かと言われたら、大体この三つが含まれている言葉を答えるといいかと思います。

先ほどのうちの例で言うと、まず、会社の存在意義がドリームです。何のために会社は存在しているのかというのを、ドリームとして定義をしています。

ドリームという言葉は、私たち独自の言葉なんですけども、ここを例えば、会社によってはミッションであるとか、企業理念と言い換えてもいいわけです。これは人それぞれというか、会社それぞれなんで、定義づけはどうでもいいわけです。

長期的展望は何かというとビジョンです。うちの会社、こうなるぞと。将来的に。こういうことです。

そして、働くうえで大切にすること。これが、私たちの場合にはバリューという言葉で定義してるわけです。ここは、会社によっては例えば、クレドっていう言葉を使っている会社もいるし、行動指針とか行動基準と言っている会社もあるわけです。なので、それぞれ自由に決めていいかと思います。

大切なのは分かりやすさです。社員の人に共有していくものなので、社員の人が分かりやすいように、この三つを会社の理念として決めていくというのがいいのかと思います。

 

企業理念と経営理念の違い

そのうえで、一般論としての企業理念と経営理念の違いをお話したいと思います。

 

企業理念と経営理念の定義

企業理念は「企業の存在意義」です。

一方の経営理念は、「経営を行ううえでの基本的な考え方」です。

なので、どちらも理念という言葉がついているので、違いは分かりづらいかもしれませんけれども、定義上は異なったものであるということです。

 

「社員を大事に」は理念か?

例えば「うちの理念は社員を大事にすることです」と言う会社さんが非常に多いかと思います。これ、日本の家族的な経営をしている会社では、非常によく言われている会社の理念ということです。

何年か前に、東証一部の経営者の方の講演会を企画したんです。そのときに、その社長がおっしゃってたのは「よくみんな社員を大事にするって言うけども、それを企業理念とは呼ばない」とおっしゃっていたんです。

どういう意味かというと、社員を大事にするっていうのは、どっちかというと、経営理念の方に当てはまるということです。経営者としてこう考えてると。経営者として社員を大事にしたいと思ってるということです。

なので、経営理念ではあるんだけれども、会社の存在意義ではないです。社員を大事にするというのは、会社の存在意義ではないですよね。経営を行ううえでの基本的な考え方であるということで、経営理念に当てはまるという話をされてたんです。

 

企業理念は会社の存在意義

もう少し、この企業理念と経営理念について見ていきたいと思います。企業理念は、会社が存在している意義なんですけれども、別の表現で言うと、こういう言い方になるのかということです。

  • 組織が存在する根本的な理由
  • 価値観から生まれるもの
  • 前に進むのに役立つが、決して到達しない北極星のようなもの
  • 会社が100年続くためのガイドになるもの

なので、企業理念というのは会社の存在意義なので、そんな頻繁に変わらない。少なくとも、10~20年ぐらいは変わらないものというわけです。

 

企業理念の例

わたしたちは、幸せを量産する。だから、ひとの幸せについて深く考える。だから、より良いものをより安くつくる。だから、1秒1円にこだわる。だから、くふうと努力を惜しまない。だから、常識と過去にとらわれない。だから、この仕事は限りなくひろがっていく

 

これ、とある会社の企業理念です。その会社の定義ではミッションと書いてありますけれども、同じ意味です。

これ、どこの会社か皆さん分かりますか? 特に、何を作ってるのかっていうのを一切書いてないんで、ちょっと分かりづらいかもしれませんけども、「1秒1円にこだわる」とか、「くふうと努力を惜しまない」っていうところに、ちょっとヒントが隠されています。あと「より良いものをより安くつくる」ということで、製造業であるっていうことは分かります。

これ、実はトヨタの企業理念です。

ちなみにトヨタの企業理念は、こんな全体構成になっています。最初に言った通り、御社の理念は何かって言われたときに、トヨタの場合だとこういうのを全部含めて、理念だと言っているということです。これは、それぞれ会社によって決めているわけです。

トヨタの場合には、豊田綱領が原点にあります。確か、5箇条か6箇条ぐらいあったと思うんですけども、これがまず原点です。

その次に、このバリューが来てます。トヨタウェイです。これが多分、トヨタでいうと、働くうえで大切にしていることです。

そしてミッション。幸せを量産する。

ちなみに、ミッションは、日本で言われるミッションと海外企業で言われるミッションっていうのは、ちょっと違ったりするんです。

日本で言うミッションって、存在意義なんです。自分に与えられた使命みたいな感じなので、会社のミッションって言われたときには、会社の存在意義という意味合いが強いかと思います。

よく言われるミッション、ビジョン、バリューという理念を構成する三つの要素っていうのがよくあるんですけども、この意味で言うと、この存在意義なんです。ただ、このミッションという言葉は、海外の企業でいうと、あんまり使っているのを見たことないです。

どっちかっていうとミッションというのは、やんないといけないことみたいなイメージなんです。

『ミッション: インポッシブル』という映画がありますよね。あれって、不可能な指示をやり抜くみたいなイメージだと思うんすけど、使命というよりも、指令に近いです。どっちかっていうと、ミッションというのは指示命令されてやるっていうイメージに近いです。

そして、一番下にビジョン。モビリティーを社会の可能性に変える。まさに、トヨタさんは今、ちょうどやっているところですけれども、これがトヨタの長期的な展望です。モビリティーっていうのは、よく最近掲げてやってるようなとこ、ということです。

この構成を見ていただくと、恐らくですけれども、変え難い順に並んでいるのかと思います。ビジョンは時代に合わせて変えていく感じです。モビリティーって言い出したのって、確か10年たってないです。数年ぐらいで言い出した感じがあると思うんですけども、なので、ここは比較的時代に合わせて変えると。ミッションもそれに合わせて、中期的な期限で変えていくという感じ。バリューはもっと変え難い。変わらないものです。トヨタ綱領もずっと変わらないものという感じのイメージです。だから、変えがたい順に並んでいるというのが、トヨタさんの理念なのかと思います。

 

経営理念は経営者の想い

一方の経営理念の方なんですけども、こっちは経営者の考え方です。経営に対する考え方ということです。仕事と人生の指針となる哲学やガイドということです。

だから、社員を大事にしますとかいうのは、まさに経営者個人の思いなので、こっちに当てはまることかと思います。

 

企業理念と経営理念のつくり方

というわけで、企業理念と経営理念の違いについて述べてきたんですけれども、じゃあ、これ、どうやって作るのかということで、当たり前なんですけど、そう簡単に作れないわけです。1日や2日で理念を作れるってなったら、ちょっと薄っぺらい理念になっちゃうので、そう簡単に考えるものじゃなくって、ずーっと考え続けないといけないのが、この理念というわけです。

ヒントとして、こういう質問を常々考え続けたらいいんじゃないのかっていうのを載せております。

 

企業理念を作るために自問すべきこと

まず、企業理念の方です。存在意義をどうやって考え出すかということです。

○○社がいなくなったら、世界は何を失うのか

これ、某グローバル企業が理念を作り直すときに、この質問をずーっと考え続けたっていう話があって。果たして、うちの会社が明日なくなったら、世界から何がなくなるのかということを考え続けた。まさに、存在意義を考えるっていうことです。

 

顧客の夢は一体何なのか

自社は、基本的にはお客様の夢をかなえるために存在しているわけなんで、お客様の夢を考えることで、自社の存在意義を導き出していくというのも一つあるかと。

 

創業のきっかけは何か

元々、どういう課題を解決したくて創業したのかということです。2代目、3代目とか、後継社長の場合には、創業者はどういうことをしたくて創業したのかっていうのを、掘り返してみるのもいいんじゃないかと思います。

 

お客様は、なぜ自社を選ぶのか

他にもいろんな会社があって、いろんな代替品がある中で、なぜ自社じゃないといけないのかというところを、掘り下げていくと存在意義っていうのが見えてくんじゃないかと思います。

 

経営理念を作るために自問すべきこと

次、経営理念です。

経営するうえでの優先事項は何なのか

お客様第一に考えてる社長もいれば、社員第一に考えてる社長もいるので、この辺は別に、社長個人の考え方なんで、どちらでもいいかと私は思ってます。

 

社員やお客様に対する思いは、どういうものなのか

社員やお客様にどういう人生を彼らに送ってほしいのかっていうのを、考えるのもいいかと思います。

 

なぜ起業したのか?

そして、なぜ起業したのかと。継いだ方はさっきと同じですけども、なぜ創業したのかっていうのを振り返ることで、その当時の思いを思い返してみて、経営理念っていうのを言語化するっていうのを、やってみるといいんじゃないかと思います。

 

企業理念&経営理念の策定から理念実現の仕組み作りなら仕組み経営

というわけで、今日は企業理念と経営理念の違いと、それぞれの定義についてお話ししたんですけれども、冒頭で言った通り、これは会社ごと決めればいい話なので、一つの参考として、使ってもらえればいいかと思います。

なお、私たち「仕組み経営」では、企業理念&経営理念の策定から理念実現の仕組み作りまで一貫したご支援をしています。詳しくは以下からご覧ください。

 

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