ウェストロックのビジネスモデルの例

個人商店から企業経営と成長させた事例



今回は、そんなビジネスモデルの事例を一つ紹介したいと思います。

紹介するのは、つい先日お話を伺ったウェストロックという外資系企業の日本法人のビジネスモデルです。

ウェストロックが過去の業績悪化からV字回復に至るまでに、ビジネスモデルが担った重要な役割についてお話します。

ぜひ最後までご覧ください!

 

個人商店状態からの脱却

ウェストロックという社名は聞いたことないと思いますが、この会社が作っているものは誰でも見たことがあると思います。

スーパーなどでビールの6本パックや8本パックが売っていますが、あの紙の包装材を作っている会社です。

単純な商品に見えて、実は特許の塊だそうです。

紙以外の素材を使わずにビール何本分かの重さを支えるのは結構大変なのです。

ウェストロックはその分野でトップシェアを持っているのですが、実は業績は長年にわたって、徐々に減少傾向にありました。日本法人も然りです。

しかし、現社長が就任してから減少傾向から抜け出し、V字回復を遂げることに成功しました。

現社長が就任する前は、経営理念的なものもなく、社員もバラバラ。

当時、日本法人には50名の社員がいたものの組織としての体をなしておらず、個人商店の集まりのようなものでした。

個人個人は自分の仕事を頑張っていたのですが、いかんせん、顧客視点が抜けているので、業績が落ち続けていたのです。

現社長がおっしゃるには、”普通の会社だったらとっくに潰れていてもおかしくない状態”だったそうです。

しかし、ウェストロック社の場合、なぜか業績が「一気に」ではなく「徐々に」落ちていたので、V字回復のための余力と時間が確保できたのです。

 

ビジネスモデルの秀逸さ

ではウェストロック社が”業績が回復するまで持ちこたえられた”理由は何だったのか?

現社長はその理由を”ビジネスモデルが優れていた”からだと明言されました。

ウェストロック社のビジネスは、完成された包装材をビールメーカーに売るわけではありません。

包装材を売っていたらいつでも競合他社にリプレースされてしまうので、業績は一気に落ちてしまう可能性があります。

しかし、ウェストロック社は”包装材を作る機械”をビールメーカーの工場に納入するビジネスなのです。

この機械が一台数億円します。

したがって、ビールメーカー側も一回導入してしまった機械を他社のものに変えることは大変なのです。いわゆる”スイッチングコストが高い(他社製品に変えるのが大変)”モデルだったのです。

そのため、ウェストロック社以外から多少性能の良い商品が出てきたり、ウェストロック側のサービス対応が悪かったとしても、投資した数億円を回収するまでは変えようという動機にはならないのです。

このビジネスモデルの秀逸さによって、現社長にはV字回復するための時間がありました。その間に会社の価値観を明確化したり、組織の世代交代を実施したり、リーダー教育したり、と多くの打ち手を実施されてきたそうです。

要するに、ビジネスモデルが時間稼ぎをしてくれたのです。



個人商店から企業経営へ成長する方程式

この事例をいつも私たちがお伝えしている仕組み経営の方程式、「思想×ビジネスモデル×組織」に当てはめると、、、

現社長就任前:
思想 ×
ビジネスモデル 〇
組織 ×

現社長就任後:
思想 〇
ビジネスモデル 〇
組織 〇

ということになります。

この事例から学べることは、

・思想、ビジネスモデル、組織のひとつでも欠けていれば、長期的な成長はあり得ない。
・ビジネスモデルが秀逸であれば、多少の他の欠点をカバーできる。

ということです。

 

ビジネスモデルの3つのカテゴリー

というわけで、ビジネスモデルの重要性についてお伝えしましたが、

「脱職人型のためのビジネスモデル体系化教室」の続きに戻りたいと思います。

私たちは、優れたビジネスモデルを体系的に順序だてて創り上げるために、考えることを23個のカテゴリーに分けました。

23個のカテゴリーについて考えていけば、自社のビジネスモデルに何が足りないのか、どこを改善すればさらに優れたビジネスになるのかがわかります。

23個の詳細についてはこれからご紹介していきますが、23個のカテゴリーを大別すると3つに分けられます。

その大別したものが、

オファー:何を誰に提供するか?
マネタイズ:どのようにして売るか?
アドバンテージ:どのようにして利益を上げ続けるか?

です。

次回は、これらを詳しく見ていきたいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

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