経営者(社長)の役割とは?【最新トレンドに対応する】



清水直樹
経営者の役割とは何か?企業経営における重要な役割を詳しく解説します。経営者の仕事内容や責任、スキル、成功のためのヒントなどをご紹介。最新の情報を提供します。
経営者とは

経営者とは

「経営者」とは、企業の経営活動を行う上で中心的な役割を担う人のことを指します。企業の方向性を定め、その目的達成のために必要な資源を調達・配分し、組織や人員をまとめるという、重要な役割を担っています。
ところが、私たちが接する経営者の中には、毎日、忙しく働いてはいるものの、「最終的にどのような会社にしたいのか?」という目的地や方向性が明確でない方もいます。こういった経営者には、私たちが「職人型ビジネス」と呼んでいる症状に陥ってしまっているケースが多いのです。
職人型ビジネスは、経営者自身の専門的な技術や知識をベースに起業したパターンが多く、自分が専門的な仕事をすることで経営が成り立っています。短期的には売上は立ちますが、自分が現場から離れることができないため、会社が成長しません。このようなビジネスモデルでは、自分が永遠に働き続けて会社の収支を成り立たせていく、という未来しか描けないのです。
逆に、経営者に「こういう会社にしたい、こういう貢献をしたい」という想いがあるものの、実行力に欠けているケースもあります。実行力がない経営者は、いわゆる「夢想家」というレッテル貼りをされてしまうことがあります。本人には実行力に欠けているという認識がなく、既存の事業を最適化するよりも、新しい事業を模索することに向かいがちで、周囲からはどれも中途半端に見えてしまうわけです。
というわけで、私たち仕組み経営が考える経営者とは、
1.会社が向かうべき目的地を定め
2.現在地を知り
3.そこに至るためにあらゆることを行う
というような仕事を達成できる人ということになります。
今回は、そんな経営者の具体的な役割や必要なスキル、そして目指すべきゴールまでご紹介していきます。

経営者の役割とは

まず最初に、経営者の基本的な役割と責任についてご説明します。経営者は会社全体の方向性を決定し、ビジョンを明確にし、組織を統率する責任があります。具体的には、以下のような役割を果たさなければなりません。

ビジョンと戦略の策定

何よりもビジョンの明確化、そして、それを目指すための経営戦略の立案が重要です。経営者は市場の動向や競合状況を分析し、将来の方向性を見据えた戦略を立案しなければなりません。また、意思決定を行い、戦略を実行に移すことも求められます。特に、将来の変化が既に始まっており、現在の状況や動向から明らかになっている未来を分析し、それを機会に変えることが大切です。

経営資源の調達と配分

経営者にとって、もう1つの主要な役割が、企業活動を行うために必要な経営資源を調達し、それを企業内の各部門や機能に最適な形で配分するということです。今回は経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という4つの要素を軸にご説明します。

ヒト

端的に言うと「適材適所」ということなのですが、経営者は自社に合う人材を採用・育成し、組織の中での役割を最適に配置する責任があります。また、労務管理や労働法の遵守など、人材に関する法的な責任も伴います。これは組織戦略を立案することにも繋がっていきます。
組織図の作り方については以下の記事も参考にしてください。
https://www.shikumikeiei.com/how-to-design-org-chart

モノ

これは企業の製品だけでなく、その製造に用いる設備や機器も含まれます。自然災害に襲われても事業継続を可能にする災害対策設備などのインフラも重要な経営資源だと言えます。会社を強靱なものにするために、これらの有形資産の整備と保全は欠かせません。

カネ

企業活動を行うための資金を意味します。資金不足は、優秀な人材の採用や設備投資の障害となりますから、必要な資金を調達し、人材や設備など戦略的に重要な部分に適切に投資することが重要だと考えられます。財務基盤を強化し、事業目的を達成するために必要な資金調達と資金配分が求められます。

情報

ITの進化により注目されている経営資源です。これには会社が保有するノウハウや顧客データ、取引先との関係性などの無形資産が含まれます。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる時代に入り、情報を戦略的に管理し活用することは企業の競争力の源泉となっているのです。

業績の追求

当然ながら、経営者には業績の追求、つまり「結果を出す」ことが求められます。経営者は企業の収益性や競争力を向上させるために、業績の分析や改善施策の策定を行うわけです。

経営者(社長)とは何をする人?役割と責任を解説

経営者の基本的な役割と責任について解説します。経営者は会社全体の方向性を決定し、ビジョンを明確にし、組織を統率する責任があります。具体的には、以下のような役割を果たします。

ビジョンと戦略の立案

まず、ビジョンの明確化、そして、それを目指すための経営戦略の立案が重要です。経営者は市場の動向や競合状況を分析し、将来の方向性を見据えた戦略を立案します。また、意思決定を行い、戦略を実行に移すことが求められます。特に、すでに起こっている未来(後述)を知り、それを機会に変えることが大切です。

人材の配置(適材適所)

次に、人材管理も重要な役割です。経営者は自社に合う人材を採用し、育成し、組織の中での役割を最適に配置する責任があります。また、労務管理や労働法の遵守など、人材に関する法的な責任も持ちます。これは組織戦略を立案することにも繋がります。

組織図の作り方については以下の記事も参考にしてください。

会社の組織図の作り方を完全解説

業績の追求(結果を出す)

当然ながら業績の追求、つまり結果を出すことが求められます。経営者は企業の収益性や競争力を向上させるために、業績の分析や改善施策の策定を行います。

リーダーシップと文化の構築

組織文化について、私たちは
1.組織の構成員が共通して持つ信念や価値観の集合体
2.組織と構成員の活動を特徴づけるもの
と定義しています。
当然、経営者のリーダーシップのスタイルは企業文化に影響を与えます。例えば、インスピレーションを与えるような会話を得意とするリーダーの場合、チーム重視、協力関係重視の文化になります。一方、報酬でやる気を出させるリーダーの場合、競争関係重視、結果重視の文化になる傾向があります。
このように、経営者にはそのリーダーシップによって企業文化の構築を促すという役割も与えられているのです。

経営者に必要なスキル・素質とは

ここからは、経営者としての成功に欠かせないスキルや素質についてご紹介します。

リーダーシップ能力と文化の構築

言うまでもなく、経営者には経営者は組織を統率し、チームをリードするリーダーシップ能力が不可欠です。ビジョンを持って方向性を示し、メンバーを動機づける力が求められます。リーダーシップを発揮し、組織全体をまとめることが、組織の目標達成を促進するわけです。
また、このリーダーシップ能力は企業文化の構築にも強く影響します。企業文化とは人間固有の人格のように根深く、かつ変え難いもので、会社が直面してきた過去の課題や挑戦の過程、その成功体験や失敗体験を経て醸成されます。ですから、経営者がどのようにリーダーシップを発揮してきたかということが企業文化には色濃く反映されるわけです。
組織文化について、詳しくはこちらのリンクをご参考ください。

組織文化とは?事例やタイプについて解説。

戦略構築とリスク管理

次に、戦略的思考も欠かせません。経営者は企業の将来を見据えた戦略を立案し、効果的な意思決定を行う必要があります。同時に、市場の動向や競合状況を分析し、予測されるリスクを適切に評価することでリスク管理を行うことも求められます。このような、長期的なビジョンを持って戦略を構築する能力の有無が会社の存続に大きな影響を与えます。
また、経営者には変化に対する適応力も必要です。新しいトレンドや技術の変化を見極め、変化に対応した柔軟な対策を講じることで、組織を変革し進化させることができるわけです。

コミュニケーション力

会社経営を経営者1人の力で成功させることはできませんから、経営者にはコミュニケーション能力も求められます。社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に行い、情報を適切に伝達し、意思決定を行っていきます。効果的なコミュニケーションを通じて、組織内外の関係を築き、信頼を得ることが必要なのです。
特に現代では、ステークホルダーの重要性が増しています。これまで、多くの企業は利益を追求することを優先してきましたが、近年では「社会的責任」を意識するようにシフトしています。会社は社会との関係性が良好であってこそ発展できると考えられるようになってきたわけです。
ステークホルダーには、顧客・従業員・株主・金融機関といった「直接的ステークホルダー」と、地域・行政機関・従業員や顧客の家族といった「間接的ステークホルダー」があります。
経営者からすれば、どうしても、直接的ステークホルダーとの関係性に目を向けがちですが、これは危険です。特定の関係のみを優先し、その他を疎かにしてしまうと信頼感を損ね、企業の存続に思わぬ悪影響が生じる恐れがあるのです。
ですから、間接的ステークホルダーである地域社会や同業企業、消費者と別け隔てなく関わる機会を増やしていくようにしましょう。

人間関係構築

先ほどの「コミュニケーション力」とも関わる話ですが、経営者には人間関係の構築能力も重要です。組織を構成するメンバーからの信頼を得ることが組織の一体感に繋がり、共通の目標に向かって協力を促進することができるのです。

経営者は忙しい

特に経営者=創業者である場合、創業当初の「経営者自らが集客、営業、価値提供に時間を使い、売上を上げる」というサイクルから抜け出すことが難しいケースがあります。この基本サイクルで成功してしまった場合、なおさらそこにこだわってしまうということもあります。
しかし、ここが会社が成長できるかどうかの最初の分岐点となるわけです。仕事のやり方が経営者にしか分かっていないという属人的な組織のままでは、経営者が本来の役割に徹することができないからです。多くの会社がスモールな状態から抜け出せないのは、社長が現場から抜けることができないのが理由なのです。
ですから、仕事のマニュアル化はもちろん、情報共有や会議、トレーニング、品質管理の仕組み構築などによって、「属人化」から「標準化」に移行しなくてはいけません。

経営者の目指すべきゴール

どんな経営者であっても避けられない事実、それは「いずれ経営者を誰かに譲り、自分は去らなくてはいけない」ということです。
「優れたリーダーは、現役時代に実績を作る。しかし、偉大なリーダーは自分が去ったあとにも実績を作る」
という格言にもあるように、事業の承継こそ「経営者の最後にして最大の仕事」となるわけです。事業承継は、単に経営者という役職を誰かに引き継げばいいというわけではありません。何よりも大事なことは、経営者が交代した後も、会社が成長し続けられるような仕組みづくりを行うことです。
一般的に、「カリスマ経営者」と呼ばれる人ほどこれができません。カリスマであるがゆえに、経営がその経営者個人への依存=属人化しており、その人が去ったら、成長できなくなる、という事態に陥るのです。
Appleのスティーブ・ジョブズもカリスマ経営者として知られていますが、彼を本当にカリスマたらしめているのは、その人物像や舞台上でのパフォーマンスではありません。彼が、在籍中に、「自分がいなくなっても成長できる仕組み」をつくっていたことこそが最大の功績であり、今もなお「カリスマ」と称賛される理由なのです。
私たち「仕組み経営」では、経営者の役割と必要なスキルに基づき、中小・成長企業を成長させる仕組みづくりをご支援しています。詳しくは以下のガイドブックからぜひご覧ください。



>仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

人依存の経営スタイルから脱却し、仕組みで成長する会社するための「仕組み化ガイドブック」をプレゼント中。

CTR IMG