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中小企業の組織図の作り方を完全解説

清水直樹
清水直樹
この記事では、中小企業の組織図の作り方を解説します。

”そろそろ会社の組織化が必要になってきた”、”役割分担が曖昧になってきた”、”組織図の作り方を知りたい”というお悩みを抱えている方に向けて書いています。

 

動画でも解説しています。

 

内容の信頼性

この記事は世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)、マイケルE.ガーバー氏著「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースにしています。世界700万部のベストセラーの内容を日本の会社に当てはめてご紹介していきます。

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組織図とは?

まず、組織とは何でしょうか?組織とは、二人以上の人が共通の目的に向かう時に必要な「分業」と「調整」の仕組みです。

組織とは分業と調整

組織とは分業と調整

分業というのは、ひとつの業務を複数人で分担することです。これだけでも仕事のスピードはアップします。しかし、さらに効果的に働くには調整が必要になります。

調整とは、分業を効果的に行うために行う人同士のコミュニケーションです。

例えば、野球チームで考えてみましょう。守備側のチームはゼロ点に抑えるという目的がありますね。そのために、Aさんがファーストを守り、Bさんがセカンドを守り、、、というように「分業」されています。さらにボールがきたら、それを誰が取るかを声を掛け合って「調整」します。「分業」と「調整」が上手く機能することでチームが動けるわけです。

これと同じように、組織図とは、会社の目的(ビジョンやミッション)に向けて、どう分業し、どう調整するかを表した設計図といえます。

 

中小企業にも組織図が必要なのか?

この記事をご覧のあなたは違うかも知れませんが、多くの中小企業経営者は、

うちの会社に組織図なんて必要なの?

と疑問に思っているものです。

しかし、「はじめの一歩を踏み出そう」著者のマイケルE.ガーバー氏によれば、

組織図こそ、ビジネスを発展させるための他のどんなステップよりも、会社に対して深い影響を持っている。

とのことです。

実際のところ、本記事で紹介するやり方で組織図を作ると次のようなメリットがあります。

  • ビジョン達成のために、どんな人材が何人必要かが明らかになる。
  • 権限と責任が明確になり、社内のコミュニケーションが円滑になる。
  • 自分の担う役割やキャリアパスが明確になる。

 

経営に役に立つ組織図とは?

では中小企業の経営に役立つ組織図とはどんなものでしょうか?社長に御社の組織図を書いてください、というとこんな感じの組織図が出てくることがあります。

こんな組織図が経営のなんの役に立つのか?と思いますよね。私もそう思います。そうなんです、こんな組織図は役に立ちません。

この記事でご紹介する組織図は、一般に思われている組織図とは異なります。なので、まずは経営に役立つ組織図の特徴をご紹介しておきましょう。

 

経営に役立つ組織図とは「未来の組織図」である

中小企業の社長が作るべき組織図とは、今現在の組織図ではなく、”未来の組織図”です。”未来の組織図”と言われてもピンと来ないかも知れませんね。

未来の組織図とは、3年後や5年後、あなたの会社が成長していったときの組織図のことを指しています。その未来の組織図が出来たら、一歩ずつ現在の組織図を未来の組織図へと近づけていけば良い、ということになります。

 

経営に役立つ組織図とは「機能の組織図」である。

次に、あなたが作るべき組織図とは、”機能の組織図”です。多くの中小企業の社内を見渡してみると、山田君が営業をしていて、鈴木さんが経理と総務をやっていて、社長である私が営業と開発をしている、というような感じだと思います。

このような状態を、人に仕事が付いている、と言います。人に仕事が付いている状態というのは非常にリスクの大きい組織になります。その人が辞めてしまったら他の誰もその仕事をできない、というようなことが発生します。いわゆる仕事が属人化しているのです。

野球チームの例に戻ると、人に仕事が付いている状態とは、グラウンドにばらばらと人がいるものの、きっちりとした持ち場が決まっていない状態です。なので、ボールが来るとみんなでそれを取りに行ってしまう、というような非効率なことが起こります。

一方経営に役立つ組織図づくりというのは、まず、

あなたの会社のビジョンや目標を達成するためにどんな機能が必要か?を考え、

次に、

その機能を組織図にし、機能に人を付ける

という順序になります。

これも野球チームに例えればわかりやすいですね。野球というのはあらかじめポジション(機能)が決まっています。ファースト、セカンド、というように。これはゼロ点に抑えるという目標に対して、このような機能配置にすれば最も上手く守れるとわかっているからあのようになっているのです。そして、各チームの中で、最もそのポジションを上手く行える人がそのポジションに付くわけです。

会社組織もこれと全く同じです。会社のビジョンに向けて必要な機能(ポジション)があり、その機能を最も上手くこなせる人がそこに付くわけです。

 

あなたは組織図から抜けなくてはならない

大半の中小企業の社長は、ビジネスのオーナーでありながら、自ら営業や開発などの現場の仕事、または社員の管理というマネージャーの仕事で毎日の時間を使っています。

つまり、野球チームで例えれば、「オーナー」兼「監督」兼「選手」 という状態なのです。もちろん、会社が小さいときには、自分がすべてをやらなくてはいけません。

しかし、それ以上に成長していくためには、会社を組織化していく必要があり、ここで紹介する組織図が必要になってきます。

最終的な理想の姿は、社長業すら人に任せ、ビジネスオーナーとして「組織図から抜ける」ことです。

目指す組織図

 

組織図があることで「そのポジション」を任せることが出来る

社長は、社員に仕事を任せなければ、いつまで経っても、全ての仕事を自分で抱え込むことになります。しかしながら、「仕事を任せる」という発想だけでは、理想の組織に近づくことは出来ません。仕事を任せた相手が退職してしまえば、また振り出しに戻ってしまい、責任や権限が明確でないまま任せてしまったために、余計なストレスや労力がかかってしまいます。

そこで必要なのは、「ポジション(職務)」を任せるという発想です。「ポジション(職務)」を任せる仕組みを持つことこそが、中小企業が成長してくために、必須の機能になります。組織戦略とは、自社にどんな「ポジション(職務)」が必要なのかを理解し、それをどのように、どの順番で他の人に任せていくかを決めていくことなのです。

ふたたび野球チームの例に戻りましょう。残念ながらあなたのチームはまだ始まったばかりで、本当は9人必要なところ、4人しかいません。そのため、あなたがピッチャーとセカンドとショートを兼任しています。だんだんチームの人気が出来てきて、人が増えてきました。するとあなたの代わりにピッチャーをやってくれる人がいたので、あなたはピッチャーをやらなくて良くなりました。さらに人が入ってきて、ショートも任せらるようになりました。こんな感じで、チームが成長してくるとあなたがやっていたポジションを任せられるようになるわけです。

会社もこれと同じです。これからのステップで未来の組織図を作っていただくと、社長であるあなたが様々なポジションを兼任していることがわかると思います。最初はそれでいいのです。会社の成長に従って、兼任しているポジションに人を入れ、そこから抜ける、ということを繰り返していけば、先ほど申し上げたように”組織図から抜ける”ということが可能になります。

 

中小企業経営に役立つ組織図の作り方

ではいよいよ、組織図の作り方に入っていきましょう。

ステップ1.3年~5年後くらいの目標を立てましょう。

先ほど言った通り、これからあなたが作る組織図は、”未来の組織図”です。ですので、ちょっと時間を取って、自社の未来を考えてみましょう。本当は10年後くらいのビジョンを描いてもらいたいのですが、そこまでやると複雑になるので3年~5年後くらいの未来でいいでしょう。

3年~5年後、あなたの会社はどんな会社になっていますか?規模は?売上は?地域は?商品やサービスは?企業文化は?社員数は?等々なるべく具体的に思い描いてい見ましょう。

 

ステップ2.必要な機能を考えてみましょう。

次に、思い描いた未来の会社を動かすために必要な機能を考えてみましょう。機能というのはたとえば次のようなものです。

  • 新規集客(マーケティング)
  • 営業
  • 顧客サポート
  • 総務
  • 経理
  • IT
  • 経営企画

等々。他にもたくさんあるかも知れませんがあまり上げすぎると、壮大すぎる組織図になってしまうので、なるべくシンプルに考えましょう。

 

ステップ3.組織図にしてみましょう。

次に挙げた機能を組織図にしてみます。あなたの会社は3年~5年後どんな組織図になっていますか?これはすぐに作れるものではありません。何度も繰り返し考え、書き直してみましょう。ここでもあまり細かくしすぎると、使えない組織図になってしまいますので、シンプルさを心がけましょう。

例として、私たち一般財団法人日本アントレプレナー学会の組織図(ちょっと古いですが)をアップしておきます。

 

JFEの組織図

JFEの組織図

 

ステップ4.人の名前を入れてみましょう。

さて、ここまで来たら初めて人の名前を入れていきます。いま作った組織図をご覧ください。それぞれの機能をいま誰が担当していますか?小さい会社であればほとんどの機能を社長自身が担当しているかもしれません。それでもいいので、組織図の箱の横に名前を記入していきましょう。こうしていただくと、いかに多くの人が様々なポジションを兼任しているかがわかると思います。

このように、人の名前が入った組織図が出来れば、それがあなたの会社の役割分担を示した図になります。これがあれば、社員の人もいま自分がどの仕事を担当しているのかがわかります。人は全体像を理解したほうが効率的に働けますし、かつ会社に自分がどう貢献しているかもわかるので動機づけにもなります。

 

ステップ5.組織図から抜ける計画を立てましょう。

ここまで来たら、組織図を使って未来へ向かうための計画を立てます。具体的には、

  • あなたが兼任しているポジションをいつ、誰に任せるか?
  • 誰をどこに配置するか?
  • いつ、どのポジションに人を雇うか?

を考えていきます。

これらの計画こそが、組織を構築していくための計画になります。そして、あなたが将来、ビジネスオーナーとして組織図から抜けるための計画にもなります。

 

補足:ティールやホラクラシー等のフラット組織をどう扱うか?

ここまで読んできた方の中には、最近はやりのティール組織やホラクラシーなどに興味を持っている方もいらっしゃると思います。上記でご紹介したような階層型ではなく、フラット型の組織構造です。

階層型かフラット型か、どちらが良いのでしょうか?この答えはあなたの会社がどのようなビジネスモデルであるか?また、どのような文化であるか?によって決まります。

そして、ここでご紹介している方法とティール組織やホラクラシーとの間には共通の考え方があります。それは、

  • 組織はそれ自体が目的を持つ生き物であるということ
  • 組織に必要とされる職務と役割を明確にし、それを出来る人、やりたい人がその機能を担うということ

です。

階層構造の組織が問題になるのは、役職を持つ人が自分の「役割」と「権力」を混同することで起きます。たとえば、部長という役職は、部下のパフォーマンスを管理する「役割」になるかも知れませんが、それは部下を自分の思い通りに動かすという「権力」ではないのです。

組織内にいる人は、社長も含め何らかの役割を持っています。ただそれは、誰が偉いとか、誰が偉くないなどの「権力」ではないのです。再び野球の例に戻れば、ピッチャーは他のポジションよりも目立つ存在かも知れませんが、かといって、他のポジションよりも権力があり、偉いわけではないでしょう。それと同じことです。

ちなみに当会ではティール組織を目指したい、という方向けにも本場発のツールや情報をご提供しています。ご興味ある方は以下のページをご覧ください。

▶ティール組織診断マップ

▶ティール組織実践に向けたまとめ

 

組織図づくりは社長不在で成長する会社への道

以上、中小企業にとって役に立つ組織図の作り方をご紹介してきました。私たちがご支援する場合には、この組織図づくりを比較的早い段階で行います。この組織図をベースに仕組みづくりを行い、最終的には社長不在で成長する会社を目指します。

仕組み経営ではより詳しい組織図の作り方や実際の組織構築、さらにその先の会社の仕組みづくりもご支援していますので、以下からぜひ詳細をご覧ください。

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