オープンブックマネジメントとは何か?メリット・デメリット・始め方について解説

[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]今日は、オープンブックマネジメントとは何かということで、メリット・デメリット・始め方について解説をしていきます。[/word_balloon]

オープンブックマネジメントはこんな方にお勧め

  • 会社の目標を達成したい方
  • フラットな組織文化を作りたい方
  • 社員の自主性を高め、権限移譲を進めたい方
  • 離職を減らしたり、入社希望者を増やしたい方

 

動画でも解説しています。

 

オープンブックマネジメントとは?

オープンブックマネジメントとは、財務情報を社員の人と共有することで透明性を確保するビジネス手法です。

オープンというのは開くということなので公開するということですね。ブックというのは普通は本という意味なんですけれども、ブックという言葉には実は会計の帳簿という意味合いもあって、これを公開しましょうということでオープンブックと言われています。

オープンブックマネジメントのポイントは、透明性というところです。会社経営の透明性を高めることで、会社と社員の信頼関係が向上するということです。

これによって様々なメリットがあります。

透明性が会社と社員の信頼関係を生み出す

会社と社員との信頼関係はとても大事ですね。これがないと戦略を立てても、計画を立てても、どんな仕組みを作っても、なかなか実行に移されません。すべての前提条件に信頼関係があるわけです。

オープンブックマネジメントを導入する1つの大きな目的は、信頼関係の向上であるということがポイントになります。

 

信頼関係が失われる理由

信頼関係は、どういう時に失われるかを考えてみましょう。経営陣が何か隠し事をしているなと社員が思ったら、信頼関係が崩れます。実際には隠し事をしていなくても、社員の人が「この会社は何か隠している」と思った時点で、もうアウトだということなんですね。オープンブックマネジメントはそうならないような経営手法だということです。

2021年4月現在、いくつかの都道府県で緊急事態宣言が出ています。

コロナが流行った去年に関しては、皆さんしょうがないなということで、ある程度は政府とか知事の言うことに従ってやっていたと思いますが、今回の緊急事態宣言は政府、自治体に不信感を持っている感じがしますね。

なぜかと言うと、国民が、国や自治体が何か隠しているんじゃないかと思っているからです。

例えば、オリンピックが開催されるかどうかっていう話になっていますが、オリンピックを開催したいという我欲のために、国民の生活を制限しているんじゃないかと勘ぐられているわけです。事実はどうか分からないですが。

これが信頼関係の欠如につながっているということなんですね。会社もこれを同じで、社員の人がそのように疑いを持つことで信頼関係が崩れるということになります。

オープンブックマネジメントはそうならないようにしていきましょうということなんですね。

 

オープンブックマネジメントのメリット

もう少し、オープンブックマネジメントのメリットをご紹介していきます。

社員の財務リテラシーの向上

具体的には利益の上げ方を理解させてあげる、給与の出所を理解させてあげるということが大きなメリットになります。

財務リテラシーが向上すると、皆コストに気を使い出したりとか、どうやって利益を上げようかっていうことに、頭を使い出します。オープンブックマネジメントを最初に開発されたと言われている会社の社長がこんなことを言っています。

会社の大きな目的は利益を上げ続けること。一方でほとんどの会社は、利益の上げ方とか、利益はどこから生まれているかを社員に教えていない。これは非常に不自然だ。

これは確かにそうだなと思いますよね。

やはり利益は会社にとって大事だし、現金も大事だけれども、それについて教えていないというのが大きな問題であるということです。

そして給与の出所を理解するということ。ほとんどの社員の人は売り上げと利益と自分の給与の区別がついていないということなんですよね。大企業の賢い人たちは違うかもしれませんが、一般的な中小企業で働いている人たちは、こういう知識がないので、会社の売り上げと利益と自分の給与の区別がついていない人が非常に多いのかなと思います。

私が昔やっていた会社で、こんな話がありました。私は経営メンバーの1人だったんですが、ある時、ウェブサイトを作りたいなということで、ウェブ制作会社に来てもらって発注したわけです。確か100万円弱くらいでした。そうしたら同席していた若い社員が、「自分は1ヶ月20万円ちょっとで働いているのに、あの人は、ウェブサイトを作るだけでこんなに貰えてずるい」」みたいなことを言ったんですね。

その時に私は、普通の人は売り上げと利益と、自分の給与の違いを理解していないなと思いました。その社員は、100万円近くのお金を、そのウェブ制作会社の社長が自分の給与として全部貰うと勘違いしていたわけです。

もちろん、そのウェブ制作会社の社長は、売上からいろんな経費を引いて、粗利から自分の給与が出てくるということなので、100万円近くのお金をすべて貰えるわけじゃないんですよね。でもそれを一般社員は理解していないとわかったのです。

オープンブックマネジメントで財務状況を公開して、財務的なことを教えてあげるとそういう勘違いがなくなります。

 

自主性を高める/権限移譲の推進

オープンブックマネジメントを導入すると、自分たちの仕事が会社のお金、業績にどう繋がっているのかが理解できるようになります。これは大事なことです。人は自分の行動によって何か変化が起きると、それをもっと改善したいと思う生き物なんですね。

昔、オランダでこんな実験があったそうです。

町がありまして、そこに電力会社が電気を通す時に、町の半分の住宅には電気メーターを地下に埋めて見えないようにしました。もう半分の住宅には電気メーターを玄関の近くに置いて見えるようにしました。

隠されている方は、今自分たちがどのくらい電気を使っているっていうのが分からない状況です。もう一方は、玄関の近くにメーターが置いてあるので、どのくらい使っているかが見えるという状況にしたんですね。それ以外は違いがなかったんですが、メーターが見えている住宅の方が電気代が少なかったという実験データがあるんですね。

これはフィードバック効果と言われていますが、自分の起こした行動がどれだけ結果として表れているかが見えるだけで、それを改善したいと思うということです。

メーターが見えている方の人たちは、毎日数字を見ているわけですね。例えば昨日、エアコンをいっぱい使ったから今日は上がっちゃってるな、と。そうすると何も言われなくても、電気代を下げようという意欲が湧くということなんです。

オープンブックマネジメントでは、これと同じことが起きます。自分たちがやった結果、コストがこれだけ削減できたとか、これだけ売り上げが上がったとなれば、皆もっと改善したいなと思うわけですね。

そして自主経営の推進。これはティール組織の1つの特徴です。自主経営は、自分たちで判断して仕事をやっていくという考え方ですが、オープンブックマネジメントを導入して、自分たちの行動がどのように結果に結びついているかが理解できるようになれば、推進されるようになります。

 

勝ち癖文化の醸成

世の中には負け癖がついている会社があるんですよね。目標を立ててやっているんだけれども、毎回毎回その目標が達成されないので、達成されないことが当たり前になって、負け癖がついている。なので目標を立てても、今回もどうせダメだろうということで、本気を出してやらないという会社です。

こういう会社には、オープンブックマネジメントの考え方が合うと思います。オープンブックマネジメントでは、自分たちの行動の結果がすぐ知ることができるんですね。それによって、こうしたらこうなったなっていう、小さな勝利の味を味わうことができるようになります。

そうすると、やればできるんだなと徐々に思い始めるんですね。負け癖の文化が徐々に改善されて、勝ち癖の文化になっていきます。そして、目標達成とか、業績の向上に繋がっていくということです。

 

従業員エンゲージメントの向上

離職率の低下、優れた人材の確保ができるようになります。さっき言った通り、オープンブックマネジメントを導入することで、会社と社員との透明性が上がって、信頼関係が向上します。信頼関係は、従業員エンゲージメントに非常に大きく関わってくるんですね。そして離職率が低下したり、この会社は社員と会社の信頼関係があるなということで、入社したいと思う人も増えるということですね。

従業員エンゲージメントについては別記事で解説しています。

従業員エンゲージメントとは?その意味から向上させる方法までをご紹介

オープンブックマネジメントでは何を共有するのか?

では実際、何を共有していくのか。どのレベルで共有していくかは、各社ごとのやり方があると思いますが、基本的な考え方をご紹介します。

自社にとって大切な数字とは?

社員の人に財務諸表、P/LとB/Sを見せても、どこを見たらいいのか分からないですよね。なので、自社にとって大事な数字はなんなのか。例えば粗利率なのか、もしくは在庫の回転率なのか、自社にとって大切な数字がなんなのかを理解してもらうことが大切です。

 

利益がどう生まれるか?

そして利益やキャッシュがどのようにして生まれるのか。販売している商品を、どこからいくらで仕入れて、お客様に販売することによって、どのくらい儲かるのかを理解させるということです。さっき言ったとおり、売上と利益と給与の違いを理解させることが大事です。

 

資産はどのように使われているのか?

財務諸表を見ると会社って意外とお金があるなとと皆思うわけです。でもこれは将来こういうことに使うんだよと理解させるということです。会社の利益は上がっているけれども、これは将来こういう事に投資するから、残しているんだよ、と理解させる。そうしないと、こんなに資産があるんだったら、もっと給与を増やせ、という話になります。会社というのはどう運営されているものなのかを理解させるということですね。これは非常に大切です。

 

ビジネスの全体像

数字の前に会社の目的であるとか目指す先、ミッション、ビジョンを共有するということ。会社の市場シェアはどれくらいあるのか。会社の戦略や競争上の優位性はなんなのか。このようなビジネスの全体像を理解させた上で、自社の財務的な数字も公開していくことが大切です。これによって、社員の財務リテラシーにプラスして、経営に関するリテラシーを高めていくこともできます。

 

オープンブックマネジメント導入のポイント

ビジネスの全体像を教える

これは何よりも大切です。オープンブックマネジメントは、社員に会計の知識を教えようということではないんですね。細かい数字がどうのこうのという話ではなくて、ビジネスがどのように動いているかを教えるというのが、オープンブックマネジメントの肝になってきます。

 

信頼関係が大切

悪い時もいい時も正しく情報を公開すること。いい時だけ公開して悪い時は辞めようみたいなことになってしまうと、余計に信頼関係が崩れるということになります。

最近、星野リゾートさんが倒産確率を数字で出して、ちょっと話題になりました。彼らがオープンブックマネジメントをやっているのかどうか分かりませんが、倒産という最悪の事態がどれくらいの確率で起きるかという、普通は公開したくないこともオープンにしています。

 

数字を細かく分解する

社員の人は営業利益がいくらいくら出たと聞いても、何の分析のしようもない、何の行動のしようもありません。なので、例えば営業利益がこのくらいだったら、そのうちこの商品でこれくらい出ているとか、この分野でこのくらい出ている、この部門でこのくらい出ているというように、細かく分解していきましょう。それによって、社員は、自分の行動がどれだけその数字に反映されているのか、どれだけ影響するのかが、より分かりやすくなります。

 

命運を握る数字に注目させる

一般的に、財務指標はたくさんありますが、たくさんあっても、よく分かりません。何が大切なのか?を明確に伝え、それに注目させることです。

 

給与情報は教えない

これはよく勘違いされるんですね。「オープンブックマネジメントって給与とかも全部公開するんでしょ?抵抗あるな」と。ただ、給与情報は普通は公開しません。

なぜかと言うと、給与情報を公開しても業績に繋がることはないですし、先に挙げたメリットに繋がることもないからです。

 

オープンブックマネジメントのデメリットは?

では、オープンブックマネジメントのデメリットはあるのか、そしてそれに対する対応策は何なのかという話をしたいと思います。

情報が漏洩する?

財務情報を公開することによって、その情報が社員を通じて別の会社に流れたりすることがあるんじゃないかということですね。

これは別に情報が漏洩したところでどうなのっていうことだと思います。例えば、上場企業は、財務情報が一般に公開されているわけです。それがデメリットになっているかというと、そうではないですよね。財務情報が公開されていることで、競争上の優位性がなくなるということはあまり聞きませんね。なので、この点については、そんなに気にする必要はないということになるかなと思います。

 

数字が悪いと雰囲気が悪くなる?

これは、実際は逆なんですよね。悪い時に情報を隠していると、ますます社員の人は疑心暗鬼になって、その会社に対するエンゲージメントは下がっていって、会社を辞めていくことになるかなと思います。

 

社員からの要望が増える?

例えばさっき言った通り、利益が上がっているならもうちょっと給与を上げてよ、ということになるんじゃないかという話ですね。

これは説明の仕方によるかなと思います。先述した通り、この利益はどこから生まれていて、これからどのように使おうとしているのかを説明することが大切ですね。

透明性を確保する上でも、正直に話すということです。本当に利益が上がって、投資する以上にお金に余力があるのであれば、要望に応えて上げてあげればいい話なので、デメリットとして考える必要はないかなと思います。

 

今、3つ挙げましたが、どれもデメリットということではないかなと思いますね。ープンブックマネジメントを導入したら、こんな悪い事があったという話もあまり聞かないので、安心して導入を検討してみてはどうかなと思います。

 

オープンブックマネジメントの始め方

オープンブックマネジメントの始め方は、いろんなパターンがあると思うんですが、お勧めとしては、勉強会を開くということです。

財務に関する勉強会、経営に関する勉強会です。さっきご紹介した、共有すべきことを社員の人に理解してもらうための勉強会です。これを定期的に行うことで、この数字を皆で3カ月で上げてみようとか、この数字はちょっと問題だね、と議論が進んでいくのかと思います。

ということで、オープンブックマネジメントについて解説をしました。ぜひ参考にされてください。なお、仕組み経営では、オープンブックマネジメントを含め、会社の様々な仕組みを創り、人依存ではなく、仕組み依存で成長する会社作りをご支援しています。詳しくは以下からぜひご覧ください。

▶仕組み経営マスタークラス

 

>企業は人なりは嘘?

企業は人なりは嘘?

属人経営から脱却し、仕組みで成長する会社するためのガイドブックをプレゼント中。

CTR IMG