半年間収入ゼロ、人脈無し、売上が立つ見込みも無し。貯金も底を尽き始めた。
2007年1月、このような状態だった私が唯一持っていたのは、
”収入を増やすには売れる文章力を身につけること”
という本で仕入れた知識だけでした。
”売れる文章”というのは「セールスレター」というらしいと知り、Googleにsales letterと入れて検索してみました。
どうせなら世界トップクラスの人達から学ぼうと思っていたので、海外の情報を仕入れようと考えたのです。それから海外の超一流とされるコピーライターから直接学び、現在に至るまで数多くのセールスレターを書いてきました。
過程は省きますが、現在の私の本業と出会えたのも、売れるセールスレターを書けるようになったことが大きな理由です。
本記事は、私がかつてセールスレターの書き方を必死に学び、実践していた約10年前に開発した「LEGEND」というセールスレターの書き方を教える教材の内容を抜粋してお届けしています。かなり詳細にわたるので”本気の人限定”となりますが、ぜひ一部でも良いのでご活用ください。
- 1 セールスレターとは?
- 2 セールスレターを書くメンタリティ
- 3 【セールスレターの準備①】すべてをリサーチせよ
- 4 【セールスレターを書くステップ②】断れないオファーを決めよ
- 5 【セールスレターの準備③】ベネフィット(魅力)を全て洗い出せ
- 6 【セールスレターを書く準備④】証拠を提示せよ
- 7 【セールスレターを書く準備⑤】ビッグ・セリング・アイデア(USP)を明確にせよ
- 8 【セールスレターを書くステップ⑥】ヘッドラインを書く(テンプレート有)
- 9 【セールスレターを書くステップ⑦】リードコピーを書く
- 10 【セールスレターを書くステップ⑧】本文を書く
- 11 【セールスレターを書くステップ⑨】ブレットの書き方をマスターする
- 12 【セールスレターを書くステップ⑩】保証を提示する
- 13 【セールスレターを書くステップ⑪】堂々とクロージングせよ
セールスレターとは?
セールスレターとは、商品を売るための広告文のことです。たとえば、ウェブ上で商品を販売している際には、そこにセールスレターが存在しますし、新聞、雑誌広告、ダイレクトメールなどにもセールスレターが存在します。セールスレターの書き方にはある程度のフォーマットや成功の法則があります。つまり、それらセールスレターの書き方をマスターすれば、どんな商品を扱っていても、ある程度の確率でセールスが可能になる、というわけです。これはとても強力なスキルですね。
セールスレターは、「紙に書かれた営業(Salesmanship in Print)」ともいわれています。優秀な営業がお客様に話すことを文章にしたものが、セールスレターというわけです。逆に言えば、セールスレターの書き方を学べば、営業力も上がるはずです。
セールスレターを書くための全体構成
本記事でご紹介していくセールスレターを書くための全体構成は以下の通りです。
土台として、”メンタリティ”があります。これはセールスレターを書くにあたっての心構えです。いきなりセールスレターのフォーマットやテンプレート、例文が欲しい、という気持ちもありますが、正しい心構えがなければ、それらの効果も半減します。
そして、”準備”です。セールスレターを書く際、いきなり本文を書き始める人もいますが、お勧めできません。セールスレターというのは、パーツの組み合わせで成り立っています。そこで、まずそのパーツを確定させることです。本文を書く作業というのは、それらのパーツをどう組み合わせるかに過ぎません。セールスレターを書く作業のうち、8割は準備が握っていると言ってもいいくらいです。
最後に”執筆”です。セールスレターのテンプレートに基づき、準備したパーツを当てはめていきます。
セールスレターを書くメンタリティ
まず、セールスレターを書く際のメンタリティ、つまり心構えをご紹介していきます。
#1. インナーブロックを外す
セールスレターを書く際のメンタリティとして、最初に一番重要で私自身に大きな成果をもたらしてくれたことをご紹介したいと思います。それがインナーブロックを外すことです。
売ることを妨げている潜在意識は?
インナーブロックとは、あなたの潜在意識のどこかにある、お客様にモノを売ることを妨げている壁のことです。
ご自身の心のどこかで、このようなことを考えてはいないでしょうか ?
- 売りこみ過ぎたらお客さんから嫌われるのではないか
- 本当にこの値段で売っていいのだろうか
- 本当にこの商品は売る価値があるのだろうか
- 悪い評判が広がって、自分に変なウワサが立ったらどうしよう
- 商品が売れすぎたらサポートが忙しくなってしまうのではないか
セールスレターではなく、電話営業して同じ商品を売ると考えてみましょう。
おそらく多くの人は、電話をしたら、相手から冷たくあしらわれるのではないか?忙しいんだよ!といって怒られるのでは? 上手く商品の説明を出来なかったらどうしよう?と不安を感じるのではないでしょうか。
ほとんどの人は電話営業が嫌いです。だから営業をする、ものを売るということについて、無意識のうちに心のどこかでストップがかかってしまっていることがあるのです。これはセールスレターを書く際の大きな障害になります。
過去の経験が基となって、レターが書けない
恥ずかしながら、私自身の例を挙げてご紹介したいと思います。
私は自分のインターブロックを見つけるため、過去を振り返ってみました。
- お金に対して過去に問題を起こしたことはないか
- 人間関係に問題はなかったか
- モノを売るということに関してトラウマはないか
といったようなことを時間を取って振り返ってみたのです。すると色々と出てきました。
子供のころ、ずっとではないですが、仲間達からノケ者にされてしまったことがあります。私は彼らといつも一緒に遊んでいたので、まったく嫌われているという意識はなく、仲の良い仲間だと思っていました。
しかし、ふとしたときにその仲間から外されてしまったのです。普段は思い出さない思い出ですが、インナーブロックを探す作業をしているうちに思い出したのです。これは今の自分の他人への接し方にも影響を与えていることがわかりました。この経験が“人間は表と裏の顔があり、他人のことは本当の意味で信じないほうが自分が傷付かないんだ。”という潜在的な意識になっていたのです。
いまは仲良くしてくれている人でも、心の裏では気に食わないヤツと思っているのではないか 自分のいないところでは悪口を言われているのではないか と。
人が自分のことをどう思っているのかを必要以上に気にするようになっていました。だから人と深い付き合いになることを怖がっていました。
これはもちろん、お客さんに対しても同じでした。
- 商品を買ってくれたお客さんがどう感じているのか?
- 本当に満足しているのか ?
- 売り込みをすると嫌われてしまうのではないか?
そういったことがとても気になってしまうため、あまり多くの人に商品を売りたくない、というブレーキがかかっていたことに気が付きました。
また、このことがあまり商品の価格を上げられないということにも繋がっていました。価格を上げれば、当然お客さんはより多くのことを期待します。その期待にこたえられなかったとき、嫌われてしまうのが怖かったのです。
あなたにはここまでのインナーブロックはないかも知れません。しかし、私同様に過去の経験が元となって、何かしらの抵抗が自分の中にあるのであれば、まずそれを知ることからお話を始めなければいけません。インナーブロックは無くすというよりも、それがあるんだということを理解すれば OK だと言われています。
レターを書くとき、ビジネスをするとき、“これはインナーブロックだ”というように見分けがつけば良いのです。問題なのは、自分の意識の外で何かが自分の行動に影響を与えてしまっていることです。
あなたが自分の商品を思い切って相手に薦められない理由があるとすれば、それは何でしょうか ?
この問いをぜひ考えてみてください。
#2. モノ売りではなく、教育者であると知れ
ジョン・ケープルズ氏の有名な書籍「ザ・コピーライティング」という本があります。
この本には数多の成功したヘッドラインなどが載っているのですが、私が一番心を打たれたのは本文ではありませんでした。それは本書の最後にある「広告とは教育である」という言葉でした。この言葉に関して、本書の監修をされた神田昌典さんがまさに的確に解説をしています。以下に抜粋しますので、ぜひ繰り返し読んでみてください。
本書の読者は、言葉の力を知ることになるからこそ、その力を何のために使うのかを、読む前に、そして読んだあとに自問してほしい。そして、その答えは、まさにケープルズが、本書の最後に引用した言葉 ──「広告とは、教育である」──から読み取れる。広告を打つということは、数万人に言葉を発する教師であると自覚したとき、読者は自社のために売上を上げながらも、よりよい社会の礎となる言葉を、選択することになるだろう。そのとき、おそらくレスポンス広告は、新しい時代における真の役割を見出すだろうし、その言葉がきっかけとなり、私たちの意識を大きく変容させることになるに違いない。現実は、どんな言葉を選択するかで、創られる。言葉の力を知った者は、創造者としての責任も同時に負うのである
私達は常に他人に影響を与えながら、与えられながら生きています。私達が発する言葉一言一言が、それを聴いている人の人生に少なからず影響を与えているのです。たとえ、自分にそんな気が無くても。人は一つの言葉で人生を変えます。もちろん、私もそんな経験が何度もあります。
たかがセールスレターだから、と思うかも知れません。しかし、あなたの書いたセールスレターを読んだ人は、あなたの言葉から何かしらの影響を受けます。その日一日、暗い気持ちになるかもしれないし、るい気持ちになるかも知れないし、何かを始めてみようという気になるかも知れない。特にインターネット上では、自分の知らないところで、自分の書いた言葉の影響が出ているのです。四十歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て、という言葉がありますが、私達はセールスレター、広告を書く以上、その言葉に責任を持つという意識が必要になってきます。
#3. 成約率を停滞させる敵を知れ
“変化の敵は既に変化しているという気持ちである。”
これはとある心理学者の言葉です。現状を変えるためにはその人自身が変化しなくてはいけないのに、 “自分は既に十分にやることはやってきた。あとは周りが変わるだけだ。“と思ってしまっている。これが現状を変えられない理由だというのです。
この言葉は他のことに置き換えることが出来ます。
セールスレターを書くということに関して言えば、
“成約率を高めることの敵は、既に十分な成約率があるという気持ち”
ということになります。
これからお伝えすることの中には、既にあなたが知っている知識が出てくると思います。しかし、本当の意味で活用しているかどうか?
“それは知っている。”
“これは新しくない。”
“これは私の業界では通用しないだろう。”
“誰かがこれは良くないと言っていた。”
これらの思い込みは全て成約率を高める敵になります。
ずっと同じ業界にいると勝手な思い込みが激しくなります。だから、既にやっている、知っている、という成長を妨げる発想になってしまいます。
成約率を高めるために出来ることは、まだまだたくさんある。
このように考えながら以後をご覧いただきたいと思います。
#4. 営業マンにならない
セールスレターの定義は、
セールスマンシップ・イン・プリント(紙に書かれた営業)
ですが、実際に文章を書くときには、セールスマンの気持ちになってはいけません。
ジェイエイブラハム氏が言うところの、“お客さんに対してリーダーシップを発揮する”ということが必要だからです。あなたはお客さんにモノを売る営業マンではなく、
- お客さんが抱えていて気付いていない問題を指摘してあげるコンサルタント
- お客さんが本来知っておくべきことを知らされていないという事実を教えてあげるアドバイザー
- お客さんの目の前にある断を手助けしてあげるリーダー
このようなポジションでお客さんに接することが出来れば、競合他社はあまり関係なくなってきます。
私の知り合いに複数の美容室を持っているオーナーがいます。普通、美容室などに行くと、”今日はどうされますか ”と聞かれるのが普通です。しかし、彼の美容室では、あえてその言葉を言わないようにしているとのこと。なぜならば、
”お客さんは自分の髪型をどのようにして良いのか、それがわかっていないから美容室に来ている”
からです。
美容室にはヘアカタログや雑誌が置いてありますが、それをお客さんに見せて、”どんな感じにしますか ”と聞くのは単に”情報を伝えているだけ”。そこには価値がありません。
プロである美容師は、そのお客さんにはどのような髪型が一番似合うのか、それを”アドバイス”してあげる必要がある。このように教えてくれました。
美容室に限らず、モノやサービスを販売している場合には、少なくともその分野に関してはお客さんよりも自分の方が専門家で知識も経験もあります。(そうでなくてはいけないわけですが)だから単に情報を伝えてお客さんに選ばせる、というやり方では、逆に迷わせるだけです。
”情報を伝えること” と ”アドバイスすること”
この違いはとても大きいです。
ジェイエイブラハム氏はこのように表現しています。
お客さんは何も知らない。何も知らないことすらわかっていない。(中略)私が聴衆を前にするときは、人生を歩き始めたばかりで、悪い習慣もなく、私を信用し、好奇心で一杯の無邪気な子供たちがたくさんいるように見える。
(中略)
人は次の投資に関する 決断、ビジネスに関する決断、あるいは人生の大きな決断をどのようにしたらよいか模索している。次の決断をよりよいものにするためにはどうしたらよいか考えている。今日、彼らの問題を解決してあげなさい。
お客さんに対してリーダーシップを発揮する、この意味がなんとなくわかっていただけますでしょうか。
#5. 10 分間パーソナルコミットメントを行う
これは毎回、セールスレターを書く前に、行うのをオススメします。
パーソナルコミットメントというのは、自分に対する約束みたいなもので、強い決意とも言えるものです。
私はお客さんに対して、もっとも高い価値を提供する。
お客さんが何かの問題を抱えていて、もしあなたが競合他社よりも的確に、そして確実にその問題を解決してあげることができるのであれば、お客さんが競合他社の商品を購入することは、お客さんにとっての不幸になります。
また、あなたが目の前にいるお客さんの問題を解決できる方法を知っているのであれば、それをお客さんに提供しないということは、あなたの怠慢だということになります。
“私はお客さんに対して、もっとも高い価値を提供する。”
このように自分に約束することで、あなたはお客さんに自分の商品を売る責任が出てきます。もしあなたがセールスレターで自分の商品を売ることが出来なければ、お客さんの満足が第一といっておきながら、お客さんの満足を放棄していることになるのです。
私は販売するために考えうる全ての説得方法を使う。
先述したように考えるのであれば、あなたはあらゆる手段を使ってお客さんに自分の商品を買ってもらって、使ってもらう必要が出てきます。
- 面倒くさいからやらない。
- これくらい書けばわかってくれるだろう。
- 自分で調べてくれるだろう。
このような考えは全て責任の放棄になります。
セールスレターを書くとき、犯しがちな間違いは、“言葉足らず”であることです。これは日本人が持つ共通認識に“あうんの呼吸”があるからです。知人同士、面と向かって話していれば、あうんの呼吸もあるかも知れません。しかし文章を通じて話しかける相手とは、あうんの呼吸はありません。
詩や俳句のように、相手に行間の意味を考えさせることはあってはならないのです。
相手のことを理解し、自分のことを理解してもらうために必要なことは全て行うようにします。
#6. Reason Whyを明確にせよ
Reason Why(その理由は)とはコピーライティングの色々な場面で使われる言葉です。
ここでは、“なぜあなたはその商品を売っているのか ビジネスをしているのか ”という理由のことを言っています。もちろん、お金を稼ぐという点は抜きにして。
ほとんどの人は、お金を稼ぐだけだったら、今よりも手っ取り早く稼げる手段を持っているはずです。場合によってはちょっと悪いことをして稼ぐこともできるかも知れません。しかし、そうではなく何故いまの仕事に携わっているのか?
これは後々あなたのストーリーテリングにも使うことが出来るテーマです。
セールスとは情熱を自分から相手に移転させることある。これが出来れば売れる、出来なれば売れない。
といったのは世界トップクラスのビジネスコンサルタント、ブライアントレーシー氏ですが、Reason Why が 確かでないと、セールスレターに情熱が乗らなくなります。私も過去、様々な分野のセールスレターを書いてきましたが、はっきり言って自分の好きな分野、そうじゃない分野があります。自分が好きで情熱が持てる分野はスラスラ書けるし、レスポンスも良いということが わかってきます。
これをしていることが本当に楽しい、またはこれをやっていることが自分の人生の役に立っている、このような確信があると、必然的に売れるレターになるはずなのです。そのための、Reason Why、あなたはなぜこのビジネスをしているのか をぜひ考えてみてください。
#7. 自分らしい文章
これは初心者の方が犯しがちなことですが、レターを書くとなるといきなり広告マンになりきってしまう人がいます。どういうことかというと、自分が日常生活で E メールやブログを書いているような文章ではなく、よく見かける広告みたいな文章を書き始めるということです。
たとえば、
- やたらと煽り立てる
- ヘッドラインなどで比喩表現を多用しすぎて、直感的にわかりにくい文章になる
- 詩人になる
- 人のレターで使われている文章をそのままぱくる
などなど。自分が普段書いている調子で書かないので、どうしても不自然な文章になります。セールスレターには確かにある程度の形がありますが、だからといって、誰かになりきって書く必要は全くないと思います。
たとえば私の場合、全ての文章において、フランクな表現はほとんど使っていません。あんまり自分の性格に合わないなと思うからです。これが自分らしい文章だと思っているのです。
#8. 自分の成長=セールスレターの成約率
自分らしい文章を書くようになると、自分の性格や人格が文章を通じて相手にも伝わっていくことになります。本を読んでいてもなんとなく、その人の人間性が読めることはあると思いますが、それと同じように、今度は書いている私たち人間性が相手にも伝わってしまうのです。
そのときに重要なのが、自分がどのような人間なのかということです。
別に仙人のような人格者になるということではありませんが、自分自身の人間性を高めていくということはやはり継続的に行っていったほうが良いと思うのです。
自己啓発の権威、ジグジグラーはこのような言葉を残しています。
自己成長のための教育とは、風呂に入るようなものだ。
今日風呂に入ったからと言って、今日入らなくても良いとは言えない。
同じく、本も今日読んだからと言って、日読まなくても良いとは言えない。
それは、我々が生きている限り続く、旅なのである。
-ジグジグラー
【セールスレターの準備①】すべてをリサーチせよ
リサーチはセールスレターを書く作業の中でも、もっとも見逃されがちで、疎かにされがちの部分でしょう。
なぜならば、“楽しくないから”です。ヘッドラインを考えたりする作業よりも、はるかに退屈で面倒な作業であることが事実です。はっきり言って私も面倒だと思います。
さらに、ほとんどの人はリサーチをどのようにやったら良いのかを理解していません。ネットで競合のサイトを見て、価格やヘッドラインをチェック。本屋に行って関連分野の書籍をチェック、これらの作業をなんとなくやっているのが現状ではないでしょうか
ここではプロのコピーライターがどのようにリサーチを行っているのかをご紹介します。とはいえ、私自身ももちろん全て出来ているわけではありません。あなたの時間や販売している商品、ビジネスの規模に沿って参考にしてもらえればよいと思います。
では具体的に何をリサーチしていけば良いのか次にそれをご紹介していきます。
リサーチ項目 1. 売るものを完全に調べつくす
まずは自分が売ろうとしているものを完全に調べ尽くします。
あなたは自分自身が作ったもの、または気に入って仕入れてきたものを売っていると思います。。ですので、既に商品については完璧な知識を持っているはず、と思っているでしょう。
これはある意味真実であり、元々自分が情熱を持っている分野、自分が興味を持っている分野の商品に関しては、既に意識せずともリサーチをしているために、レターを書くのもラクなはずです。
とはいえ、頭ではなんとなく理解しているつもりでも、正確に言葉に表現できないということも多々あります。そういったことを らかにしていくのも、このリサーチの作業と言えます。
商品の特徴とベネフィット
まずは商品の特徴とベネフィット(買い手が手に入れられるもの)を書き出していきます。商品の特徴とベネフィットを混同しないように気をつけてください。特徴は例えば、重量が何キロとか、ページが何ページあるとか、成分が何だとか、そういった話です。ベネフィットは特徴に So What?(だからどうした )という質問をしていくことによって得られます。
- 重量 1.5 キロ → だからどうした →普通のカバンにも入れて持ち歩ける。
- 紙で出来ている → だからどうした → 畳んでしまえる。
などなど。
一つの特徴からは複数のベネフィットが浮かびますので、それらを書き出していきます。
競合の調査
次には自分の商品の競合を調べます。自分が販売している商品と同じようなニーズを満たす商品が競合になります。
ダイエット食品を販売しているのであれば、サプリメント、ダイエット器具、フィットネスクラブなども競合になるかも知れません。お客様からすれば、ダイエット食品だろうが、フィットネスクラブだろうが、目的が達成できれば OK なわけですから、同じ業界、同じタイプの商品だけが競合になるとは限りません。
このように考えうる競合を全てリストアップしてみます。
そしてこの中から最もその市場において存在感を出している競合をピックアップします。最も広告を出している商品、SEO で上に来るサイトなどです。競合をリストしたからといって、全てを敵に回す必要はありません。なぜならば、お客様の心の中にあるのは、せいぜい業界 3 位くらい(場合によっては 1 位だけ)までの会社や商品だからです。言ってしまえば、その他の競合は存在していてもお客様の目には留まらないので、相手になりません。
このようにお客様の心に残っていることをマインドシェアを獲得していると言ったりします。自分の商品をリリースしたとき、お客様は全ての競合他社と比較したりしません。もっともマインドシェアが高い商品としか比較はしないのです。お客様のマインドシェアを取っているということは、恐らく最も広告を頻繁に出したり、SEO で上に来ている商品です。
お客様は業界1位、知名度1位の商品や企業を基準にします。極端に言えば、それよりも優れているのか 劣っているのか それだけなのです。
リサーチ項目 2. 見込み顧客
次に見込み顧客の調査です。いわゆるお客様の立場に立って考えるということですが、更に細かく言うと、以下のようなことを考えます。
- 見込み客の欲求・・・何を欲しがっていて、何は要らないと思っているのか
- 見込み客の信念・・・彼らの考え方に影響を与える信念。極端なことを言えば、牛肉を食べることが禁止されている宗教の人に、いくらおいしいステーキの広告を出しても無駄でしょう。商品がいくら良くても信念に合わなければ売れません。信念というのは字のごとく、その人が信じていることで、たとえば“不動産投資は危ない”、“○○はダイエットに良い。”、“インターネットを使えば簡単に儲かる。”などなど、こういったものは全て信念です。
- 見込み客の感情・・・その商品を買うことによって、どのように感じたいのか カッコいいと感じたいのか 心の安らぎを感じたいのか
たとえば、健康食品を売っているとしましょう。健康食品を買う人の常識的なニーズは、“健康になりたい”ということです。これをベースに、
- 健康になるためには、何が必要だと思っているか
- 健康というのはどういう状態だと思っているか
- 健康食品は大体どれくらいの価格帯だと思っているのか
などなどに細切れさせていき、見込み客が持っている“信念”、“欲求”を具体的にしていきます。
見込み顧客を知るためにすべき質問
良い答えを引き出すためには良い質問をしないといけないということで、見込み客の欲求や信念、感情を明らかにするための質問項目を載せておきます。
- 彼ら(見込み顧客)がそのテーマに関して最も緊急性を感じている問題は何か
- もし彼らが魔法を使えるとしたら、何を実現させるだろうか
- もし私が魔法を使えたら、彼ら(見込み顧客)に何を提供してあげられるだろうか ”
- 彼らが最も避けたい事態は何か
- 彼らがこの分野に関して持っている信念は何か
- その手の商品に関してどう思っているのか
- その分野に関して、誰の言うことを信じているのか 信じていないのか
これらの質問を考えることによって、あなたの商品の数あるベネフィットのうち、どこに重点を置くべきかが見えてきます。
リサーチ項目 3. マーケット(市場)
マーケットは見込み客とごっちゃにされがちですが、もう少し広い定義になります。マーケットは見込み客の行動に影響を与えるもの全てのことを言います。たとえば以下のようなものです。
社会的な大きなニュース
最近であれば、戦争の危険性やウィルスの蔓延なども多くの人の行動に影響を与えるでしょう。また、その業界におけるニュースはもちろん知っておく必要があります。一流コピーライターはその業界の業界紙には全て目を通すと言われています。
なぜマーケットの状況が重要なのかといえば、それは必ず見込み客の信念や感情、行動に影響を与えるからです。テレビ、雑誌、新聞、これらのマスメディアの力は当然ながら非常に大きいものがあります。私たちがいくらうまい文章を書いても一人の人の信念を変えるのは至難の技ですが、マスメディアの情報に触れると、人は簡単に信念を変えます。
ですから常にマーケットの状況を見て、いま見込み客はどのような信念を持って行動しているのかを理解しておく必要があるということです。
購買行動
購買行動は、その商品を買うときにどのような経緯を辿って購入するかという問題です。
たとえば、購入を決めるときに何を参考材料とするのか?ネットで買うのか 店舗で買うのか?等々です。
タイミング
これは特にインターネットで集客をしているのであれば、とても重要なことになってきます。
たとえば、人の検索動向によってアクセスやPPC広告の出稿状況が変わってきます。人の検索動向というのは先に述べた社会的ニュースなどにも関わってきます。
また、競合が商品をリリースするタイミングも重要です。自分よりもガタイの良い競合が同じような商品をリリースするのと同時期に自社商品もリリースすると広告の効果も薄れます。ただし、大手のちょっと後に似たような商品をリリースするのは良い手です。
リサーチをすればするほど、ライティングは楽になる
冒頭申し上げたとおり、リサーチの作業は多岐にわたるため人によってはそんな時間はない、という人もいるでしょう。私も実際には同じです。ですので、ここではこの部分を調べなかったお陰で自分が見過ごしている大きな機会はないか または見逃している損失はないか という穴をブレインストーミングするために利用してもらうのが良いと思います。
こういったブレインストーミングをすればするほど、文章を書くのはラクになります。
【セールスレターを書くステップ②】断れないオファーを決めよ
オファーとは、“お客様が受け取るもの全て”のことを言います。
具体的に言うと、
がオファーの定義だとされています。
たとえば、以下のようなものがオファーです。
- お気軽にご購読を開始いただける「6ヵ月購読コース」をご用意しました!
- .さらに「らくらく購読コース」なら初回購読料金が10%OFF!
- 最新号記事閲覧サービス。最新号の内容を PDF で、いち早く見ることが出来ます。
- 記事検索サービス。過去の記事からトピックを検索し、PDF でダウンロード可能
- 記事スクラップ。気に入った記事をスクラップしてお気に入りとして保存しておけます。
- マイページ。登録したキーワードを元に関連記事を表示するページを作成できます。
このオファーは実は雑誌「日経ビジネス」の定期購読のオファーです。
レターを書き始める前に、自分が何をオファーしているのかを 確にしておくこと。これはやっているようで見逃しがちなポイントです。
典型的な 10 個のオファーパターン
オファーのパターンとして以下の10個が知られています。
1. ハードオファー
これはごくごく一般的なオファーです。お金を先にもらって、そのあとに商品を提供するという方法です。スーパーで売られているような一般消費財はほぼこのタイプですし、通販で売られているような物理的商品もほとんどがこのタイプに属します。
2. ソフトオファー
ハードオファーとは異なり、最初に商品を渡して、満足したら代金を頂くというものです。“ご満足いただけなければ代金は要りません”というキャッチコピーをたまに見かけますが、これがソフトオファーです。また、最初の一ヶ月お試しなどが付いている雑誌などもソフトオファーに当てはまります。ソフトオファーの利点は、“ライバルがハードオファーしかしていない場合、お客様に対して圧倒的なメリットになりえ、業界内で一気に優位になる可能性がある”という点でしょう。
逆にソフトオファーの弱点は、“商品力が弱い場合、命取りになる”ということです。当たり前ですが、商品に満足してくれなければ、誰もお金を払ってくれないので、完全に売り損になります。また、商品がいくら良くても、一定確率でお金を払わない人はどこの世界にもいます。ですので、どれくらいの確率でお金を払ってくれるのか(払ってくれないのか)を知り、それに応じてマーケティング費用をコントロールする必要があります。
3. ネガティブオプション
これはキャンセルするまで自動継続という購読のことです。定期購読の雑誌、ニュースレター、サプリメントなどの一般消費財はほとんどがこのタイプに属します。ネガティブオプションの強烈なところは、なんといっても来月の売上が読めるという点です。商品力がある程度高ければ、お客様からすると、“キャンセルの連絡をする”よりも“継続する”方が楽な選択肢になります。やずやなどでは売上の半分くらいは定期コースだそうです。つまり、会社にきたら既に売上の半分は上がっているという状態です。経営者にとってこれほど安心できることはありません。
4. 分割支払い
これは高額商品であればあるほど有効なオファーです。最近は高額な教材やセミナーでも分割払いを用意しているケースがあるようです。
5. 初回割引
初めて取引をするお客様に初回割引を適用する方法です。美容室などでは良く見かけるオファーの仕方です。
6. 優待
特別なお客様層だけに優待オファーをする方法です。リピーター割引、お得意さま割引とも言えるでしょう。
7. 数量限定販売
よく見かける“何本限定“というものです。数量限定販売は、数を限定しなければもっと売れるかも知れないという気持ちとの戦いになることがほとんどです。(本当にその数しか無い場合は除いて)数を限定した方が希少感が出ますが、限定しなければもっと売れるかも知れないという話です。
8. 期間限定販売
数量限定と似ていますが、期間を区切る方法です。これらが有効なのは“人は手に入れたいという欲求よりも、手に入らなくなるかも知れないという恐れの方が強い”という人間の心理が理由です。
9. ワンタイムオファー
主にはインターネット上で行われるもので、限定価格や特典付きで購入できるページを一度しか表示させないテクニックです。実行するにはソフトウェアが必要ですが、アップセルやクロスセルなどをするには適した方法です。
10. 購入条件付き
これは商品やサービスにプレミア感を持たせるのに適した方法です。たとえば、30 歳以上の方限定、初級コースを受講された方限定、経営者限定などなど。キャッチコピーなどと同じで、対象を絞り込むことによって、条件に当てはまる人の興味をひくことが出来ます。
実際には上記の 10 個を上手く組み合わせて自分の商品のオファーを考えていくことになります。
断れないオファーを作る原則
上記のパターンをベースにして、どのようにして“断れない”オファーを作っていくかが次のテーマになります。
原則 1. 単品で売れるものを特典として付ける
商品の付加価値として付ける特典。多くの人が“○○円相当“としてプロモーションしていますが、読み手はその特典を本当に○○円相当だと感じているでしょうか ほとんどの場合、答えは NO です。特典は必ず、それ単体でもお金をもらって販売できるものでないといけません。ダイレクトレスポンスマーケティングには、“無料のものほど本気で売れ”という昔からの教えがあります。
特典の価値を示す例としては、伝説的コピーライター、テッドニコラス氏の話が有名です。彼はとある商品に特典を付けて売り出そうとし、そのレターを書くことにしました。彼が書いたレター、それはなんとヘッドラインから本文まで、ほとんどが商品そのものではなく、特典についての内容だったのです。
つまり通常の逆、特典をあたかも商品であるかのようにして売り、その特典として商品を付けたのです。
特典として付けるものには更に原則があります。
特典の原則 1.
実際に売っていたもの、または有料セミナーなどを収録した動画など、実際の価値を感じられるもの。
特典の原則 2.
ユニークさ。あなたの商品/ビジネスが唯一無二のものであるのと同様、特典も他では手に入らないものではければいけません。使いまわされているものを特典としてつけても価値はゼロです。
特典の原則 3.
商品の補完的な役割をなすもの。“この商品を手にした人が次に必要になるのは何か “これが補完的役割を満たす特典を考えるための質問です。
原則 2. 買い手が感じる価値が極めて高いこと。
買い手が感じる価値というのは、売り手がコスト計算をして叩き出した値段とは異なります。たとえば私は昔、数十万円する海外の教材を買いあさっていた時代がありました。数十万円と聞くと高いと思いますが、実はそれらの教材のほとんどは、一人当たりの参加費 100 万円以上の高額セミナーの内容を収録したものだったのです。実際にセミナーに参加しようと思ったら、100 万円+渡航費、ホテル代などを含めて150万円くらいかかります。それを数十万円で体験できるのであれば、安いと思いませんか。
原則 3. Reason Why
逆説的なことに、オファーを強めれば強めるほど、信憑性が下がってきます。そんないい話あるか、と思ってしまうからです。競合他社がひしめいている業界であればあるほど、読み手は大体の相場を理解しています。そこで通常ではありえないオファーをすると裏を勘ぐるのが人間です。
これを打ち破る方法は、いわゆる Reason Why?です。つまり、そのオファーの理由を述べること。ただしその理由は真実でなければいけません。あなたも近所にもいつも閉店セールをやっているお店があるかも知れませんが、このようなことを続けると狼少年になってしまいます。
原則 4. 全てのものを明確に述べること
前も書きましたが、日本人が文章で犯しがちな間違いは、あうんの呼吸を前提に文章を書いてしまうことです。中でもオファーの内容を疎かにしがちなケースは良くあります。これくらい書けばわかるだろうというのは、書き手のエゴです。
オファーの内容はそのままセールスレターに書く内容になりますので、一文一文が直感的にわかりやすく、漏れなく、かといってダラダラしていないことが条件になります。
- 具体的で直接的な表現であること。
- 読み手視点であること。
- ユニークさと希少性を伝えていること。
上記のようなことを考えながらオファーの内容をまとめていきます。
【セールスレターの準備③】ベネフィット(魅力)を全て洗い出せ
ベネフィットとは、オファーの魅力のことです(便益ともいう)。リサーチのところで、商品のベネフィットについては少しだけ触れましたが、より詳しくベネフィットをブレイクダウンしていきます。これを全てやろうとすると 1 週間くらいはかかるでしょう。それをやるだけの価値がある部分ですので、ぜひお試し下さい。自分も気が付かなかった商品の思わぬベネフィットが見つかるかも知れません。
なぜベネフィットに時間をかけるかというと、ベネフィットこそがセールスレターそのものだからです。ベネフィットこそがお客様が商品を買う理由です。他の何が良くても、ベネフィットの書き方を間違うと、商品は売れません。ベネフィットはヘッドラインのほか、ブレット、PS などセールスレターのあらゆる場所で使うベースになります。このベネフィットの書き方こそが売れないセールスレターと売れるセールスレターの分かれ目になります。
基本的なステップは、
- 商品の特徴を全て洗い出す
- 商品のベネフィットを全て洗い出す
です。
1. 商品の特徴をすべて洗い出す
商品の特徴は、それに何が含まれているか 何が書かれているか といったものです。物理商品であれば、軽い、重い、頑丈、やわらかい、素材が○○、などなどのことをいいます。
特徴を書き出すときには、商品だけではなく、“オファー全体の特徴”も書き出します。オファーとは、前回述べたとおり、“商品 + 特典 + 価格 + 提供方法”のことです。
2. 商品のベネフィットを洗い出す
次にベネフィットを書いてく作業に移ります。ベネフィットもは3 つの領域に分けることが出来ます。機能的ベネフィット、将来的ベネフィット、感情的ベネフィットの 3 つです。
機能的ベネフィット
機能的ベネフィットは、その商品の特徴が“買った人に何をしてくれるか “というものです。これは”購入者が○○出来るようになる“という言葉にするとわかりやすくなります。
ここで大切なのは、“本当のベネフィットと偽ベネフィット”を見分けることが出来るかどうかです。
本当のベネフィットは、“読み手がお金を払ってでも知りたいというもの”。偽ベネフィットは、“たしかに商品の特徴からベネフィットではあるが、読み手にとっては大した問題じゃないこと”です。
たとえば、“料理のレシピ”というオンラインコースを販売しているとします。そのうちの一つのベネフィットが、“血糖値のバランスを取ることが出来る”というものだったとします。
ここでの問題は、世の中のほとんどの人は、“普段から血糖値を気にしていない“ということです。このような場合には、さらに深いレベルのベネフィットに持っていく必要があります。つまり、So What?(だからどうした )と突っ込んでいきます。
一般的に血糖値が高いと、太りやすい、糖尿病になる、中性脂肪が増える、などと言われています。このような、より見込み客が感じている身近な問題解 にまで踏み込んでいくことが必要になってきます。だからこそリサーチの段階で見込み客のことを出来るだけ理解する必要があるということです。
先ほども書いたとおり、本当のベネフィットを考えるときの基準になる質問は、
“そのベネフィットだけにお客様がお金を払うかどうか ”
です。
将来的ベネフィット
将来的ベネフィットはその特徴が買い手の生活にどのような影響を与えるかを表すものです。その人の生活や人生にどのようなプラスの効果が表れるのかを表現します。先ほどの機能的ベネフィットを更に拡張させたものだと考えるとわかりやすいと思います。
感情的ベネフィット
感情的ベネフィットは、その商品特徴によって、
- どのようなネガティブな感情から解放されるか?
- どのようなポジティブな感情を得られるか
というものです。”楽しい“、”興奮“、”自信“、”悔しさ“、”怒り“、”残念“、こういった感情的な言葉で表現していきます。
この特徴とベネフィットをリストする作業はとても骨が折れます。しかし、これをやり終えて、ベネフィットのリストが完成するとセールスレターに圧倒的な説得力と魅力を付加できるにようになります。
【セールスレターを書く準備④】証拠を提示せよ
ベネフィットやオファーを強めれば強めるほど、証拠の提示が必要になってきます。つまり、”本当なの?”という読み手の疑問に答える必要があります。証拠の表現で一般的なのはお客様の 、推薦状、写真や動画などですが、そのほかにもレターの信頼度を高めるテクニックがあります。
信頼度のあるレターを書くという点に関しては、ダイレクトレスポンスマーケティングの古典的な教科書、”Reason Why Advertising”が有名です。この本は John.E.Kennedy が残したもので、セールスレターの定義で有名な“セールスマンシップ・イン・プリント“はこの本が原点になっています。
お客様と面と向かって話す営業マンは、その存在だけで信頼度があります。しかし、紙やインターネットでは売り手の顔が見えません。そこで必要になってくるのが、Reason Why?なのです。書くこと、提案すること、そしてなぜそれを信じるべきなのか 全てに対して理由付けを行うことによって、信頼度がアップするということです。
ここではレターの信頼度を高める 16 個のテクニックをご紹介していこうと思います。これらのテクニックはもちろん、それぞれが強力なテクニックですが、あわせて使うとより強力な武器になります。
1. 具体性
具体性とは、数字、場所などを表現する場合に関わってきます。Benjamin D.Suarez 氏の広告のヘッドライン「オハイオに住む男が実践する、21 年間にわたって実証されている、1 億円を超えるビジネスを作る方法。」にはオハイオという具体的な場所、21 年間という具体的な年数が表現されています。ヘッドラインに限らず、時間や金額、年齢などの数字、場所を出すときにはとにかく具体的に。自分のストーリーを入れるときにも、できるだけ具体的に書くことです。
2. 事例を使う
何かの事実や意見を述べたあとに、事例を入れるのは強力な説得方法になります。私のメルマガでは、何か私の意見なり主張を書く場合には、出来るだけ具体的な事例を入れるように努力をしています。
3. 顧客の将来像を具体的に描いてあげる
世の中のほとんどの人は、自分の将来を具体的には描いていません。せいぜい 1 週間後に迫った大事な仕事の心配をしているくらいなのです。ですので、あなたがお客様の代わりに具体的な未来を描いてあげます。
古いですが、以下は有名なCM”です。
パソコンを買ったおばあちゃんがどのようにそのパソコンを使うのかを具体的にイメージしてあげていることがわかるでしょう。
4. 商品を使っているところを見せる。
これはテレビ通販では必ず行われている説得力と信頼度を増すための方法です。また、アパレルショップに行くと必ずマネキン人形がおいてありますが、あれもそもそもは“その服を着ているところを見せる” ためです。
これは記憶術に関する本の広告文の一部です。商品を使っている場面を具体的に表現しています。
人は自分が思い描いたことしか行動に移しません。右手を上げるところを思い描かなければ右手を上げることは出来ません。今日、買い物に出かけようと思わなければ、出かけることが出来ません。それと同様に、自分がその商品をどのように使っているのかを思い描けなければ、購入するという行為に至らないのです。
5. パーソナリティを表現する
人が広告を信用しない理由。その一番は、相手の顔が見えないからでしょう。パーソナリティを表現するために最低限やらないといけないのは売り手情報の表示です。また、なぜ自分がその商品を売っているのかというストーリーも大切です。繰り返しストーリーを伝えていくと、お客様はその人を“モノ”としてではなく、“ヒト”として認識するようになります。
ほとんどの人は芸能人や有名人を呼び捨てにするでしょう。しかし芸能人や有名人だからといって呼び捨てにする理由があるかといえば、もちろんありません。これはヒトをモノとして扱っている証拠です。ところが何かのきっかけでテレビに出ている人と会って話をし、その人の人とナリがわかってくると“さん”付けで呼び始めます。この時点でモノからヒトとしての扱いに変わるのです。
その人の歴史や周りの環境など、その人に関する情報を知れば知るほど、人間はその人に対して親近感を覚え信頼を寄せるようになります。だから繰り返し繰り返しあなたのプロフィールやストーリーを見せる。これによって、お客様はあなたのことを画面の向こうの人(モノ)、ではなく身近にもいそうな人(ヒト)として感じてくれるようになります。
6. 科学的根拠
データ、統計といった類の数字を見せることです。サプリの販売などでは典型的に行われている方法ですが、もちろん他のビジネスでも使えます。
たとえば、
“新しく設立された企業の 95%は 5 年以内に姿を消すと言われていますが・・・”
というよりも
“2009 年度「中小企業白書」に掲載されている、3202 社を対象に行われた調査によると、2004 年に設立された企業のうち 95.2%は現在、倒産か休眠企業となっているそうですが・・・”
と書いたほうが信頼度が増すでしょう。
7. 有名人からの推薦
その業界で有名な人からの推薦もありですが、実はそうではなくも有効な場合があります。“芸能人行きつけの飲食店“。これだけでブランドになりますが、実際のところ、芸能人は別に料理のプロではないので、彼らが行き付けだからといってオイシイとは限りません。しかし、人は有名人に弱いもので、有名な人であれば、まったく関係のない業界でも有効に働いたりします。
8. 新聞や有名雑誌の言葉を引用する
自社商品に関連のある新聞記事の切抜きを持ち歩いて、いつでもお客様に見せられるようにしている営業マンは結構いますが、これはインターネット上の販売でも可能です。
9. ベネフィットを図解する
ベネフィットが生まれるメカニズムを図解する方法です。これは医薬品やサプリメントなどでよく利用されています。
10. 成功例
お客様の成功した事例を書く方法です。
11. メカニズムを解説する
その商品、そのサービスのメカニズムを解説する方法です。これは Reason Why?(なぜ効果があるのか )への大きな答えになります。
12. 強力な Reason Why?
ここでの Reason Why?には二つの意味があります。一つ目は、“なぜあなたの文章を読まなければいけないのか ”この強力な理由付けなくしては、全てのテクニックは無駄になります。なぜ読むのか これはリサーチの段階で見込み客に対する理解を深めておかなければいけません。
もうひとつは、“なぜ他の商品ではなく、あなたの商品なのか ”という理由付けです。これは一般に USP
(ユニークセリングプロポジション)と呼ばれているものです。この辺はあとから詳しくご紹介してきます。
13. 保証
保証については、後半にて詳しくご紹介したいと思いますが、ここでは大切な考え方をご紹介しておきます。
ビジネスには必ずお金の取引が発生します。お金が発生するということは、取引相手同士に“リスク“が発生するということになります。このとき問題は、ほとんどのビジネスの取引においては、”お金を払う側が一方的にリスクを負う“ということです。
お金を払ってみないとどのような使い心地かわからない、お金を払ってみないとサイズが合うかわからない、お金を払ってみないとおいしいかどうかわからない、さらには、お金を払ってみないと商品が届くかどうかわからないという場合もあります。
これは普通に考えると当たり前のビジネス取引のように思えます。
しかし、よくよく考えてみると、ビジネス上の取引はお互いがメリットを感じて行うわけですから、どちらがお金を払おうとも、片方だけがリスクを負うというのはおかしな話なのです。
お客様だけにリスクを背負わせてはいけない。保証の基本的な考え方です。
14. すべての主張にはロジックを組み込むこと
これは Reason Why?と似ている話です。A という主張をしたら、なぜ A なのか をことごとく説 していく方法です。
15. ティーアップ
普通の人を有名人、スゴイ人のように仕立て上げる方法。これはティーアップと呼んでいます。ゴルフのドライバーを打つとき、ティーを使いますが、それと同じ意味で、その人をスゴイ人かのように持ち上げるテクニックです。一歩間違うと詐欺になってしまうので気をつけてください。
もちろん、ウソを付くわけではなく、その人自身でも気付いていないような、その人のスゴイところを見つけてあげて、そこを強調します。
以前、知人が開催する右脳トレーニングセミナーのレターを書いたことがありました。その講師の方は、別に一般的に有名なわけではありません。しかし、その講師はこれまでに某大企業の研修を行ったり、東大に何人も導いたりしています。本人はあまりそういうことを言わないのですが、傍から見ている我々からすれば、とても素晴らしい実績をもたれているのです。その講師自体は有名じゃなくとも、彼が研修を行った企業はとても有名な企業です。その実績を強調してあげます。
16. お客様の声
お客様の声の使い方は、通販ビジネスがとても参考になります。中でも“通販生活“というカタログは秀逸なので、ぜひとっておくと良いでしょう。
以上、ご紹介した証拠の表現の中から、まだ使っていないものがないかどうか、使えるものがあるかどうかを検討してみてください。
【セールスレターを書く準備⑤】ビッグ・セリング・アイデア(USP)を明確にせよ
ビッグセリングアイデアとは、レターを統一する一つのアイデアのことです。一般にUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)ともいいます。商品のベネフィットを洗い出し、顧客のことを調べ、競合を調べということをしてきましたが、それらのブレインステーミングを踏まえた上で、“レターの一貫したメッセージ“を作り出します。
ビッグセリングアイデアがあることによって、あっちいったりこっちいったり脱線する文章ではなく、あなたが伝えたいメッセージを一貫して伝えることが出来ます。成功しているレターにはひとつのブレイクスルーアイデアが必ず入っています。そのアイデアを意図的に生み出すための方法がこれからご紹介するものです。
ビッグセリングアイデアの例
例を挙げてみましょう。
これは伝説のコピーライター、ジーン・シュワルツ氏が書いたものです。
ヘッドライン:あなたの顔の全ての細胞は時計を持っている。そしてその時計を逆回しする方法がここにあります。
リードコピー:皮膚の専門医が らかにする、科学的な方法で皮膚の時計を止め、20 歳若返って見える方法。使うのは水と石鹸、塩だけで特別な薬品は要りません。
“細胞にはそれぞれ時計がある”という表現がここでのビッグセリングアイデアです。
もう一つ。
ヘッドライン:女性の青春は 55 歳から始まる。
リードコピー:実は女性の中年期は 70 歳代になってからで、90 歳になるまで男性を惹き付ける魅力を失うことはありません。もし 99%のアメリカ人女性が見逃している 4 つの若さの源に気が付けば。
ここではヘッドラインの“女性の青春は 55 歳から始まる。”という表現がビッグセリングアイデアになっています。
ビッグセリングアイデアの条件
ビッグセリングアイデアの条件は以下の通りです。
条件 1. ありきたりではないこと。
ビッグセリングアイデアはそのままヘッドラインに使えます。ヘッドラインの役割は、読み手の注意を引く、ということです。だからビッグセリングアイデアも見た人が注意を引くようなものである必要があります。そして注意を引くために最も良い方法は、予想外のことを提示するということです。
先ほどの例で、女性の青春は 55 歳から始まる。というのがありました。普通、青春は 10 代 20 代だと思っていますから、これは読み手にとって予想外なメッセージになります。
条件 2.信じられること
条件 1.を満たすアイデアを生み出し使うときに同時に実現すべきなのは、信頼度を上げることです。ご紹介したジーン・シュワルツ氏の皮膚の時計の例では、“皮膚の専門医が明らかにする”というフレーズを入れて、ありきたりじゃないアイデアに信憑性を入れています。
条件 3. 読み手が自分にとって関係のあることだと思えること。
これは当たり前のことですが、ありきたりじゃないアイデアを生み出そうとするばかり、“だからどうした ” という結末になってしまうアイデアもあります。
以上の条件を元にして、あなたの商品のビッグセリングアイデアを言葉にします。最初に述べたとおり、ビッグセリングアイデアは、あなたのセールスレター全体を統一するメッセージです。ですので、文中なんどもそのアイデアを表す言葉を繰り返すことになります。
ビッグセリングアイデアを生み出すための質問
ビッグセリングアイデアを生み出すには以下の質問を考えて、ブレインストーミングしてみると良いでしょう。
- いま同業種の他社が発しているメッセージはどんなもので、どんな考え方が市場を支配しているか?(自分が対象としている市場では、何が常識とされているのか)
- 競合が発しているメッセージと逆を行くには?
- 商品をリサーチする段階で発見した、これまで知らなかった事実とは?
【セールスレターを書くステップ⑥】ヘッドラインを書く(テンプレート有)
ここから、セールスレターの構成に入っていきます。最初にセールスレターの山場、ヘッドラインです。これまでのベネフィット調査、ビッグセリングアイデアの検討でどのようなヘッドラインを使うか なんとなくのイメージは付いてきていると思います。場合によってはビッグセリングアイデアがそのままヘッドラインになるかもしれません。ここではそのイメージを具体的に言葉にする作業を行っていきます。
ヘッドラインのテンプレートとして使える事例
ヘッドラインを言葉にするためには、既にあるパターンを知ることが一番だと思います。以下にヘッドラインテンプレートをご紹介します。
- 人に好かれる秘密
- 農家に年 30 万円も損をさせた小さな間違い
- 無駄遣いばっかりしている夫を持つ奥さんへのアドバイス
- どのようにして普通の女性が美しくなったのか
- 友人を作り、人に影響を与える方法
- 最後の 2 時間が最も長い。しかしその 2 時間を省くことが出来ます。
- 女優のような体型を手に入れたい人はいませんか
- 英語でこんな間違いをしていませんか
- なぜおなかの中で膨れる食べ物があるのか
- もしこの簡単な手順に従ってもらえれば、お金で悩んでいる人を笑い飛ばせるでしょう。
- なぜ彼らは市場でいつもお金を稼ぎ続けることが出来るのか
- 5 つの肌トラブル。あなたはどれを治したいですか
- 5 ドルから15 ドルで売られているこれらのベストセラーのうち、どれが欲しいですか 一冊わずか 1 ドルで。
- 1 日 3 食きっちり楽しみながら、ダイエットに成功した女性の話を聞いたことがありますか
- 一夜にして記憶力を改善した方法
- 医者が 3 分の 2 の女性は 14 日以内にもっと美しい肌になることを証明します。
- バカみたいなアイデアでいかにして資産を築いたか
- 何千人もの人がこのお金に代えられない宝物を持っている。しかし、 決してそれを見つけることがなかった。
- 子供が言うことを聞かないのは誰のせい?
- この料理本には男の心をつかむ 161 の方法が書かれています。
- あなたの農場に潜んでいる利益
- 投資家には 6 つのタイプがあります。あなたはどのタイプ
- どのようにしてシミを取り除くか この簡単な指示に従ってください。
- 帽子を買う程度の値段で、今日、あなたの土地の価値を 10 万ドル上げましょう。
- 私たちが胃に対して行っている犯罪
- 私がピアノの前に座ったときみんなは笑った。しかし私が弾き始めると・・・・
- オールを捨ててしまおう!
- 小さな土地で奇跡を起こす方法
- 半分の時間で作れる胃にもたれないケーキが欲しい人は他にいませんか
- 貧乏人を貧乏なままにしている小さな漏れ
- 301 本の釘に刺されても空圧を保った。
- 腰を痛める庭仕事は止めましょう。うちの庭はいまでは近所の観光地です。
- 従業員間の緊張感があなたの会社にいくらの損失を与えているか
- いつか会社を辞めたいと思っている人たちへ
- あなたにぴったりの家を設計する方法
- まだデスクは買わないで下さい。この画期的なビジネスショーに来るまでは。
- 良い農法と悪い農法。利益を上げるちょっとしたヒント。
- 新しいケーキの素を使えば、周りから賞賛を集めることでしょう。
- 自分には出来ないと思っていた人たちが今では立派に弾いています。
- キッチンの悪臭を素早く消し去り、田舎のような新鮮な空気にします。
- この一分間テストをしてみてください。驚きのシェービングクリーム
- 遂に登場!学ぶのを楽しくする新しい百科辞典
- 中古車一台でどこに行くことができるか
- あなたが求めている体をチェックしましょう。
- 風邪を治す簡単な方法シンプルでストレートな表現。
- このようなことがあなたの結婚式で起こったら
- このような仮定形のフレーズは、内容を読み手が自分事として捉えるようにするためのテクニックです。
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- 究極の節税策
- この絵のどこが間違っているでしょうか
- 私が一夜にして有名人になった方法
- コンサルタントとして成功する方法
- 難しい方法でレターを書くのは止めましょう
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- ベネフィットと保証を一緒にしたヘッドラインです。
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【セールスレターを書くステップ⑦】リードコピーを書く
リードコピーとは、本文の書き出しのことです。レターを書こうと思うと、多くの人が悩むのがこの書き出しでしょう。私自身もレターを書く順序は、ヘッドライン→ブレット→保証や商品内容など→書き出しというケースになることが多く、いつもどんな書き出しにしようかと悩むことが多いです。
そこでここでは、書き出しのテンプレートをご紹介していきます。
行動の促進
商品やサービスが緊急性を要するものである場合、よく利用されるのが行動の促進です。
いますぐ手を打たなければ、あなたの所有している株や投資信託は今後数ヶ月の間に急速に下がり始めるでしょう。1929年10月29日に平均株価は20%下がりました。これによって投資家たちは200億円もの資産を失ったのです。しかしそれだけではありませんでした・・・
引用
権威ある人の言葉を引用する方法です。
“○○○○“と言ったのは■■ですが、・・・
■■曰く、“○○○○”・・・
というパターンです。これは色々な商品やサービスで使える便利なスタート方法といえます。
コンスピラシー
コンスピラシーとは陰謀という意味です。一般の人が知らない重要な情報を書き出しにする方法です。
ごく最近、3つのクスリがFDA(Food & Drug Administration)によって禁止されました。そしてそれらを作った科学者は経済的に困難な状況に陥りました。
なぜでしょうかそれらのクスリや良くない副作用があったのでしょうかなぜ公的機関が、必要としている人がいるクスリを禁止してしまったのか
実はそれらのクスリはとても効き目がありすぎたのです。
逆張り
一般的な常識とは正反対の主張から始める方法です。商品が業界の常識を打ち破るものである場合、特に有効に働きます。
健康に関する研究はとても早く進んでいます。これまで信じられてきた多くの理論はもう覆されているのです。ホルモンセラピーはかつて良いとされていましたが、いまや悪いものになっています。卵は悪いものとされていましたが、いまは問題ないとされています。
目的をストレートに
そのレターを書いている目的をストレートに伝える書き出しです。
私がこの手紙を書いている目的は、あなたに仕事をご提供することです。一生の続けないといけない仕事ではありません。あなたが望むだけ働くことが出来ます。
ダラービル
ダラービルとは、ゲイリー・ハルベスト氏が発案した方法です。レターのトップにホンモノの一ドル札を付けて送付します。これによって読み手の注意を引き、次のように続けます。
ご覧のとおり、この手紙には 1 ドル札が付いています。私がなぜこのようなことをしたのかそれには二つの理由があります。
一つ目は私がこれからお伝えすることはあなたにとってとても重要なことであり、どうにかしてあなたの注意を引き、読んで欲しかったからです。
二つ目は、これからあなたに○○する方法をお伝えしようと思っているからです。それには1 ドル札というお金を付けることがピッタリだと思ったからです。
ベネフィットの提示
商品のベネフィットをストレートに伝える方法です。
権威の強調
もしあなたが誰か専門家と組んでビジネスをしているのであれば、この方法は有効に働きます。その専門家の人を最大限持ち上げる方法です。
共感
読み手の環境に共感することから始める書き出しです。
あなたがこれまで○○するのに苦労してきたことは知っています。
あなたがこれまで○○を試してきたことは知っています。
IF 文
これはジョン・カールトン氏が使い始めたことによって一気に広がった書き出しです。日本でも良く見かけると思います。
もしあなたが○○したいと思っているならば、私がこれからお伝えする内容はあなたがこれまでに見た中で最も重要なものになるでしょう。
ブレット
いきなりブレットから書き始める方法です。読み手の属性が 確で、ニーズに答えられる商品であることが明らかな場合に有効です。
目新しさ
テーマで目新しさを使うのであれば、書き出しもこのパターンで始めるのが良いでしょう。
史上初めて、ロシアの研究者が、手術無し、数ヶ月で視力を回復する方法を見つけ出しました。これまでの調査によると成功率は90%で、副作用もありません。
Reason Why
ヘッドラインで主張したことの理由を述べるパターンです。
ヘッドライン:好きなだけ食べて 10 日で 3 キロ痩せる
書き出し:なぜ好きなだけ食べて 10 日で 3 キロも痩せることができるのでしょうか。それは・・・
自己紹介
自己紹介から始める方法です。このパターンの良いところは、相手に余計な煽りやプレッシャーを与えることがないという点です。書き手としてもどこでも使えるので便利な書き出しの一つでしょう。
ストーリー
有名なのはウォールストリートジャーナルのダイレクトメールです。この文章は 1974 年にオリジナルが作成され、それ以降 18 年間に渡って利用されたといわれています。
「25年前の暖かい春の日、2人の若者が同じ大学を卒業しました。この2人の若者には多くの共通点がありました。彼らは、他の普通の学生よりも優秀でしたし、整った容姿を持ち、若き大学生として、彼らは2人そろって、将来に対し、大きな夢を描いていました。
最近になって、この2人が、25年ぶりの同窓会の為に、大学にやってきました。現在でも、この2人には多くの共通点がありました。彼らは共に、幸せな結婚生活を送っていますし、また彼らには、3人の子供がいます。そして、なんと、彼らは中西部にある同じ製造会社に就職し、現在もそこで働いています。
しかし、ある違いがありました。彼らの片方は、小さな部署のマネージャーであるのに対し、もう1人は、なんと会社の社長でした。
さて、彼らの違いをもたらしたのは何だったのでしょうか?」
証拠
専門の研究結果などを使える場合には、強い証拠付けになります。これはその証拠の提示から始める方法です。
研究と実験の結果、大豆から摂れるあまり知られていない栄養素には、脳の活性化を手伝い、記憶力増強などに効果があることがわかりました。この栄養素はフォスファチジルセリンといい、以下のようなことが証 されています。
イマジネーション
商品を購入した人がどのような体験をするのかを描写する方法です。
想像してみてください。あなたが舞台の上で話を終えたとき、1000 人もの観衆が一斉にあなたに向かってスタンディングオベーションをしている場面を。
否定
これまでの常識を否定していく方法です。
つらい運動必要ありません。食事制限してはいけません。
あなたがするのは、たった○○○だけです。
インサイダー情報
他の人が知らないインサイダー情報を紹介するという書き出しです。あなたが専門的な知識を持っている、または誰か専門家と一緒にビジネスをしている場合に有効です。
私がこれからご紹介する情報は、これまで金融の専門家たちが職を失うのを恐れて公開しなかった情報です。
新しい知識
○○のことは忘れてください。新しい○○は・・・・と続ける方法です。
【セールスレターを書くステップ⑧】本文を書く
本文はヘッドライン、リードコピーに続いて書かれるボディコピーともいわれる部分です。本文の書き方は、PASONA の法則に代表されるようにいくつかパターンがあるのはご存知かもしれませんが、多くの人がいまだに本文の書き方で迷っています。何を書いていいのか良くわからないまま書き続け、ただ単に長いだけの文章になってしまう、いつも煽るだけのワンパターンな文章になる、などなど。
しかし既にヘッドラインやレター全体のビッグセリングアイデアが決まっていれば、本文は書くのが簡単な部類に入るはずです。
本文はロジック作りが大切
人は感情でモノを買うといわれていますが、それは言葉使いや表現方法の問題です。レター全体が単なる感情論で成り立っていては、単なる自己中心的な自慢文、感想文、日記同然になってしまいます。“凄いんです!”の連発ではあまりにも幼稚なレターになってしまいます。
人は感情でモノを買うと同時に、理論でその感情を正当化しようとします。だから本文には欲しいと思った感情を正当化させるだけのロジックが必要になってくるのです。
ロジックというと難しいように聞こえますが、本文を書く際に何を考えるべきかは一言で表せます。
それは、“購入してもらうには、何を信じてもらう必要があるのか ”ということです。
あなたはその商品が本当に良いものだと信じているわけですから、お客様があなたと同じように考えてくれ、同じようなことを信じてもらえれば、間違いなく買ってくれるのです。
ロジックを組み立てて本文を書く方法は以下のとおりです。
1. “購入してもらうには、何を信じてもらう必要があるのか ”を考える。
最初に目的から考えます。文章を書くにあたって、もっともマズイのは、落とし所がないことです。読み手にどんなことを知って欲しくて書いているのか、自分でもわかっていない状態です。どこに向かって文章を書いているのかがわからないと、書き始めたはいいものの、あっちこっちに話題が飛び、いたずらに長い文章になるだけです。
2. それを信じてもらうために必要な事柄をリストアップしていく。
実験データが必要なのか、自分の実績が必要なのか。結論に落とし込むために必要な事柄を洗い出していきます。
3. それらの事柄を順序立てる。
たとえば、面と向かって相手と話す場合、どのような順序で伝えれば、相手が一番すんなりと受け入れてくれるかを考えて見ます。それをそのままレターを書く順序にしていくだけです。本文を自分のストーリーから始める人は多い(私もです)ですが、それは相手と面と向かって話したときも同じです。自分の体験談から話始めるのが相手にとってもすんなりと聞き入れやすいのです。
この 3 ステップを考えると、ボディコピーのアウトライン、すなわち段落が出来上がります。あとはそれぞれの段落を詳細に書いていけばよいということになります。
小学生でも理解できるロジックを組み立てることが出来れば、あなたも自信を持ってレターを書くことが出来るはずです。
【セールスレターを書くステップ⑨】ブレットの書き方をマスターする
ブレットとはその商品やサービスを利用することによって得られるベネフィットを羅列したものです。以下の図は私どもが販売している家族経営向け教材のLPに書いてあるブレットです。
ブレットはセールスレターの中でも重要度が高いです。ブレットこそがお客様が得られるものであり、同時に買う理由でもあるのです。有名コピーライターのジョン・カールトン氏は次のように語っています。
“ブレットは一つ一つ読み手の心に残るように作ること。たとえば、夜、お客様がセールスレターを読んでいて、商品をオーダーせずにベッドに入ったが、レターにあった一つのブレットが気になってなかなか眠れない。結局もう一度ベッドから起き上がってレターを再読し、オーダーしてしまった。これくらいのインパクトを与えるように。”
ブレットを考えていくと、それ自体がレターのヘッドラインを考えることにもつながるということに気が付くでしょう。コピーライターの中には、ブレットをたくさん考えて、その中からヘッドラインに使えるものを選ぶという人もいるそうです。ヘッドラインにも使えるブレットがたくさんあれば、当然ながらレターの魅力も上がります。これまでのリサーチやベネフィットを洗い出す作業を踏まえて、出来るだけたくさんのブレットを書き出していきます。
ブレットのテンプレート
ここではブレットを書くときのテンプレートをご紹介していきます。
- ~の方法、どのようにして~
- ~の秘密
- なぜ~、~の理由
- ~の事。
- ~してはいけないこと。
- そして・・・
- 数字(〇〇の3つ方法等)
- 〇〇の間違い
- ○○ですか?
- 名付け(あるテクニックにオリジナルの名前をつける。例:“渡り鳥理論“。すべてに適用できる最小限の努力で悠々自適に仕事を行うための法則)
- “警告!・・・”、“注意!・・・”
- 事実+疑問形
- 直接的なベネフィット
- 質問(例:空き巣の 4 分の 1 は鍵を壊すことなく家に入り込むことをご存知ですか?これが彼らの手口です)
- もし・・・ならば・・・
- 最も・・・
- ○○の真実
- ○○よりも良い・・・
- たった一つの・・・、唯一の・・・
ブレットのテンプレートをさらに強力にする
これらを踏まえて、3 つの方法でさらに強力なブレットにしていきます。
組み合わせ
上記の例をご覧頂くとわかるとおり、複数のパターンが組み合わさっているケースがほとんどだと思います。パターンを組み合わせることによって、さらに魅力的なブレットになっていきます。
具体化
“今年、投資で利益を上げる方法“
これもブレットといえばブレットですが、以下のように書くほうが具体性が出て、読み手の興味を誘います。
“今年、金への投資で 307%の利益を上げる方法”
ここで使ったのは、307%という“数字“を具体化することがひとつ。もうひとつは、金への投資という”手段“を具体化することです。
さらに一歩進めると、
“ウォーレン・バフェットが”X ファクター”と呼ぶひとつの手法によって、60 日以内に 307%の利益を上げる方法“
というようになります。
ここで使ったのはブレットの形式のひとつ、“名付け”です。
このようにして同じことを意味するブレットであっても、具体化や複数の形式を組み合わせることによって内容に真実味や信頼性が生まれ、さらなる興味を引き立てることが出来ます。
一貫性
リサーチのところで見込み客が抱える問題点や商品のベネフィットを洗い出しましたが、ブレットも書き出した後、それらは本当に読み手が興味あることなのか?お金を出して購入する理由になる得るのかどうかを再考してみましょう。
(参考)テッドニコラスのブレットシステム
続けて、クライアントの商品を 3000 億円以上売ったとされるテッドニコラス氏(現在はスイスでセミリタイア生活)のニュースレター「サクセスマージン」から、彼が実践するブレットの書き方をご紹介いたします。こちらもぜひ参考になさってください。
- 商品を調べる。読み手が商品からどのような利益を得るのかを考え抜く。次にポストイットを取り出し、一枚に一つずつブレットを書き出していく。(手書きで行うことによって、創造力が刺激されるそうです。)
- 自分が必要としている 3倍以上のブレットを書き出すこと。そしてその中からベストなものを抜き出していく。150 個のブレットを書いたら、その中から 50 個選ぶという感じです。
- So What?(だからどうした )の質問に答えられる文章であること。テッドニコラス氏の最初のベストセラー書のタイトルは、“弁護士無し、75 ドル以下で会社を作る方法”ですが、“弁護士無し、75 ドル以下で” という部分がなければ、ありきたりなタイトルになってしまうということです。逆にこの部分があることによって、この本は 200 万部も売れました。
- もっとも強力なブレットを一番上に持ってくること。こうしないと、それを見てもらう前に読み手はページを閉じてしまうかも知れません。
- E ブックや書籍を販売する場合には、ブレットの後にそれが書かれているページ数を入れること。そうすることによって、さら好奇心を掻き立てることが出来ます。
- ブレットの始まりは、黒い丸にすること。テッドが様々なパターンを試した結果、シンプルな黒丸がもっとも高い反応率を示したそうです。
- フォントはシンプルにすること。これは単に読みやすいということが理由。
【セールスレターを書くステップ⑩】保証を提示する
保証の目的はズバリ、
です。
保証というと全額返金保証を思い浮かべると思いますが、上記の保証の目的からすると、それだけでは十分ではないことがありえます。つまりお金を返すという約束だけでは、読み手が感じるリスクを全て取り除くことが出来ないということです。
返金保証だけでは十分ではない
最近ですと様々な商品で無料お試しや全額返金保証が一般的になってきています。もしお金を失うことだけがお客様が感じるリスクなのであれば、なぜ全ての人がその商品を購入しないのでしょうか?
たとえば、あるリフォーム業では、元々返金保証をつけていました。しかし、お客様が感じるリスクはお金の問題だけでないことに気が付き、さらなる保証をつけたのです。
それが、“満足しなかったら元に戻します“という保証です。その会社はリフォームをしようと思っている人にとってのリスクは、お金だけではなく、”前より悪くなったらどうしよう “ということだと気が付きました。リフォームをして前より悪くなってしまった場合、元通りに戻したいと思います。すると結局倍のお金がかかってしまうのです。
これは一例ですが、読み手の行動を妨げているのは、必ずしもお金の問題ではないということです。
ですので保証を考えるときには、“お客様の行動を妨げている要因は何か?”を洗い出すことが大切です。
たとえば、
・無料お試し期間だけ使ってみる予定だけれども、キャンセルするのを忘れてしまうかもしれない
・キャンセルの方法がわからない
・キャンセルするのに手間がかかったり、厳しい条件があるのでは
・自分が使えるかどうかわからない
・別のところでもっと安く手に入るかも
などなど。これらを消し込んでいくことが保証の部分で行うべきことです。
効果的な保証の要素
次に、保証を表現するために必要な要素をご紹介していきます。
妥当性のある保証期間
保証期間は一般的な事実は以下のとおりです。
- 長ければ長いほどコンバージョンが上がります。
- 長い保証期間を設けたときの返金率は、短い保証期間のときよりも低くなります。保証期間が短ければ、お客様は手に届いた瞬間から、これは価格に妥当性があるのかどうなのかを判断しようとするからです。
つまり、長いほうが良いということですが、これも業界や場合によって考えないといけません。保証はたしかにコンバージョンを上げる大きなポイントですが、同時に自分のビジネスが立ち行かなくなる可能性も秘めています。長すぎる保証は、ある業界によっては経済的ダメージに繋がります。なぜならばこちらも忘れたころに返金要求が来るからです。利益を使ってしまっていたり、再投資に回していたりして、手元のキャッシュが少なければ致命的です。
これらを考慮した上で、競合他社よりも長い保証期間で試してみるというのが妥当な保証期間を決める方法です。
保証が適用される条件を明記する
返金保証と書いてあっても、それを信用しない人がいます。返金条件が厳しいのでは?どこかに小さい字で注意書きがあるのでは ?などと勘ぐりはじめます。ですので返金に関する条件を 記しておくことが必要です。もちろん、もっとも良いのは条件無し返金です。
返金/キャンセルする方法を明記する
返金保証と書いてあっても行動を起こさない大きな理由のひとつは、“返金要求するときに相手と話さなくてはいけない”ということでしょう。相手と話したときに返金理由を言わないといけないのは嫌だ、と思っているかもしれません。ですので、速やかに返金要求できるようにその手順も記しておくことが必要になってきます。
名前をつける
保証に名前をつけてオリジナリティを出します。名前をつけることには二つの意味があります。
- あなたが保証のことを本気で考えているんだということが伝わる。保証にわざわざ名前をつけるわけですから、この人は本気で保証することを考えているんだなということが相手に伝わります。信頼感が上がるのです。
- 保証自体がブランドになる。ブランドの定義のひとつは、絶対的な価値の保証です。かつてのドミノピザであれば 30 分以内にお届け、FEDEX であればどこでも翌日お届けという保証自体が価値であり、ブランドになっています。保証に名前をつけることによって、それ自体がブランドになりえるというわけです。
繰り返しますが、まずはお客様の行動を妨げている要因をすべて書き出すこと。そしてその要因を取り除くにはどのような保証をどのような文章で書けば良いのかを上記を参考にして考えてみてください。
【セールスレターを書くステップ⑪】堂々とクロージングせよ
セールスレターの目的は、読み手に行動を起こさせること”です。その役割を担うのがクロージングです。
クロージングは多くの人が苦手とする部分でしょう。なぜならば、ほとんどの人は人生においてクロージングをしたことがないからです。日々営業活動をしている営業マンであっても、クロージングが出来ない人はザラにいます。
断られるのが怖い、何を言えばいいのかわからない、こういったことが理由でクロージングが出来ないのです。日常生活でクロージングをしたことがなければ、レターでもどのようにクロージングすれば良いのかわかりません。そこで最初にこういったクロージングに対する心理的な壁を乗り越えるコンセプトをご紹介したいと思います。
人が決断できない理由「バンジージャンプ症候群」
それは、“バンジージャンプ症候群”というものです。
人が何かを決断する際には、“理解、理由、可能”の三つが必要です。
1.理解
理解とは決断対象に関する理解です。商品を買うのであれば、その商品に関する知識ということになります。これはセールスレター上で十分に説明してあると思います。
2.理由
理由とは、その商品を買う理由です。これも、セールスレター上で十分に伝えてあります。
3.可能
商品を理解し、買う理由もあるとわかると、人はそれが自分に買えるのか?買ったとして使いこなせるのか?ということを考え出します。
理解、理由、可能、この 3 つが明らかになれば人は商品を購入します。しかし、実はこの段階においても、まだ悩んでいる人がいます。理論的にはすべての要素が整っていても、行動できずに悩むわけです。
この状態のことをバンジージャンプ症候群と言っています。
バンジージャンプの飛び降り台に上ると、人は 3 つの種類に分かれるといわれています。
2 割の人は、上った瞬間に勢い良く飛び降ります。2 割の人は、上って下を見た瞬間にダメだと諦めます。そして残りの 6 割の人は、飛び降り台で飛ぼうか飛ぶまいか悩むのです。
せっかくここまで来たから飛びたい、そしてロープは頑丈で切れないこともわかっている、これまでに一回も事故が無いこともわかっている、だけど不安で自分の力では踏み出せないのです。こうなってくると、もはや理屈ではなくなってきます。何を言っても頭に入りません。
もし友達とバンジージャンプに行き、友達が上記のように悩んでいたらどうするでしょうか
“やっぱり止めても良いんだよ”とやさしく をかけるでしょうか?
実はここで行うべきことは、飛び降り台で悩んでいる友達を思いっきり押してあげることなのです。
なぜか?
友達はバンジージャンプをしたくてここまで上がってきたからです。ここで飛ばないと、後悔することになるのです。だから思いっきり押してあげるのです。
一番良くないのは、軽くポンっと背中を押すことです。これは余計な恐怖心を煽ります。
決断したいけど自分では 決断できない人を思いっきり押してあげることは、最終的にはその人のためになります。
思い切って背中を押してあげる
セールスレターを最後まで読んだ人は、それなりに興味もあって、あなたから商品を買いたいと思っています。だからその人を思いっきり押して決断をさせてあげるのが正しい道です。最高のクロージングとは、お客様から有難うと言われるクロージングなのです。
最初のメンタリティのところでジェイエイブラハム氏の言葉をご紹介しました。
人は次の投資に関する 決断、ビジネスに関する決断、あるいは人生の大きな決断をどのようにしたらよいか模索している。次の決断をよりよいものにするためにはどうしたらよいか考えている。今日、彼らの問題を解決してあげなさい。
この役割を担うのがクロージングです。
注文しないほうがバカらしいと思わせる
マーケター必携の「影響力の武器」という本を書いたロバート・チャルディーニ氏によると、人間の心理のひとつに“一貫性”があります。自分がいままでにとった行動に反する行為はしたくないという心理です。
会議などで A さんと B さんが言い合いになったとします。そしていろいろと議論をした結果、A さんの意見が傍から見ても合理的だということがわかってきたとします。ところが B さんだけは頑なに自分の意見を曲げない、というケースが多々あります。B さんは実は心の奥底では A さんの意見が正しいと理解しているのです。ただ、自分がこれまで A さんに反対してきたという事実があるために、その一貫性が保てなくなってしまうのを恐れているのです。だから周りがいくら B さんに合理的な説得を試みても
B さんはかえって反発するというわけです。
これはクロージングの際にも同じく働く原理です。
お客様がレターを最後まで読んだということは、書いてある内容にある程度は同意し、興味を持っているということになります。つまり、既に欲しいと思っているという状態です。先にも言ったとおり、バンジージャンプ症候群の状態なのです。一貫性の法則のとおり、欲しいという感情を貫くか、またはそれに背くかという瀬戸際にあります。
ですので、クロージングでの我々の役割は、もう一度これまでお客様が同意してきたこと、興味を持って読んできたことを再確認させて、“一貫性を持った行動を取ってもらう”ということです。
お客様は買おうか買うまいか悩んでいます。その最後の段階でこれまでのレターと一貫性のあるクロージングを用意することによって、“ここで注文しなかったらバカだ“と思わせることができるのです。
クロージングのテンプレート
クロージングにもある程度のテンプレートがありますので、ご紹介していきます。
主となるベネフィットを再述する
これは典型的なクロージングパターンですが、間違った使い方をすると無難すぎるクロージングになってしまいます。もっとも効果的な書き方は、“・・・が出来ます”、“得るものは・・・”というように、”読み手”を主語にして読み手が得るものを端的に述べていく方法です。
保証を再述
レターの最後で保証を再述することは、商品に自信があるということを示す大きなアピールになります。
繰り返し
行動(オーダー)を促進する言葉の繰り返すこと。行動の呼びかけを繰り返すことによって効果が上がることが実証されています。
何をすべきかを明確に示す
オーダーするために何をすべきかを 確にすることです。特に返金保証を付けていたり、銀行振り込みに対応している場合には、その方法を具体的に書いてあげます。
お客様の声を使う
お客様の声の中から、商品の素晴らしさをもっとも的確に表している言葉をピックアップし、それを紹介する手法です。
デッドラインの明示
商品の供給に限りがあったり、制限期間がある場合にはそれを再述します。
ロジックの提示
レターの背景にある理論を再度まとめて伝えます。
ストレートな Reason Why?
読み手が得られるものを纏め上げて、行動する理由をストレートに述べる方法です。
パーソナリティ
これは専門的なサービスや商品を売っている場合に有効な方法です。プロフェッショナルサービスの場合、自分自身が商品ということになります。ですので、あなたと一緒にビジネスをする、あなたが持っている専門知識にどれだけの価値があるのか、あなたと一緒に何かの活動を行うことがどれだけのメリットがあるのか、そしてどれだけ楽しいことなのかを伝える方法です。
追加ボーナス
最後に追加ボーナスを紹介する方法です。
これらのいくつかの要素やパターンを組み合わせて使うことによって、より強力なクロージングになります。ヘッドラインと同様、クロージングもほとんどの人が見る部分ですので、手を抜かずに締めくくることが必要です。