ステップメールシナリオ

ステップメールで「自動的に売る」ためのシナリオ作成方法を解説。


清水直樹

「もっと効率よくお客さんを増やしたい」「営業に手が回らないけど、売上は上げたい」…多くの中小企業の社長さんが、日々こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

実は、私たち「仕組み経営」では、高額なコンサルティング契約やサービスのお申し込みの多くを、ある一つの方法だけでいただいています。それは、昔からあるマーケティング手法の一つ、「ステップメール」です。

「ステップメール? うちでもやってるけど、そんなに効果ないよ」

そう思った方もいるかもしれません。確かに、ステップメールを導入している会社は多いでしょう。しかし、その本当の力を引き出せている会社は、実は多くありません。

今日のこの記事では、なぜ多くのステップメールが期待した成果を出せないのか、そして、どうすれば読者の心に響き、高額な商品やサービスでさえも自然と「欲しい」と思ってもらえるようなステップメールを作れるのか、私たち「仕組み経営」が実践し、成果を上げている具体的なシナリオ設計や運用の秘訣を、出し惜しみなくお伝えします。

この記事を読み終える頃には、ステップメールに対するあなたの考え方が変わり、自社の売上を安定的に、そして自動的に生み出すための強力な武器を手に入れるための一歩を踏み出せるはずです。

目次

ステップメール、なぜ今こそ必要なのか? – よくある“勘違い”を正す

まず、ステップメールとは何か、その基本的な定義と目的を再確認しておきましょう。ステップメールとは、あらかじめ用意しておいた複数のメールを、設定したスケジュールに沿って、登録してくれた読者に対して順番に自動で配信する仕組みのことです。

ステップメール

新しい見込み客を獲得した時、資料請求があった時、セミナーに参加してくれた後など、様々なタイミングで活用できます。その目的は、見込み客との関係性を少しずつ深め、教育し、最終的には商品やサービスの購入、あるいはより深い関係性へと導くことです。

陥りがちなワナ:「お知らせの連続」になっていませんか?

しかし、多くの場合、このステップメールが単なる「お知らせの連続」になってしまっています。

  • 「新商品が出ました!」
  • 「今月のお得なキャンペーン情報です!」
  • 「お客様の声をご紹介します!」

もちろん、これらの情報も大切です。しかし、ステップメールの1通目から最終通まで、こうした「お知らせ」ばかりが続くと、読者はどう感じるでしょうか。

おそらく、「また宣伝か…」「自分にはあまり関係ないな」と感じ、次第にメールを開かなくなり、最終的には配信解除に至ってしまうでしょう。これは非常にもったいないことです。

売り込み感が強いメールは、読者の心を閉ざさせます。特に、まだあなたの会社や商品・サービスに強い興味を持っていない段階の読者にとっては、逆効果になりかねません。

ステップメールの本質:単なる情報伝達ではなく、「感情を動かす」コミュニケーション

では、成果の出るステップメールとは何でしょうか?

それは、単なる情報伝達のツールではなく、読者の「感情を動かす」コミュニケーション手段である、ということです。

読者が抱える悩みや願望に寄り添い、共感し、新しい気づきを与え、未来への希望を示し、そして行動を後押しする。この一連のプロセスを通じて、読者との間に信頼関係を築き上げていく。これが、ステップメールが本来持つべき役割なのです。

ステップメールで成果を出す秘密 – 設計思想の核心

私たち「仕組み経営」がステップメールで成果を出し続けているのは、この「感情を動かし、信頼関係を築く」という設計思想を何よりも大切にしているからです。

なお、実際にどのようなメールを送っているのかを知りたい方は、こちらをクリックして仕組み化ガイドブックをダウンロードしてみてください。

ステップメールは、商品を自動で売るための「自動販売機」ではありません。それは、見込み客一人ひとりと、まるで1対1で対話するように、じっくりと時間をかけて関係性を育んでいくための「対話の仕掛け」なのです。

重要なのは「何を伝えるか」よりも「どう変わってもらうか」

多くの場合、ステップメールを作るとき、「何を伝えようか」という情報の内容ばかりに目が行きがちです。しかし、本当に重要なのは、「その情報を受け取った読者に、どうなってほしいのか」「どんな気持ちの変化を体験してほしいのか」という、読者の変化をデザインすることです。

例えば、読者が最初は抱えていた不安がメールを読むごとに解消され、徐々に「自分にもできるかもしれない」という自信に変わり、最後には「このサービスを試してみたい」という具体的な行動へと繋がっていく。こうした心理的な変化の道のりを、ステップメール全体で丁寧に設計していくのです。

【実践編】高額商品も売れる!7日間ステップメールシナリオ完全解説

それでは、具体的にどのような流れでステップメールを組み立てていけば、読者の心に響き、行動を促すことができるのでしょうか。ここでは、私たち「仕組み経営」でも実際に活用している、7日間のシナリオ構成例をご紹介します。これはあくまで一例ですが、基本的な考え方はどんな業種・業界にも応用できるはずです。

この7日間で目指すのは、読者との間に少しずつ信頼の橋を架け、最終的には自然な形であなたの提案を受け入れてもらうことです。

シナリオ設計の全体像:7日間で信頼を築き、行動を促す流れ

  1. 1日目:出会いの仕掛け – なぜ、このメールをあなたに?
  2. 2日目:記憶のフック – 昨日の話、覚えていますか?
  3. 3日目:意識の変革 – その常識、本当に正しい? (最重要!)
  4. 4日目:心の壁の溶解 – 言葉にならない不安に寄り添う
  5. 5日目:未来への招待 – こんな未来、ワクワクしませんか?
  6. 6日目:価値の証明 – あなたの問題を解決する「中身」の話
  7. 7日目:行動への架け橋 – さあ、未来への扉を開きましょう

では、各日の目的、伝えるべき内容、そして読者に期待する心理変化について、詳しく見ていきましょう。


🌄 1日目:出会いの仕掛け – なぜ、このメールをあなたに?

目的

読者の警戒心を解き、このメールシリーズを読むことへの期待感を持ってもらう。



伝えること

  • まず、なぜこのメールを送っているのか、その目的を明確に伝えます。(例:「〇〇にご登録いただきありがとうございます。これから7日間にわたり、あなたのビジネスを次のステージへ進めるためのヒントをお届けします」)
  • 簡単な自己紹介と、あなたのビジネスへの想いや理念を語ります。ただし、長々と自分語りをするのは避けましょう。
  • これから数日間、どんなテーマのメールが届くのか、大まかな流れを予告します。(例:「明日からは、多くの経営者が陥りがちな〇〇という問題について、そしてその解決策について具体的にお伝えしていきます」)
  • 読者にとって、このメールを読むことでどんなメリットがあるのか(約束)を提示します。(例:「この7日間を終える頃には、あなたは〇〇という課題を解決するための具体的な第一歩を踏み出せるようになっているでしょう」)

読者の心理変化のイメージ

「なるほど、そういう目的のメールか」「ちょっと面白そうだな、読んでみようかな」

やってはいけないこと

いきなり商品やサービスを売り込むこと。専門用語を多用して読者を置き去りにすること。


🔗 2日目:記憶のフック – 昨日の話、覚えていますか?

目的

前日の内容を読者の記憶に定着させ、提供する情報が「自分に関係がある」と強く認識してもらう。

伝えること

  • 前日のメールの簡単な復習をします。(例:「昨日は、〇〇というお話をしましたね」)
  • そして、その内容がなぜ読者にとって重要なのか、もう一歩踏み込んで説明します。(例:「あの話は、実は多くの中小企業が成長の壁にぶつかる根本的な原因と関係があるのです」)
  • 読者自身の経験や状況に引きつけて、「あなたもこんなことで悩んでいませんか?」と問いかけ、共感のポイントを作ります。(例:「日々の業務に追われて、本当にやりたいことに時間を使えない…そんなジレンマを感じたことはありませんか?」)

読者の心理変化のイメージ

「そうそう、昨日そんな話だったな」「確かに、うちの会社にも当てはまるかも…」

やってはいけないこと

前日と全く同じ内容をコピペするだけ。一方的に情報を押し付ける。


💡 3日目:意識の変革 – その常識、本当に正しい? (最重要ポイント!)

この3日目が、ステップメール全体の効果を左右すると言っても過言ではない、非常に重要なポイントです。なぜなら、人が新しい行動を起こすためには、まず「考え方」そのものが変わる必要があるからです。

目的

読者が持っている固定観念や「当たり前」だと思っていることに揺さぶりをかけ、新しい視点や可能性に気づいてもらう。

伝えること

  • 業界の常識、従来のやり方、あるいは読者自身が無意識に持っているかもしれない「思い込み」に対して、優しく、しかし鋭く問いを投げかけます。(例:「社長が一番頑張らないと会社はダメになる、本当にそうでしょうか?」「社員は言われたことしかやらない、それは環境のせいかもしれませんよ?」)
  • もし、その「常識」に囚われたままだとしたら、どんな未来が待っているのか、少しだけ想像させます。(例:「いつまでも社長一人が馬車馬のように働き続ける…その先に、あなたの望む未来はありますか?」)
  • そして、新しい考え方ややり方を取り入れることで、どんな素晴らしい変化が起こり得るのか、その可能性を提示します。ここで、「仕組み経営」の考え方、例えば「普通の人が輝ける場所を作る」「人の力を引き出す仕組みで会社は成長する」といったエッセンスを自然に盛り込むのも効果的です。(例:「もし、あなたが現場にいなくても、社員が自ら考えて動き、成果を上げてくれる『仕組み』があったとしたら、あなたは何をしますか? 新しい事業ですか? それとも、家族と過ごす時間でしょうか?」)

読者の心理変化のイメージ

「え、そうなの?」「言われてみれば確かに…」「もしかしたら、今のやり方を変えた方がいいのかもしれない…」

やってはいけないこと

読者の現在のやり方を頭ごなしに否定する。上から目線で教えようとする。抽象的で具体性のない話に終始する。

この3日目で、読者の心の中に「?」という小さな疑問符が灯り、「今のままではいけないのかもしれない」「もっと良い方法があるのかもしれない」という“内発的な気づき”が生まれれば、4日目以降のメッセージが格段に響きやすくなります。


❤️ 4日目:心の壁の溶解 – 言葉にならない不安に寄り添う

目的

新しい可能性に気づき始めた読者が抱えるであろう、変化に対する潜在的な不安や疑問に共感し、安心感を与える。

伝えること

  • 読者が新しい一歩を踏み出そうとする時に感じるであろう不安やためらいを具体的に言葉にします。(例:「新しいことを始めるのは勇気がいりますよね。『本当に自分にできるだろうか』『失敗したらどうしよう』そんな不安を感じるのは当然です」)
  • そうした感情は決して特別なものではなく、誰もが感じることだと伝え、共感の姿勢を示します。(例:「実は、私たちのお客様の多くも、最初は同じような不安を抱えていらっしゃいました」)
  • その上で、その不安を乗り越えるための考え方や、具体的な支えがあることを示唆し、安心感を与えます。(例:「でも大丈夫です。一人で悩む必要はありません。私たちには、そんなあなたを支える〇〇という方法があります」)

読者の心理変化のイメージ

「そうそう、それが心配なんだよな…」「自分だけじゃないんだな」「少し安心したかも」

やってはいけないこと

不安を軽視したり、「気合で乗り越えろ」のような精神論で片付けたりする。根拠のない楽観論を振りまく。


✨ 5日目:未来への招待 – こんな未来、ワクワクしませんか?

目的

読者の心の中にある不安が和らいだところで、商品やサービスを通じて実現できる理想の未来を具体的に描き、変化への期待感を最大限に高める。

伝えること

  • もし、読者が抱える問題が解決され、あなたの提案する新しいやり方を取り入れたら、どんな素晴らしい日常やビジネスが待っているのか、五感に訴えかけるように生き生きと描写します。(例:「想像してみてください。毎朝、時間に追われることなく、本当に大切な仕事に集中できる毎日を。社員たちが活き活きと働き、お客様からの『ありがとう』が絶えないオフィスを」)
  • 読者が得られる具体的なメリット(ベネフィット)を、感情に訴えかける言葉で伝えます。単に「時間ができます」ではなく、「増えた時間で、あなたは長年の夢だった〇〇に挑戦できるかもしれません」といった具合です。
  • 読者が「そんな未来が手に入るなら、ぜひ実現したい!」と心からワクワクするようなストーリーを語ります。

読者の心理変化のイメージ

「そんな風になれたら最高だな!」「すごく魅力的だ…」「自分もそうなりたい!」

やってはいけないこと

実現不可能な夢物語を語る。誇大広告と受け取られるような表現を使う。


🎁 6日目:価値の証明 – あなたの問題を解決する「中身」の話

ここまでのステップで、読者の心は十分に温まり、あなたの提案を受け入れる準備が整ってきました。いよいよ、具体的な商品やサービスについて語る時です。

目的

あなたの提供する商品やサービスが、読者の抱える問題を具体的にどう解決し、どんな価値をもたらすのかを明確に理解してもらう。

伝えること

  • 改めて、読者が抱えているであろう問題点や課題を整理します。
  • そして、あなたの提供する商品やサービスが、その問題を解決するための具体的な「答え」であることを示します。単に機能やスペックを羅列するのではなく、それが読者のどんな「痛み」を取り除き、どんな「快楽」をもたらすのか、というベネフィットを強調します。(例:「私たちの『〇〇システム』は、単に業務を効率化するだけではありません。それは、社長であるあなたが本当にやるべき創造的な仕事に集中するための時間を生み出し、社員一人ひとりの隠れた才能を引き出すためのものです」)
  • 可能であれば、実際のお客様の声や導入事例を具体的に紹介します。ただし、事例を見せるだけでなく、それが読者自身の未来の姿とどう重なるのかを示すことが重要です。(例:「A社様も、以前はあなたと同じように〇〇という課題を抱えていましたが、このサービスを導入後、わずか3ヶ月で…」)

読者の心理変化のイメージ

「なるほど、そういう仕組みで解決できるのか」「これなら自分の問題も解決できそうだ」「実績もあるなら安心だ」

やってはいけないこと

専門用語を多用して説明が難解になる。自社の商品・サービスの自慢話に終始する。メリットではなく機能ばかりを語る。


🚀 7日目:行動への架け橋 – さあ、未来への扉を開きましょう

いよいよ最終日です。これまで積み重ねてきた信頼と期待を、具体的な行動へと繋げるための最後のひと押しをします。

目的

読者に具体的な次のステップ(問い合わせ、個別相談の申し込み、セミナー参加、商品購入など)を踏み出してもらう。

伝えること

  • これまでの7日間のメールの内容を簡単に振り返り、読者が得た気づきや変化を再確認します。
  • そして、「この素晴らしい未来を実現するために、次はこんな一歩を踏み出してみませんか?」と、明確な行動(CTA:Call to Action)を促します。
  • その行動を取ることのメリットを改めて伝え、今行動することの価値を強調します。(例:「この個別相談にお申し込みいただければ、あなたの会社の状況に合わせた具体的な〇〇について、さらに詳しくお話しできます」)
  • 必要であれば、限定性(例:「先着〇名様」)や特典(例:「今お申し込みの方には〇〇をプレゼント」)を提示して、行動を後押しします。ただし、過度な煽りは禁物です。あくまでも、読者の意思を尊重する姿勢が大切です。
  • 申し込み方法や問い合わせ先を分かりやすく、複数提示することも有効です。

読者の心理変化のイメージ

「確かに、ここまで話を聞いて興味が湧いた」「一度相談してみようかな」「このチャンスを逃したくない」

やってはいけないこと

強引なセールスで読者を引かせてしまう。案内が分かりにくく、どう行動すればいいか迷わせてしまう。複数の選択肢を提示しすぎて、読者を混乱させる。


この7日間のシナリオは、あくまで一つの型です。あなたのビジネスやターゲット顧客に合わせて、日数や各日の内容を調整していくことが重要です。しかし、この「読者の感情の変化に寄り添い、段階的に信頼を築き、行動を促す」という基本的な考え方は、どんなステップメールにも共通する成功の鍵となります。



ステップメールの効果を最大化する!仕組み経営流「運用・改善」の秘訣

素晴らしいシナリオが完成しても、それだけでは十分ではありません。ステップメールの効果を本当に最大化するためには、日々の運用と改善が不可欠です。ここでは、私たち「仕組み経営」が実践している、ステップメール運用の秘訣をいくつかご紹介します。

誰に届ける?ターゲット読者を明確にする重要性

どんなに素晴らしいメッセージも、届ける相手を間違えれば響きません。ステップメールを始める前に、「誰に」「何を伝えたいのか」というターゲット読者像(ペルソナ)を明確にすることが何よりも重要です。

  • その人はどんな課題を抱えているのか?
  • どんな言葉に共感し、どんな情報に関心を持つのか?
  • どんな未来を望んでいるのか?

ターゲットが明確になれば、おのずとメッセージの内容や言葉遣いも定まってきます。

開封されるか否かは「件名」で決まる!

せっかく心を込めて書いたメールも、開封されなければ読まれません。数多くのメールが飛び交う中で、あなたのメールを開いてもらうためには、「件名」が非常に重要です。

  • 読者の興味を引くキーワードを入れる(例:「〇〇でお悩みではありませんか?」)
  • 具体的な数字やメリットを提示する(例:「たった3ヶ月で売上150%アップ!」)
  • 問いかけ形式にする(例:「あなたの会社の〇〇、本当に大丈夫ですか?」)
  • 緊急性や限定性を匂わせる(例:「本日締切」「先着〇名様限定」)※使いすぎに注意

様々なパターンの件名をテストし、開封率の高いものを見つけていきましょう。

思わず読み進めてしまう「本文」ライティングのコツ

件名で開封してもらえたら、次は本文で読者の心をつかみ、最後まで読んでもらう必要があります。

「あなた」へのメッセージを意識する

不特定多数ではなく、目の前の一人の読者に向けて語りかけるように書きます。「皆様」ではなく「あなた」という二人称を使いましょう。

ストーリーで引き込む

人は論理だけでなく感情で動く生き物です。成功事例や失敗談、創業の想いなどをストーリー仕立てで語ることで、読者は感情移入しやすくなります。

専門用語を避けて分かりやすく

業界の当たり前が、読者にとっては難解な専門用語であることも。読者が普段使っている言葉で、平易に説明することを心がけましょう。

適度な改行と装飾

長文のメールは読みにくいものです。適度に改行を入れたり、重要な箇所を記号で囲んだり(「」や【】などを活用)して、視覚的な読みやすさも工夫しましょう。

追伸(P.S.)を効果的に使う

メールの最後に書く追伸は、意外と読まれる部分です。本題とは少し違う角度からのメッセージや、人間味を感じさせる一言などを添えるのも効果的です。

いつ送る?配信タイミングと頻度の最適解

ステップメールをいつ、どんな頻度で送るかも重要な要素です。

  • 配信タイミング:読者がメールをチェックしやすい時間帯(例えば、BtoBなら平日の午前中、BtoCなら夜や週末など)を考慮しましょう。
  • 配信頻度:毎日送るのか、2日に1回か、3日に1回か。情報量や読者の関心の度合いによって最適な頻度は異なります。最初は毎日で関係性を深め、徐々に間隔を空けていくパターンもあれば、最後まで一貫した頻度で送るパターンもあります。あまり間隔が空きすぎると忘れられてしまう可能性もあります。

これも、ターゲット読者の反応を見ながら調整していくことが大切です。

作りっぱなしはNG!効果測定と改善サイクル

ステップメールは、一度作ったら終わりではありません。むしろ、配信を開始してからが本当のスタートです。

見るべき指標

  • 開封率:メールがどれだけ開かれたか
  • クリック率:メール内のリンクがどれだけクリックされたか
  • コンバージョン率(CVR):最終的な目標(問い合わせ、購入など)にどれだけ至ったか
  • 配信解除率:どれだけの読者が配信を停止したか

ABテストのすすめ

件名、本文の内容、CTAの文言などを2パターン以上用意し、どちらが良い結果を生むかを比較テスト(ABテスト)することで、より効果の高いステップメールへと改善していくことができます。

なぜステップメールだけで高額商品が売れるのか?

冒頭で、「仕組み経営」では高額なコンサルティング契約の多くをステップメールだけでいただいている、とお伝えしました。なぜ、それが可能なのでしょうか。

それは、私たちがステップメールを単なる販売ツールとしてではなく、「理念を伝え、共感を育み、信頼関係を築くための最も効果的なコミュニケーション手段」の一つだと捉えているからです。

ステップメールは「理念」を伝える最強のツール

会社が本当に伝えたい想いや価値観、つまり「理念」は、短い広告コピーやウェブサイトの数ページだけではなかなか伝わりません。しかし、ステップメールであれば、数日間にわたって、様々な角度から、物語や事例を交えながら、その理念をじっくりと、そして深く伝えることができます。

私たちの「仕組み経営」の根底には、「会社は、特別な人が頑張る場所ではなく、普通の人が輝ける場所であるべき」「一人ひとりの企業家精神を引き出す場をつくる」という想いがあります。こうした想いをステップメールを通じて丁寧に伝えることで、表面的なテクニックや価格の安さではなく、私たちの価値観に共鳴してくださるお客様と出会うことができるのです。

売り込むのではなく、「ファン」を育てるプロセス

ステップメールは、決して「売り込む」ためのものではありません。むしろ、あなたの会社や商品・サービスの「ファン」を一人、また一人と育てていくプロセスそのものです。

読者の悩みに寄り添い、有益な情報を提供し、新しい気づきを与え、未来への希望を示す。この一連のコミュニケーションを通じて、「この会社は自分のことを理解してくれる」「この人たちなら信頼できる」という感情が読者の中に芽生え、育っていくのです。

そうなれば、こちらから強く売り込まなくても、読者の方から「もっと詳しく話を聞きたい」「ぜひサービスを利用したい」と自然に思ってくれるようになります。

「納得して関わる」顧客との出会いを創出する

今の時代、働く人も顧客も、「我慢して頑張る」より「納得して関わる」ことを求めています。ステップメールは、まさにこの「納得感」を醸成するための優れた方法です。

一方的な情報提供ではなく、読者の感情に寄り添い、対話を重ねるように情報を届けることで、読者は自ら考え、納得し、そして行動に移すことができます。こうして生まれた関係性は、単なる取引相手というだけでなく、共に成長していくパートナーとしての強い絆へと発展していく可能性を秘めています。

中小企業こそ、社長の想いをステップメールに乗せて届けるべき

特に中小企業においては、社長の想いや情熱が会社の大きな推進力です。しかし、社長一人が全てのお客様に直接その想いを伝え続けるには限界があります。



ステップメールは、その社長の熱い想いを、まるで社長自身が語りかけるように、多くの見込み客に届けることができる「分身」のようなものです。時間や場所に縛られず、24時間365日、あなたの代わりに働き続けてくれる、非常に優秀な営業マンとも言えるでしょう。

おわりに:ステップメールは、あなたの会社の未来を変える「仕組み」

ここまで、ステップメールの重要性から具体的なシナリオ作成、運用の秘訣までお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか。

ステップメールは、決して一夜にして売上を爆発させるような「魔法の杖」ではありません。しかし、正しく設計し、丁寧に運用すれば、あなたの会社に安定的な売上と、何よりも大切な「お客様との信頼関係」をもたらしてくれる強力な「仕組み」となることは間違いありません。

特に、日々の業務に追われ、なかなか営業やマーケティングに十分な時間を割けない中小企業の社長さんにとって、このステップメールという「自動化されたコミュニケーションの仕組み」は、事業を成長させる上で大きな助けとなるはずです。

「うちの会社には、そんな立派なシナリオは書けないよ…」

そう思うかもしれません。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、この記事で紹介した7日間のシナリオを参考に、あなたの言葉で、あなたの顧客に向けて、1通目のメールから書き始めてみてください。

大切なのは、テクニックに走るのではなく、画面の向こう側にいる読者の顔を思い浮かべ、その人の心に寄り添うことです。

この記事が、あなたの会社がステップメールという強力な武器を手に入れ、お客様とのより良い関係を築き、そして持続的な成長を遂げるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

さあ、今日から、あなたの会社の未来を変えるステップメール作りの第一歩を踏み出しましょう。

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