コンサルティングのパッケージ化

【コンサル・コーチ専門】サービスのパッケージ化で事業をスケールさせよう


清水直樹
コンサルタントやコーチとして、クライアントの成長と問題解決に情熱を注ぐ日々。充実感の一方で、「この働き方をいつまで続けられるだろうか?」「もっと安定的に、質の高いサービスを提供できないか?」「新規顧客の開拓が紹介頼みで、将来が少し不安だ」と感じることはありませんか?

この記事では、特に独立して間もない方や、「人のつながり」を大切にされてきたコンサルタント・コーチの皆さまが、次のステージへ進むために不可欠な「仕組み化」の、まさに最初の一歩について具体的にお伝えします。それは、あなたの貴重なサービスを「見える化」し、より多くの人に届け、安定した事業運営へとつなげるための、仕組み経営における根幹的な考え方の一つです。

人脈だけに頼る働き方から一歩踏み出し、あなたがいなくてもお客様が自然と集まる「流れ」を作る。そのための具体的な方法を、仕組み経営の観点から見ていきましょう。

目次

なぜ、コンサルタントやコーチに「仕組み化」が必要なのか?

独立当初は、既存の人脈からの紹介で仕事を得ることが多いでしょう。これはあなたの能力と信頼の証です。しかし、事業を持続的に成長させるためには、個人の力量や人脈だけに依存する状態から脱却する必要があります。

人脈依存の限界とリスク

  • 紹介の先細り: 人脈からの紹介は、いずれ限りが見えてくる可能性があります。
  • 紹介の不安定さ: いつ、どのような依頼が来るかコントロールが難しく、収入の不安定につながります。
  • 紹介者の負担: 頻繁な紹介依頼は、紹介者に負担をかける可能性があります。
  • 事業成長の頭打ち: あなた自身の時間と労力には限界があり、対応できる案件数に上限が生まれ、事業拡大の足かせとなります。
  • 既存顧客との契約終了: 新規顧客との継続的な出会いがなければ、既存契約の終了とともに事業は縮小してしまいます。

これらの状況を避けるためには、あなたが直接的に動き回らなくても、見込み客があなたのサービスを知り、興味を持ち、契約に至るような「仕組み」を構築することが不可欠です。

これまで「一本釣り」のような集客だったとしたら、これからは「投網」を打つように、効率的に、そして広範囲にあなたの価値を届けることを考えてみませんか?

「仕組み化」の最重要にして最初のステップ – サービスパッケージ化とは?

では、人脈の外にいる「まだ見ぬお客様」に情報を届け、安定的に事業を運営する「仕組み」を作りたいと思ったとき、具体的に何から手をつければ良いのでしょうか?

その強力な第一歩となるのが、あなたのサービスを「見える化」すること。私たちはこれを「パッケージ化」と呼んでいます。

パッケージ化の定義:あなたの「無形の価値」を「有形の魅力」へ

パッケージ化とは、お客様があなたと契約したら、

  • 「具体的にどんなサポートが受けられるのか?」 (サービス内容の詳細)
  • 「どれくらいの期間で、どんな変化や成果が期待できるのか?」 (期間と期待効果)
  • 「どのようなステップで進んでいくのか?」 (進行プロセス)
  • 「そして、その費用はいくらなのか?」 (明確な価格)

これらを、お客様が契約前に、はっきりと理解できるように整理し、提示することです。

コンサルティングやコーチングといったサービスは、「無形サービス」と言われます。目に見えない、手で触れられないものだからこそ、その価値が伝わりにくく、お客様は「本当にこの人に頼んで大丈夫だろうか?」「一体何をしてくれるんだろう?」と不安を感じやすいのです。

パッケージ化は、この「目に見えない価値」を、お客様にとって「具体的で魅力的なもの」として見えるようにする作業です。これこそが、あなたがいなくても、あなたのサービスがお客様に理解され、選ばれる「仕組み」を作るための、揺るぎない土台となるのです。

なぜパッケージ化が「仕組み化」の第一歩なのか?

人を通じて紹介してもらう場合は、紹介者の信頼があなたへの信頼に繋がりやすいため、サービス内容が多少あいまいでも「〇〇さんが言うなら間違いないだろう」と、契約に至ることがあります。いわば、紹介者の「お墨付き」が後押ししてくれるわけです。

しかし、ウェブサイトや広告、セミナーなどを通じて初めてあなたを知るお客様は、そのような「事前の信頼」を持っていません。彼らが判断の拠り所とするのは、あなたが提示する情報そのものです。その情報が曖昧だったり、分かりにくかったりすれば、どんなに素晴らしいスキルや実績を持っていても、選ばれることは難しくなってしまいます。

つまり、新規のお客様に対しては、「信頼」の代わりに、「分かりやすさ」と「納得感」を提供する必要があるのです。そして、サービスがきちんと「パッケージ化」されていれば、この「分かりやすさ」と「納得感」を効果的に提供することができます。

パッケージ化されたサービスは、

  • お客様が内容を理解しやすいため、問い合わせや相談へのハードルが下がる。
  • 期待できる成果やプロセスが明確なため、お客様は安心して契約を検討できる。
  • 価格が明示されているため、予算の見通しが立ち、不信感を抱かれにくい。

このように、パッケージ化は、お客様があなたのサービスを選びやすくするための「おもてなし」であり、同時に、あなたが効率的に、そして安定的にビジネスを運営していくための「戦略」でもあるのです。これが、パッケージ化が「仕組み化」のまさに最初の、そして最も重要なステップである理由です。

なぜあなたのサービスは「パッケージ化」するべきなのか?

サービスを「パッケージ化」することの重要性はご理解いただけたかと思います。では、具体的にどのようなメリットが、お客様側とあなた(提供者側)それぞれにあるのでしょうか? ここを深く理解することで、パッケージ化への取り組みが、より意味のあるものになるはずです。

お客様側のメリット:不安を取り除き、期待を高める

まず、お客様の視点から見てみましょう。見込み客が新しいコンサルタントやコーチを探すとき、彼らはいくつかの不安や疑問を抱えています。

  • 「このサービスは、本当に自分の悩みを解決してくれるのだろうか?」
  • 「具体的に、どんなことをしてくれるのだろうか?抽象的でよくわからない…」
  • 「料金はいくらで、追加費用は発生しないだろうか?」
  • 「他のサービスと比べて、何が良いのだろうか?」

パッケージ化されたサービスは、これらの不安や疑問に明確に答えることができます。

  1. 比較検討がしやすい: サービス内容、期間、価格などが明確に示されているため、お客様は他のサービスと比較検討しやすくなります。「Aさんのサービスは〇〇が魅力だけど、Bさんのパッケージは期間がちょうどいいな」というように、自分のニーズに合ったものを選びやすくなります。
  2. 安心感が生まれる: 「何をしてくれるかわからない」という状態は、お客様にとって最大の不安要素です。パッケージによって、提供されるサポート内容や進め方が具体的にわかるため、「これなら任せられそうだ」という安心感が生まれます。
  3. 納得感を持って契約できる: 支払う金額に対して、どのような価値が得られるのかが明確になるため、お客様は納得感を持って契約に進むことができます。特に高額なサービスであればあるほど、この納得感は非常に重要です。
  4. 期待値のズレを防げる: 事前にサービス内容や期間、期待できる成果が共有されることで、「思っていたのと違った」という契約後のミスマッチを防ぐことができます。これは、長期的な信頼関係を築く上で非常に大切です。

提供者側のメリット:ビジネスを効率化し、価値を高める

次に、あなた(提供者側)にとってのメリットです。パッケージ化は、お客様のためだけでなく、あなたのビジネスをよりスムーズに、そしてより成長させるためにも、多くの恩恵をもたらします。

  1. 説明コストの大幅削減: 毎回ゼロからサービス内容を説明する必要がなくなり、時間と労力を大幅に削減できます。パッケージ資料やウェブサイトを見てもらえば、基本的な内容は理解してもらえるため、商談ではより本質的なヒアリングや提案に時間を使えます。
  2. 提案の効率化と成約率の向上: お客様のニーズに合わせて、いくつかのパッケージを提示できるようになれば、提案のバリエーションが広がります。また、お客様自身が内容を理解しやすいため、成約率の向上も期待できます。
  3. あなたの「価値」が伝わりやすくなる: 単に「相談に乗ります」と言うよりも、「〇〇という問題を解決し、△△という状態を実現するための3ヶ月集中プログラム」といった具体的なパッケージ名と内容を示すことで、あなたの専門性や提供価値が格段に伝わりやすくなります。
  4. 価格競争からの脱却: 明確な価値が伝われば、「安さ」だけで比較されることが減ります。「この内容ならこの価格は妥当だ」「むしろ安いかもしれない」とお客様に感じてもらえれば、不必要な値引き交渉を避けることができます。
  5. 高単価なサービスも提供しやすくなる: ステップアップ型のパッケージ(例:ベーシック、スタンダード、プレミアム)を用意することで、お客様の状況や予算に合わせた提案が可能になり、結果として高単価な契約にもつながりやすくなります。
  6. サービスの再現性と品質の安定: パッケージ化の過程で、サービス提供のプロセスが標準化されるため、誰が担当しても(将来的にスタッフを雇う場合など)、一定の品質を保ちやすくなります。これは、まさに「仕組み化」の恩恵です。
  7. 業務効率化と時間創出: 提供する内容が決まっているため、準備や資料作成などの業務も効率化できます。これにより、新たな学びやサービス開発、あるいはプライベートな時間に充てる余裕が生まれます。
  8. 新人育成への活用: もし将来的にチームでビジネスを拡大していくことを考えるなら、パッケージ化されたサービスは、新しいメンバーが業務を覚え、早期に戦力となるための強力な教育ツールにもなり得ます。

事例:もし「メニューのないレストラン」に入ったら…?

ここで、少し想像してみてください。あなたが評判を聞いて、あるレストランに足を運んだとします。しかし、そのレストランには壁にもテーブルにもメニューが一切ありません。店員さんに「何がありますか?」と尋ねても、「お客様のお好みに合わせて、いい感じのものをお作りしますよ」としか答えてくれません。値段も「時価です」と言われたらどうでしょう?

いくら腕の良いシェフがいると評判でも、これでは何を頼んでいいのか、いくらかかるのか全くわからず、不安でいっぱいになりますよね。結局、安心して注文できず、お店を出てしまうかもしれません。

実は、多くのコーチやコンサルタントの方が、意図せずともこれと似たような状況を作り出してしまっていることがあるのです。「ご相談内容に応じて柔軟に対応します」という言葉は、一見お客様思いのように聞こえます。しかし、初めてのお客様にとっては、「結局、何をしてくれるの?」「いくらかかるの?」という疑問と不安を増幅させてしまう可能性があるのです。

これでは、どんなに素晴らしいサービスやノウハウを持っていたとしても、お客様に選んでもらうための「仕組み」ができていないのと同じことになってしまいます。お客様が安心して「注文」できるように、魅力的な「メニュー」を用意すること。それがパッケージ化なのです。

事例:仕組み経営の場合

仕組み経営の実例をご紹介しましょう。



対象者とニーズの明確化

私たちは中小企業の経営者に対して、「人に依存する経営」から「仕組みによって回る経営」へと移行するためのコーチングサービスを提供しています。

サービスの見える化

パッケージ化されていない段階では、月に一度のセッションを行いながら、その都度必要な内容を提供するという、いわば個別対応型のやり方を取ることになります。しかしこの方法では、お客様が最終的にどのような価値を得られるのかが分かりにくく、ゴールが見えにくいという課題があります。

そこで、仕組み経営では、最初から全体像を提示したうえで、お客様ごとに「セミカスタマイズ」された仕組みメニューを提供しています。あらかじめ「どんな仕組みが完成するのか」「それによって何が変わるのか」が明確に見えることで、お客様は取り組む意味と価値を実感しやすくなるのです。

サービスの見える化

明朗会計

また、料金体系も一社ごとの個別見積もりではなく、会社の規模や社員数など、いくつかの客観的な指標に基づいて自動的に決まる仕組みを整えています。これにより、価格に対する納得感が得られやすく、営業側も価格交渉に時間を取られることなくスムーズにサービスを案内することができます。

このような全体像の明確化と料金の仕組み化によって、お客様にとっては「受け入れる理由」がはっきりし、私たち提供側にとっても、より高い生産性でサービスを提供することが可能になります。対応するコーチも内容を一から考える必要がなくなるため、サービス提供までの準備期間が短縮され、質の高い支援を早期に始めることができるのです。

実践!魅力的なサービスパッケージの作り方 – 5つの構成要素

では、実際にサービスをパッケージ化する際には、どのような要素を盛り込めば良いのでしょうか? お客様にとって魅力的で、かつ、あなたの価値がしっかりと伝わるパッケージを作るための、重要な5つの構成要素をご紹介します。

これらの要素を一つひとつ丁寧に言語化していくことで、あなたの「無形のサービス」が、お客様にとって「具体的な価値」として認識されるようになります。

1. 提供価値・ベネフィットの明確化:お客様は「変化」にお金を払う

最も重要なのは、「このサービスを受けることで、お客様はどんな素晴らしい変化を手に入れられるのか?」という提供価値(ベネフィット)を明確にすることです。

お客様は、コンサルティングやコーチングのセッションそのものが欲しいわけではありません。その結果として得られる「問題解決」「目標達成」「理想の状態」といった「変化」にお金を払うのです。

  • Before(現状の課題・悩み): お客様が今、どんなことで困っているのか、どんな痛みを感じているのかを具体的に描写します。
    • 例:「毎月ブログを10記事書いているのに、全く集客につながらず心が折れそう…」
    • 例:「部下とのコミュニケーションがうまくいかず、チームの雰囲気が悪い…」
  • After(実現できる未来・理想の状態): あなたのサービスを受けることで、その課題がどのように解決され、どんな理想の未来が待っているのかを具体的に示します。
    • 例:「ブログから毎月安定して10件以上の問い合わせがあり、理想のお客様とだけ仕事ができるようになる」
    • 例:「部下が自律的に動き出し、活気あふれる生産性の高いチームになる」

このBefore/Afterを明確にすることで、お客様は「まさに自分のことだ!」「こんな未来が手に入るなら!」と、サービスに対する興味と期待を一気に高めることができます。単に「集客コンサルします」「リーダーシップ研修します」と言うよりも、はるかに強く響くはずです。

2. サービス内容・プロセスの具体化:何をしてくれるのかを具体的に示す

次に、そのベネフィットを実現するために、「具体的に何をしてくれるのか?」というサービス内容と、それが「どのような順序で進められるのか?」というプロセスを具体的に示します。

  • 提供する具体的なアクション:
    • セッションの回数、1回あたりの時間
    • 提供する資料、ツール、テンプレートの種類
    • 個別相談、グループワーク、オンライン学習、メールサポートの有無など
    • 例:「全6回(各90分)の個別ZOOMセッション」「オリジナル目標達成シート進呈」「期間中無制限のメールサポート」
  • 進め方のステップ:
    • 最初のステップから最終的なゴールまで、どのような段階を経て進んでいくのかを、お客様がイメージしやすいように説明します。
    • 例:「Step1: 現状分析と目標設定 → Step2: 具体的な戦略立案 → Step3: アクションプランの実行と進捗管理 → Step4: 効果測定と改善」

ここを具体的にすることで、お客様は「ただ話を聞いてもらうだけなのかな?」「具体的に何をすればいいんだろう?」といった不安を解消し、サービス全体の流れを安心して把握できます。

3. 期間・スケジュールの提示:いつまでに、どんな成果が見込めるのか

サービス提供にかかる期間や、大まかなスケジュールも明示しましょう。これにより、お客様は自身の時間的なコミットメントを把握でき、いつ頃成果が期待できるのか見通しを立てることができます。

  • 全体の期間:
    • 例:「3ヶ月集中プログラム」「6ヶ月間の伴走サポート」
  • マイルストーン(中間目標):
    • 長期間のプログラムの場合は、途中にマイルストーンを設定し、各段階での到達目標を示すと、お客様は進捗を実感しやすく、モチベーションを維持しやすくなります。
    • 例:「1ヶ月目:現状の課題と強みの明確化」「3ヶ月目:具体的な改善プランの実行開始」

「いつまでに、どうなれるのか」が分かると、お客様はより具体的にサービスを受けるイメージを持つことができます。

4. 対象顧客の明確化:「誰のためのサービスか」をはっきりさせる

あなたのサービスは、「誰の」「どんな悩み」を解決するためのものなのか? 対象となるお客様像(ペルソナ)を明確にすることも重要です。

  • こんな方におすすめです:
    • 例:「初めて起業する個人事業主の方」「部下育成に悩むマネージャー職の方」「Web集客で月100万円を目指したいけれど、何から手をつけていいかわからない方」
  • 逆に対象外の方:
    • 場合によっては、「こういう方はご期待に沿えない可能性があります」と伝えることも、ミスマッチを防ぐ上で有効です。
    • 例:「具体的な行動をするつもりがない方」「すぐに楽して結果だけを求める方」

対象顧客を明確にすることで、「これは自分のためのサービスだ!」とお客様に強く認識してもらいやすくなります。また、あなたが本当に価値を提供できる相手に絞り込むことで、サービスの質も高まり、お客様の満足度も向上します。

5. 価格設定と透明性:「あなただからこの値段」はNG!

そして、最後に価格です。サービス内容、期間、期待できる成果などを総合的に考慮し、明確な価格を設定し、それをはっきりと提示します。

  • 料金体系:
    • 一括払い、分割払いの可否
    • オプションサービスとその料金(もしあれば)
    • 例:「3ヶ月プログラム:300,000円(税込)」「月額50,000円(税込)×6ヶ月」
  • 価格の根拠(伝える場合):
    • なぜその価格なのか、提供価値に見合っていることを、お客様が納得できるように説明できると、より信頼感が増します。(例:同業他社の相場、投入する時間や労力、過去の実績など)

ここで絶対に避けたいのが、「お客様によって価格を変える」ことです。「このお客さんはお金を持っていそうだから、ちょっと高めに言ってみよう」「知り合いだから安くしてあげよう」といった、属人的で不透明な価格設定は、お客様からの信頼を著しく損なう原因になります。

もし自分が何かを購入する立場で、他の人には5万円で売っているものを、自分だけ10万円だと言われたら、どう感じるでしょうか? たとえ悪気がなかったとしても、「この会社(この人)は信用できないな」と感じてしまいますよね。価格の透明性は、お客様との信頼関係を築く上で、非常に重要な要素なのです。

「形のないサービス」だからこそ、内容、進め方、期間、そして価格。これらがきちんと整理され、明確に提示されていれば、お客様は安心して「この人にお願いしてみよう」と判断できます。

これら5つの要素を丁寧に検討し、あなたのサービスに落とし込んでみてください。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度形にしてしまえば、それはあなたのビジネスを支える強力な武器となるはずです。

パッケージ化を進める上でのヒントと注意点

魅力的なサービスパッケージを作るための5つの構成要素をご理解いただけたところで、実際にパッケージ化を進めていく上でのヒントや、陥りがちな注意点についてお伝えします。これらを押さえておくことで、よりスムーズに、そして効果的にパッケージ化を進めることができるでしょう。

ヒント1:過去の成功事例から「売れるパターン」を見つける

全くのゼロから新しいパッケージを考え出すのは大変です。まずは、これまでのクライアントの中で、特に成果が出た事例や、お客様から非常に喜ばれたケースを思い出してみましょう。

  • どんな課題を持ったお客様だったか?
  • どのようなサポートを提供したか?(具体的なステップや内容)
  • どれくらいの期間で、どんな成果が出たか?
  • お客様が特に満足してくれたポイントはどこだったか?

これらの情報を書き出し、共通点や成功パターンを見つけ出すのです。もしかしたら、無意識のうちに、あなたはすでに「売れるパッケージの原型」を持っているかもしれません。それを整理し、磨き上げることで、説得力のあるパッケージが生まれます。



ヒント2:「オーダーメイド神話」からの脱却 – 基本+オプションで柔軟性を

「自分のサービスは完全オーダーメイドだから、パッケージ化は無理…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、多くの場合、「基本となる共通のプロセス」や「多くのお客様に共通するニーズ」が存在するはずです。

まずは、その共通部分を「基本パッケージ」として定義します。そして、お客様個別の状況や要望に合わせて、追加のサポートや特別な内容を「オプション」として用意することで、柔軟性を保ちつつ、パッケージ化のメリットを享受できます。

例えば、レストランのコース料理でも、メインディッシュを選べたり、デザートをアップグレードできたりしますよね。それと同じように、「基本コース」+「選べるアラカルト」のようなイメージで考えると、オーダーメイドの良さを活かしながらパッケージ化を進められます。

ヒント3:パッケージ名は「お客様目線」で魅力的に

パッケージの内容が固まってきたら、次はネーミングです。このパッケージ名が、お客様の興味を引き、内容をイメージさせる上で非常に重要になります。

  • 専門用語を避け、分かりやすい言葉を選ぶ
  • お客様が得られる「ベネフィット」が一言で伝わるようにする
  • 数字を入れる(例:「3ヶ月で」「5つのステップで」)など、具体性を出す
  • ターゲット顧客に響くキーワードを入れる

例えば、単に「営業コンサルティング」とするよりも、「【未経験者でも安心!】たった90日で紹介が途切れない『仕組み営業』構築プログラム」といった名前の方が、具体的で、どんな人向けで、どんな成果が期待できるのかが伝わりやすいですよね。ぜひ、お客様が「これ、私のためのサービスかも!」と直感的に感じるような、魅力的な名前を考えてみてください。

ヒント4:最初から完璧を目指さない。まずは一つ作ってみる

パッケージ化と聞くと、完璧なものを作らなければならないと気負ってしまうかもしれません。しかし、最初から100点満点のパッケージを作るのは難しいものです。

まずは、一番自信のあるサービスや、多くのお客様に提供してきた実績のあるサービスから、一つでいいのでパッケージ化に挑戦してみましょう。実際に作ってみて、お客様に提案し、反応を見ながら改善を重ねていく。この「小さく始めて、育てていく」という考え方が大切です。

注意点1:価格設定で安売りしすぎない

特に独立したばかりの頃は、「まずは実績を作りたい」「お客様に喜んでもらいたい」という気持ちから、価格を低く設定してしまいがちです。しかし、安易な低価格戦略は、あなたの価値を正当に評価してもらえないだけでなく、長期的にビジネスを継続していく上でもマイナスに働く可能性があります。

パッケージ化は、あなたのサービスの価値を明確に伝え、適正な価格で提供するための手段でもあります。提供する内容、期間、そして何よりもお客様が得られるベネフィットをしっかりと見極め、自信を持って価格を提示しましょう。

注意点2:一度作ったら終わりではない。定期的な見直しと改善を

市場の状況やお客様のニーズは常に変化しています。また、あなた自身のスキルや提供できる価値も、経験とともに向上していくはずです。

したがって、一度作ったパッケージも、定期的に見直し、改善していくことが重要です。「この内容は今のニーズに合っているか?」「もっと効果的な進め方はないか?」「価格は適正か?」といった視点で、常にブラッシュアップしていく姿勢を持ちましょう。お客様の声に耳を傾けることも、改善のヒントにつながります。

これらのヒントと注意点を参考に、ぜひあなたの素晴らしいサービスを、より多くの人に届けるための「パッケージ化」に取り組んでみてください。

まとめ:小さな一歩が大きな変化を生む – 仕組み化で理想の働き方を手に入れよう

ここまで、コンサルタントやコーチの皆さんが、人脈頼りの働き方から一歩進み、安定した事業運営を実現するための「仕組み化」、その最初のステップである「サービスパッケージ化」について、詳しくお伝えしてきました。

今日からできることは、たくさんあります。

  • まずは、ご自身のこれまでの仕事を振り返り、どんなお客様に、どんな価値を提供してきたのかを書き出してみる。
  • 特にうまくいったケースを分析し、そこに共通する「成功パターン」がないか探してみる。
  • お客様が最初に抱える典型的な悩みと、サービスを受けた後に得られる理想の未来を、具体的に言葉にしてみる。

こうした小さなアクションの積み重ねが、やがて魅力的なサービスパッケージへと結実し、あなたのビジネスを大きく変える力となるでしょう。

「仕組み化」は、あなたが本当にやりたいこと、得意なことに集中し、より多くの人に、より大きな価値を届けられるようにするためのものです。

そして、仕組み化を進めることで得られるのは、単なる売上アップだけではありません。

  • 時間に追われる日々から解放され、心にゆとりが生まれる。
  • 将来への不安が減り、自信を持って仕事に取り組めるようになる。
  • 自分のペースで働き方を選べるようになり、プライベートも充実する。
  • より多くのクライアントの成功に貢献でき、大きなやりがいを感じられる。

このような、あなたが本当に望む「理想の働き方」や「豊かな人生」を実現するための、強力な手段となるのです。

私たち「仕組み経営」では、経営者の想いや理念を大切にしながら、それぞれの会社や個人にぴったりな「人の力を引き出す仕組み」を作り上げるお手伝いをしています。それは、特別な才能や努力だけに頼るのではなく、普通の人が成果を出し、仕事を通じて人生を豊かにできる環境を作ること。この考え方は、コンサルタントやコーチの皆さんの活動にも、きっと通じるものがあると信じています。

あなたの専門知識や経験は、間違いなく多くの人にとって価値のあるものです。その価値を、もっとたくさんの人に、もっと効果的に届けられるように、「サービスパッケージ化」という最初の一歩を踏み出してみませんか?

なお、すでにパッケージ化された”仕組み化支援サービス”にご興味がある方は、以下から仕組み経営コーチの内容をご覧ください。

▶仕組み経営コーチ制度

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仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?
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