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会社売却(外部・第三者承継)完全ガイド

清水直樹
清水直樹
会社売却を望む中小・スモールビジネス経営者が増えています。そこで、この記事では、中小・スモールビジネスの会社売却(第三者承継、外部承継とも言います)について解説していきます。

対象読者

将来会社を売却したいと思っている経営者の方

内容の信頼性

この記事は世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)、マイケルE.ガーバー氏著「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースにしています。世界700万部のベストセラーの内容を日本の会社に当てはめてご紹介していきます。執筆者である私はマイケルE.ガーバー氏のメッセージをおそらく日本で最も多く翻訳したり、代理となって発信してきましたので、本記事の内容も信頼いただける内容かと思います。

高値売却マスタークラス

会社を高値で売却したい方に向けた高値売却マスタークラスを無料でご提供しています。ぜひ以下から合わせてご覧ください。

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出口戦略としての会社売却

会社売却というのは、社長としての出口戦略の一つです。社長の出口戦略は基本的に以下のとおりの選択肢しかありません。

内部承継

社内部の人材に会社経営を引き継ぎます。社員承継という選択肢もありますが、日本だと親族承継が多いでしょう。いわゆる同族経営、家族経営、ファミリービジネスというやつです。こういうとイメージが悪いように思えますが、実は家族経営というのは、世の中全体で見ても非常に多いですが、優れた実績を挙げている会社が多いのも事実です。イメージが悪いのは、主にはお家騒動を面白がって扱うマスコミのせいです。

同族経営とは?メリット/デメリットや成功事例まとめ

家族経営の後継者問題とは?正しい事業継承計画まとめ

 

会社売却(外部・第三者承継)

社内の人に引き継ぐのと異なり、社外の人に引き継ぐことを外部承継、第三者承継などと言います。会社売却やM&Aとほぼ同義と考えていいでしょう。(M&Aというのは合併というニュアンスがあるので、会社を外部に承継するというのとは本当は少し意味合いが違います)

廃業

内部承継も外部承継もできなければ、廃業ということになります。日本の多くの中小企業が後継者不足で廃業危機ともいわれています。そうならないように、この記事をご覧の方はぜひ早めに準備していただくことをお勧めします。

事業売却と会社売却(外部・第三者承継)の違い

会社売却と似たような言葉で、事業売却という言葉があります。

会社売却は、その会社の株式を他社(他者)に譲渡することになり、所有権を譲渡することになります。

一方、事業売却とは、会社で運営しているひとつまたは複数の事業を他社(他者)に譲渡することになります。

通常、事業売却が行われるのは、自社では採算が合わせにくい事業を売却し、儲かっている事業に集中するためと言えます。自社では採算が合わない事業であっても、買い手企業のリソースと組み合わせれば利益を上げられるケースがあるわけです。

ただ、事業売却の場合、事業が自社から他社へと移るため、その事業に携わっている社員は、自社から退職して他社へ入社する、という手続きが必要になります。この手続きを経る過程で、社員が流出してしまうケースも多々あるようです。

 

会社売却金額の相場は?

さて、会社を売りたいと思っている社長ならば、まず気になるのが会社売却の相場でしょう。

「いったい、自分の会社はいくらで売れるんだろう?」

というわけです。

会社の価値は、いくつかの計算方法がありますが、一般に使われているのは次の計算式です。

会社の売却金額=純資産+営業利益の3年~10年分

非常に簡単な方程式なので、自社の財務諸表を見ればすぐに計算できるでしょう。

ただ、ここで営業利益3年~10年分と書いているように、非常に開きがあります。営業利益が1000万円の場合、3000万円で売れる場合もあれば、1億円で売れる場合もあるわけですから、大きな差ですね。

何がこの差を生むのでしょうか?

これは買い手企業との相性(シナジー)や、売り手企業が”売れる状態”になっているかどうか?などが大きく影響してきます。

会社売却金額の相場に幅がある理由①買い手企業との相性(シナジー)

たとえば、10店舗展開している飲食店(年商5億)が、2店舗展開している飲食店(年商1億円)を買うとしましょう。この場合、両社は経営が統合され、12店舗展開している年商6億円の会社になります。単純な足し算です。もちろん、規模が大きくなったことにより、業務の様々な面でコストが削減できたりするかも知れません。しかし、このM&Aで急成長するようなシナジーが見込めるわけではありません。

一方、化粧品を販売している会社があったとします。顧客数が1万人で、同じく年商5億円です。この会社が美容関連のメディアを運営している会社(年商1億円)を買うとしましょう。この場合、即座に得られる効果としては年商が6億円になることです。ここまでは先ほどの飲食店のケースと同じですね。

一方、このメディアは月間PV500万あります。この500万PVのうち、0.01%でも顧客化したとすると、顧客が月間500人増えることになります。1年経てば、顧客が6000人増えます。元々、顧客数が1万人で年商5億円売り上げていますから、そこに6000人増えれば、単純計算で年商も1.6倍になり、1年後には8億円が見込めます。さらに2年後も同じ状態が続けば、顧客数2万2000人、年商11億円が見込めます。こうなると、単純に足し算だけではなくなるわけです。

このように、たとえば、売り手企業が持っている顧客リストに、買い手企業の商品が売れる見込みがあったりすると、シナジーが生まれ、高値で売却しやすくなります。

 

会社売却金額の相場に幅がある理由②売り手企業が”売れる状態”になっているかどうか?

実は、ほとんどの中小・スモールビジネスは”売れる状態”になっていません。売れる状態というのは、

  • 経営者が代わっても経営できるように仕組み化されている。
  • 少数のベテラン社員や熟練社員に業務が依存していない。
  • 会社の各種情報が文書化(見える化)されている。
  • 成長の方向性や課題が見えている。

などが実現できていることを指しています。

たとえば、経営者が代わっても経営できるように仕組み化されていなければ、買い手企業は非常にリスクを感じるます。そのリスクは売却金額に反映され、高値で売ることが出来ません。

会社を売れる状態にするのは、まさにこのサイト「仕組み経営」の大きな目的ですので、ぜひ他の記事もご参照にされてください。特に以下の仕組み化に関する記事はぜひお目通しください。

仕組み化を完全解説。社長不在で成長する会社を実現。

 

5億円で会社売却するには?

ところで、私の周りの経営者に聞くと、会社を売るならせめて5億円くらいで売りたい、という方が多いようです。5億で売れば、税金を支払った後でも、十分働かなくても生活していくことが出来ます。

では、実際にどのような会社が5億円で売れているのでしょうか?以下の記事でまとめてみましたのでご参照ください。

会社売却の相場は?5億円で売却された実例を紹介。

 

会社売却にかかる税金は?

会社の売却で、得た利益にも当然税金がかかります。いくら税金がかかるかは、譲渡する株式を個人保有していたか、法人所有にしていたかで異なります。

個人所有の場合:会社売却にかかる税金

まず課税対象は、「株式に係る譲渡所得」です。これは、

売却金額-必要経費(取得費+委託手数料等)

で計算できます。

取得費とは、その株式を最初に取得したときにかかった費用、創業者であれば、会社を設立した際に1,000万円出資していれば、その金額が取得費になります。

委託手数料等とは、仲介会社やアドバイザーに払う金額になります。これは誰に委託するかによって異なります。

そして、次に、「株式に係る譲渡所得」かかる税金ですが、

  • 所得税15%
  • 住民税5%、
  • 復興特別所得税0.315%(令和19年まで)
  • 合計20.315%

になります。

例で見てみましょう。

売却金額が3億円だったとします。

売却金額3億円 – 取得費1000万円 – 委託手数料1,000万円 =2億8,000万円×20.315% = 5,688万2,000円

となります。

というわけで、会社が3億円で売却できた場合、実際にてもとに残るのは、上記の金額を引いて、2億4,311万8000円となります。

法人所有の場合:会社売却にかかる税金

法人で所有していた株式を売却した場合、その利益(計算方法は個人の場合の「株式に係る譲渡所得」と同じ)は他の事業収益と合算/相殺されて課税されることになります。

 

会社売却(外部・第三者承継)の事例

会社売却の例として、本サイトにアップしているふたつの記事をご紹介しましょう。

ひとつめの事例は、会社を仕組み化することで3回の売却に成功した方のインタビュー記事です。

【会社売却事例】自社3件の会社売却に成功した方法 – 2019年2月インタビューレポート 新部勝美様

 

ふたつめの事例も同じく、仕組み化して会社を売却した例ですが、こちらは海外事例になっています。

会社売却を創業後2年で実現した方法とは?

 

これら2つの事例をご覧いただくと、会社売却と本サイトのテーマである仕組み化とは切っても切れない仲であることがわかると思います。

 

会社売却の流れ

次に、会社売却の流れについて見てみましょう。通常の会社売却の流れは次の通りです。

私の周りの実際に会社を売却した方に聞くと、だいたい、アドバイザーや仲介会社に依頼してから半年~1年くらいで契約まで至るようです。

ただ、私たちとしては、この流れには決定的に欠けているプロセスがあると考えています。

それが、「バリューアップ」というプロセスです。バリューアップとは、自社の企業価値を高める活動のことを指しており、つまりは、会社の売却金額を高める活動です。

ほとんどの中小・スモールビジネスは二束三文でしか売れない、と言われていますが、その理由は、このバリューアップを行わないからなのです

一方、M&Aが盛んな米国では、中小企業が会社売却を目指す場合には、このバリューアップというプロセスを経ることが常識のようになってきました。

これまで長年経営してきた会社を売るのですから、せっかくなら高く売りたい、というのが創業者の当然の思いでしょう。

というわけで、会社を高値で売るには、以下のような流れが正しいのです。

バリューアップについては、以下の「高値売却マスタークラス」で解説していますので、ぜひご覧ください。

会社売却はまだするな!「高値売却マスタークラス」

 

会社売却すると社員はどうなる?

会社売却した場合、社員はどうなるのでしょうか?事業売却の場合には、買い手企業に転籍することになりますが、会社売却の場合には基本、社員はそのままで、特に変化はありません。社員からすれば、運営方法や給与体系に変化が生まれる可能性はありますが、オーナーが代わった、というくらいです。

とはいっても、心理的はそう簡単にいかないものです。通常、会社が他社へ譲渡されたことは、売買契約が締結された後に社員に知らされることになります。中小・スモールビジネスの場合には、社長も社員と肩を並べて仕事をしているケースが多いので、”寝耳に水”という状態になり、社員とのこれまでの信頼関係が崩れてしまうこともあるようです。

また、社内にベテラン社員や業務遂行に欠かせない社員がいる場合、会社が譲渡された後にも彼らを引き留めておくために特別なインセンティブを提供するケースもあります。

 

会社売却の注意点

では次に会社売却の注意点について見てみましょう。はっきり言えば、ほとんどすべての経営者は、会社売却の素人です。会社売却は人生に一度歩かないかのイベントなので、経験がないのは仕方がないことなのです。だからこそ、以下のような点に注意することが大切です。

現状のまま売ろうとする

私たちが一番まずいと思っているのがこれです。バリューアップや磨き上げ等、会社を売る準備をせずに売ろうとしてしまい、結局安値で買いたたかれてしまうことです。会社売却も商品の売買と同じ、商取引です。通常、商品を高値で売ろうと思ったら、その商品を欲しがる人はだれか?どうすれば付加価値を高められるか?どうしたら良く魅せられるか?ということを考えるものです。しかし、こと、会社を売るとなったときに、そういったことを考える経営者は少ないのです。商品を売るよりも会社を売るほうがはるかに重要なイベントなのにも関わらず、です。

 

知識不足

M&Aアドバイザーや仲介会社に任せっきり、というのもマズいパターンです。彼らは彼らの論理で取引を進めますから、必ずしも売り手企業の利益を第一優先しているとは限りません。いくらM&Aに詳しくないと言っても、経営者自ら最低限の知識は身に付けておくべきでしょう。

 

準備が遅い

取り返しがつかないのがこれです。先ほど言った通り、あなたの会社を高値で売るためのバリューアップには、3年~7年必要です。ところが、ほとんどの中小・スモールビジネスはもうすでにやむに止まれない状況になってしまった時に売却されるケースが多いのです。そのため、現状のまま売るしかなくなります。そうならないように、ぜひいまから準備してください。

私たちの師匠でもあるマイケルE.ガーバー氏は次のようにメッセージを送ってくれています。

真の競争は、あなたが会社を売りたいと思った時に発生する。これは大半のビジネスオーナーにとって、冷水を掛けられるような瞬間だ。

会社を売却したいと思い始めた瞬間、99%のビジネスオーナーは、”なんてこった!”と言い、いままで間違った方法で会社を運営してきたことに気が付くのである。

まさにそうなった時にしか彼らは気が付かない。そこから抜け出す方法はないということに。

なぜなら、誰も彼らの会社を買いたいと思わないからだ。それが悲劇的な真実だ。

ほとんどの中小ビジネスは売却されることがない。そうすると、会社を畳むまで、残りの人生を過ごすことになる。その後は、生き残りのための生活になる。何とかして蓄えた年金などの社会保障制度に頼ることになる。

これまで会社にすべてを捧げてきたビジネスオーナーにとって、それは悲しく悲劇的なストーリーではないだろうか。

あなたはそうなるために、いま仕事をしているのだろうか?

もちろんそうではないだろう。しかし、あなたが準備をしなければ、まさにそのとおりのストーリーが待っている。それが中小ビジネスの市場における悲哀の現実なのだ。

会社を売れるように設計すること。そうでなければ、あなたのキャリアの最終段階で失敗することになる。そして、まさにその時が、何か対処するための余力が最も無い時なのだ。

 

会社売却(外部・第三者承継)を成功させるために必要なこと

では最後に、会社売却を成功させる、つまり、高値で売却し、社員や買い手もハッピーになるためにはどうすればいいのかを見ていきましょう。

出口の明確化

まず出口の明確化です。いわゆる出口戦略というやつです。会社売却に絞って考えれば、

  • いつ売却したいのか?
  • いくらで売却したいのか?
  • 売却した後は?

など具体的に出口を考えることです。これについては以下の記事で詳しく解説しています。

ビジネスと社長の出口戦略(イグジットプラン)完全ガイド

 

バリューアップ

先にも申し上げましたが、バリューアップとは、あなたが希望する金額で会社を売るための活動です。繰り返しになりますがこれに関しては高値売却マスタークラスをご活用ください。

 

会社売却に向けた準備(磨き上げ)

磨き上げは、バリューアップ最後の仕上げとも言えます。会社を売るために必要な資料を整えたり、データを整備したりします。これについては以下の記事で解説しています。

事業承継やM&A(会社売却)における「磨き上げ」って何?

 

成長するビジネスモデル

あなたの会社を買う相手は、いま現在のあなたの会社を買うというよりも、将来あなたの会社が生み出す利益を買うわけです。そのため、どれだけ今後の成長の余地があるか?が大切になってきます。そのため、これは少しバリューアップともかかわりがありますが、あなたの会社が将来成長しうるビジネスモデルを持っているか?が大切になります。これに関してはビジネスモデルを見直すための記事を以下にアップしていますのでぜひご参照ください。

 

高値での会社売却なら仕組み経営

会社の売却は、経営者にとって最後にして最大の大仕事と言えるでしょう。いえ、ほとんどの方にとっては、仕事というよりも、人生全体に影響を与える大きなイベントです。

そのため、ここで述べたような注意点や考慮事項をじっくりとご検討いただく必要があります。

なお、私どもではM&Aアドバイザーや仲介会社と異なり、中立な立場で中小・スモールビジネスの

  • バリューアップ
  • 磨き上げ
  • 成長するビジネスモデルへの変革
  • 仕組み化/見える化

など、高値で売れる会社作りをご支援しています。また、実際の売却についても信頼できる専門家をご紹介できますので、ぜひ以下からお問い合わせください。

仕組み経営導入パッケージ

高値売却マスタークラス

 

 

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