スパイラルアップ

スパイラルアップで会社を確実に成長させよう。



清水直樹
スパイラルアップは会社の実力を確実に高めていく考え方です。この考え方を社内で浸透させれば、他社では真似できない競争優位性を確立することが出来ます。

スパイラルアップとは

スパイラルアップのイラスト企業活動におけるスパイラルアップとは、業務プロセスや製品・サービスを着実に改善し、組織の生産性や収益力を高め続けることを意味します。スパイラル状に上昇を続けるイメージからその名がついています。

その特徴は以下の点にあります。

  1. PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を繰り返し、継続的に改善を重ねる
  2. 前の改善活動で得た経験や教訓を活かし、次なるレベルアップを目指す
  3. 社員一人ひとりの地道な取り組みを積み重ねることで着実な前進が可能
  4. 一時的な失敗があってもくじけることなく、改善を継続する

 

スパイラルアップとPDCAサイクル

PDCAサイクルは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)のプロセスを繰り返すことで、継続的な改善を実現するマネジメントサイクルです。

このPDCAサイクルとスパイラルアップの関係性は以下の点にあります。

PDCAはスパイラルアップを実現するための具体的な手段

PDCAサイクルを回すことで、計画→実行→評価→改善を繰り返し行えます。この一連のプロセスを継続的に実施することで、着実にスパイラルアップが実現できます。PDCAはスパイラルアップの考え方を実践に移す手法なのです。

サイクルの積み重ねがスパイラルを描く

PDCAの各サイクルで改善を重ね、前のサイクルで得た知見や経験を次のサイクルに生かしていきます。このようにサイクルを重ねる度に、より高みを目指してスパイラル状に上昇していけるのです。

  1. 標準化がスパイラルをつなぐ

各サイクルで改善された内容は標準化(手順書化など)され、次のサイクルの基礎となります。これにより、改善を確実に定着させ、より高いレベルへとスパイラルアップを続けられます。

サイクルの継続がスパイラルアップの鍵

一過性ではなく、PDCAサイクルを継続的に回し続けることが、スパイラルアップを実現する上で極めて重要です。個々のサイクルよりも、サイクルの継続とスパイラル的な積み重ねに意義があります。

このように、PDCAサイクルはスパイラルアップの概念を具現化し、確実に実行に移すための、欠かすことのできないプロセスなのです。PDCAを実践することで初めて、スパイラルアップが現実のものとなるのです。

企業経営や自己啓発、さまざまな分野においてスパイラルアップが志向されていますが、その原動力となるのがPDCAサイクルだと言えるでしょう。

スパイラルアップとカイゼン

カイゼンとは、少しずつでも着実に改善を重ねていくという考え方です。スパイラルアップとカイゼンは深く関係があります。

小さな改善を積み重ねる

カイゼンでは、一気に大きな変化をもたらすのではなく、細かい改善を一つひとつ積み重ねていきます。改善自体は小さくても、そのコツコツとした積み重ねが、最終的には大きな前進につながります。これこそがスパイラルアップの基本です。

現場の人が中心

カイゼンは現場の人々が主体的に進める改善活動です。現場で働く人の創意工夫や提案を大切にし、そこから改善のサイクルを回していきます。現場主導のこの姿勢が、スパイラルアップを支える原動力になります。

サイクルを繰り返す

カイゼンではPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を使い、改善を継続的なサイクルとして捉えます。このサイクルを何度も繰り返し、改善を重ねることで、着実にスパイラルアップを実現できるのです。

スパイラルアップと知識経営

スパイラルアップには「知識経営」の考え方も関係しています。

過去の知識を活用する

知識経営では、個人や組織が持つ知識を整理し、有効に活用することが大切です。過去の経験から得た知識を次に生かすことで、着実なスパイラルアップにつながります。

新しい知識を生み出す

知識経営の中心は「知識の螺旋」です。新しい知識を創りながら、組織で共有し、さらに新しい知識を生み出すというサイクルを回します。このサイクル自体がスパイラルアップの過程なのです。

学びと実践を統合する

理論を学んだら実践に生かし、実践から新たな気づきを得る。このように学びと実践を統合することで、新しい価値が生まれ、スパイラルアップを後押しします。

このように、カイゼンと知識経営は、改善の着実な積み重ねや、新しい知識の創出・活用を通じて、スパイラルアップと深く関係しているのです。

企業や組織は、このようなカイゼンや知識経営の考え方を取り入れることで、確実にスパイラルアップを実現できるでしょう。

スパイラルアップの事例

スパイラルアップの事例として、私たち「仕組み経営」の例をご紹介しましょう。私たちのコアバリュー(核となる価値観)に、「共生」というものがあります。共生が実現できると、スパイラルアップが実現され、会社の競争力が持続的に高まっていくのです。

スパイラルアップを活用した知識経営

以下、「共生」の解説文からの引用です。

個人個人が持つ暗黙知(属人的な考え方やコツ、ノウハウなど)が文書として記録され、それを標準として後進の人たちが学び、さらに改善していくことで、標準レベルが高まっていきます。世の中のすべての分野でそのように標準レベルの引き上げが行われてきたからこそ、いまの発展があります。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。愚者は自分だけの経験でしか学べないのに対し、賢者は先人の経験からも学ぶことが出来るから賢者になり得るわけです。私たちは、チームとして動くことで、賢者を目指すことが出来ます。仕組み経営には既に標準化された考え方と方法論があり、各個人個人が、それをもとに、顧客に貢献します。そして、その過程において得られた“暗黙知”を持ち寄り、“新しい知恵”を生み出すことが出来ます。その新しい知恵によって、標準を改善することで、さらにレベルの高い考え方と方法論が出来上がります。このサイクルを繰り返すことで、唯一無二の考え方と方法論が完成していき、各人の共通財産として活用できるようになります。これが一人でやるのではなく、チームで共生することの意味です。

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スパイラルアップを実現するためのマインドセット

スパイラルアップ、PDCA、改善などには既に様々な方法論が知れ渡っています。しかし、それを活用できるかどうかは、経営リーダーの心がけ次第です。以下に大事なマインドセットを挙げておきましょう。



現状に満足せず、常に改善の意欲を持つ

当たり前ですが、スパイラルアップを実現するためには、現状に満足することなく、常に改善を求める姿勢が不可欠です。「この程度でいい」と現状肯定的になれば、そこで成長は止まってしまいます。

たとえ些細な改善であっても、常に「もっとよくできる」という意欲を持ち続けることが大切です。現状に疑問を持ち、よりよい方法はないかと問い続ける探究心があれば、必ず改善の糸口が見つかるはずです。

私の師匠のマイケルE.ガーバー氏は、「どんな仕組みでもまだ改善の余地がある」と言っています。不断の改善意欲こそが、スパイラルアップを支える原動力となるのです。

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失敗を恐れず、挑戦を続ける文化を作る

スパイラルアップの過程で、必ず失敗や行き詰まりに直面することがあります。しかし、そこで挫けてしまっては前に進めません。

失敗を恐れず、あくまで挑戦を続ける姿勢が不可欠です。失敗は改善のチャンスであり、そこから教訓を得て次のステップに生かせばよいのです。

例えば新製品開発でつまずいても、そこで開発を止めるのではなく、原因を徹底的に分析し、改善を重ねながらゴールを目指し続けることが大切になります。

このように失敗を恐れず、粘り強く挑戦を続ける精神があれば、いずれはスパイラルアップを実現することができるでしょう。

長期的な目標を持つ

スパイラルアップは時間をかけて徐々に上昇を遂げていくものです。一朝一夕では成し遂げられません。

したがって、会社として長期的な目標を持つことが不可欠となります。短期的な成果にとらわれすぎず、確実に上昇していけば最終的には大きな改善が実現できるという覚悟が必要です。

ゆっくりとでも着実に前進を続ければ、いつかは大きな改革につながるはずです。この長期的な視野を持ち続けることが、スパイラルアップを成し遂げるための重要なマインドセットになります。

このように、現状に満足することなく、失敗を恐れずに挑戦し続け、長期的な視点で改善を重ねるマインドセットが不可欠となります。このマインドがあれば、着実にスパイラルアップを実現することができるでしょう。

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