あなたの会社では定例会議をやっていますか?典型的なものは、週次会議、月次会議、朝礼、または1on1ミーティングなども定例会議といえるでしょう。
これらの定例会議について、「無駄なのでは?」「意味あるの?」というご意見もあるようですので、このサイト「仕組み経営」の見解を解説していきたいと思います。
結論から言いますと、定例会議は仕組み化して運営することで、確実に良い結果が出る、というのが私たちの見解です。
定例会議が無駄だと思える理由
ネット上にも定例会議なんて無駄、という意見が散見されますね。その理由としては、
- 時間の無駄。
- 色々話し合っても、結局何も決まらない。
- ダラダラ長引くだけで時間が読めない。
- 上司や社長の話を聞くだけ。メールやチャットで済ませてほしい。
といったことが挙げられるようです。
私も会社員時代、何度も「こんな会議は無駄だ」と思った経験があります。
しかし、上記のような問題が起こったり、意見が生じるのは、定例会議そのものが悪いわけではなく、”やり方が間違っている”ことがほとんどです。
定例会議で、コミュニケーションの属人化を防ぐ
定例会議反対派の人の意見として特に多いのが、次の2点です。
メールやチャットで済ませてほしい。
わざわざみんなで同じ時間に集まる必要はない。メールやチャットで情報を流せば、いつでも見れるし、時間も削減できる。
定例ではなく、必要な時に話せばいい。
そんなに毎回話すことある?必要な時に、必要なメンバーだけで話せばいいのでは?
この二つの意見、一見、そのとおりに思えますね。私も内容によってはメールやチャットでいいと思いますし、話すことが無い場合には会議を飛ばしてもいいと思います。
一方で、上記のやり方だと大きな問題が生じます。
それはコミュニケーション(情報のやり取り)が属人化する、ということです。
考えてみてほしいのですが、あなたの会社には、いま自分がやっている仕事のことを積極的に周りに共有したり、相談したりするような積極交流派の人もいれば、そうではなく、放っておいたらほとんど話さない人もいませんか?
より具体的に言えば、社内には、
- コミュニケーション積極派:メールやチャットで積極的に情報を共有したり、発言したり、放っておいても他メンバーと話す人
と
- コミュニケーション消極派:メールやチャットでほとんど発言せず、他メンバーとほとんど交流しない人
がいますよね。
上司や社長が積極派だった場合、様々な情報がシェアされますが、一方、上司や社長が消極派だった場合、大事な情報がメンバーに知らされなかったり、知らされるのが遅れたりするわけです。
つまり、組織というのは放っておけば、コミュニケーションが非常に属人化してしまうものなのです。そうなると、”え、そんな話聞いてないよ”という意見が出てきたり、特定の人だけが知っている情報などがはびこるようになり、組織内に不信感が蔓延することになります。
メールやチャットで情報を流すにしても、必ずしも全員が確実に見ているとは限りません。メールやチャットに依存すればするほど、情報が埋もれやすくなりますからね。また、文章力にも差があり、自分の意見や状況を明確に表現できる人もいれば、そうではない人もいます。
というわけで、メールやチャットだけで済ませたり、必要に応じて、という会議の仕方だと最終的に情報の断絶が起こり、組織によからぬ結果が生まれる、というのが私たちの見解です。
定例会議の意味とは?
では、次に定例会議を行う意味についてまとめてみます。
コミュニケーションの属人化を防ぐ
これは先ほど述べた通りで、定例会議を行うことで、知らされるべき情報を確実に知らされるべき人に届けることが出来ます。
全メンバーの意見を結集する
これは定例会議のやり方によりますが、一方通行で情報を流すだけではなく、メンバーからの意見、アイデアを募ることが出来ます。
良く知られている理論として、SECIプロセスというのがあります。これは形式的な知識だけではなく、暗黙知を共有する場を設けることで、組織全体の知識創造を目指すというものです。SECIプロセスを回すためにも、実際に会って話す定例会議が必要になってきます。

経営にリズムを持たせる
定例会議を行うことで経営にリズムが生まれます。経営のリズムとは、考えること、計画すること、実行すること、という経営に必須の活動を仕組み化することです。定例会議を行うことでそれぞれの活動を確実にこなせるようになります。
定例会議の種類、ルール、進め方、アジェンダ(議題)
では定例会議を意味あるものにするためには、どんな進め方、どんなアジェンダ(議題)が必要でしょうか。
定例会議は仕組み化しよう
まず、大前提として、定例会議には仕組み化が必要です。定例会議なので、開催日時を決めるのは当たり前ですが、会議の流れや開催場所、進行役、議事録の取り方、これらを全て仕組み化します。
そして、社内における全ての定例会議はその仕組みに沿って進めることにします。
こうすることで、上司や部署によって、定例会議のやり方がバラバラ、という状態を避けることが出来ます。せっかくコミュニケーションの属人化を避けようと思って定例会議をやっているのに、その会議のやり方が属人化してしまっては意味がありませんよね。
定例会議の種類
まずどんな定例会議を行うのか?を決めましょう。これは各社ごとで決めてもらえればいいと思いますが、私たちのお勧めは以下の通りです。
- 朝礼
- 1on1ミーティング
- 月次ミーティング
- 四半期ミーティング
- 年次ミーティング
ちょっと多いな、と思われるかも知れませんが、ちゃんと時間を区切って、アジェンダも工夫すれば、有意義な時間になるはずです。
ちなみに冒頭でも書きましたが、朝礼と1on1ミーティングのやり方については以下に詳しく載せてますので、合わせてご覧ください。
定例会議のルール
次に定例会議のルールを決めましょう。これはグラウンドルールと呼ぶもので、社内のすべての会議に共通するルールを決めるのが良いと思います。
たとえば、
- 会議に参加する人は全員が発言する
- 最初に会議のゴールを共有する
- 資料は事前に配布しておく
- 会議の終わりには誰が何を、いつまでにやるかを明確化する
などです。このグラウンドルールを設定するだけでも、多くの人が定例会議に感じるストレスを減らせるはずです。
定例会議の進め方
会議には、ファシリテーター役(進行役)を設けるようにしましょう。出来れば上司や社長以外の人にします。なぜならば、上司や社長は、自分の意見を通そうとしてしまう傾向があるからです(もちろん人によりますが)。
世の中にはファシリテーションの仕方を教えてくれる講座なんかもあったりしますが、そのようなものに参加しなくても、基本的なことさえ押さえていれば大丈夫です。
ファシリテーター役の基本的な役割は次の通りです。
- タイムキーパーとして時間通りに進める。
- 全員から意見を引き出す。
- 意見をまとめ、議論を結論へ導く。
定例会議のアジェンダ(議題)
最後にアジェンダ(議題)です。これも各社ごとに工夫していただければと良いと思います。
たとえば、次のようなものがあります。
コアバリューの共有
コアバリューを体現するような出来事や考えを共有します。(コアバリューじゃなくても、各社ごとに理念を象徴するような事柄を共有します)
目標への進捗状況
目標に対する進捗を確認し、次への行動を話し合います。
部/課によるブレゼンテーション
責任者がうまく進んでいること、スタック(停滞)していることを共有し、他チームや経営陣からのサポートが必要なことを特定します。
教育
特定のスキルや知識に関するトレーニングを行います。主には扱う議題が少なく、時間に余裕があるときに行います。
キャリアやプライベート
仕事以外の面での成長目標や課題について話し合います。
まとめ:定例会議は仕組みで運用
以上、仕組み経営で推奨している定例会議の進め方ややり方についてご紹介してきました。これに沿っていただければ、定例会議は意味がないものではなく、会社を前に進めるために非常に役立つものだと考えられると思います。
定例会議に限らず、会社で行われる仕事はすべて仕組み化できます。仕組み化することで、属人性を排除し、社長があれこれ指示しなくても成長する会社が出来ます。仕組み経営では”属人経営から脱却し、仕組みで成長する会社作り”を支援していますので、ぜひ以下から詳細をご覧ください。